2012年12月28日金曜日

Tom Brady @ New England Patriots WEEK15


今シーズンのNFLも終盤を迎え、プレーオフ進出争いが激化してきています。
BS放送が一部受信できるので、今年は自宅でアメフトの試合が見られるのですが、最近見たゲームの中で特に面白かったのが第15週のマンデーナイト、New England Patriots vs SanFrancisco 49ersのカード。

以前もこのブログで紹介したように記憶していますが、ペイトリオッツのQBブレイディがものすごい気迫を見せ、QBのプロフェッショナリズムのようなものが垣間見えた試合でした。
49ersのディフェンスも素晴らしいのだけれども、ボールセット後相手ディフェンスの位置を瞬時に把握し、オーディブルでプレイを変更したり、時に自らスニークしたり、とにかく前へ進むことに対する鬼気迫る意志が見えるドライブが続き、28点差を追いついた試合でした。このまま逆転かと思った第4Qに惜しくも追加点を取られ、試合には負けてしまったペイトリオッツでしたが、オフェンス陣の意志・雰囲気たるや、一ファンをすっかり魅了する内容でした。

2012年12月26日水曜日

ウェイとかバリューとか


WayとかValueといったことが組織運営では以前から語られている。
理念とか目的といった日本語と完全に対応するわけではないのだけれども、達成すべき数値目標よりも高位に位置する組織の行動原理のようなものを指して使うようである。

先日もメモ程度に書き込みをしたが、
http://iyokiyeha.blogspot.jp/2012/12/blog-post_15.html
○2012年12月15日投稿:大きな目標でつながっていく
上っ面だけの「連携」という言葉でまとめていくのではなく、もっと大きなものを共有して、その上でそれぞれが特技や専門性を発揮することによって、自然とつながっていく。そんなものはシナジーとか先駆的事例でもなんでもなく、ごくあたりまえに行っている業務上の連携に過ぎない。

先日心理職の友人と一献の席で話しながら思ったことや、ここのところの仕事に対する違和感をあえて言葉にすると、このWayとかValueといったものの不在である。
例えば「ウェイ Way」とは、コトバンクによると、
・組織及びその組織で働く従業員が全員で共有し、いかなる行動を起こす場合においても基準となる、企業全体で持つべき共通の価値観の総称。「企業理念」「行動指針」「ビジョン」「ミッション」等がこれに相当する。
・個々の従業員の「思考」「解釈」「判断」「行動」「成果」等、「インプット」「スループット」「アウトプット」のどの場面においても基準となる価値観であり、人材マネジメントの根幹とも言える概念である。
と説明されている。

今の所属のそれはシンプルで、様々な事業はあるにせよ、突き詰めていけば
「働く意欲のあるすべての人々が能力を発揮し、年齢や障害の有無にかかわらず安心して働ける社会の実現」
にあるわけで、すべての事業や日常業務にすべからく浸透していなければならない。

・・・これだけでいいと思うんだけどなぁ・・・と思ってしまうことの多い今の職場でした。

2012年12月17日月曜日

民意と責任

320を超えましたか。法案再可決ができてしまうのではないか?
もう少しこじれるのかもしれないと思っていたのですが、野田首相の采配の成果か、第三極も決定打が出ないまま自民党政権になりますね。

決まったことですからとやかく言うのではなく、次の政権がやることをきちんと注視することが国民としての責任ですね。

2012年12月15日土曜日

選挙戦に思う

昨日の新聞に「自民300超え」なんて文字が舞っていました。

・・・
・・・・・・
・・・・・・
ホント?

先の政権交代の時にもうっすら感じていて、今回も切に感じるのだけれども、少なくとも私の周りで「投票しよう」という人は極少数で増えているようには思えません。
なんであんな予測が成り立つのかなぁ、と不思議です。
まぁ、現政権がちょいと頼りなかったのでしょうけれども。

ただ、各党のマニフェストを眺めてみて思うこと。
・原発を止めるには、私のような外野が思っているよりももっとがんじがらめなしがらみがありそうだということ
・景気、経済対策なんかは、はっきりいって内容がわからないこと
・子育て支援の本質は大人の働き方にあるということが全然連動していないこと
・教育を語れる政治家がいないということ

は、今回よ~くわかりました。
政治は、国防・経済・社会保障・教育の方針をきちんと作ってください。
自民党がどさくさにまぎれていろんなことを盛り込んできているようなので、こんなところには絶対入れないですが、かといって自分の立場に合致する政党がないのも事実。維新なんて論外。

こういうときには出馬する、というのが民主主義の原点ですが(笑)
さて、明日はどうしようかなぁ・・・

大きな目標でつながっていく

職場でも何でもそうだけど「連携」を強調する公の職員はあんまりアテになりません。
なんていうと「Iyokiyehaさんもそうじゃないか」と反論されそうですが、反論は真っ向勝負しますのでいつでもどうぞ。
なんていうか、私の言いたいのは、本当に大切なところが見抜けていないにもかかわらず言葉だけ、上っ面だけの「連携」を連呼している人がいると、何だかイライラしちゃいます。
足りないところを補って、それぞれがプロ意識をもって必要な情報を共有して、信頼して任せる。
任せるためには何が必要かというと、手法やら細かいことはおいておいても全体的な方向性が間違わないことで、一つ一つの関わり方なんてのは、はっきり言ってどうでもいいこと。

その部分を「任せる」られるようにするには、やはり目標とか理念とかそういう大きな行き先をいかに共有できるかということにかかっているように思います。
コーディネーターの役割も担っていかなければならないのであれば、この点きちんと詰められるようにしないといかんと思うこの頃でした。

2012年12月14日金曜日

音楽会

昨日、娘の幼稚園で行われた音楽会に行ってきました。
もちろん、仕事は休みました。こういう行事で仕事を休むことについては東京在勤時代からですが、個人的にはいいものです。会社でどう評価されているかは知りませんし、気にしません。

本題。
子どもの成長ってすごいなぁと実感しました。
娘は年少さん。年少さんに楽器使わせて何とか演奏に仕立て上げる先生方の尽力はさることながら、昨年は緊張して突っ立っていた娘も舞台で役割を全うしようとする姿にちょっぴり感動。
そして、年長さんの歌や演奏がやっぱり上手くなるもんだなぁと改めて感心させられました。

幼稚園行くのって、結構楽しいですね(笑)

藤井純一『地域密着が成功の鍵!日本一のチームを作る』ダイヤモンド社、2011年。


 プロ野球北海道日本ハムファイターズとJリーグセレッソ大阪の二つのチームを率いて、それぞれを再生・変貌させてきた名物社長によるマネジメントの記録。
 プロスポーツの中にあって、選手でも監督でもない立場でチームを率いることと、やってきたことの内容や失敗談、そして裏話など、どのエピソードをとっても非常に面白い。野球にもサッカーにも興味がそれほどない私でも非常に楽しめてかつ非常に勉強となった一冊でした。

 地域をリサーチしマーケティングを怠らないこと、モチベーション維持も重要だが役割の原点に返ること、サービス精神を根本から問い直していくことなど、スポーツビジネスに限らず、組織を率いるもしくは組織の中で活動する誰にも響く内容だと思います。

2012年12月10日月曜日

珍生活再び

カミさんが近所のドラッグストアで仕事をすることになり、月曜日と水曜日というノー残業デーは定時あがりをしたいIyokiyehaです。
しかし、人の習慣というのは恐ろしいもので、いつも遅くまで(といっても、今は至って健康的な生活ですが)職場に残っているという印象をつけてしまうと、時間外に職場の方々がやってくるのが半ば癖になっているのではなかろうかと。なかなか帰られず、結果猛ダッシュで自転車をこがなければならないんですね。

今日は子どもたちを風呂に入れていたら娘が突然嘔吐し、息子がそれにつられて泣く。一度吐いたらケロっとしている娘に対し、息子は力いっぱい大きな声を出して泣くので、マンション中に響いていそうな風呂場に男一人。まぁ、、いろいろあります。いちいち怒りたくないのだけれども、つい「こらっ!」と言ってしまう自分もあり、ふりかえって自己嫌悪です。

落下傘がきた

今回の選挙戦、私の主義主張を代弁してくれる政党がいないのが残念です。こういうときには自ら出馬できる、というのが民主主義の原則ですが、まぁそれはそれ。

かろうじて「みんなの党」がかすっている感じなのだろうが、選挙戦が始まってもちょっと立場を定めきれずにいます。
報道も自民党優勢で論陣張っているような気がするし、何が信用に足るかよくわからなくなってきています。
先日公開討論会に参加してきたのだけれども、わかるようなよくわからないような・・・と思っていたら公示後新しい人が加わっていました。落下傘候補というのは、こういうものなのですね。
後一週間、しっかり見届けないといかんですね。

【AudioBook】河邑厚徳、グループ現代『エンデの遺言―「根源からお金を問うこと」』


 地域通貨の本来の意味、エンデが言及した貨幣経済の見え方。アメリカの事例など、夢物語のようにも感じていた地域通貨が、豊かな実践を伴うものであることを知ることができた。お金の機能は交換だけでなく「保存」できること、劣化しないことが特徴であり、現在の貨幣経済を成り立たせてしまっている機能であるともいえる(交換だけであれば、金融商品等成立しないものはたくさんある)。
 ミヒャエル・エンデは小説『モモ』が世界的に有名な著者であるが、『モモ』も含め、晩年はこうした貨幣経済に傾倒した論述や作品、発言で有名だったとのこと。改めて見直す必要のある作品であると感じた。

【AudioBook】安宅和人『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」』


 思索を深めたり、課題を解決したり、企画立案をする時に最も大切なことは、「問いが適切かどうかを見定める」ことである。「とりあえず資料を収集する」のではなく、答えるべき解を問い直すことを繰り返し説く。良質なアウトプットのために必要な問いとは何か。本質を突く思考の流れとはどういうものかを考えさせる一冊。
 書籍購入に至りました。

【AudioBook】松本幸夫『仕事が10倍速くなるすごい!法―誰でもできるのに、なかなか「実行」されていない』


 あたりまえのことだけれども、改めて学ぶことの多い内容でした。アウトプットを速くして複数の視点をとりいれた上でまとめていく方が効率がいいなど、自分の仕事の質を向上させるためのアイデアがこれでもかと紹介されています。時間管理やアウトプットの考え方(100%はありえないこと)、人をよく巻き込んでいくことの考え方や方法など、今日から使える一冊です。

【AudioBook】小山龍介『STUDY HACKS!』


 聞けばなるほどと思う発見や、わかっているけどできていない効率向上のコツの紹介と、習慣化する方法に関するヒントが満載でした。
 試験を含む勉強(学び)のコツは、今やっていることに直ぐ役立つ方法だと思います。時間に制約のある中で勉強を継続し、望む知識を身につけるための大技・小技が満載でした。

2012年12月6日木曜日

相手の頭の中に着火する

先日のSST研修もそうだったのだけれども、期待していた内容を得られただけでは「へぇ~」と思ったところで、知識量が一つ増えるといった程度にしかならないように思う。
本当にワクワクしてきて、行動が変わる瞬間っていうのは、刺激は何であれ、自分の中で「ピピピッ」と何かが起こって、脳神経で言えばシナプスの接続がピピピッって促進される瞬間なのだと思う。
立場を変えると、相手の思考や行動に働きかけをするといったときには、相手の頭の中で何らかの「ピピピッ」を起こすことが求められる。私が仕事の中で「相手を口説く」というときの相手の頭の中に起こしたい反応というのはこういうことなんだろう。

方法としてはまた整理したいが、一つは「期待・必要としている情報を与え、頭がオープンになった箇所をついて大量の情報を流し込む」といったイメージか。
・・・と考えたら、洗脳や催眠といった手法にも似ているのかなと思った。あはは~
結論でないから、今日はここまで。

小林よしのり『ゴーマニズム宣言SPECIAL 脱原発論』小学館、2012年。


原発に関する「ゴー宣」。一貫して脱原発のスタンスで書き切っている。
様々な論客の発言に関する評価もさることながら、百歩譲ってその点を黙認したとしても、私が衝撃を受けたのは原発に関する技術的なこと。
福島第一原発4号機の状態というのも発表や報道を追っているだけではなかなかわからないもの(「ダモクレスの剣」より)であることや、廃炉にかかる費用と時間(「廃炉、核廃棄物10万年の負の遺産」より)に関しては、単に「へぇ~」という知識というよりも、論理的に「こんなもの後世に残しちゃいけない」と思った内容でした。
小林氏の作品はいつも豊富な資料を基に描かれている。当然ある立場に立っての論調(氏は「自分は漫画家」といっているが)なので、本来は一つ一つの裏をとっていく作業が必要なのかもしれないが、細部がどうあったにせよ、全体を通じてやってくる内容を読んだら、とても「原発推進」とはいえない。これは大人の責任なんだと思う。

