2007年12月24日月曜日

人間関係のルール

理屈ではわかっていても、つい気を抜くとやってしまうことってありませんか?
Iyokiyehaが最近気にしているのは「人の陰口」。

悪口じゃなくて、陰口。
私は「面と向かって言えることは言うべき」と思っています。
言い方は当然考えますが。
でも、「面と向かって言えないことは口にすべきでない」と思います。
言い方を考えたり、伝え方を考えたり、時期を見計らうなどして、面と向かっていえるようにするべきで、決して本人のいないところで「陰口」にしてはいけないと思っています。

人の性、として逃げるわけではないのですが、私も腹が立つと、ついやってしまいます。
嫁とか、友人とか。
やってしまった後で、「あぁ、やっちまった」と後悔することばかりです。
こんな感情が襲ってくることがわかっているのに、何でやってしまうのか。
今のところは、私の中で謎になっています。
一つは、私の弱さなのでしょうが、もう一つは、私の腹にあるドス黒い部分がやってくれることでしょう。
あるいは、「陰口」を言っている自分という存在は、「陰口」によって存在を確認しているのかもしれません。
そこまでいかなくても、正当化していることでしょう。

回りまわれば、ロクなことにならないことはわかっているなら、やはり言うべきではないですね。
私も「また、やっちまった」わけで。

反省します。精進します。

2007年12月23日日曜日

相棒たちのメンテナンス

先々週の研修時に、愛車(HONDA SL230)を点検に出す。
一万円ちょっとでできると思っていた定期点検だが、あれよあれよと問題が出てきて、結局36,000円もかかってしまった。
去年は、バッテリーやタイヤを交換して、45,000円くらいかかったのを思い出して、意外とお金がかかっているな、なんて思ったりもする。

「お金で安全が買えるなら、安いもの」とも思う。
今回の点検で、ウインカーのスイッチが「壊れている」ことが発覚。
これまで、ウインカーの反応が遅い(ウインカーのスイッチを入れても、数秒たたないと出ない)のは、きっと気温が寒いからだ、なんて思っていたのだが、物理的な問題でした。
ウインカーが出ないことが気になると、運転がおろそかにもなるし、原因がわかったことですっきり。
修理が終わった愛車には、今まで以上にがんばってもらおうという気にもなる。
購入してもう7年。
静岡→浜松→岡山→甲府と、街乗りにしか使っていないながらも、拠点を転々として、今は寒冷地。
さて、今年はいつまで乗り続けられるかな。

併せて、最近パソコンの調子があまりよくない。
先日、ようやく購入したSDカード(2GB)を挿入したところ、確実にフリーズするというエラーに見舞われている。
先ほど、「診断プログラム」なるものを使ったところ、何かエラーが出ていた。
英語は苦手だけども、辞書をひきながらエラーメッセージを読んだところ、どうやらサポートセンターへ連絡しなさいとのこと。
面倒だし、どうなるかわからんところだけども、まぁ用心に越したことはない。
明日にでも連絡することにしよう。

週末雑記(静岡日帰り旅行 12/22)

連休初日。
後輩のB&Mと会うために静岡へ。

昼食は、以前嫁さんと行った、スペイン料理サングリアへ。
野菜サラダ、トルテリア、ムール貝の??(忘れました)、パエリア2種(魚介、静岡地鶏)。
結構いい値段の店だけども、その分料理には気合が入っている。
好みの問題だろうが、トルテリアはウチの嫁さんが作るものの方が、オリーブオイルとガーリックのパンチが効いていて好き。
パエリアは文句なしのおすすめ。
我々夫婦は魚介のパエリア(2,500円:2人前)がお気に入り。
抜群にうまいです。
http://iyokiyeha.blogspot.com/2007/10/sangria.html
(スペイン料理店 サングリア:前回紹介)

嫁さんが忘年会に参加するので、18時頃に甲府に戻らなければいけないという縛りがあったが、時間が余ったので、近場をふらふらと。
http://www.s-yamaroku.com/
(イチゴメッセージ スイートハウス ヤマロク)
イチゴ専門店で売っているお店。
B&Mの紹介だが、手作りジェラードがうまい。

もう少し時間が余ったので、喫茶店へ。
http://r.tabelog.com/shizuoka/rstdtl/22002744/
(珈琲屋クレセント)
このお店、学生時代によく通っていたのだけども、残念ながら店員さんと仲良しになれなかったお店。
タイミング、ですね。
穏やかな旦那さんと奥さん(だと思うが)は今も健在です。
Iyokiyehaは行きつけを「作ってしまう」ことで、ちょっと有名なところはありますが、全部が全部うまく行っているわけではないです。
とはいえ、この喫茶店は非常に雰囲気がよく、コーヒーも文句なしにおいしい。
豆の量り売りもやっているので、興味のある方はどうぞ。

まぁ、ここではいろいろとあったのですが、先ほどすべて解決したようなので、よかったです。
私ら夫婦、普段自分達にありがちなことを、思い切り客観視できたことで「なるほど」と思うところがたくさんありました。
いい勉強になりました、ありがとう。
BもMも仲良くやってくださいね。
今日はホスト役、本当にありがとうございました。

2007年12月16日日曜日

横浜を「歩く」 ~田舎者日記2~

翌日15日。
嫁さんの横浜での用事が夜なので、横浜を散策することに。
H氏のアドバイスもあり、みなとみらい方面へ。

横浜の街は、非常に魅力ある街に見える。
人工的であるのだけども、疲れない。
むしろ、癒される感じさえある。
浜松との違い、甲府との違いは一体何なのだろうかと考えながら、みなとみらいと山下公園へ。

