2012年9月23日日曜日

柏木恵子『父親になる、父親をする』岩波ブックレット、2011年。

最近は幽霊会員ですが、活動に賛同して会員になっているNPO法人Fathering JapanのMLで紹介されていた書籍。

NPO法人Fathering Japan

帯に「『イクメン』をブームで終わらせないために」と書かれているのですが、感情論ではなく心理学的な視点から父親の育児参加に関する現状と、母親の育児不安軽減および子どもの育ちの傾向について豊富なデータからシンプルに結論を導き出しています。

女性とは違い、男性は子どもの出生から「父親」になるわけではないこと。日本は男性の育児参加量が諸外国と比べかなり少ないこと。複数の人が育児参加する(アロマザリング)ことによって、子どもは多様な考え方、行動を学ぶ機会となることなど、「こう思う」のレベルから「こういう傾向がある」という段階へ認識を改めるのに適した一冊です。

子を持つ男性が、「もう一人の子ども」ではなく「父親」となり、父親をするきっかけとなる一冊。男性だけでなく、出産前後問わず女性にも読んでもらいたい書籍です。
何だか、この手のイベントや講習なんかで教科書に使えそうですね。