私は反原発です。今は衆院選かな。

2012年12月4日火曜日

SSTと「段階」

人によっては「今更ですか?」と言われるかもしれませんが、昨日から勤務先でSSTの中級研修を受講しています。
出合った頃は懐疑的だったSST、グループワーク、認知行動療法などですが、実践を重ねれば重ねる程、予期せぬ変化が見えたりして、非常に面白い。東京在勤時代にはじっくり取り組むようなことはなかったのだけれども、所沢へ異動してきてからは手を上げればそういった取り組みに参加できるのは非常にありがたくもあり、改めて勉強するいいきっかけになる。

A「○○さんこんにちは。素敵な色のシャツですね~」
B「ありがとうございます。あなたのも素敵ですよ、どこで買ったんですか?」
講師「どこで買ったんですか?と切り返すと、一つ段階があがりますね。そこまでにしましょう」

といったスモールステップかつリーダーを目指す人向けの丁寧に細分化された内容で、普段私が意識していなかったことにも目が向くいい研修でした。
「小さな課題」「行動を変えてみる」「一度にあれこれとりくまない」など、今までにおそらく何度も聞いていることなんだけれども、意識して改めて話を聞くとこれまでの経験とがピピピっとつながっていろんなことが集約されて新しいことに気づくような、いい研修でした。

あふれるくらいに情報を得ると、頭がひとりでに学びだすような感覚がありました。

2012年11月20日火曜日

堀込泰三『子育て主夫青春物語 「東大卒」より家族が大事』言視舎、2012年。


長男誕生時に2年の育児休業を取得し、その後「主夫」に転身し翻訳家として在宅勤務をしながら二児の子育て中の堀込氏によるここ数年の記録とエッセイ。
一見派手に見える堀込氏の生き方・考え方に、父親としてあるいは家族とともに生活する上で「大切なこと」がちりばめられているように感じた。

私も専業主婦家庭にあって第二子誕生時に育児休業をとった経験者です。私の場合は、頭のネジが多少緩んでいることもあり(笑)、それほど心ないことを言われた経験はないのですが(言われていたのかもしれないけど・・・)、「すごいですね」とか「いいことですよね」と言われる度に感じることは、いわゆる普通の家庭にあって普通の子育てをすることが、いかに大変なことであるか、そしていわゆる「モデル家庭(厚労省とかが制度設計の基本として考える)」にあって育児休業取得のハードルがいかに高いのかといったことでした。
このことは今でも考えていることですが、やはり賃金補償の面が一番のハードルだと思います。

イクメン的な書籍を幾つか読んでいて感じることは、誰も育児休業取得そのものを賞賛していないことだったりします。私も同感ですが、数値目標として男性の育児休業取得率なんて数字が独り歩きするととかく育児休業をとればいいといった発想になってしまいそうですが、休業は選択肢の一つであって、大切なことは仕事生活と家庭生活のバランスをどうとっていくかということ、真の意味でのワークライフバランスなのだと今ならはっきりと言えます。

そこへきて堀込氏の本著は、逆単身赴任や退職、そしてフリーランスへと、一見派手にも見える生活の激変ですが、その根底に流れていることは家庭賞賛でも職場批判でもなく、一人の父親が自らのキャリアと家庭に真っ向勝負し、その時々で最良の判断を繰り返したということに尽きるのだと思います。
様々なニーズをすべて叶えられることは、人生においてほとんどないわけで、何を捨てるのか、捨てられないと思っているものを縛っているものは何か、ということを痛烈に考えさせられる一冊でした。軽快な語り口で非常に読みやすいのも堀込氏の人柄がでているのではないかと。

2012年11月6日火曜日

生活に彩りを -カクテル熱再びー


所沢へ引っ越してから、子育てにバタバタしつつも自宅で過ごす時間が増え何かまた好きなことでもやってみようという気にはなっていたのだけれども、そんな折新所沢にいいバーを見つけたり、iPhoneのアプリでBar Oasisなるものを見つけたり、部屋を片付けていたらシェーカーが出てきたりと、何だか様々なきっかけが重なったこともあり、飲み物作りに少しハマっていたりします。とはいえ、材料をイチから全部取り揃えるだけのお小遣いもないので、まずはできるところから、簡単なカクテルを食事の時にサッと作るなんてことをやっています。
Wine coolerは手軽で晩酌向き、Gin Fizzは少し甘めが好み、Shirley Templeならカミさんでも飲める、など、相変わらず自分で作るのはスタンダードなものばかりですが、ちょっと工夫するとすごく自分好みの味になるので結構楽しい。少し混ぜ物するだけで飲み物は様々な表情を見せてくれます。

ほんのちょっとしたことですが、ちょっとした生活のアクセントになっています。

中王子みのり『Hi!みのり』これから出版、2012年。


私の古巣「浜松NPOネットワークセンター(N-Pocket)」との関わりの中で、お名前は伺っていたのですがまだお会いしたことのない中王子さん。夏休みにN-Pocketの事務所へ家族連れて行ったときに「みのりさんが本出したのよ~」と聞き、その場で購入。
全盲と下肢麻痺のハンデがある中王子さんが、2006年に参加したニューヨークシティマラソン前後の経緯であるとか、学生時代などを振り返って思うところ、普段の生活で素朴に感じていることを綴っているエッセイです。

この本を読んでいる時にたまたま全盲の方の介助をする機会があったのですが、頭では分かっていることもやってみると意外とできないものだなと実感させられた経験でした。振り返ってみれば珍道中なのですが、改札で「iyokiyehaさん、どこにいますか?」といわれてしまったり、そもそも私が初めての経路だったので、途中まで「iyokiyehaさん右です、右」と案内してもらったりと、何ともまぁ情けない限りで。
普段は気にならない電車での他の人の振舞いも、介助中となれば話は別。白杖持った人がいるのに優先席にどっかりと座っている若者に憤りを覚える場面もあり。
ただ、憤りと併せて「(目の不自由な人は白い杖を使うことを)知らない」ことが、差別的ともいえるような行動(あるいは気づかない)となってしまうのかもしれないと感じたのも事実です。
みのりさんのエピソードの多くも、1.「目が不自由な人である」ことがわからない、2.見えないことにより「困っていること」がわからない、3.頭でわかっていても「うまく手助けできない」といったことが様々な場面で起こっていることをそのまま記してくださっており、「あるある」とうなずくことも「なるほど~」と思わずうなってしまう箇所もありました。私のような仕事をしていてもまだまだ知らないことがあるわけですから、普段障害のある方と接する機会のない方にとっては目からウロコの内容かもしれません。

このような社会のバリアに関する鋭い視線もありながら、中王子みのりさんという積極的な人がニューヨークシティマラソンに参加するなど、前向きなエピソードも満載でした。元気になる一冊

2012年11月1日木曜日

理屈と現実 現場に流れるエネルギーみたいなもの

物事の要らないものを捨てていくと本質が見えてくる、なんてことが言われます。だけど、現場第一線で大切なものって意外とその周辺を流れているものだったりすることってありませんか?

先日のiPS細胞研究の山中教授が「基礎研究が重要」といったコメントをしていたことも記憶に新しいですが、世に出るものは確かに純化されてシンプルであることが求められます。だからこの件を否定するわけではない。

私が仕事としている職業相談なんてものも、限りなくシンプルにしていったらもっと効率よくできると思います。
「はい、応募しろ、いけー」
「辞める?わかった、言ってこーい」
「困った?何とかなるよ、がんばれ」
最近目の前で繰り広げられている対応の一部で、私は若干腹が立っていることもあるのですが、個別事情はさておき。
昨日、仕事を辞めようかどうしようかと迷っているクライアントさんと2時間近く話しをしました。

結論は、辞めるか短時間・短期間で続けるか、ということで、相談初めて5分くらいで聞き取っていた内容に落ち着いたのですが、その後はこの結論に至るこれまでの人生やその自分なりの評価、ここ1~2年の状況やお世話になった人のこと、あるいは未来志向の夢や希望など、言葉は様々ですが「いろいろと」「長々と」「延々と」「詳細に」話を聞いていました。
すると不思議なもので、「仕事をやめる」というクライアントさんの結論が膨大な感情に支えられて表出してきたものなのだな、ということがよくわかってきて、更に夢や希望から逆算していくとなるほど今の仕事を続けることのメリットって何になるのかな?と率直に考えさせられました。

調子を崩して職場に対していろんな要求がでてきた状態で、企業側はその要求を飲んで動こうとしている矢先の出来事ですから、本来は施設改善の対応を評価して継続勤務、なんていう大人な対応が一般的だと思うのですが、ここまで話を聞いた以上、私の元々のスタンスは大きく揺らいでしまいました。

流されているのかなぁ・・・と思いつつ、迷いながらもIyokiyehaなりのプライドでスタンスを定めたところです。
でも、クライアントさんの成育歴とその評価や夢や希望まで様々聞いて揺らぎない方針に整理できているので、企業との調整も(頭葉痛いけど)やりやすいと思うのは私だけでしょうか。

余計なこと=結論以外の2時間の相談、とすれば私がやっていることは「=無駄なこと」になるのでしょうが、なんとなく無駄になった気がしないんですよね。自己満足かもしれないけど。

2012年9月24日月曜日

NHK「プロフェッショナル」制作班『松本人志 仕事の流儀』ヨシモトブックス、2011年。

表題「NHKプロフェッショナル仕事の流儀」で、ダウンタウン松本人志をテーマとした放送回がありましたが、その際の取材内容の内番組放送から漏れてしまった箇所を再編集したもの。

本気でお笑いを極めようとしている姿勢は、番組を観ていても伝わるものがあるわけですが、その仕事はどのようにして作られているのかが垣間見える一冊。

印象的だったのは、
・アウェーの仲で観客を笑わせるときのドキドキ感
・仕切りのうまい人の条件は「踏ん切りの強い」人、無駄なものをきっぱり切り捨てられる人間
と語った箇所。

一見軽く見えてしまいがちな「お笑い」。しかし、ここには人が笑うことにプライドをかけて挑戦していく人の姿がありました。非常に読みやすい一冊。

長野伸江『この甲斐性なし!と言われるとツラい 日本語は悪態・罵声語が面白い』光文社新書、2012年。

洋画を字幕で観ていると「こんな表現するのか」と思うことがありますが、日本語にもいろんな表現があります。本著は日本語の悪態や罵声の時に使われる(ことのある)日本語について、その意味を古典から検討している。

目次だけ見ても、
・バカヤロー
・ブスとババアと淫乱と
・弱くてくさいは甲斐性なし
・犬は畜生、猫は泥棒
・鼻くそほじって、クソ食らえ
といったように、お行儀のよろしくない表現が満載です。

全体的なトーンとして、大変誠実に言葉の意味を探っているのだけれども、そのため少々歯切れの悪い箇所が目立つ。読み物としてというよりも、きちんと日本語を勉強するための一冊として読んだほうがいいように思う。それだけ丁寧に言葉を検討している、ということなのだけれども。

2012年9月23日日曜日

柏木恵子『父親になる、父親をする』岩波ブックレット、2011年。

最近は幽霊会員ですが、活動に賛同して会員になっているNPO法人Fathering JapanのMLで紹介されていた書籍。

NPO法人Fathering Japan

帯に「『イクメン』をブームで終わらせないために」と書かれているのですが、感情論ではなく心理学的な視点から父親の育児参加に関する現状と、母親の育児不安軽減および子どもの育ちの傾向について豊富なデータからシンプルに結論を導き出しています。

女性とは違い、男性は子どもの出生から「父親」になるわけではないこと。日本は男性の育児参加量が諸外国と比べかなり少ないこと。複数の人が育児参加する(アロマザリング)ことによって、子どもは多様な考え方、行動を学ぶ機会となることなど、「こう思う」のレベルから「こういう傾向がある」という段階へ認識を改めるのに適した一冊です。

子を持つ男性が、「もう一人の子ども」ではなく「父親」となり、父親をするきっかけとなる一冊。男性だけでなく、出産前後問わず女性にも読んでもらいたい書籍です。
何だか、この手のイベントや講習なんかで教科書に使えそうですね。