みなとみらいのビル群に驚く。
そして、昨晩H氏が言っていた「みなとみらいの建物は、寿町の人が作ったんだよ」という言葉がやけに引っかかる。
凄いところだなぁ。

そして、山下公園へ。
Iyokiyehaと嫁さんがお互いに感じたことだが、なぜかこの街の住民は「上品」に見える。
田舎者のひがみかもしれないのだけれども、不思議とすれ違う人の多くが上品な人に見えてしまう。
そして、人だけでなく、飼い犬まで上品に見えるから不思議である。
服を着せている、いないではなく、犬の振る舞いまで上品に見えてしまったあたり、やっぱり私は田舎者なんだと感じてしまった。

山下公園はデートスポットとしても有名なようだが、この居心地のよさが何からくるのかと考えてみた。
嫁さんとも話をしながらだが、やはりベンチの存在は大きい。
「ちょっと座ろうか」みたいな、この開放感は私がこれまでに住んだ他の街にはなかったものだと思う。
噴水の前にあった、そんなベンチに腰掛け、ゆったりする。
のんびりした休日だった。

昼食は中華街へ。
「豚の角煮丼セット」を注文したら、なぜかライスもついてくる。
お腹一杯になりすぎてしまったが、おいしかった。
中華街では、昨晩食べた豚まん(500円)が手軽でおいしかったな。

不思議だが、横浜は街自体に魅力がある。
観光スポットも、よく計画して「楽しい」のツボが押さえられているように思える。
雑多な印象がないのも、不思議といえば不思議である。
また、行きたいところになった。
都会でそう思えるのは、ふりかえれば初めてかもしれない。



みなとみらいのビル群


レンガ倉庫

横浜を「歩く」 ~田舎者日記1~

一週間の本部研修を終えた14日金曜日。
嫁さんが横浜に出る用事があるので、横浜で合流することにする。

研修後、何となく流れた仲間とお茶して、海浜幕張を発つ。
東京経由で、関内まで。
東京-横浜間は3駅と書いてあったので、東京感覚で立ったまま電車に乗るが、意外と遠かったことにより、立ったまま寝るという行動に出る。
やはり、研修は気を張っているらしい。
気づけば研修期間中は毎日飲酒もしていたことに気づく。
途中、横浜で市営地下鉄に乗り換えるプランだったのだが、現金が100円もないことに気づき、横浜で下車。
セブンイレブンを探すも、なかなか見つからず。
車輪付きのケースをゴロゴロと。
結構疲れる。
関内でも、ホテルが見つからず徘徊する。
徘徊の結果、ホテルが見えているのにたどり着けない(高速道路に近いのか、道路に横断歩道がない)場所にたどり着く。
あまりの疲労が、Iyokiyehaに缶を蹴る行動となって現れる。
柄にもないが、相当疲れていたらしい。

夜は、茅ヶ崎でNPOやってるNabe君と会う予定だったのだが、前日にフラれてしまったので(笑)、同期のH氏と関内で合流する予定。
ちなみに、Nabe君の所属するのは、「教育支援NPO e-Drive」
http://www.e-drive.info/
興味がある方は、紹介しますので連絡ください。

仕事なら仕方がない。
ホテルのチェックインを済ませてから、H氏と合流。
彼は横浜出身。
アルコールを入れる前に、関内を散策。
寿町なる場所の手前まで歩いていき、その道すがら寿町についてあれこれと教えてもらう。
簡易宿泊所(通称:ドヤ)なるもので有名な一角。
日雇い労働者などの、低所得者が多く居住しているとのこと。
H氏は以前、この周辺で働いていたこともあるとのことで、この町で以前あった出来事や、その成り立ちや現状について教えてもらう。
Iyokiyehaは、直接援助の手を差し伸べるわけではないので、不謹慎ととられてしまうかもしれないが、こういった話には興味が湧いてしまい、あれこれとH氏を質問攻めにしてしまう。
そして、その後で観光を兼ねて行った中華街とのギャップに、いろんなことを考える。
聞けば、中華街も以前は中国からの移民が多く居住している場所であったとのこと。
現在では、横浜を代表する観光スポットにもなっている場所だが、それ以前は差別が横行していた場所でもあるとのこと。
文化の違いが、歴史を形作り、その歴史があって今の日本があることを実感させられる。

嫁さんと合流し、H氏と3人で焼き鳥屋へ。
どうやら、ウチの嫁さんが小学生、中学生を過ごした町と、H氏の実家は、隣町くらいの場所であるらしい。
Iyokiyehaは蚊帳の外で地元トークをしていた。
寿町についても、以前ウチの嫁はとあるNPOの視察へ行ったことで、印象に残っている場所であるらしい。
そんな真面目な話をしながら、仕事の話も、横浜の話も入り乱れて楽しい時間を過ごすことができました。
Hさん、ありがとう。
また、一杯やりましょう。
今度は、昼間に寿町を案内してください。



夜の中華街

12/14 研修5日目(業務振り返り:関係機関・機構職員として)

「業務ふりかえり」
最終日。
グループ討議形式で、業務振り返りを実施する。
2日目に考えたことをブラッシュアップしていく。
私が司会をしたときに、グループが温まらずに、活発なやりとりにならなかったことだけが心残りであった。
自分で「場の雰囲気」をコントロールできるスキルも合わせて身につけたい。

関係機関とのやりとりについては、1)組織のニーズ、2)担当者の連携ニーズ、3)担当者のクライアントに対する支援ニーズ、をそれぞれ把握する必要がある。
どこまでもクールに、それでいてホットにやりとりをすることによって、対象のニーズを「見えるカタチ」にして共有する。
ワークショップやグループワークの手法と、大きくは変わらないようにも思う。
「情報の可視化」→「ラベリング」→「焦点化(具体例)」→「情報交換」→「目標設定」
こんなところだろうか。

