2012年12月6日木曜日

小林よしのり『ゴーマニズム宣言SPECIAL 脱原発論』小学館、2012年。


原発に関する「ゴー宣」。一貫して脱原発のスタンスで書き切っている。
様々な論客の発言に関する評価もさることながら、百歩譲ってその点を黙認したとしても、私が衝撃を受けたのは原発に関する技術的なこと。
福島第一原発4号機の状態というのも発表や報道を追っているだけではなかなかわからないもの(「ダモクレスの剣」より)であることや、廃炉にかかる費用と時間(「廃炉、核廃棄物10万年の負の遺産」より)に関しては、単に「へぇ~」という知識というよりも、論理的に「こんなもの後世に残しちゃいけない」と思った内容でした。
小林氏の作品はいつも豊富な資料を基に描かれている。当然ある立場に立っての論調(氏は「自分は漫画家」といっているが)なので、本来は一つ一つの裏をとっていく作業が必要なのかもしれないが、細部がどうあったにせよ、全体を通じてやってくる内容を読んだら、とても「原発推進」とはいえない。これは大人の責任なんだと思う。

私は反原発です。今は衆院選かな。