延髄反射のごとく暴言

雨が続きますね。
身体が動かせず悶々としてしまっているIyokiyehaです。
無料で身体を動かす自主トレ組にとって、雨はストレッサーにもなりそうです。

さて、落ち着いてきたので先週の話。
上司に暴言吐きました。以下やりとりです。

A 今日はいろいろあるので(定例の)打ち合わせはなし
I ○○さん、知っているんですか?
A 知らね
I 「知らねぇ」じゃねぇだろ

Aは上司、Iが私です。
目撃証言によれば、目つきはかなり怖かったらしく、このやりとりの後私が内線をとろうとしたら、すごすごとAが内線をかけていました。
この「知らね」の言い方が、軽く、いい加減で、大変癇に障る言い方だったので、次の瞬間暴言を吐いてしまいました。

立場上、すべきでないことをしたことについては素直に反省。週末かけてようやく反省したのですが、まぁ周囲からも自分としても「よく言った」というのが本音だったりします。
よくないですね、でも今の職場のストレッサーで純粋な仕事を除けばこのAが諸悪の根源だったりします。どうしたもんでしょうか・・・

2012年9月20日木曜日

Gin Fizz

何だかバタバタして、職場内を走り回っていたら「廊下を走るな~」と上司から言われたIyokiyehaです。学校??か?ちなみに黒光りする小さな6本足が廊下の隅を走っていたのですが、あまり気にしないようにします。

さて、昨日の仕事がすべて後ろ向き(就職うんぬんではなく、欠席が多い、やる気がない、とか)な指導を繰り返したため、すっかりエネルギーが枯渇してしまったようで、帰り道「仕事がつまらん」という考えに頭を支配されてしまいました。
こうなると完全に後ろ向き思考になり、なかなか思考のドツボから抜け出せず、子どもを寝かしつけながら寝てしまったらきっと明日の朝も気分悪いだろうなぁと。

そんな時にふと頭をよぎったのがGin Fizzというカクテル。私にとって思い出のカクテルの一つなのですが、思い立ったら飲みたくなって、夜な夜なスーパーへドライジンを買いに。
何年かぶりにシェーカーを出して作ってみましたが、分量もダメ、シェークもダメ、よって味もめちゃくちゃでしたが、そんなできそこないのGin Fizzを飲んだらちょっとだけ気持ちが緩みました。

今日はどうなるかな~

2012年9月3日月曜日

【AudioBook】NHKプロジェクトX制作班編『プロジェクトX挑戦者たち〈1〉執念の逆転劇』NHK出版、2003年。

NHKプロジェクトX制作班編『プロジェクトX挑戦者たち〈1〉執念の逆転劇』NHK出版、2003年。AudioBookは2011年。

以前NHKで放送されていた「プロジェクトX」の書籍版を音声化したもの。Febeで配信されています。
書籍版を読んだことがあったのですが、音声版で聴いてみるとまた異なる雰囲気があり新鮮でした。

富士山山頂に気象レーダーを設置するエピソード、世界企画VHS誕生の物語、青函トンネル工事など、新しい試みには官民問わず必ず未来を見据えた前向きに努力し続ける人達がいたのだと実感できる。
俗に言う「天才」が世の中を牽引するというわけではなく、ある組織、ある企業に在籍する他の人よりちょっと未来を見据えた人が突飛な考えを語りながら地道な努力をし続けた結果、世界に誇るものができあがったのだといっても過言ではないだろう。

終戦直後から高度経済成長期までの、産業・文化等のさまざまな分野において、製品開発プロジェクトなどが直面した難問を、どのように克服し成功に至ったかを紹介するドキュメントと紹介されており、その過程で活躍した(当時)一サラリーマンなど、いわゆる「無名な人」の語りで構成されている内容が非常に面白く、現実的で、迫力のある描写となっている。

内容が秀逸であるため、AudioBookならではのよさというところには至らないが、番組とともに間違いなく名著となるコンテンツだと思う。

2012年8月27日月曜日

理想の宣伝

娘を連れてスーパーへ行った時の出来事。娘が「オナラした~」なんて言うもんだから、「お外でオナラするんじゃない、お尻をキュッとして我慢せい」などというどうでもいいやりとり。娘がゲラゲラ笑うもんだから調子に乗って何度も「キュッ」とやって大盛り上がりしていたら、すぐ近くにいた売り子のお姉さんが金麦片手に苦笑いしていました。

完全な余談でした。

先日、外出から戻ってきた私の机上に1枚のメモ。見知らぬ会社の見知らぬ方から私宛に電話があったことを伝えるものでしたが、どうしても会社の名前に聞き覚えがないものですから、メモの発信者に質問する。
Q「これ、新規ですよね?」
A「だと思うんですが、Iyokiyehaさん宛でしたよ。何だか名前を知っておられたようで・・・」

こういうことは珍しくないので、特に気にしていなかったのですがちょっとだけ気になり、折り返しの電話の際に経路について質問してみたところ、東京在勤時に支援先だった企業の担当者経由で私の名前と連絡先、それに「困ったら連絡したら相談に乗ってくれるよ」というコメント付きで紹介してくれていたとのこと。

兼ねてから、こういう仕事の一番の宣伝は企業間の情報網に乗っかること、と思っている自分にとってこの一件は心動かされる出来事でした。

先週、ちょっとうれしかったこと、でした。

2012年8月24日金曜日

待ちの姿勢はザルで砂金をすくうようなこと

仕事をしていて以前から感じていたことだけれども、障害者雇用の現場において

企業:軽度身体障害者を希望
利用者:精神障害者、発達障害者が多数

といったミスマッチが恒常的に発生している。
このことは、ハローワークの窓口相談件数や福祉機関や就労支援機関の利用者層から言えることだし、毎年の6・1調査結果からも明らかになっているといえる。

ただし、企業の雇用支援をやっていると「それでも身体障害者」というニーズがあることもまた事実である。

私は、企業のこの姿勢そのものは否定されるべきことではないことと思っているが、ただこういった姿勢を堅持すると、思い通りに「雇用率」を上昇させることは難しい。
最近、上記統計から「ニーズに合う人は統計的にも大変少ないですよ~」という話をした上でハイレベル求人と職域開発求人を並列で出してもらうような形に誘導する。Iyokiyehaの腕の見せ所です。

結局、ハイレベル求人を提出していい人が来るのを待つ姿勢というのは、ザルを買って近所の川で砂金をすくうようなものでしかないといえる。コストはザル代、近所の川へ行く交通費程度で、ザルを動かすのはそれほど肉体的にも負担がない、ただしすくえる砂金なんかしれたもの。ハイレベル求人を金とするならば、待ちの姿勢はこういったことであることを端的に伝えられるとまた変わるのかと思う。
では鉱脈はどこにあるのか?いい鉱脈は人が入っていないところにあるから、そこへ行くためのコスト、鉱石を切り出す道具が要る、労働力が要る。必要があるのなら準備を促し鉱脈へ案内していくのが雇用支援のイメージなんだろうなと。

そんなことを考えながら、書留を出しにいった昨日の昼間でした。

2012年8月18日土曜日

村上春樹『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』新潮文庫、2002年。

ウィスキーが飲みたくなる、シングルモルト・スコッチの魅力が、村上春樹の静かな表現で身体に染みてくる。現地の素敵な写真とともに、まるで小説のような流れを感じる紀行文。何度も読み返したくなる一冊。

2012年8月13日月曜日

中西貴之『からだビックリ!薬はこうしてやっと効く -苦労多きからだの中の薬物動態』技術評論社、2009年。


宇部興産医薬研究所で働く著者が、多くの人の体内で起こっている薬の動向(薬物動態)について説明している一般書。
仕事でも自分のことでも、体調が悪い時に薬を飲むとそれは体内でどのように働くのかということを知りたくて読んでみた。効き方が分からなければ、副作用がどうして起こるのかということもよくわからないし、仕事で抗精神薬や抗うつ剤の勉強をすることがあるが、経口薬がなぜ脳に効くのかという疑問が本書を手に取ったきっかけ。以前読んだ本だが、再読。

薬剤研究をする人が書いた一般書ということでおそらく専門的な言葉を噛み砕いてわかりやすい説明に徹して書かれた本だと思う。辞書や参考書がなくても読破できた。
全体を通して語られていることは、薬をいかに体内に吸収させるかということと、吸収された薬がいかに薬物代謝のしくみをすりぬけて患部に到達させるかということに苦心していることである。普段何気なく飲んだり貼ったりして使っている薬の開発過程には、こうした仕組みを熟知してすり抜けたり、熟知した上でその作用を利用するなどの知恵比べが繰り広げられていると感じた。
薬の開発もさることながら、幾重にもわたり身体を守るしくみを持つヒトの身体(自分の身体も含まれるが)に感心したのはいうまでもない。


(以下、Tweet)

宇部興産医薬研究所で働く著者が、多くの人の体内で起こっている薬の動向(薬物動態)について説明している一般書。イラストやたとえ話が豊富で非常にわかりやすく薬物動態の基礎の基礎(なのだろう)が説明されている。

適用経路:薬の投与方法は効果を期待する場所と薬の目的による。経口投与の場合には主に小腸から体内に九州される。小腸を取り囲む血管に入り肝臓に達する。シトクロムP450という薬物代謝酵素が薬を別の形にしたり分解する。
ADME:薬物動態学の4つのキーワード。Absorption吸収、Distribution分布、Metabolism代謝、Exclusion排泄。

吸収:消化管の内側は身体の「外側」になる。体外から体内に薬を吸収するためには工夫が要る(次以降)。胃:酸性で分解、小腸:(十二指腸→空腸→回腸)十二指腸は物質を選別する。大腸:直腸付近は直接投与すれば吸収されやすい。
吸収(トランスポーター):SLCとABC。細胞膜を通過しにくい物質を効率よく体内に取り込んだり(SLC)、逆に進入してしまった有害物質を細胞外に排出する(ABC)ためのしくみ。腎臓は1日原尿180Lをろ過する。
吸収(排出):ABCトランスポーターP-gp(P-糖タンパク質)。消化管に存在し有害物質を体内から体外に排出する。血液脳関門(BBB)にも多く存在。神経細胞にも存在し、アルツハイマー病はコリンのトランスポーター異常。

分布:薬は血液中タンパク質と結合して安定する。しかし、タンパク質と結合していると細胞内に入り込むことができず(分子が大きくなる)薬の効果がなくなる(タンパク結合率)。タンパク結合した薬は、肝臓での分解を避けることも。

代謝:酵素の反応で薬が別の形に変えられてしまう反応のこと。代表はシトクロムP450。働きは個人差が大きく遺伝子配列や、遺伝子の活動を制御する転写因子の機能レベルの違いによる。グレープフルーツジュースによる代謝妨害。

排出:腎臓の機能「糸球体ろ過」と「尿細管分泌」。糸球体ろ過は血液中から不要な物質を分子量によって尿中に排出する。尿細管分泌はろ過によって排出された水分を再吸収する際トランスポーターの機能により再吸収する。
排出2:肝臓と胆汁。小腸から吸収された薬は肝臓へ移動する。一部は肝臓の代謝をすり抜け血液循環と共に全身へ。一部はグルクロン酸と結合し胆汁と共に小腸へ戻る。一部は結合したまま糞便中へ排泄。一部は細菌の働きで再吸収される。

薬物相互作用と酵素誘導:ある薬が肝臓の働きを抑制し別の薬の代謝を邪魔したり、臓器吸収時にトランスポーターを占有し一方の薬が吸収されなかったり、血中濃度があがるなど。また代謝酵素を増強し他の薬が代謝されて効きが悪くなる。

飲み方:食前・食後・食間。基本的には食物を摂取した後の方が、消化管が活性化されており薬の吸収もよくなる。アルカリ性では溶けにくい薬の場合は、食事をすることで胃がアルカリ性になるため吸収が悪い。コーラはCO2、牛乳は油分等。

アルコール:アルコール脱水素酵素とシトクロムP450のどちらがアルコール分解に関わっているかにより異なる。前者の場合はアセトアルデヒドが生成され不快な気分になる。後者が多いとウワバミとなるが薬も分解(代謝)しやすい。

脳:脳には薬に対する強固なバリアがある「血液脳関門」。大脳辺縁系は本能を司り、大脳新皮質はその本能を抑制する働きがある。アルコールは血液脳関門を通り抜け、大脳新皮質に作用するため「酔う」。脳が興奮ではなく抑制される。

効き方:肥満の人=尿からの排泄が多いが、油に溶けやすいものは脂肪が取り込み消失が遅くなる。血液に残りやすい。乳幼児=2歳でほぼ大人と同じ。それまでは弱め。高齢者=効きやすい。細胞中の水分量が減るため血液へ。

DDS:Drug Delivery System薬を届ける3つの技術。吸収改善、放出制御、標的志向化。放出制御=体内(血液中)の薬物濃度を保つ技術。標的志向化=特定の場所に薬を効かせる。抗がん剤。