機構職員として、のテーマでは主に所内のリーダーとしての役割について話し合う。
ここで、私がしゃべりながら整理できたことは、以下の通り。
まずは、各ケースについて「理想的な目標」と「達成すべき目標」とが設定され、後者について数週間単位で小目標を立てて、支援内容を具体化していく。
その過程を「可視化」して提示し、現場の担当者と共に検討することにより、こちらの思惑と現場の見立てとがマッチングし、次第に全体の支援プランに沿った支援がされるようになる。
この過程で、伝えたいことも明確になるし、「とりあえずどうするか」の、いわば傾向と対策にとどまらない、その対応が組み立てられる背景についても合わせて伝えられる。
あと、ケース会議で使える手法として、ケースマネジメントでよく使われる表を使った会議の進行について提案する。
ケースの課題・支援方針と内容・担当者、を項目とした表を作り、「案」として会議に提案し、会議の席上で状況を説明しながら表を完成させれば、おのずと役割分担が明確になる。

これらと、研修の内容を併せ、今後の目標を宣言する。
Iyokiyehaは、大きな目標として「真のニーズをアセスメントする」ことをあげる。
下位項目として、大きく二つ。
「説明・情報収集ツールのバッテリを検討すること」と「姿勢を意識すること」。
前者は、1)支援対象者について情報を効率・効果的に収集するためのツールバッテリを整備すること、2)事業所(事業主、担当者)に対し、業務説明が簡潔・明確にできるツール、および情報収集項目の作成とブラッシュアップ、3)関係機関一覧リスト(組織ニーズと状況を随時メモするリスト)の作成、および情報収集項目の作成といったところ。
後者は、1)冷静に話を聞き、ニーズを可視化しようとする姿勢、2)上記ツールの有無に関わらず、必要な情報を聞き出すスキル、を磨くことを設定する。
また、これとは他に、職業リハビリテーション全般の学習とその他の支援プログラムについての学習は続けていく。
当面は、職業リハビリテーションと精神保健福祉全般、およびIPSについて深めていき、職業センターの立場として「どう連携できるか」について実践を積むことにする。

12/13 研修4日目(ケーススタディ、高次脳機能アセスメント)

「ケーススタディ」
熱い面子のチームで討議を重ねることによって、今回の研修における私のテーマがはっきりした。

真のニーズに近づくアセスメント。

職業カウンセリングの対象は、障害をもったクライアントだけではなく、事業所も関係機関やその担当者も、全て当てはまるように考えられるようになった。
仲間が持ち寄ったケースからも、1)家族の意思が計画策定の根底にあり、本人ニーズが見えにくいケース。2)支援者ニーズが先行し、本人の同意を得たことにはなっているものの、やはり本人が真にどうしたいのかは見えにくい(優先順位が変わる)ケース。3)事前情報の少なさから、本人ニーズと支援内容が噛み合いにくいままジョブコーチ支援が中止となったケース。4)事業所のクライアント支援モチベーションが低いところに、関係機関が調整して職業センターの支援となったケース。5)限られた情報から発達障害を疑いすぎてしまったケース。など、実に多彩であった。

本人が不適応を起こしていることを、事業所はどう思っているのか。
何とかしたいのか、それとも放っておいていいのか。
関係機関はジョブコーチ支援で調整しているものの、どんな役割分担で、職業センターに何をしてほしいと「考えて」いるのか。
それは、支援可能な項目なのか。
うがった見方をすれば、会社は「どうにかしてほしいけど、面倒なのは嫌」と思っているところに「何とかしますよ!」と関係機関が調整し、職業センターのジョブコーチが支援することになったが、「雇用管理につなげたい」という意向が職業センターと関係機関にあったことにより、事業所にお願いする項目が増えた。
発表ケースを下敷きにすると、これくらいのことはありうることとして記載できる。
この場合、本人のモチベーションと置かれている状況についての理解がどの程度かというアセスメントは必要だが、クライアントは事業所なのか関係機関なのか。
クライアントの主訴はなんなのかについて、どこまでも冷静にカウンセリングする必要がある。
主訴は「診断」するものかもしれない。

この深度で「ニーズ」と「アセスメント」について考える、いいきっかけになった。

最後に、当面考えながら仕事すべき項目を記録する。
・ミスの多いクライアントであっても、事業所への「売り込み」を常に考える
・面接同行は、本人ニーズに沿った形で。支援内容は事前打ち合わせで整理
・障害開示の程度についても、同上
・クライアントを交えず、カウンセラーと事業所とで打ち合わせの機会を持つ(本音を引き出す)
・現場見学や事前体験をお願いする
・クライアントに名刺を渡し、主治医や心理士に渡してもらってつなぐ
・事前情報収集チェックリストの活用
・精神障害の相談項目として、注意サインと、幸せな時(リラクゼーション)
・雇用後JC支援は、これまで事業所が築いてきたことを「ふりだしに戻す」側面がある
・模擬的就労場面は、本人特性が「出過ぎる」ため、優先順位をつけて課題改善に取り組む
・本人の課題ばかりではなく、出来ている中に「出来ない部分もある」といったイメージで取り組む(ストレングスにも注目)

12/12 研修3日目(医療分野における高次脳機能検査、職務分析演習)

「高次脳機能障害アセスメント」
高次脳機能 higher brain function 障害のアセスメント結果(医療情報)を読み解く基礎知識や、高次脳機能障害者の支援体制について全国的な動向を含めた説明と、検査器具・方法の体験。

