2012年9月24日月曜日

NHK「プロフェッショナル」制作班『松本人志 仕事の流儀』ヨシモトブックス、2011年。

表題「NHKプロフェッショナル仕事の流儀」で、ダウンタウン松本人志をテーマとした放送回がありましたが、その際の取材内容の内番組放送から漏れてしまった箇所を再編集したもの。

本気でお笑いを極めようとしている姿勢は、番組を観ていても伝わるものがあるわけですが、その仕事はどのようにして作られているのかが垣間見える一冊。

印象的だったのは、
・アウェーの仲で観客を笑わせるときのドキドキ感
・仕切りのうまい人の条件は「踏ん切りの強い」人、無駄なものをきっぱり切り捨てられる人間
と語った箇所。

一見軽く見えてしまいがちな「お笑い」。しかし、ここには人が笑うことにプライドをかけて挑戦していく人の姿がありました。非常に読みやすい一冊。

長野伸江『この甲斐性なし!と言われるとツラい 日本語は悪態・罵声語が面白い』光文社新書、2012年。

洋画を字幕で観ていると「こんな表現するのか」と思うことがありますが、日本語にもいろんな表現があります。本著は日本語の悪態や罵声の時に使われる(ことのある)日本語について、その意味を古典から検討している。

目次だけ見ても、
・バカヤロー
・ブスとババアと淫乱と
・弱くてくさいは甲斐性なし
・犬は畜生、猫は泥棒
・鼻くそほじって、クソ食らえ
といったように、お行儀のよろしくない表現が満載です。

全体的なトーンとして、大変誠実に言葉の意味を探っているのだけれども、そのため少々歯切れの悪い箇所が目立つ。読み物としてというよりも、きちんと日本語を勉強するための一冊として読んだほうがいいように思う。それだけ丁寧に言葉を検討している、ということなのだけれども。

2012年9月23日日曜日

柏木恵子『父親になる、父親をする』岩波ブックレット、2011年。

最近は幽霊会員ですが、活動に賛同して会員になっているNPO法人Fathering JapanのMLで紹介されていた書籍。

NPO法人Fathering Japan

帯に「『イクメン』をブームで終わらせないために」と書かれているのですが、感情論ではなく心理学的な視点から父親の育児参加に関する現状と、母親の育児不安軽減および子どもの育ちの傾向について豊富なデータからシンプルに結論を導き出しています。

女性とは違い、男性は子どもの出生から「父親」になるわけではないこと。日本は男性の育児参加量が諸外国と比べかなり少ないこと。複数の人が育児参加する(アロマザリング)ことによって、子どもは多様な考え方、行動を学ぶ機会となることなど、「こう思う」のレベルから「こういう傾向がある」という段階へ認識を改めるのに適した一冊です。

子を持つ男性が、「もう一人の子ども」ではなく「父親」となり、父親をするきっかけとなる一冊。男性だけでなく、出産前後問わず女性にも読んでもらいたい書籍です。
何だか、この手のイベントや講習なんかで教科書に使えそうですね。

延髄反射のごとく暴言

雨が続きますね。
身体が動かせず悶々としてしまっているIyokiyehaです。
無料で身体を動かす自主トレ組にとって、雨はストレッサーにもなりそうです。

さて、落ち着いてきたので先週の話。
上司に暴言吐きました。以下やりとりです。

A 今日はいろいろあるので(定例の)打ち合わせはなし
I ○○さん、知っているんですか?
A 知らね
I 「知らねぇ」じゃねぇだろ

Aは上司、Iが私です。
目撃証言によれば、目つきはかなり怖かったらしく、このやりとりの後私が内線をとろうとしたら、すごすごとAが内線をかけていました。
この「知らね」の言い方が、軽く、いい加減で、大変癇に障る言い方だったので、次の瞬間暴言を吐いてしまいました。

立場上、すべきでないことをしたことについては素直に反省。週末かけてようやく反省したのですが、まぁ周囲からも自分としても「よく言った」というのが本音だったりします。
よくないですね、でも今の職場のストレッサーで純粋な仕事を除けばこのAが諸悪の根源だったりします。どうしたもんでしょうか・・・

2012年9月20日木曜日

Gin Fizz

何だかバタバタして、職場内を走り回っていたら「廊下を走るな~」と上司から言われたIyokiyehaです。学校??か?ちなみに黒光りする小さな6本足が廊下の隅を走っていたのですが、あまり気にしないようにします。

さて、昨日の仕事がすべて後ろ向き(就職うんぬんではなく、欠席が多い、やる気がない、とか)な指導を繰り返したため、すっかりエネルギーが枯渇してしまったようで、帰り道「仕事がつまらん」という考えに頭を支配されてしまいました。
こうなると完全に後ろ向き思考になり、なかなか思考のドツボから抜け出せず、子どもを寝かしつけながら寝てしまったらきっと明日の朝も気分悪いだろうなぁと。

そんな時にふと頭をよぎったのがGin Fizzというカクテル。私にとって思い出のカクテルの一つなのですが、思い立ったら飲みたくなって、夜な夜なスーパーへドライジンを買いに。
何年かぶりにシェーカーを出して作ってみましたが、分量もダメ、シェークもダメ、よって味もめちゃくちゃでしたが、そんなできそこないのGin Fizzを飲んだらちょっとだけ気持ちが緩みました。

今日はどうなるかな~

2012年9月3日月曜日

【AudioBook】NHKプロジェクトX制作班編『プロジェクトX挑戦者たち〈1〉執念の逆転劇』NHK出版、2003年。

NHKプロジェクトX制作班編『プロジェクトX挑戦者たち〈1〉執念の逆転劇』NHK出版、2003年。AudioBookは2011年。

以前NHKで放送されていた「プロジェクトX」の書籍版を音声化したもの。Febeで配信されています。
書籍版を読んだことがあったのですが、音声版で聴いてみるとまた異なる雰囲気があり新鮮でした。

富士山山頂に気象レーダーを設置するエピソード、世界企画VHS誕生の物語、青函トンネル工事など、新しい試みには官民問わず必ず未来を見据えた前向きに努力し続ける人達がいたのだと実感できる。
俗に言う「天才」が世の中を牽引するというわけではなく、ある組織、ある企業に在籍する他の人よりちょっと未来を見据えた人が突飛な考えを語りながら地道な努力をし続けた結果、世界に誇るものができあがったのだといっても過言ではないだろう。

終戦直後から高度経済成長期までの、産業・文化等のさまざまな分野において、製品開発プロジェクトなどが直面した難問を、どのように克服し成功に至ったかを紹介するドキュメントと紹介されており、その過程で活躍した(当時)一サラリーマンなど、いわゆる「無名な人」の語りで構成されている内容が非常に面白く、現実的で、迫力のある描写となっている。

内容が秀逸であるため、AudioBookならではのよさというところには至らないが、番組とともに間違いなく名著となるコンテンツだと思う。