プロドラッグ:Caco-2細胞透過性実験を経て吸収が悪い場合、薬の構造を変化させるかプロドラッグ化する。細胞を通り抜けやすい物質を薬に付加。トランスポーターを利用できる分子を付加。酵素が反応できない有機化合物を結合。

血液脳関門Blood Brain Barrier:BBBでは細胞の密着度が高く、薬が通過することは困難。またP糖タンパク質のくみ出し機能が加わる(くみ出しが効かない場合は濃度が70倍近くになる。
生命維持に必要な成分(栄養素)は、専門のトランスポーターによって取り込まれている。BBBを超えて脳に作用する薬は、薬の大きさが小さく(分子量数百程度)、油に溶けやすい性質を持っている。

徐放化:同じ成分の薬でも、その効果を持続的にするための工夫。タブレットの工夫やテープ化など、錠剤から溶け出す量を調整したり、薬成分の分子と結晶を使い分けるなどする。画期的な改善となった例が多い。ホクナリンテープなど。

抗がん剤1:副作用について。がん細胞であっても正常細胞であっても薬が及ぼす作用は同一。がん細胞に薬が届けば治療効果となり、正常細胞に薬が届けばそれは副作用となる。
抗がん剤2:DDS技術。1.放出制御型DDS、2.ターゲティング型低分子・高分子薬物、3.ターゲティング型微粒子DDS、4.分子標的治療薬。
放出制御型DDS:抗がん剤をカプセルやゲルに封入し、そこから徐々に薬が溶け出すように工夫する。長時間にわたり薬を患者に供給できる。オロス錠の欠点は錠剤そのものが排泄されてしまうこと。皮下や筋肉に薬を埋め込む方法。
ターゲティング型低分子・高分子薬物1:がん細胞では活性の高い酵素に着目し、その酵素によって抗がん物質が生成されるように化学合成されたもの。標的となる細胞の特殊能力を見つけ出しそれを利用してDDSを行う。
ターゲティング型低分子・高分子薬物2:がん細胞では血液透過性が高く、分子量の高い薬が血管から流出しやすい。またリンパ系が未発達で腫瘍組織に薬物が移行すると蓄積しやすい。そこで血液に圧力をかけ高分子薬物を押し出す方法。
ターゲティング型微粒子DDS:細胞膜と同じ構造を持つ脂質二重層や油滴に薬を封入する方法。油っぽいものとして肝臓で分解されてしまうが、水に溶けやすい性質を持つひものような化合物と結合させ、血液中に長く滞留させる。
分子標的治療薬:がん細胞に特徴的に見られる細胞構造や、がん細胞特有の著しい増殖や転移に関係している分子に着目し、それらと親和性を高くなるように設計されたもの。免疫が機能するようにする。がん細胞の血管新生を抑制する。

未来の薬:カップゼリーやタンクを皮下に埋め込む方法といった飲みやすさや徐放に特化したもの、また経皮吸収型薬剤やイオンフォレシスなどヒトの性質を活かして薬剤を吸収するなど、形態が個別化が図られていく。

2012年8月10日金曜日

Twice upという飲み方


何事も初めてということはドキドキワクワクするものだけれども、よく飲むお酒も飲み方を変えるとこんなにも香りや味が変わるのかと驚いた出来事でした。
あるバーで、Twice upという水割りの方法と、アルコール度数を20%程度に保つことによって香りが拓くこと、等を教わりストレートで飲むのと比べてみたところ、びっくりするくらい香りが立つことを知りました。

二件目でカクテルを飲みに行ったのだけれども、こういう副産物があり非常に満足しています。
参考までにウイスキーに関する情報まで。


http://www.mars.dti.ne.jp/~teramo/index.html
WEB: UISGE BEATHA

2012年8月1日水曜日

甲野善紀、田中聡『身体から革命を起こす』新潮文庫、2011年。

武術を基盤とした身体技法の実践研究家の甲野氏と、フリーランスライターの田中氏の共著。題名からは、甲野氏が様々な分野で提案している身体技法に関する解説本かと思っていたが、本著は身体技法をベースとしながら様々な分野における発展・応用の現状と、それらを束ねたところに見える「革命」の可能性について論じている。
個人の身体技法開発に留まらない考察が非常に興味深い一冊といえる。

私が甲野氏の身体技法について知ったのは、岡山に住んでいた頃なので、5、6年前でした。トレーニングを兼ねて自宅で木刀を振り回していた頃で、どうやったらもっと早く振れるか、どうやったら身体をもっとうまく使うことができるのかという以前からの問いについて「ナンバ」というキーワードが響いた頃でした。
山梨に住んでからは、合気道を始めたこともあって、「身体との対話」ということが自分の中で更に強調された時期でもありました。この頃が自分自身の身体感覚も一番敏感で、目を閉じて間合いを測るとか、倒れそうになるのに合わせて足を前に出す、といった武道の身体動作等に興味が強かったこともありました。

こんな風に「とにかく身体動作」にこだわって甲野氏の著書やナンバに関する書籍を読んでいた時に、自主トレができなくなる3年間を経て、最近また身体との対話を始めたわけですが、この期間に蓄えた知識から、単に身体動作にこだわるだけでなく、身体との対話を通じて「常識を疑う」ことについて実感するようになっていました。

前置きが長くなりましたが、本著で論じられていて、単に身体動作の解説本でないにも関わらず私が感銘を受けたのは、まさにこの点で「身体動作を通じて身体の喜びを実感し、喜びを誰かと共感することにより更なる身体の喜びが広がっていく」ようなイメージが、すでに甲野氏の周辺で起こっていることについて、本著を通じますます興味を持つようになりました。

■以下、核心に触れると思われる部分を抜粋。

「変革は、意志によってではなく、この身体の響きあいから生まれる。」旗振り役は要らず、風にはためく旗そのもののはためきが大切で「はためく動きに、胸騒がされ、みずからのうちにも、はためく動きの響応を聞く。それが出会うということだろう。そうして響きあう身体から、やがて新たな時代の声が生まれる」(136ページ)
「身体感覚の幅が広がれば、そこから生まれる思考の幅も広がる。歩き方が一通りしかないと決めつけることは、思考をも一通りの枠のなかに閉ざしてしまうことになりかねない」(中略)別のやり方、他の分野への活かす等の類推や応用を促すだけでなく、発想が変わる。「身体が変われば思考も変わる。もう一つの歩き方は、たんなる発想のヒントなのではない。別の歩行をする身体が、別の思考をするのである」(205ページ)
「技術というのは、誰にでも同じにできるという発想に立っていて(中略)マニュアル的な発想」「だけど技は、たとえ同じ方法でも、誰がやるかによって結果は違う。発想が違う」(255ページ)
カウンセリングのイメージ、考え方(273ページから)
身体を使う体験がないとシステムが暴走し、システムの都合で動くようになる(290ページ)

2012年7月31日火曜日

嗅覚と記憶

最近、更新が滞っていましたが、現在夏休みで帰省しているIyokiyehaです。

先日バーに行く機会があり、普段はウイスキーが多いのですが、たまにはと思いカクテルをオーダーしてみました。
バーに行ってカクテルをオーダーしていたのは学生の頃と社会人になりたての頃だったのですが、不思議なものでその時にオーダーしたカクテルにまつわる記憶が次々と思い出されました。
当時足繁く通っていたバーで、ジャズの聴き方を教わったこと、当時のアルバイトや仕事の内容、凹んだ思い出、達成感のあったこと、彼女もいなかった時のクリスマスの過ごし方(笑)など。
オーダーしたマティーニを一口飲んだ時にボンッと何かがはぜたかのように、記憶の詰まった箱の蓋が開いたかのように、いろんな記憶が自分の中に流れ込んできました。

こういうことがあると、本当に人間って面白いなぁと実感します。何でこんなしくみになっているのか、何でこんなことが起こり得るのか。人生が豊かになるのかはわかりませんが、そんな自分の感覚に感動した一件でした。

2012年7月9日月曜日

齊藤正明『マグロ船仕事術』ダイヤモンド社、2011年。


上司の命令でマグロ船に乗ることになった研究者が、マグロ船の乗組員とのやりとりや言動から感じたことをまとめた一冊。不便な「職場」であるからこそ強調される内容であるのだが、一般的な多くの職場にも共通することが多い。

マグロ船が理想的な職場というわけではなく、働く場所としては(おそらく)過酷な場所であるからこそ、モチベーションを維持したり安全に取り組むために必要なコミュニケーションについて、著者が自らやりとりしたエピソードが紹介されている。
印象的だったのは、努力は大抵思い通りには報われないという心持ちでいることが余裕につながることと、自分の手にはおえないことを目標設定しないこと。コミュニケーションの成否は発する側の分かりやすさや否定しないことといった内容の面もさることながら、最大のポイントは受け止める相手次第であるということ。
環境を和らげ、何でも雑談のレベルで話題にできることが環境をよくすることとなり、環境をよくすることが、コミュニケーションが円滑になることだと思った。

エピソードが面白くて、一気に読める一冊。



■以下Twitterに投稿したメモ。

コミュニケーション。職場(船内)を活気づけるコツ。自分の能力を磨くよりも、人の能力を認める言葉をかけることを意識する。部課の考え方、生き方に関心を持つ。「人は指示通りには動かない」ことを前提に。まず「なるほど」。

目標管理。目標管理はできることとできないことがある。マグロの漁獲量は数値目標にそぐわない。だから目標設定しない。改善の方策は「具体的に」考え、実行に移すことが大切。

ストレス回避術:人に期待しないことは期待することよりも大事。人生は後だしジャンケンでいい、都合よく解釈する。現状に感覚を向ける。原因と結果にはいい面悪い面がある。目標にとらわれ過ぎると現状が見えなくなる。モチベーション維持。仕事=ゲーム。

褒め方:いつも監視しているとお互い疲れる。具体的に3つくらいのことを教えたときには、教えたことを覚えておき、一つでもできたら「調子がいいじゃねーか」と声をかける(褒める)。そうするといわなくても他の二つのことも意識するようになる。

叱り方:「期待していたこと」を伝える。甲板でサメに噛まれたが無傷ですんだ人に船長が怒鳴った言葉。「せっかくうまくさばけるようになったお前がここでけがしよったら、みんなが困りよろうが!こんバカ!」。怒りの感情ではなく、その前の期待を伝える。

社会人:迷った時には「えいやっ」で決める。限られた情報と勘が頼り。50%で当たるくじは多くひけば当たりが増える。テストでなければ存分にカンニングして盗む。独りよがりでみんなに迷惑がかかる。軸を持つ。

業績アップ:誰も成し遂げられない仕事をするためには、普段やっているあたりまえのことを正確にきちんとこなしていくのかが問われる。あたりまえのことの積み重ねの先に大きな目標がある。いい意味で自分をだまして、仕事を楽しくする。

ホウレンソウ:適当なやりとりが守られている職場では、些細な報告も流通するようになる。仕事と関係のない話題でも「応援している」意味で適当なやりとりをすることも風通しをよくする。「ワッチ」大きく観る。空き時間に振り返ることで仕事の質が高まる。
育てようと思うとストレスになる。応援するくらいの気持ちで接する。世の中参考になることだらけ、コマーシャルに詰め込まれたメッセージ・見せ方。

リスク管理:笑うこと。心に余裕がないと笑えない。自分にはどうしようもないことについてあれこれ考えないこと、目標管理の内容など。努力は普通(思った通りには)報われない。短所だけでなく長所を見抜く。できるだけ多くの挨拶・雑談を交わす。

2012年6月28日木曜日

ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ著、「懐かしい未来」翻訳委員会翻訳『懐かしい未来 ラダックから学ぶ』懐かしい未来の本、2011年。


以前フィルムを見たことがあったのですが、その時にいまいちピンとこなかったので、書籍で詳細つかもうと手にとりました。
http://afutures.net/

フィルムを見た時に感じたこと
・ラダックでの生活というヘレナ氏の実体験に基づく語りの部分は文句なしに面白い
・貨幣経済の流入による人々の意識と生活の変化を批判的に捉え論じるあたり、目新しさが感じられない
・結論としてローカルな生活に注目するというのも、私が野外活動に傾倒していた10年前とあまり変わらないように思った
と、語りの部分、ラダックの文化を紹介する部分は文句なしに面白かったのですが、フィルム後半で失速感がありました。

そして書籍。

揚げ足取りをするわけではないですが、やはり「ラダック・プロジェクト」と言っても、いわゆる先進国にある技術を導入しているのだという違和感は拭い去れませんでした。ただ、意図するところが従来の「開発」とは異なる、あくまで適正技術の導入だというところが印象的でした。
よく言われる「西洋・東洋の二項対立」や「貨幣経済」とは少し違う、第三の道を模索しているかのような取り組みのように読み取ることができました。
あくまでラダックの伝統の上に積み上げる技術なのであって、それまでの生活を壊して置く発想の開発とは違うというところがラダック・プロジェクトに代表される著者を含めた現地の活動の根底だということがわかりました。