障害特性について、一つ目新しい情報としては、原因により症状が大きく二つに分類されるということ。
これを「目新しい」というには、勉強不足を露呈するようなちょっと情けないところではあるが、それも含めてメモ。
高次脳機能障害者の発症原因として多いのは、脳血管障害と脳外傷である。
前者は、血管の異常により脳の一部の機能が不全となるもの。
よって、高次脳機能障害に見られる障害特性の「一部」と躁状態が見られることが多い。
一方で後者は、頭を強打するなどして脳が全体的にダメージを受けるというもの。
よって、高次脳機能障害に見られる障害特性の「ほとんど」がぼんやり現れることが多い。

高次脳機能のリハビリについては、機能的アプローチと、環境へのアプローチ(情報入力制限、構造化、作業分割、ストレス減、手がかり、など)とがあり、職業リハビリテーションの現場において取り組むのは、主に環境へのアプローチと機能的アプローチの内代償的アプローチの部分である。

リハビリテーションや支援制度を活用するため、精神障害者保健福祉手帳の取得がしやすくなっているとのこと。
ただし、精神障害者保健福祉手帳の取得要件に「高次脳機能障害」が明記されたというわけではなく、リハビリテーション医などが、診断書を書けるようになった(?)ため、手帳取得に関する診断書が「書きやすくなった」ことによること。

何にせよ、クライアントの立場に立ったときに言えることは、支援者の足並みを揃えてほしいということだろう。
そして、地域における有用な(成果のある)支援体制を構築するためには、病院との信頼関係の構築が欠かせない。
データのやりとりだけではなく、顔を付き合わせた関係や、お互いに気軽にやりとりできる関係へ。
まずは、医療機関、職業センター、福祉機関それぞれが、ケース状況をフィードバックすることが求められる。
文書のやりとりだけではなく、その背景情報まで伝えることによって、信頼関係が作られるとする。

「職務分析」
事業所アセスメントについて、演習を交えた内容。社福)横浜やまびこの里 よこはま・自閉症支援室の松尾氏による講義。

支援する前提として、本人の状況がある程度わかっていることがあげられる。本人のことを何も知らずに、支援するのは不可能に近い。
職業センターの評価は、短時間で有用な情報を集められる点で、関係機関としても助かっているとのこと。
ただ、松尾氏が最近考えていることとして、クライアントを知り、職場マッチングが必要であり、また、難しいケースとして、「踏み込まれるのは嫌」、でも「自分をわかって欲しい」とだけ要求する人は、ジョブコーチ支援が有効となりにくいとしている。

事業所への本人特性の伝え方として、1)専門用語は避ける、2)対応策や配慮を一緒に伝える、のがコツとする。
例えば、
(1)臨機応変が苦手、融通が利かない
 →律儀、決められた手順の作業が得意
(2)同時並行作業が苦手
 →優先順位の高い作業を任せてもらうと、自立が早い
(3)こだわりが強い
 →仕事が丁寧なので、正確さが定着してからスピードアップを図りたい
 →(インフォーマル)彼は電車が好きで好きでたまらないんです
(4)人に対する不安が強い
 →人見知りなので、無愛想に見えるが、作業や役割が分かれば安心できる
など、分かりやすい言葉で言い換えるのがいい。

自閉症のクライアントは、最初が肝心。
作業場所の構造化とルール化が必要。
その際には、事業所の従業員と打ち合わせをしながら考える。

職場アセスメントは、「聞く・見る・やらせてもらう」が基本。
やってみて、作業の内容や環境だけでなく、支援者と従業員との人間関係や職場の「指導力」を確かめる。
当該障害者が仕事しやすい環境は、とりあえず「提案」すべき。
「今できること」「教えられたらできること」「周囲のサポートがあればできること」を整理する。

職場アセスメント等の情報は、自分達でもっているだけでなく、分析したことをまとめ職場と調整することにより、1)ジョブコーチ、本人が職場定着の見通しをもつ、2)会社との調整のたたき台とする。

職務分析の方法。
職場内の仕事全体の中から、障害のある人に適した仕事を見出し、一日の職務として構成する。
ポイントは、1)障害のある人に適した仕事を見出す柔軟な視点を持つ(とにかく数をあげる、質より量)。2)仕事の内容、方法、量、頻度、安定性について見当する。3)中核になる大きな仕事、それらを補足する小さな仕事を組み合わせる。4)一日の中で、それらの仕事を組み立てる。
また、職務再構成についても検討しておくこと。
職場は「生き物」であり、常に情報収集(アセスメント)のアンテナを張る。
本人の作業量のベースアップに備え、時間に余裕が出てきた場合の仕事を確保する。
改善提案は、一緒に取り組む(例:「障害の方にはわかりにくい環境なので、整理をお手伝いさせてもらってもいいですか?」など)。
具体的に「こうするとわかりやすい」という提案。
職場訪問の前に、あらかじめ収集したい情報を整理しておく。

12/11 研修2日目(業務ふりかえり、地域分析の方法)

研修2日目。
昨晩は、宿舎でBoot Camp(腹筋プログラム)をやったので、腹筋から大腿部にかけて筋肉痛が出る。

どうも、研修を貫く成果として「視点の切り替え」ということが浮かんできたように思う。
あくまで個人的な成果であるので、研修全体のものも冷静に見据えていたい。

「カウンセラー業務の振り返り」
1)障害者の障害特性と職業相談・職業評価などに関すること
司会進行を務める。
進行役は、全体の雰囲気を見ながら、自分の関心のあることに話題を水路付けできるのでそんなに嫌いじゃない。
参加するよりも考えるから、その分実入りも大きい。
私は、最近IPSを勉強していることもあり、「評価ベースの職業リハビリテーション」から「クライアントニーズベースの職業リハビリテーション」を意識しつつある。
業務手引きを見ても、「ニーズ:希望、要望」の把握は根底にあるものと位置づいているわけだが、どうも日常業務を振り返ると、クライアントのニーズはそこそこに、評価結果から方針を立てて「相手を説き伏せる」同意の取り方をしているように思う。
「この計画に乗るかそるか、乗らなければがんばってね」くらいの意識なのかもしれない。
この検討を是非やりたいと思っていたのだけども、昨日の「職業カウンセリング演習」の内容や、チームの他メンバーの「ニーズ」がそこにどんぴしゃではなかったので、評価技法・ツールの話題に終始した。
クライアントに生活状況の記録をとってもらい、継続することで、その人の「リズム」を評価する手法であるとか、数的客観データを取る工夫やツールなどの情報交換ができたと思う。
他のチームの発表でなるほどと思ったのは、「本人に気づきを与える・促す」時、本人視点に立つと「気づかされる」わけであり、その強度や質には注意すべきなのかもしれないということ。

