2014年9月19日金曜日

伝わる書き方とは?

「上梓(じょうし)」という言葉がある。
大学在籍中にこの言葉に出会い、辞書をひいて意味を知った時、私は指導教官に「わざわざ『上梓』なんて言葉を使わなくても、『出版する』でいいじゃないですか」と言ったような気がする。
最近、ある本のまえがきで「上梓」という言葉に出会い、そのことを思い出した。

「三年前、私は『○○』を上梓した。」
「三年前、私は『○○』を出版した。」
書き比べてみると、どちらも意味としては通るのだけれども、『○○』の著者であるということをより明確に伝えるには前者の方が適しているのだろう。後者だと前者の意味に加えて出版社の担当者の立場としても使えるかもしれない(正確にその意味を伝えるのならば「三年前、私は出版担当者として、■■著『○○』を世に送り出す一助を担った」とでもするべきだが)。

些細なことなのかもしれないけれども、明確な表現で文書を作成できる技術は、公の組織の中で報告や企画内容を広く知らせるために必須の技術である。
そして、その技術に関して、今の私は
・技術そのものが身に付いていない
・技術が発揮できない状況に置かれている
のいずれかまたは両方の状態であるといえる。

背景として、読書量が減っていることと、テキスト分析をする機会を作っていないこと、あるいは書いていないことや型が身に付いていないことなど、いくつか考えられることはあるのだけれども、上記状態のいずれか(または両方)であったとしても、それに応じた勉強を地道に重ねていくことしかできないのだろうと思う。