非常に興味深いラダックの文化と、著者の経験を基盤にした提案によって構成されています。フィルムを見たときの違和感がいい意味で払拭されました。おそらく、私の受け止め方としてはフィルムによる制限(時間的なことや映像との兼ね合い等)により、本著でいうところの部構成(第一部:伝統、第二部:変化、第三部:ラダックに学ぶ)のつながりが見えにくくなり、論の飛躍を感じてしまい、結果として提言の部分が安っぽく見えてしまったのだと思います。
文化・伝統から謙虚に学ぶことの価値と、それらが変化していく(きた)過程を様々な角度から眺めていく。それらの分析と感じたことから率直に論を展開していく構成にも共感しました。


以下Teitterでつぶやいてきた内容を引用します。


「共生」窓枠がなければ次の工程へ移れないにも関わらず隣人宅へ持っていってしまう、「隣人の方がより必要としていたのだろう」。争いはほとんどない、よく話し合う。顔の見える「仲裁者」の存在。

「一妻多夫制」厳しい環境で子孫を残すための仕組み。不貞は「そんなこともあるよね」といったスタンス。事が生じた時にパートナーを「責める」ことの方が悪い。チ チョエン(何が大切なのか)を問う。

「空」の哲学(シャンニャタ)。万物は因縁によって生じている。そのものが独立しているわけではない。他のものとの関係を切り離して考えることはできない。経験の有無により言葉が変わる(断言)。

生きる喜びは内面から得られるもの。自尊心は自我の深くに根付いている。ケよりもハレを好むのは自然だが、それが環境によってもたらされるのではなく、周囲とつながった自分の内側から得られるもの。

変化。西洋の文化がラダックに入ってくることにより人口が急増し建物の建設が始まった。観光客が大勢やってくることにより外貨獲得の機会は増える。労働の意味、ストレスの存在、物欲に変化が生じる。

貨幣経済と時間に関する記録。機械を導入することにより半日かかっていた畑仕事が30分で済むようになる。そこには「一緒に仕事をする」感覚はない。浮いた時間で何をするのかということ。貨幣は依存を生む。

教育。西洋近代的な教育は伝統文化を忘れさせてしまう。新たな価値を「輸入」し、これまでとは異なる生活へと移行する。一方で教育なしに輸入したものを使うことによる弊害はより大きい。環境負荷等。

変化。経済社会が文化に入り込んでくると人々は孤立しがちになる。従来「お互い様」だったものが、「独りでも生きていける」という錯覚を生む。その人がどうかよりもその人が持っているモノが評価される。

白黒決められないこと。著者の16年のラダックの生活において、貨幣経済が入り込んできたことによる変化が大きいことは事実。対比の中で語ってきたことの自覚。重要なのは、「地縁」や「つながり」の意味。

人間関係。今の人間関係よりも以前のそれは「重くない」。「古い社会における人と人との結びつきや責任は重荷ではなく、かえって人に大きな安心を与える保証だった」。言葉の持つ価値観も変化している。

開発。生活水準を上げるために文化を破壊する必要はない。ラダックを例に、古来からの基盤の上に新しいものを積み上げていく発想が求められる。従来の開発の発想は、破壊して再構築する。
「開発」はGDPの増加を狙って行われる。その導入の過程には、ラダックの培ってきた伝統や自然の多様性は存在していないように見える。全ては「開発する」側、科学技術の常識が適応されてしまう。
人類は無限に発展し続けることができるという前提で勧められている。ラダックに限らず、いわゆる「先進国」もその対象。画一化、大規模化。イメージに合わない人達は例外として切り捨てられる。

カウンター・ディベロップメント。主流となっている従来型開発を抜本的に問い直しつつ、それとは異なる開発の在り方を目指すこと。開発の目的は人間の福祉。ハイテクよりも「適正技術」の発想。地域の知恵。

ラダック・プロジェクト。太陽熱暖房や水のくみ上げ。外部からの技術提供が適正技術の導入となる。導入にあたって、仕組みや維持のための知識付与をプログラム化して実施。選択するための情報が必要と判断。

エピローグ:
多様性。「純粋に何者にも妨げられない、生命それ自体への感謝」が喜びや笑い、幸福感と密接に関わっている。集中化・専門化が基盤となる産業社会の道とは別に、ありとあらゆるものがつながり、その土地の経済を補強する発想。
共同体。「ラダックの細かく編まれた社会構造は、抑圧的というよりもむしろ人間を開放する」。肯定的な自己イメージは親密・信頼に基づく継続的な人間関係が必要となる。現在の社会問題のほとんどは「機能不全家族」による。
回帰。直接的な経験により物事を考えること。女性的な思考へ。「私たちの未来への探求は、必然的に人間も含めた自然とのよりよい調和の中にある基本パターンに回帰する」。何千年も存在してきた価値観を再発見する営み。

その後:希望を織りなす。エピローグで語られた二つの社会潮流。有名な環境活動ですら、それ自体がモノカルチャーに陥る可能性を示唆。GATT、NAFTA、近年ではFTAといった経済協定が生み出す結果は注視すべき。知って選択する。

あとがき:
グローバルな経済活動がもたらすもの。生活圏の実感の欠如、人々の孤立、自然の軽視、家族・コミュニティの絆の崩壊。人間の本性が変わったのではなく、外圧によって「変えられてしまっている」ことにも気づけない。
均質化した社会では、多様性が失われ、ある尺度に基づいて熾烈な競争が生まれる。多様性を受け入れる度量のある社会では起こりえなかった感情が個人に芽生える。宗教的な抗争も根底には均質化を促す経済活動が横たわっている。
経済活動の指標としてのGDP、多国籍企業の経済活動を後押しする制度・補助金。全ては世界の均質化に向かう活動を促進する。政策立案者だけでなく生活者も、この構造に盲目であることに盲目となる構造的な落とし穴がある。
GNHによって世界の国々を評価すると、少なくともGDPを向上させようとする世界の構造とは違うイメージが生まれる。リアリティツアーにより「真実を知る」ことで自らの文化を再評価する取り組み。
ローカリゼーションをグローバルに展開することを推奨する。孤立・拡散を目指すのではなく、生活の基盤をローカル(地域)に根ざしたものとし、緩いネットワークでそれが広がっていてつながっていくための政策提言。

非常に興味深いラダックの文化と、著者の経験を基盤にした提案によって構成。フィルムを見て違和感があったのだが、いい意味で払拭された。文化から謙虚に学ぶ。

2012年6月21日木曜日

河野英太郎『99%の人がしていない たった1%の仕事のコツ』ディスカバー21、2012年。


日本アイビーエムの現役社員さんがまとめた「仕事のコツ」。
仕事のコツといっても、特別な内容というわけではなく、ちょっとしたことやったほうがいいことの中でも費用対効果に優れ、いわゆる「できる人」がやっているだろうことを、具体的に行動レベルで説明している仕事ノウハウ本。
おそらくコンセプトとしては「今やっている仕事をもっと効率よく、もっと効果的に進める」ための内容をまとめたのだろうけれども、この内容ならば社会人経験の浅い学生さんや若手のサラリーマンが読んでも役に立ちそうな内容となっている。

以下、読書中にTweetしたメモです。このレベルにまで噛み砕いて「コツ」をまとめている本です。明日から活かせるコツ満載です。


■以下Tweetした内容。

報連相。自信があるようにふるまう。「森→木→枝葉」順で説明する、開始と間のセリフを決めておく。3分間報連相。言葉をチューニング。情報レベルを揃える。×とりあえず→○まず(そして「次に」)。完成した仕事を追求。

会議。時間1/2×参加者1/2×頻度1/2=1/8の法則。目的とゴール・ブレストor評定の明確化・共有。予定前に終わる。根回し。席順(対決or交流)。まず要点。ボードに書く。アクションその場、議事録その日。

メール。件名を具体的に書く。一人称は私。まず結論を書く(アンチ・クライマックス法)。7つまで。見開き完成させる。すぐに返信する。とにかく単刀直入に切り込む。

文書作成。パターンを増やすために多くの資料を見て分析。KISSの法則「Keep It Short & Simple」。要点は3点にまとめる。共通の言葉・表現を使う。空白3:文字7.色の使い分け。紙は保管しない。

コミュニケーション。多くの人とすれ違う、オフィスの真ん中を歩く、名前やプロフィールを覚える。話をかぶせない、オウム返し・確認・まとめで切り込む。ポジティブワードを使う。摩擦を恐れない。電通「鬼十則」。

時間。他人の時間を無駄にしない、タスクの仕分け、本分に注力。優先順位(家族)。圧倒的なスピードで「すぐやる」。一つの行動に二つ以上の意味を意識的に持たせる。朝型で集中できる時間を作る。

チームワーク。人には動いていただく。特性を活かす。依頼の背景、目的、期限を明確に。チーム発展のステップHoneymoon,Hostility,Humor,Home。任せきる。敗北宣言の「あいつ使えない」。

目標達成。限界を作らない。組織の常識を疑う。Nothing is too late to start.やりたくなったときが必要な時。他人と比べない。メモは行動キーワードのみ。基本に忠実。やれることしかできない。

2012年6月17日日曜日

とく【徳】
1.修養によって得た、自らを高め、他を感化する精神的能力「-を積む」「-を養う」
2.精神的・道徳的にすぐれた品性・人格。「-の高い人」
3.身に備わっている能力。天性。
(以下略)

渦中にいながらも、ふりかえりができるほどに落ち着いてきたので改めて「徳」について考えてみました。
ここのところ「徳」が下がっていると思ったので。

私は聖人君子でもないし、仏のような心は持ち合わせていない、どちらかといえば腹黒い人間ですので、何でもかんでも前向きにポジティブシンキングができるようなできた人間ではありません。人の悪口だって少なからず口にしますし、腹の中ではいろいろ渦巻いているわけです。
ただ、それを口にして人と盛り上がってしまうと、黒い気持ちが増幅されてしまうような気がしたんですね。ここ最近。増幅されてしまうと、今度はそれをコントロールできなくて、一人歩きしてしまっているような感じがしてしまい、話している時にはスッキリするのに、何かの拍子に我に返ると何だか自己嫌悪感が残ってどうしようもないんですね。

こんなことばっかりやっていると、辞書的な「徳」もやはり下がってくるわけで。
そんな人には近づいてくる人も、協力者もいなくなってしまいますから、やはりそうあってはいけないなと改めて思うところです。


徳は孤ならず必ず隣あり

たまにはオブラートが破れても仕方がないじゃない、だって人間だもの。ん?