2)事業主援助に関すること
事業所担当者の立場になったときに、どんな情報が欲しいのか、と考えることが大切かと思った。
センターを知らない事業所に対して、(1)センター業務の説明、(2)クライアントの面接に同行する、場面を設定し事例交換。
センターの業務説明に話し合いがおよばなかった(「就職後のフォローはどうなるのか」のみ)のは残念だが、面接同行場面についてはいくつか参考になることがあった。
「過去の障害状況を詳細に伝えない」というのは全員で一致、それだけじゃなくて、「何時間働けるのか、どんな作業はできるのか、慣れるまでの目処」などについて、具体的な状況から説明すべきだし、「叱責の耐性、逆ギレされた場合の対処、言ってはいけない言葉」などは、確実に伝えなければいけない。
「この人はどんな人?」という問いに対しては、「出勤状況、障害の一般的特性と個人特性など」について確実に答えられるよう整理し、本人と打ち合わせた情報を開示する。
他のチームの発表では、事業主が安心してもらえるような情報提供や、良い(必要な支援を提供できる)関係を結べるようにする、同業他社事例など事業所の要求レベルで調整する、など、やはり事業所視点で考えて整理することが求められていると思う。

「地域分析の方法」
「地域」や「福祉」といった漠然とした概念のイメージ化と、「住民」参加の手法を演習する内容。
上記「」内の言葉は、誰もがイメージをもつことができるがゆえに、その対象が曖昧だったり、人によってイメージが異なったりするものである。
そういった曖昧さは残したまま、「地域福祉計画」や「地域福祉活動計画」といったものが策定されつつある現状について確認し、その策定にあたっては住民参加が欠かせないとして、KJ法を活用した意見集約について演習する。
行政が地域住民のニーズを把握する方法として、調査(アンケート、ヒアリング他)、広報、イベント、ワークショップ(座談会:自由討議の場)、意見箱、パブリックコメントなどがあげられる。
情報の信憑性と正確性について、それぞれ一長一短はあったり、抽出調査では把握の主体によるバイアスがかかりやすいなど、様々な課題を残しながらも、意見集約時に確かに言えることは、情報収集=意見の構造化、ということである。
膨大な具体やイメージからあげられる意見を、いくつかのポイントに集約していく。
集約した上で、体裁を整え、主張を明らかにしていく。
全てではなくとも、住民の意見を反映させる一つの方法である。
その手法としてのKJ法体験であった。

個人的にはKJ法はいろんなところでやっているので、特に目新しいことはなかったものの、ワークに参加してこんなことを考えた。
意見集約時に大切なのは、個々が持っている意見を「目に見える形(可視化)」にしていくこと。
いかに本音を引き出すか。
ワークショップとはいえ、多少は緊張があるなかで、どのように引きずり出していくかがポイントになる。

デボラ・R・ベッカー、ロバート・E・ドレイク著、堀宏隆、他訳、大島巌、他監訳『精神障害をもつ人たちの ワーキングライフ』金剛出版、2004年。(8)、123ページまで。

○IPSプログラムの始動
1.(対象者の)資格要件基準
-制限はない。
-IPSでは、すべてのクライアントが、就労と働くことが彼らにもたらすであろう可能性について考えるよう勧められる。

2.紹介
-就労に関心を持つすべてのクライアントがIPSサービスにアクセスできるよう展開される
-例えば、関係機関やその待合室などに、ポスターやクライアントが働いているところを写した写真、パンフレットなどを展示する
(手順)
-IPSが順番待ちの場合は、CMはクライアントがどんな職種に就きたいか考えるよう勧める。職場訪問も有効。
-ただし、援助つき雇用プログラムの開始までの時間を短くし、働く意欲が削がれることを防ぐ
-短時間就労(15時間以下/W)も希望として成立する
-クライアントを障害者や患者としての役割ではなく、成人としての役割(本人の才能・能力・好みなど)に焦点をあて、本人を鼓舞する
-「働くこと」が物質乱用等のパターンを変化させる動機付けとなる
(紹介システムの進行)
-IPSコーディネーターが紹介を受け、就労支援スペシャリストを割り当てる
-就労支援スペシャリストとクライアントは、紹介後1週間以内に直接顔を合わせる

3.契約と関係の樹立
-クライアントが就職面接にストレスを感じているならば、伝統的な面接なしで職を得られるようクライアントを援助する
-最初の数回の会合では、就労支援スペシャリストとクライアントが互いに知り合い、クライアントが何をしたいのか見定める(ニーズ把握)ことに時間を使う
(援助関係)
-クライアントがどのような人なのかを知ることが、関係作りでは重要
-精神保健センターの外でその人を観察することは、何が(1)クライアントの就労への動機付けとなり、(2)障壁となり得るかについて、重要な洞察につながる
-クライアントの世界に入ろうとする積極的な様子は、クライアント尊重・理解の一助となる
(意欲低下・病状悪化時の対応)
-IPSでは、就労支援スペシャリストがクライアントに接触し続ける
-クライアントが困難な状況に置かれていたとしても、チームはクライアントの肯定的な面を見るようにし、その成功を目指す
☆「チームは希望を運ぶ」

