2007年4月24日火曜日

人付き合いと、自己防衛

 自己開示は進めば進むほどいいかというと、私はそうは思わない。ただし方法は個々人で工夫する必要はあると思う。

 仕事で精神障害を持つ人のプログラムを運営しているので、最近私の周りには人との距離の取り方を勉強しにきている人が何人もいる。かたや、障害うんぬんではなく人との距離のとり方で考える人もいる。また、これまでに付き合いのあった人の中には、人との距離はないほうがいいと思い込み、やたらと接近してきた人もいる。
 先日読んだ資料では、「人付き合いが苦手な人のために」ということでまとめられた項目の中に、みんなと親友になろうとしない、というものがあった。なるほどと思った。要は、開示しすぎて自らのプライベートを延々語るであるとか、逆に相手のプライベートを何の気なしに聞いてしまうなどの行動は、人間関係を円滑にする上ではあまり得策でないということを示している。
 私は、ProjectAdventure(PA)のプログラムを受けたことがあるなどして、どちらかといえば私自身を開示している方だと思う。要らん遠慮や探りあいは嫌いなので、さっさと自分のことを曝け出して、できるだけ本音に近いところでやりとりしましょうや、というメッセージを発しているつもりである。それが、相手にどう受け取られているかは相手次第で、結局今の今まで連絡をとっている人とはうまくいっている、そうでない人とはうまくいっていない、それだけである。
 ただ、先に書いた人間関係で悩んでいる人の悩み方と、私のこれまでの人付き合いとを比べてみると、私は私なりに自己防衛を図っているのかなという気になる。自分と人との間にあるものを「壁」と表現するならば、私の「壁」は二枚立てなのだろう。外側の壁は、高さを私が調節できて、かつ普段はやや低めになっている。内側の壁は高く厚く、鍵がないと入れない類のもの。人間関係に悩む人が、壁の高さを気にするのとは全く別の方法で私自身を守っているように思う。要するに、おそらく多くの人よりは自己開示の程度が高いが、大事なものを本気で守っているということだ。だから、あまり迷わない。時々壁の高さを失敗して、土足で踏み込まれることはあっても、最後の最後はきちんと守る。そんな感じなんだろうと、私のこれまでの人付き合いを振り返って、そう思う。

2007年4月22日日曜日

人間関係について(『人脈の教科書』より)

 ようやく、山梨の自宅が生活感を帯びてきた。先々週の初頭に山梨へ移ってきて、その週はダンボールを開けるのにバタバタ。次の週末は後輩が遊びに来てバタバタ。この週末は、ようやくのんびりした休日となっている。このBlogを更新するのも久しぶりだが、また日々考えることをメモしていこうと思う。

 浜松を去って岡山へ行くときも感じたことだが、新しい土地に来て、また人間関係のことを考えるようになった。転勤は初めてだけど、転居は4回目になる。その度に、何となく私の中ではそれまでの人間関係を「整理」しているような感覚になる。転居のお知らせをして、何かあれば連絡をするような人がいれば、定期的に会うような人もいるだろうし、仕事や役割の中で知り合った人の中には距離が離れることでおそらく疎遠になるだろう人もいる。
 何となく、そういうことに慣れつつある私もいるわけだが、できることなら細く長くつながっていたいなという人もたくさんいる。そういう人にどんなアプローチをすればいいのか?今回は、簡単なフォーマットを作ってメッセージとともに置いていったが、それが今後どんなつながりを生み出すか。あまり期待はせずに待ってみることにする。

 そうした、長期的な人間関係とともに、mixiでも紹介しているように『人脈の教科書』(藤巻幸夫・インデックスコミュニケーション)なる書籍を読んで、もっと短期的かつ初期の「人と知り合う」ための態度、技術について、考えるきっかけもあった。藤巻氏は、マズローの「欲求の5段階説」を取り上げ、人脈の輪を広げる過程で大切なのは「自己実現欲求」に向かって人脈を形成することとしている。自分だけが安心できる、所属感を形成するだけの、外向きにアピールするための人脈形成ではなく、そうした過程を経て最終的には自分の可能性を最大限に実現したい、上昇していきたいという意志を持つべきとする。この点に関しては、これまで自分がぼんやりと考えていたことを、文章と図説で見事に表現してくれたと思う。
 もう一つ、人を紹介することについても言及している。私は、この点についてまだうまくないなと思っているので、今後、多いに参考としようと思っている。藤巻氏は「人を紹介すると、それは必ず自分のところに返ってくる」としている。初めに読んだときは、私自身の経験から、返ってくるうんぬんではなく人脈を広げるという根本的なところで疑問をもったわけだが、振り返ってみればそれは私が紹介する人を誤ったことから嫌な思いにつながったということかもしれないと思うに至った。もう少し詳しく本書から引いてみると「紹介を受けるときは、必ず紹介者を立て、恩を忘れない。紹介者を飛び越さないこと」とある。以前、私が取り持った人の中に、この「飛び越す」ことを次々と平気な顔してやってのけた人がいたことで、しばらくの間一歩踏み出せずにいた。それでも、自分自身が飛び越さないよう人に対しての礼を忘れず、積極的につなげていくことも考えていくべきかと思う。