ペマ・ギャルポ著『ワンチュク国王から教わったこと』PHP研究所、2012年。


著者は昨年末来日されたブータンのワンチュク国王の通訳を務めたペマ・ギャルポ氏。桐蔭大学の先生とのこと。

・リーダーは誠実さと強い責任感が求められるが、それ以前に「ひとりの良き人間であれ」
・小国の国王であっても、大国に負けない哲学と義務感、おもいやり
・「龍」に込められた意味
・「改革」と「改善」の意味するところ

笑顔がステキなワンチュク国王、王妃はきれいだなぁと、表紙を見てもった第一印象でした。若干31歳で国王というのが、ブータンの仕組みはわからないものの「すごいなぁ」と思ってしまいました。
ワンチュク国王が来日されたことは知っていたけれども、私はそれほど興味を持っていたわけではありませんでした。ブータンがGNHという尺度を用いて国を評価していることと、そうは言っても電気を含むインフラ整備が日本のそれとは比べものにならないほど遅れている、といったコメントを耳にしたことがあるくらいでした。
ただ、ワンチュク国王の国会演説の原稿(本書に掲載)や、その演説に至る国王の基本的な考え方や姿勢を知るにつれ、今までほとんど興味のなかったブータンという国がまた新しい見え方をしたのを実感しています。

それぞれが持っている情熱や夢。いわば内発的な行動を促す意識や考え方を「龍」という架空の生き物の名を借りて表現すること。心の中の龍(ドラゴン)が食べているのが経験という話は、経験から身につく知恵が重要であることを示している。大きな龍は尊敬に値するものであること、そして龍を上手に操らなければならないことを被災地の子どもたちに語ったエピソードに、思わずはっとさせられました。

「改革」とは劇的に展開すること。法律制定等、新しい立憲君主制としての国づくりをするために、2年かけて全国各地を巡り、国民の声を聞きつつ新憲法の内容や国がよい方向に向かっていくことについて語り、改めるところは改め徐々に変えていく、という手法をとっている。

器の大きな人は、考えることもやることも本質をついているように思います。瑣末なこと、枝葉の議論も大切ではあるのですが、いつもその核(コア?)を見抜き、ぶれない芯をもって事を為す、そんなことを本著から感じ取りました。いい読書でした。

2012年6月12日火曜日

要らんストレス

コミュニケーションが通じにくい人とのやりとりほど気を遣うことはない。
ましてそれが同じ仕事をする(はずの)チーム内の人とのやりとりになれば、そのイライラ感は増える一方で、ストレッサーとしての環境因子に位置づいてしまう。
これまで、わからずやさんのいるチームや、とにかく激務のチームに所属して疲れ果ててしまったことはあったけれども、今おかれている環境はそれらとはまた違ったストレスになっています。

現在、少し対決姿勢。
仕事を(結果として)邪魔されるのは、いかんともしがたいのです。
降りかかる火の粉は払わないといけません。

あぁ、モチベーションが上がらない、士気が上がらないなぁ。。。
愚痴でした。すみません。

栗田正行『仕事も家事も育児もうまくいく!「働くパパ」の時間術』日本実業出版社、2012年。


http://ameblo.jp/masayukikurita831/
マロン先生の奮闘日記ブログ

現役の高校教諭で二児の父である栗田氏が時間の活用方法について日々の取り組みを紹介している。ビジネス書にありがちな「こうすべし」といったトーンではなく、これまでの具体的な取り組みなど「こういう方法もあるぜ」といったトーンで役に立つ考え方や物事の整理の仕方、時間の作り方を様々紹介している。

普段自分でも取り組んでいることをブラッシュアップしたり、あまり考えるに至らなかったことをうまく整理して知恵をくれたりと、とにかく時間を「効率的に」利用するための知恵袋のように構成されている。
・時間の二毛作
・タイムプレッシャーをかけるためのツール
・コミュニケーションの癖
・良質な情報を効率よく確保する
 など。

限られた時間の中で、仕事に、生活に、子育てに、自己啓発に、趣味にそれぞれどう時間を割くかということを改めて考え、生活を見つめなおす機会になりました。

2012年6月3日日曜日

石井山竜平編著『東日本大震災と社会教育』国土社、2012年


学生時代から現在もお世話になっている先生が上梓された書籍ということで手を取ったのがきっかけでした。「社会教育」の複数の観点から東日本大震災を表した本著について、何がいいとか悪いとか評価をすることは難しく、なんというか生活綴り方(でしたっけ)の実践を思い出させたというのが率直な感想です。
編著者との接点がない方、それでも震災のことについて何らかの想いを持った方がこの本を手にする機会のある方となるのでしょうが、その人達が本屋さんやAmazonなんかでこの本と出合うのかはちょっと想像が難しいです。

前置きが長くなりましたが、本著の特徴は様々な立場で被災された方々が、(被災直後の支援活動を経て)復興に向けて取り組む際に、社会教育という視点からどんなことを思い、考え、生活しているのか、ということを率直に表現した文集のようなところだと思います。
文集などと書いてしまうと小学校の卒業文集みたいなものを思わせてしまうかもしれませんが、そうした集合体ではありながらも内容は迫力のある現場の生の声によって構成されており、各著者の言葉にはそれぞれの重みがあり、専門性が感じられるものばかりでした。

冒頭で石井山氏が、巻末で谷口氏が述べていることでもあるが、本書の内容はそれ単体で何かを論じているというものではなさそうです(一部専門的な観点から価値づくりをしている箇所もありますが)。震災直後と震災から1年が経った現在とでの住民の思いや行動の変容、被災した個人内の変容と希望を記録し、次につなげる、新しい住民自治を改めて考える、更に言えば復興というキーワードでもって立ち上がってきた東北の住民学習から読む人が素直にエンパワメントされ学ぶ、というものであると思います。



以下、雑駁ですが各著者分で日々Tweetしたものを乗せておきます。


石井山竜平氏。被災地で当事者としての側面を持つ編著者によるアクションリサーチの軌跡。「私」の思いを響かせあう活動から「私たち」というキーワードが導かれる。自立しなければという意志とボランティアに対する思いのジレンマ。

佐伯一麦氏。何気なく使っている言葉に込められる背景。その根底が覆されることで「言葉を失う」こと。「明日」「約束」「空文字」あたりまえに「ある」と思っているものと、消えてしまうもの、消えてしまったもの。
被災地で当事者としての側面を持つ編著者によるアクションリサーチの軌跡。「私」の思いを響かせあう活動から「私たち」というキーワードが導かれる。自立しなければという意志とボランティアに対する思いのジレンマ。

澤村範子氏。情報は一瞬で広まる、情は醸成されるのだと思う。「まもり」「まなび」から「つながり」へ。直接支援ということだけでなく、思いを出せる場「プラットフォーム」の企画。

野元弘幸氏。大船渡市赤崎地区における防災訓練の実践。宮城県の同規模の地区で津波被害により850人の犠牲者がでたのに対し、赤崎地区では45人に留まる。日頃から特色のある住民主導の避難訓練を実施していたことに起因。

綱島不二雄氏。津波被害からの復旧・復興という「津波」。復旧・復興の主役は被災者であるべき。特区や創造的復興は上から目線の行政対応と批判を加える。それぞれの業種が工夫をこらしている。それらをつなげた復興を。

田中真理氏。障害のある子どもたちの反応は、伝え聞くところから心配はしていた。当時利用していた宿舎に空き部屋があったので組合を通じて非難住宅として使ってもらえたらいいと思っていたが実現はしなかった。自助、共助、公助。安心できるのは3つがかみ合っていると実感できるとき。共助の延長線上に制度としての公助がある。自助に関しては共助からのアプローチもあるが、基本的には自らの取り組みによる。

田中潮氏。「復興」という言葉に潜む悔しさと悲しみ。津波によって失われたつながりと、青年団活動によって広がるつながり。演じることによって「楽しさ」を伝えたい、決して被災地だけのためのものではない。

鈴木歩氏。被災直後には正確な情報が共有できないことが課題となり、徐々に被災者のニーズが変化し多様になることがある。公民館職員もまた被災者である。できることとできないことがある。改めて考える自助・共助・公助。

中尾美樹氏。避難所となった市民センター。収容・集約の役割。避難所の運営と並行して、避難所の外ではサークル活動などの日常が戻ってくることについて「これでいいのか」と思う職員の感覚。

澁谷まゆみ氏。避難所となった市民センターでの出来事。震災直後、被害が少なかった市民からの利用問い合わせに対し「全館閉館」を決めて避難所対応をしたことについて、行動を起こそうとしている人達への支えに関する問い。

佐藤真氏。思わず絶句した。「物がなければ、人はつながるんです。家族も地域も。求める姿はそこにありました」他。一人称で被災者と向き合うこと、人と向き合うことは何事にも変えられないものであることを知る一節。

馬場照子氏。地域のつながりを仕掛ける活動。完全無償の活動への批判に対し「立ち上がり方はそれぞれ違う」ことを貫く。自立、復興、絆という言葉から感じられてしまう強制力。生活の中にお母さん的なものがあってもいい。

齋藤緑氏。りんごラジオのパーソナリティ。ラジオ番組を通じて元気をもらう感覚。時間が「ある」ことが不安になる感覚。被害が甚大で何をすればいいのかわからない状況と、支援の輪があることのジレンマ。

伊藤拓氏。NPO法人JENの活動。心のケアと自立をモットーとし、現地の人達の力を活かした復興支援を展開する。炊き出しで地域のつながりを維持・強化する。炊き出しを引き継ぐ団体の存在やカフェがプラットフォームに。

小林純子氏。災害子ども支援ネットワークみやぎの活動と被災地における子どもの実態。震災によって失ったものはかけがえのないもの、早急に代わりのもので埋められるとは思えない。押し殺された子どもの思いと人権感覚。

池上洋通氏。主権者としての国民と主権者たるための学習・研究としての社会教育。施設の役割を問い直す。「労働を含めた社会的営みのすべてで人々が学びあっている」復興を目的とした豊かな学びが各地にあることをつかむ。

佐藤一子氏。体験や経験を語ること。被災者のそれも学びあいだが、支援者が経験を共有すること。共有するしかけとしての演劇(アート活動)やワークショップという手法。重要なのは新しい意社会を創る学びとなること。

末本誠氏。学習活動は、人々を、なりゆきまかせの客体から、自らの歴史をつくる主体に変えていく。3・11後の学習にはこれまでとは違う視点が求められる。例えばバルビエのAC論。内側からエンパワメントされる暖かい学び。

谷口郁子氏。あとがき。首都圏の電源という側面。住民自治と対話を尽くすこと。文字にして伝えること。「悲しみと怒りの風景をもった人々が喜びと希望の風景を取り戻すには、一人ひとりエンパワメントも求められている」。


以上。

2012年5月30日水曜日

雇用率2.0%への引き上げ、に思う


http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2300T_T20C12A5MM0000/
日経新聞 2012年5月23日
http://www.47news.jp/CN/201205/CN2012052301001326.html
47NEWS 2012年5月23日(共同通信)

http://www.sankei-kansai.com/2012/05/28/20120528-060781.php
http://news.searchina.ne.jp/disp_iphone.cgi?y=2012&d=0527&f=business_0527_018.shtml


障害者雇用は、企業CSRや多様性(diversity)と共に語られるが、単に数合わせでない目的に「働き方そのものを問い直す」ことが含まれているように思われる。そこには、働き方そのものに対する問いと多様な働き方を理解・共感・実現しようとする意識が求められる。

企業にとって従業員を「雇用する」ことは、ただ人を配置するという単純なことでない。ただ、企業の人材育成・戦略と関わってくるということを逆手にとれば、障害者雇用率の達成を支える理念(考え方)みたいなものがあってこそ、数合わせでない障害者雇用が実現する。

雇用率達成が「働き方」そのものを問い直すきっかけになればいいと思う。「明日までに候補者を出してくれ」とか言って、あまり練られていないような求人を送ってくる企業担当者が最近目立つ。単に数合わせで雇用すればお互い不幸になってしまうのは必至。

雇用をきっかけに企業が何を考え、カタチにするのか。また、障害者雇用を支える支援者として、そこにどういった刺激を与えていくかが問われているのだと思う。単に企業の言いなりになってはいはいと候補者リストを提出して押し出しているだけでは、結局何も変わらない。
(以上Twitter投稿分)


障害者雇用の事例報告、といった集まりが各地で開催されている。私も仕事の中でそうした集まりの企画・運営にあたったこともある。
企業の方に話題提供をお願いすると反応は様々である。
そこには様々なニーズを持った方が集まるからであり、運よくニーズと報告内容が合致したというところは高評価となるが、たとえテーマが共通であってもニーズにずれが生じている場合には違和感からか批判からかは別として評価は下がる。5段階評価で3とか4をつけるというのはそういうことではないだろうか。満足すべきではない。

ここで一つ補助線を提出してみる。
障害者雇用において企業に課せられる義務としての目標値=法定雇用率に達しているか否かで大きく二分したときに見えてくる企業ニーズについて整理してみる。

未達成企業=法定雇用率を満たしていない、あるいは諸々の事情で法定雇用率を割り込む可能性のある企業にありがちなニーズとしては、「まずは雇用率を満たす」ことである。もう少し細分化して見ていくと以下の分類が考えられる。
・手帳を持った人の雇用の段取り
・求人の提出方法
・(いい人に来てもらうための)募集方法
・社内コンセンサス
・受け入れにあたっての具体的な準備
・仕事の切り出し方
・雇用管理の方法
・支援機関の活用方法(定着に向けた)
・フォローアップ

これが達成企業=法定雇用率を超えて雇用している企業になると、「少し」ニーズが変わってくる。
・雇用を拡大するためのアイデア
・既に雇用した方に対するスキルアップ等「次の段階」への取り組み
・在勤期間が長い方への定着支援
・雇用条件の切り上げに関すること
・雇用の方針や会社理念等との関連
・現場から社内への周知するための方法

似ていることは多い。ただし概要としてはやはり異なるニーズがそこに存在するもののように思われる。実際担当者と数多く話をしているが、達成の有無によって根本が異なっているというのは感じられる。

実際には上記軸に「会社理念と連動した取り組み方針の有無」みたいな軸が交差して4次元で考えられそうなものだが、それについてはまた筆を改めることにする。

要は上記のようなニーズの違いがあるので、単に「事例報告」と言っても参加企業の募集や報告者の選定についてマーケティングにも似た議論が展開されてしかるべきではないかということである。いい取り組みをしている企業が達成企業だった場合、そのスピーチが未達企業に響くのかということに象徴されるミスマッチに、現場の職員としてはもっと敏感になるべきではないだろうか。