4.面接技術
(基本的要素)
-面接が始まった後、信頼関係を築く有効な方法の一つは、クライアントについて肯定的な発言を行うこと。クライアントの努力と経験を、肯定的な枠組みの中で、常に繰り返し指摘する
-就労支援スペシャリストは、個人の意見を示すにしても、一般化したアプローチを用いる(個人的な逸話や考えを話すことは避けたほうがいい)
-自由回答形式の質問(「○○について教えてください、どんなことが好きで、どんなことが嫌いでしたか」「そのことについてもう少し話してください」など)を行うことにより、(1)新しい情報を得る、(2)回答によって質問がきちんと理解されているかどうかが明らかになる
(リフレクティブ・リスニング:聞き返しながら傾聴する)
-二つの利用方法
1)スペシャリストがクライアントの話を正確に聞いていることを確認する
2)クライアントとの関係を築くのにも利用される
3)クライアントが、自分が話した内容をもう一度聞き、話そうとしたことをさらに明確にする機会を提供できる
-スペシャリストは、共感を込めて、クライアントがどのように感じているか応答する
-面接者は、クライアントが「話している時に体験している情動」を同定する
-アドバイスを避ける
 クライアントが自分で解決策を探し出すよう励ますことを望む
 問題解決のための様々な選択肢と、それらの長所・短所を見つけることを援助する
 ただし、賛成できない場合は、賛成できない理由を述べた上で、クライアントを尊重し、支持していることを示し続ける
(意見の不一致が原因となる「対立」は避ける)
☆クライアントの失敗する権利、自らの経験から学ぶ権利を認めるようにする
-就労に焦点を当てた面接を続ける
-面接の最後に、話し合ったことを要約し、次の面接時間と、次回の面接でどのように時間を使うか決め、更にクライアントの就労目標に関連して、お互いに次の面接までに何をするか、意見をまとめる
(動機付け面接motivational interviewing・ストレングス評価)
-クライアントが目標を明確にし、目標達成に向けたプランを立てるための質問
 重要なこと、目標達成を阻む障壁の明確化を援助する
-意欲が低下しているときには、クライアントにとって働くことの意味を再確認する
 就労が望ましいと周囲は思っていても、クライアントがそう思っていないのならば時期尚早である
-クライアントとの協働作業においては、クライアントは全人的な視点で捉えられ、病気も持っているが、技能とストレングスを持っている人である
-クライアントが夢を持つよう励まし、その夢が実現するよう手助けをする

(5.州の職業リハビリテーションプログラムとの連携)
(-シチュエーショナル・アセスメント=場面設定法)
( ジョブコーチによる支援が普及し、職場における評価を意味するようになった)
( アメリカでは、2週間程度のシチュエーショナル・アセスメントの制度があり、
  その間のクライアントの賃金は、職業リハビリテーション部門が負担する)

6.7.8:就労支援スペシャリストとクライアントが始めに話し合うこと
1)社会保障給付
 クライアントは、受給資格を失うことへの不安が就労の検討をためらわせる主な要因となっている(米国)。働き始めたら、給付がどうなるのかということに関して、正しい理解と働きかけが必要となる。
2)障害の開示
-「障害をもつアメリカ人法:ADA」に基づく保護を得るためには、事業主に病気のことを開示する必要がある(米国)
-面接や就労の前に、障害の開示について(1)開示するか否か、(2)どの程度開示するか、について話し合っておく
-仕事上の調整が図られた方が助かることをクライアントがはっきり分かると、事業主に障害を開示しようと思うようになる場合もある
☆事業主にとって疾患に関する詳細な情報は必要ない
3)家族の関与
-どの程度家族が関与するか
-連絡体制の構築
-多くの場合、本人に対する(1)家族の対応策、(2)仕事に関連する興味、(3)事業主への連絡など、有益な情報を提供してくれる

9.時宜にかなった就労計画
-クライアントが、(1)精神疾患の症状の悪化、(2)物質乱用の再発、により「働きたくない」と言った場合
 →援助チームは、その時は就労に焦点をおかず、将来の職業上の成功に向け勇気付ける
☆働くことは一つの目標になる
-本人が、目標とその妨げとなるものを認識するように促す
-働くことは、クライアントが生活のほかの部分にも支援を受け入れる動機となる
☆就労支援スペシャリストは柔軟であり、クライアントの希望に焦点をあてる。それが就労支援スペシャリストの思いと多少異なるものであったとしても

12/10 研修1日目(職業カウンセリング演習、他)

機構の幕張本部での研修初日。
何度来ても、ここはあまり好きではない。
ただ、キライ嫌いで何も得ないのはもったいないし、思い切り勉強できる日が5日間用意されたので、逆手にとって思い切り缶詰になってしまおうかと。

「職業カウンセリング演習」
私は、心理学を専門に勉強していないカウンセラーなので、「カウンセリング」そのものがテーマになった話にはついていけないのだが、今回の説明はすっきりと整理されていて、刺激的な講義だった。
講師の福島脩美(目白大学)は、自らのカウンセラーとしての経験とスーパーバイザーの経験から、クライアント(広義にとらえており、特定疾患を持つ者ではなく、子どもから大人まで特に制限はない)の質的変化についても言及される。
「ありのままの自己を受け入れることが困難である」とし、課題を3点にまとめる。
1)愛情と尊敬のまなざしの相互交流を欠く
2)かけがえのない個性としての受容の相互交流を欠く
3)自己直面化と自己促進を避ける傾向が顕著