2012年5月13日日曜日

岩瀬大輔『入社1年目の教科書』ダイヤモンド社、2011年。


社会人としての基本姿勢、基本となるスキルが50項目。実感や実例が織り交ぜられており非常に読みやすい。聞くところによると新人研修のテキストにもなっているとか。改めて確認すべきことも多く、終盤の人間関係に関することは参考になった。


(以下、読書メモ@Twitter)
人間関係を苦手にしない方法としての「惚れ力」。いいところを探して、そこに惚れる。苦手な人、嫌な人とのかかわりにおいても、如何に「いいところ」を探して好きになるかが重要。

仕事における人間関係でポイントとなるのは「一緒に仕事をしていて楽しいと思ってもらえるかどうか」。その人が優秀であるかどうかよりも、人間としての魅力があるかどうかにかかっている。それを磨くためには、仕事以外のことにも目を向けること。

社会人の勉強はアウトプットすることで区切りがつく。So What?に落とし込むこと。

読書の方法や英語の勉強方法についても、見直しと時間配分が必要だ。いずれにせよ、たとえ無駄があったとしても(大体ないんだけど)最短距離を突っ走ることを意識することと、集中力を高めること、定期的な時間を作ることは必要だろう。

仕事のワクワク感は自分の感覚でもあるけれど、大切なのは「誰に何を伝えたいか」ということ。家族がいる私としては、子どもに「どうだ!」と胸を張れる仕事をすることが大切なんだろうなぁ。

2012年4月27日金曜日

Bloggerのダッシュボードが変わって、シンプルに使いやすくなりました。スマホでも更新できるといいんだけど・・・

先日、ある友人と話をした時に、FaceBookの書き込みのことが話題になりました。
曰く「FaceBookとかの更新って、都会で働く電車通勤の人がマメにできるんだよなぁ。通勤車だといつ更新すればいいかわかんないや」
同感。
私も自転車通勤するようになってからメールの返信とかSNSの利用の方法が今までとは少し違っているように感じています。元々スマホは自宅じゃあまりいじらないし。

Webツールもいろいろあるけれど、隙間時間中心のものも増えてきましたね。自分の生活がそうしたツールに支配されるようなことがないようにしたいと思うこの頃です。

2012年4月22日日曜日

生活の変化

しばらく更新していなかったから、読者も減っているように思いますが、気にせず更新します。

転勤してから、超過勤務がほとんどなくなったのと(職場に関する評価はまた別の機会に)先週からは通勤が自転車で10分以内となるなどの変化があり、そうした環境に変化に伴い生活も一変しました。
具体的には、
・毎日子どもと夕食を食べている
・時に朝食も一緒に食べられる
・出勤前に軽いトレーニングができる
・出勤前に家族とコミュニケーションがとれる
・休日に仕事のことは全く考えていない
・スマホに触れる時間が激減した
などなど、細かなことまであげていくとキリがないのですが、こんな変化がありました。

変化への適応には少し時間がかかりそうですが、総じて身体は楽になり、頭が冴えている時間が増えているように思うので、いろんなことに挑戦していこうと思います。

2012年4月19日木曜日

ちょっと一休み

ジョギングは毎日やりたいけれども、昨晩と今朝は疲れを感じたので一休み。
そういう選択肢がある生活というのはいいですね。
体重はもともと減っていたところにやっているので無理せずにやっていきます。
ストレッチとか太極拳をとりいれた方が、自分のニーズには合っているんだろうな。
ブートキャンプ入隊は今のところは必要ないや(笑)。

2012年4月17日火曜日

平和な朝がやってきた

転居して通勤時間が短くなったことにより、今日は新居から職場へ出勤。
これまでバタバタと朝食をかっこんで身支度して飛び出していた朝の時間にかなり余裕ができました。

久々にジョギングして木刀を振って、シャワーを浴びてみました。
やっぱりさっぱりしますね。

平和な朝がやってきました。

2012年4月15日日曜日

何とか転居

FaceBookでは細かい話題をアップしていますが、改めて。所沢市民になりました。
とはいえ、まだ自宅にはダンボールが積み上げられており、増えた一部屋は完全に物置になってしまっている(後に私の作業机を置く予定)のですが、家族ともとりあえず身体だけは引っ越してきました。

新しい職場からは自転車で10分。買い物も徒歩3分圏内にスーパーとドラッグストア、コンビニ。小児科も駐車場を突っ切って徒歩2分以内。公園はその隣。車で30分圏内にはショッピングセンターやら駅ビルやらいろいろあっていいところです。西武線所沢駅からは新宿線で2駅ありますが、新宿から40分くらいと都内へのアクセスも悪くないです(そのくせ、明日は直行で今までよりも早く出勤しないといけないという皮肉な状況ですが・・・)。所沢方面へお越しの方や、遠方からでも池袋・新宿方面(高田馬場あたりは乗り換えも便利)へお越しの際は一報ください。
仕事も今までよりは融通が利きそうなので、これまでよりもフットワークは軽いかと。

今後ともどうぞよろしくお願いします。

2012年4月14日土曜日

転居しました

このBlogでは予告していませんでしたが、4月1日付の人事異動により職場が変わりました。前の家からでも通勤はできるのですが、通勤時間の縮減その他諸々を考慮し、転居することにしました。
昨日、転居届を提出して所沢(埼玉県)市民になりました。最寄り駅は西武新宿線航空公園か新所沢です。部屋も少し広くなり、周りに色々ある場所ですので、お近くへ来られる時には一報ください。
まずはお知らせまで。

2012年4月1日日曜日

異動と日常生活

本日付で所属が変わったIyokiyehaです。転居は再来週ということで、生活がガラリと変わったわけではなく、何だか普段通りの週末を過ごした感じの日曜日の晩です。

前回の更新が2月の半ばだったので、1ヶ月半ほど更新が滞っていました。
2月が逃げてしまっただけでなく、3月もあっという間に去ってしまったというか、激務で周りが見えないまま最終日を迎えて終電で帰るという、とんでもない1ヶ月でした。

年明けからそんな感じで追いまくられていたところから一転して、この週末は非常に穏やかに過ごせたような気がしています。こんな休日は何年ぶりだろうと。
東京勤務の3年間を振り返ってみると、結局毎年何かで倒れていて(インフルエンザ、細菌感染×2)、職業人生初めての休業(育児)をとったり、そういう生活を経て職業観が少しだけはっきりしてきたりと、ただただ激務に身をゆだねていただけではなく、いろんなことを考えるきっかけの多い密度の濃い3年間だったように思います。
そして、それを支えてくれた家族や友人、同僚などの存在について改めて考えました。自分ひとりで生活しているとは思ってもいないのですが、普段意識している人達だけではなく、もっと気軽に接点のある人なんかにも、結局些細な支えをたくさんもらっているんだなと思うに至りました。

たくさんの人に感謝しています。
明日からの仕事が、今よりはもう少し視野が広がるところであってほしいと願いつつ新しい職場へ向かいます。
みなさま、今後ともどうぞよろしくお願いします。

2012年2月12日日曜日

必要ないことかもしれませんが

14日が近づいているからか、マクドナルドにおける女子の会話が盛り上がっていますね。「男ってさぁ…」という話題には思わず苦笑してしまうことも聞こえてきて面白いものです。なるほど、そう見られているのか、なーんて。
それはさておき、さきほど某携帯電話屋さんへ行ってきました。美容院へ行った帰りになんとなく駅前を歩いていて立ち寄ったもの。少し前から行かなきゃいけないと思っていたのですが、ここのところのバタバタ加減のせいでなかなか足が向かないところでした。
用件とは、ここのところiPhoneの電話のスピーカーから音が出なくなってしまったことの原因を聞くこと、もう一つは料金プランの変更です。
前者は2週間くらい前から通話の時だけ音が出なくなってしまう状態となっており、みなさまにもご迷惑おかけしています。結局原因は分からない(水分、湿気、衝撃など何らかの理由)ので、このままにしてイヤホン使って後1年くらいしのぎます。Blogに来てくれているみなさまにもご迷惑おかけするかもしれませんが、ご了承ください。
後者はカミさんからWホワイト→ホワイトプランへの変更を勧められ、私自身も「確かに」と思うところがあり全部見直してみました。店員さんからいろいろと説明聞きながらこれも要らない、あれも要らないと言っていったら、月額6275円になりました。これが下限っぽいですね。最後まで迷ったのが留守番電話機能ですが、そういえばiPhoneにしてからメッセージを聞き直したのが3回くらいだったので、この際解約してみました(キャッチホンは使わない人種ですし、6人同時通話なんかいらない:基本パックの内容)。
この週末は仕事してしまったので、あまり充実感がないですが、こんな休日でした。
そんなところで思ったこと。某携帯電話ショップ(もう某という必要はないですが…)の店員さんも愛想って大事ですよね。3キャリアを渡り歩いてきた私にとって、今のキャリアが一番対応に当たり外れが大きいので、その点だけ不満です。まぁ、接客中に店員さんに突然泣き出されたことがあるので、大概のことには驚きませんが(笑)。

2012年2月6日月曜日

渾身のパパ弁当とテッパク遠足

昨日(2/5)は家族で鉄道博物館へ。
ファーザーリングジャパンのメンバーで構成するユルい集まり、通称2.0のイベントです。参加条件にパパ弁当を作ってくることといった、正直「ゲッ!」と思ってしまうものが課され、半日の奮闘の末の成果物は写真の通り。
家族4人分で、左下は物心ついてきた娘のための弁当箱入り。
おにぎりの形、大きさが不揃いだったりたんぱく質中心の弁当をミニトマトで誤魔化している感がみてとれる作品ですが、評価はまぁまぁ。ふりかえったら、結構面白かったりして。
参加メンバーをFaceBookであたってみたら、みなさん名の知れた企業にお務めの優秀な方ばかりで、ちょっとばかし驚きましたが、そんな人たちと作った弁当で大笑いできたってのが、何だか本当に面白く、ふりかえって充実した週末でした。

2012年1月29日日曜日

ひどい頭痛

久々に飲みすぎて本日はひどい二日酔いの頭痛と吐き気に悩まされました。
数年に一度くらいこういう日があるんですが、結婚してからはほどほどに飲んでいたからこんなにひどかったのは久しぶり。昼頃まで寝ていたので一日無駄に過ごした感じもありますが、そんな休日もたまには悪くないなと思いもありました。

娘が楽しみにしていた料理教室に参加できなかったのは残念でしたし、この寒さと風の強さで外にも連れ出せないので、家で過ごす休日ですが、のんびり過ごす休日も悪くないなと感じた一日でした。
昼過ぎにようやく復帰。これから、置いてきてしまった自転車をとりにいってきます~

2012年1月24日火曜日

情報は出てきませんね~

3歳児の語彙。「ねぇねぇ、雪が下に落ちてるよ~」。
アンパンチはあっても、アンキックはねぇだろうと思ってしまったIyokiyehaです。バイキンマンって殴られるほど悪いことしてるかなぁ~

さて、昨日の地震の後の報道「4号機」の情報は一切出てきませんでしたね。一体何が起こっているのか。普通にニュースを追っていても全然見えてきません。いいよ、ダル君が離婚したって。
日本は平和だ自由だと思っていたけれども、某国のことは笑えないと改めて思いました。

2012年1月23日月曜日

混み過ぎ

新しいスーツをおろしたその日に激混みの電車と雨降り。何だかツイていないIyokiyehaです。

満員電車で乗換駅にて「まだ乗るか」というくらいすし詰めになっていると何だかイライラしてきます。眠くなります。要は身体によくないってことですよね。人口密度にも適当というものがあるんじゃないかと思うのこの頃です。

2012年1月22日日曜日

有料の室内遊び場

セミオーダーでスーツを作ってみました。なんだかんだで1時間くらい説明聞いたり採寸したのが年末。昨日ようやくできあがったスーツをゲットしました。生地にこだわっているというだけあって、量販店の吊るしのスーツとは少し雰囲気が違うような気がします。こういうスーツを普段着にできるくらいの余裕が欲しいなぁと思うIyokiyehaです。ただ、子どものころから新しい洋服をおろすときにはテンションがあがります。
ちなみに私が利用したのは、
TAILOR FIELDS新橋店
割とリーズナブルなんじゃないかなーと思います。

さて、休日にショッピングセンターなんかへ行くと最近よく見かけるのが有料の子どもの遊び場。以前は「こんなところで遊ばせるのもどうなんだ?」と思ってみていたのですが、実際に子育てをしているとこういう遊び場での利点もあることに気づきました。
・緩やかに目の行き届く範囲で割と身体を動かす遊びができる
・室内とはいえ、全身を使う遊具を置いてあることも多く目一杯遊べる
・こういう施設だけじゃなくて、外遊びを普段からやっているのであれば選択肢の一つとして活用できる
といったように、なんでもそうだけど「一つの選択肢」として考えれば、子どもはこういうところに行きたがるし、いい意味で囲いのある場所だから親も少しは気を緩められるし、場所によってはプレイリーダーなる従業員を置いているところもあり、様々な利点はあるように思います。

やわらか脳というといいとこどりですが、Iyokiyehaは雑食な人間なもので、何でもやってみたいし何でも取り入れたいわけで、こういう施設もニーズがあるから成り立っているし、リピーターがいるからやっていけるようなところもあるのだろうと考えると、子育ての一つのインフラとしても位置づくものになっていくような気がしている。

2012年1月18日水曜日

子どもたちのおもしろい言動

娘が妻に「オバケない?」と言って、電気を消した台所へ行ったその時にガチャガチャとカギを開けて帰宅したために大泣きされたIyokiyehaです。思いも寄らぬことってあるものですね。
娘の話しを始めると卒業論文くらいは軽く書けてしまいそうですが、子どもが何かを発見する力、少ない語彙でそれを表現する力っていうのはすばらしいなと思うこの頃です。
私が仕事中の話ですが、トイレが一人でできるようになった娘が「お母さん!ウ○コをしたら涙がでたよ!」と報告(?)があったり、私が帰宅後娘の食卓椅子にぶつかって「ユイの椅子にぶつかっちゃった」と言ったら「おとーさんが自分でぶつかったんでしょ」と切り替えされたり。
以前から一貫して書いていますが「飽きない」ですね。最近は息子セイもなつくようになって、不思議なことをいろいろとやってのけるので、こちらも脱力です。
あぁ、そんな現場を目撃するためにも、早く帰宅しないといけませんね。

2012年1月16日月曜日

原発は推進できないなぁ・・・

「(人差し指を立てた左手と、3本指を立てた右手を出して)1と3で13。」
「4と5で45」
と娘とやっていて、
「5と5は?」と聞かれたので「55」と答えたら、「ぶっぶー。5と5で10でした~」と真顔で言われたIyokiyehaです。急にルール変えるなんてずるい。

さて、先日山梨で開催された小出裕章氏の講演会をYouTubeで視聴しているところです。
今まで原発については、
・CO2排出の少ないクリーンエネルギー
・環境負荷が少ない
・危機管理をしていれば膨大なエネルギーが得られる夢のような発電
ということを見聞きしつつ、子どもの頃には「SimCity」という名作ゲームにおいて原子力発電所が火力発電所より優位にあることを体験してしまったことからくる、なんとなくのイメージで物事を考えていました。
経済効果を考えると安易に反対するのもなぁ・・・なんて『社長島耕作』を読みつつ思っていたり。

今視聴している講演会でこの点だけはうまく打破できました。
海に放出される熱量だけでも環境負荷は大きすぎるなぁと。
私がやや反原発の立場をとる情報としては十分でした。っていうか、そんなことも知らなかった自分に少しへこんでいます。最近凹むことが多いなぁ・・・

まだメモ程度ですが、この線で原発について今後も考えていきます。

2012年1月15日日曜日

ストレスの構造的特徴と学んだこと

某組織の方が自首してきた理由の一つに「時効がなくなったことを知らなかった」のではないかという可能性も否定できないなぁと思うIyokiyehaです。どうでもいいことなんですが。
さて、先週は軽いパニック状態だったんだと思います。仕事柄、普段は割と突発的な事項には対応しているつもりですが、キャパを超えたことに気づいてヘルプを出したところに更に突発的なことが重なってきて、ヘルプを出す間もなく追い込まれていった感じです。それもどうにもテンションが上がらない(個人的に無意味と思う)作業が大半を占めていたため、如何ともし難く、最終的には更にケツをまくることになり自分が突発的なヘルプを出すことになるという最悪な結果となりました。凹んだなぁ。
こんな状態で、ひどい仕事をしているくせに、クライアントさんが「報告だしたら迷惑をかけるんじゃないかと思って」なんて言うのを聞くとついつい上から目線になってしまいがちな自分がいることにも気づき更に自己嫌悪です。ホントはその背景に何があるのか探っていかないといかんのだろうけど。
外的なストレスが引き金となって、内面のストレスに気づいてしまい、ストレスが増大されてアウトプットに支障が出てくると、その状態に対するストレスも上乗せになってしまう、そんな構造があるんじゃないかな。幸い私には話を聞いてくれる家族がいて、そんなことお構いなしな家族もいて、愚痴を言ってしまえる友人がいて、最終的には職場で助けてくれる同僚・上司がいる環境だったので、今回は体調不良に至らずに済みました(ダブルブッキングの疑いがありましたが、先方の間違いです・きっぱり)。でも、こういったことが体調に影響してしまうと欠勤が続いたり、出勤できなくなっちゃったり、治療を受けなければならない状態になってしまったり。
「定期的なミーティング」って言うは易し、しかし本来の意味や狙った効果を挙げるのは一工夫必要です。逆に定期的な打ち合わせの場がストレスになっていたりすることもあるんじゃないかな。構成メンバーが悪いなんてのは論外だけど、メンバーがよくても検討がかみ合わないとか、意思決定の場になっていないとか、提案を検討することもなく流されてしまうとか。
ただ、こういった状況から学んだこともゼロではなく、切り抜けて振り返った時にいろんなことが見えてくるのも事実。人に押しつけるわけではないけれども、Iyokiyeha的には多少苦境におかれた方が学ぶことが大きいみたいです。とはいえ、得てして「周りが意図していないこと」がひらめいてしまうのだけれども。
目の前にあることに集中した結果学ぶことって、すごく血が通ったもののように思うのだけれども、客観的には根拠が明確でなかったりするんですよね。でも、それもまた楽し。やっぱり私は逆算思考だけじゃ納まらない人間のようです。どうでもいいことなんですが。

2012年1月8日日曜日

正月の地元帰省から勤務そして連休へ

正月休みに紅白やらYouTubeやら見る時間があり、K-POPSならKARAが一歩出ているかなと勝手に思っているIyokiyehaです。歌とダンスをあのクオリティでやられたら、そら売れるわと思うこの頃。音楽は雑食なので、いいと言われたらクラシックでもボサノバでも聞く浮気者なので、何の応援にもならないかもしれませんが、がんばれJ-POPS。

さて、大晦日に帰省して正月を実家で過ごし、5,6日は出勤したら業務量が多すぎて少しパンク気味になり、6日の東京発浜松行き最終のひかり533に乗って再度帰省。偶然金曜日だったので浜松駅からもウィークエンドライナーとかいう遅いバスがあり無事に実家へ帰宅でき、本日車で家族と共に帰宅しました。長距離運転は嫌いで苦手。私は運転が下手なので、高速道路の運転の方がナンボかマシですが5~6時間の運転はさすがにしんどいです。
私は車にはあまり執着がないので、これまで乗ってきた車も、水色ミニカ(グッピー)、ピンクのmoco(カミさんの)、赤パッソ、黄色シエンタ(現在)と、まぁ高級車にもこだわり車にもあてはまらない王道をいっています。ある後輩にはパッソ時代に「そんなの乗ってちゃいけませんよ」と言われたこともありますが、そんなこと気にしません。
とはいえ、高速道路を走っていると次々に右目をかすめていく高級車(ポルシェのなんたらとか、フェラーリのなんたらとか、レクサスとか。ベンツはスポーツタイプのみ、BMWは含みません)を見てると、そんな私でもあぁかっこいいなぁと思ってしまうあたり、高級車の魅力(というかただの好みかもしれませんが)ってあるのだなぁと思ってみたりしてみました。運よく出世するようなことがあったら、駐車場でぶつけてもキズつかないレクサスとかに乗ってみたいなぁなんて思ったりして。

どうでもいいことは置いておいてさらにどうでもいいことを。
正月は不摂生しておりまして、特に肝臓へのダメージは連日大きかったのだと思い、少しは身体を動かそうと昨日昼間に、
・ジョギング10分程度
・木刀素振り50本
・縄跳び二重跳び50回
やってみました。結果、昨日の晩から全身筋肉痛です。
二人目が生まれてから運動はあまりしなくなってしまったので、そのツケでしょう。
転勤したらまた運動しようっと、とジェットコースター並みの落差を実感した正月休みでした。
みなさんも気をつけてね。

2012年1月1日日曜日

2012年の抱負

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
毎年恒例にしている昨年の総括と今年も抱負(「目標」タグ)です。
このタグは人に見てもらうというよりも、人の目に付くところに公開して自分に宣言するという位置づけですのであしからず。
(2011年総括)
昨年の目標は以下の通り。
目標:折れず、壊れず、しなやかにやり遂げる
■仕事
○安易に辞めない(復活しました)
△18:30定時を厳守する
○意見、スタンスの違いから逃げない
○優先順位と重要度を明確にする
△自分への約束を守る
×『職業リハビリテーション学』精読
■家庭
○21:00までに帰宅して(入浴を中心に)家事に合流する
○休日の日中は家族優先
■趣味
△50冊/年、単行本を読む(内2冊は英語)
○購読している雑誌には、全て目を通す
△2010年に会わなかった人に会う
仕事に関しては随分安定感がでてきたかと思います。業務の効率化を図って早帰りについてはかなりの結果を出せたのですが、基礎文献の精読は手づかずでした。繰り越しです。あと業務の閑繁があり、忙しくなった後半などは超過勤務も増えました。仕事のスタンスは、人は人、自分は自分で随分固まりつつあります。ぐだぐだ言わず、自分で考えて、目の前のことに全力を尽くすということ。近視眼的でいいじゃないすか、目標ないんだもの。一つ動きがあったのは講演会対応が増えたことですね。
仕事を改造した結果、家族とプライベートがやや充実した感があります。早帰りできるようになって、必要な時には子どもの風呂を入れられるようになったし、それに伴ってなのか、週末は子どもがなついているようです(息子の方は夜どうしてもなついてくれませんが…)。昨年休業をとったのも、特に娘にとってはいい効果があったようです。プライベートに関しては、不完全燃焼の感じはあるもものの、就職してからこれまで全く参加していなかった市民活動に一歩踏み出せた感じです。とはいえ、まだまだ参加しているだけで何も動かしていないですが、少しずつ仕事以外のフィールドが広がりつつある実感もあります。
趣味のところでは、まず読書。50冊/年の単行本はやはり読めませんでした。ただ、集計したところ、
・ブログに感想文を掲載したものが5冊
・感想文を書こうとしてテキストファイルを作ったものが7冊
・読みっぱなしで書棚の既読置き場にあったものが、とりあえず5冊
・「エグゼクティブブックサマリー」のサマリーを読み込んで感想メモまでしたものが5本
・「エグゼクティブブックサマリー」を聴いたもの61本
・オーディオブック1本
という結果になりました。評価が難しいところですが、自宅で腰を据えて本を読むことができなくなっている状況から、聴く読書への変換が進んだことと、1冊まるまる読むばかりが読書じゃないと感じているところです。英語は読めなかったので、その分で▲決定です。
雑誌は「週刊ダイヤモンド」の読者モニターになったことからほとんど全ての号に目を通したことと「TOPPOINT」については大体読み切れました。
人と会うことについては、少し鈍い感じでしたが数人お会いすることができました。このことは継続です。
(2012の抱負)
目標:目の前のことに没頭できるようになる
■仕事
・どこへ転勤になっても辞めず適応する
・転居場所をよく検討し平日の家事参加ができるようにする
・欲張らない(金銭的、組織的)
○19:00定時を意識したスケジューリングをする
○平日の内1日は家族と食事する
○超過勤務は週2回までとする
・『職業リハビリテーション学』精読
■家庭
・妻の働きたいニーズに対応できるようになっておく
○21:00帰宅
○週末の仕事は3時間以内
■趣味・学習
・課外活動ができるようになる
・読書、情報収集を充実させる
・社会保険労務士の勉強を始める
○50冊/年、単行本を読む(内2冊は英語)
○2011年に会わなかった人に会う(5人以上)
キャリアだのなんだので「目標を持って」と言われますが、私自身将来像というものが見えない30代なので、目の前に目標を置いてとにかく仕事と家庭のスキルアップを図る一年にしていきます。
仕事から見えてくるもの、課外活動うから見えてくるもの、それぞれが相乗効果が出せるよう取り組んでいきます。
みなさまにとってもいい一年になりますように。