その上で、カウンセリングの基礎知識としてよくとりあげられる「無条件的受容」について、自説を論じる。
人は、周囲の人から向けられる肯定的感情を「維持」し「促進」したいと願い、その経験の上に自分自身に対する肯定的感情を維持しさらに促進したいという基本的欲求があるとする、ロジャースの「維持と促進」を取り上げる。
その上で、Unconditional Positive Regardの日本語訳について、原著でロジャースが説明しているというnonposessive love(非所有的愛)を取り上げる。
すなわち、「あなたがどうであっても、私はあなたに対し好意・尊重・愛情を持ち、それがクライアントに何らかの形で伝わること」が重要であるとする。
そのとき、受容するのはクライアントの発言や行為であり、愛を持って接するのは感情面の働きである。
相手の発言に対して、「違うなぁ」と思うことはあったとしても、目の前にいるクライアントその人については「いいやつだ」と思うことが、カウンセリングでは重要であるとする。
相手を好きになり、いい感じをつくる。
それにより、相手から好かれる。
その上で、選択肢を提示し、おすすめを伝える。
選ぶのは本人である。

その際、相手の視点に立って受容することと、相手を客観視して状況を掴んでいくこと両方が必要となる。
カウンセラーは、意図的に視点を切り替えてカウンセリングを進めていく。
思い切り共感的に寄り添って考え、客観的に状況把握と指摘、更にその人が「どう考えるか」について共感的になる、といった具合である。

私は、「無条件の受容」なんてできるわけないじゃん、と思いつつカウンセリング業務にあたってきたわけだが、「受容」する対象についてはきちんと整理されないまま、この内容を理解していたなと、ふりかえる。
結局、大筋では私がやってきたことはそれほど間違っていなかった確認はできたのだが、手法についてはまだまだいろんなものを参考にして取り組まないといけないなと思った。
今回、宿題を通して考えたことでもあるが、「相手のニーズに寄り添うこと」について、もう一段階思考のレベルをあげないと、おそらく壁にぶちあたると思う。
これまでは、指導的なカウンセリングを多用し、同意がなければ「泳がせて」いたのだが、これに関して確かな手法を身につけたら、もう一歩進化できると思う。
併せて、「促進」という考え方についても、整理して一つ思考レベルがあがったように思う。
今まで、IPSでいうところの「Strength(得意なこと)を伸ばす」ことを意識して、クライアントの希望に沿ったことで目標設定して、具体的に取り組むことで、確かな行動変容が生じたケースはある。
これは、カウンセリングの技法と目標設定の具体性によって、質が決まるものと思っていたのだが、そうではなく、確かにカウンセラー側の働きかけは大きいのだが、クライアントの「自己との関わり方」にも大きく左右されることがわかった。
「視点の切り替え」を意識して、カウンセリング技法(要約を伝えることで理解していることを伝え、相手の「いいところ」を探し伝える、など)について、もう少し突っ込んで考えてみようと思う。

そんなことを、駅前で見つけた素敵なアイリッシュパブで、「マッカラン」を飲みながら考えました。

2007年12月8日土曜日

「できない」気持ち

率直に、Iyokiyehaは自分のことをそれほど頭のいい人間とは思っていません。
要領の悪さは自他共に認めるところですし、私なんかよりよっぽど短時間で同じ仕事ができる人を何人も知っています。
羨ましいなぁ、と思うことは度々。
だから、納得するまでいろんなことをやろうとします。

一番身近なところでは、ウチの嫁さん。
とにかく記憶力がよくて、私がずっと前に何気なく言ったことまで逐一覚えていて、時々頼りになるのだけども、時々驚かされる。

さて、本題。
「できない気持ち」って考えたことありますか?
最近、好奇心のままに動いている結果、合気道とサルサと手話を習うことになったわけです。
このうち、特にサルサではこの「できない気持ち」を強烈に感じています。

手話は、去年もやっているし、うまくなっているのが自分でも実感できます。
合気道も、習いたてでまだまだうまくないけれども、身体の使い方が少しずつわかってきたので、これもまた面白い。
ただ、サルサに関しては、基礎の基礎でつまずいているばかりか、身体が思い通りに動かず、ちんぷんかんぷんになっています。
頭と身体がばらばらになっていく感覚。
合気道を始めたときにも感じた感覚です。

それで、合気道の時には繰り返すうちに、少しずつ馴染んできているのですが、サルサには嫁がいます。
嫁さんはできてしまうのですね。
これがまず「できない」を増長させます。
それはまだ放っておけばいいのですが、その嫁さんが「もっとこうせい、ああせい」と鋭い指摘をしてくれます。
これがさらに「できない」を強調します。
不思議なことに、普段健康体でいるときには全く気にならないことも、身体が疲れていると悪い方へとってしまうのですね。
私自身が気分を害していることに気づいてしまいました。

不思議な感覚です。
その日は、こんなことで気分を害す私に対し「まだまだ未熟だな」と思うことにして済ませたのですが、翌日そのことについて振り返ると、もっと根が深いことに気づきました。
それは、「(おそらく)普段、私は嫁と同じことを他人にしている」ということ。
私が仕事で関わる方の多くは、何らかの「できない」を抱えてやってきます。
その人たちに、「そこそこできる」私はどう映るのか、もっと敏感にならなければいけません。
ただでさえ、私は「べき思考」という認知の歪みが出がちですから、それを知らず知らずの内に、人に押し付けていないか、気をつけなければ、と思ったところです。

2007年12月2日日曜日

週末雑記(サシ飲み、映画『続・ALWAYS三丁目の夕日』、サルサパーティ、ランチバイキング)

金曜日の晩、師匠と飲みに行く。
大事な話も、どうでもいい話も、結構真面目に話す。
例えば、絶叫マシーンが好きか嫌いかの分岐点は、「最悪の事態をリアルに想像するかしないか」による、とか。
要するに、好きで好きで仕方がないという人は、最悪の事態(直滑降の最中に、ベルトが外れて地面に叩きつけられる、など)を克服できるか、または何も考えていないか、いずれかだろうと。
羨ましい反面で、自分達を正当化する論理を組み立てる。
ホントどうでもいいことなんだけど、酒飲みながらそんなことを大真面目に話せる師匠は面白い。
聞けば、師匠はFUJIYAMAに2回乗ったとのこと。

http://www.fujiq.jp/fujiyama/index.html
(FUJIYAMA 富士急ハイランド)

同行者に半ば強制連行されているあたり、絶叫マシーンが苦手な私も共感してしまう。

もちろん、仕事のアイデアなんかもたくさん交換したように思うのだけども、ただ、飲みの席だったこともあり、よく覚えていないこともちらほら。
大切なことは、おそらくそのうち思い出すでしょう。

土曜日。
疲れと軽い二日酔いで昼前まで寝てしまう。
最近、週末になるとこの傾向があり、よくない。

昼過ぎから、『ALWAYS 続・三丁目の夕日』を観に行く。
http://www.always3.jp/
(ALWAYS 続・三丁目の夕日 オフィシャルサイト)
http://www.always3.jp/05/
(ALWAYS 三丁目の夕日 オフィシャルサイト)

12月1日なので、1,000円で映画が観ることができてお得だった。
映画の前に笑えたのは、「恋空」の開演を待つ中学・高校生の列に、気づかず並んでしまったこと。
私は、原作を立ち読みしてみたことはあるが、あまり印象に残っていない。
でも、ヒットしているみたいですね。
http://koizora-movie.jp/index.html
(恋空 オフィシャルサイト)

映画の予告で、山古志村の犬を題材にした『マリと子犬の物語』という映画があったのだけども、予告編で不覚にも夫婦揃って泣かされてしまう。
http://mari-movie.jp/index.html
(マリと子犬の物語 オフィシャルサイト)

『ALWAYS』は、先日前作を観て「おぉぉ」と感動して、続編が出たので行ってみる。
前作と比べると、「ぶわっ」って泣けるシーンは少ないと思うけれども、文句なしにいい映画だと思います。
鈴木オートの親父が、いい味出しています。
小雪は、せつなげな表情させると似合いますね。
出演者がみんな演技派なので、安心して観ることができました。
竜之介がやたら成長していて(映画の設定では数ヶ月後のはずだが…)、前作ほど「かわいくない」のが笑えました。

帰り道、先週サルサの練習で誘われたサルサパーティに、師匠を誘ってみる。
二つ返事で「行きます」との返事。
さすが、ノリがいい。
場所は、以前このサイトで紹介した、ブラジル料理「オチオ」。
http://iyokiyeha.blogspot.com/2007/11/blog-post_11.html
Iyokiyehaお気に入りのフェイジョアードをほうばり、シュハスコを楽しむ。
師匠も食事は肌にあったようです。
参加者が一通りご飯を食べ終わると、中央の長机を脇に寄せ、サルサがはじまります。
いつも夫婦でやっている、ベーシックなステップは、自然と動きの中に織り込まれており、派手な回転技がくるくると。
穏やかそうなおじさんが、軽やかなステップで滑るように軽快に動き、女性をリードする姿には、思わず「カッコいい!」と思ってしまう。
そして、男性のリードで舞う女性も、なんとも言いがたい色気が感じられ、これもまた新鮮。
見てくれがかわいいとか、美人とか、そういうことだけでないのだなと。
「美」というものは、身体動作にも織り込まれるものなのかもしれない。

池上彰『「話す」「書く」「聞く」能力が仕事を変える! 伝える力』PHP研究所、2007年。

元NHKの記者で、週刊こどもニュースの初代お父さんによる、ビジネス新書。「伝える」というキーワードを使いながら、口頭でのやりとりにとどまらないコミュニケーションについて、役に立つ情報が満載の新書。
時々、こういう本を読んで、普段の自分のアウトプットについて考えるわけだが、その度に「もっとこうした方がいいかな」と思うことがある。ということは、私のスキルはまだまだ半人前で、どこかしこに改善の余地があることを思い知らされる。普段から「私はできる」とは思っていないけれども、何か「成功」すると、その問題点にはなかなか気づきにくいもの。今後の仕事の質を変える一冊になりそうだ。

佐藤悦子『SAMRAI佐藤可士和のつくり方』誠文堂新光社、2007年。

気鋭のアートディレクター佐藤可士和の妻である悦子氏が、「夫をブランディング」するためにやってきたこと、やっていることをまとめたもの。
前回紹介した『超整理術』の内容が、何を基盤にして成立しているのかということがわかる。悦子氏と可士和氏は、どちらかが支えているとかいう単純な関係ではなく、まさに二人三脚であるといえる。そしてその二人三脚は一人で走るよりも数倍速く、力強く走ることができる。夫婦でお互いを高め合う、ということの理想的なモデルがここにあるといえる。

内容の中で、印象に残ったことは、悦子氏が「SAMRAI」の仕事を選別する際に「できることと、できないこと」を明確にすることと合わせて、「すべきことと、すべきでないこと」を冷静に考えて、求められるものを把握しているのだということだ。私の古巣(NPO)で自然と考えられていたことが、こんな形で言語化されるとは思いませんでした。ミッション(使命)は何か、そのためにすべきことは何か。普段の仕事においても「全体を俯瞰」して、求められていることを冷静に実施し、できないこと、やるべきでないことは、信頼できる人にお願いすることを意識したいものです。