2008年11月29日土曜日

読書状況081129

<今週の状況>
相変わらずです。
ちまちまとしか読めていません。
Audio Bookは、2.0倍速までは内容がつかめていたが、2.5倍速になると内容の把握にムラが出ることがわかった。
耳をもっと鍛えねば。

○既読
・渡邉美樹『強く、生きる。』サンマーク出版、2008年。
・野口悠紀雄『超「超」整理法』講談社、2008年。
・小山ゆう作、武田鉄也原作『お~い竜馬』(16~23巻)小学館。
・佐藤秀峰著、小森陽一『海猿』(1~12巻)小学館

○一部(雑誌含む)
(精神保健福祉士通信講座テキスト複数)
・『Foresight』(新潮社)
・『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)
・『TOPPOINT』(パーソナルブレーン)
・『PHP』(PHP研究所)
・米内山明宏『DVD付き はじめての手話入門』ナツメ社、2005年。
・松下幸之助『道をひらく』PHP研究所、1969年。
・寺田昌嗣『フォーカス・リーディング』PHP研究所、2008年。

○オーディオブック
・望月実『問題は「数字センス」で8割解決する』技術評論社、2008年。
・佐藤富雄『脳が悦ぶと人は必ず成功する』Nanaブックス、2008年。
・渡邊美樹『夢に日付を ――夢実現の手帳術』あさ出版、2005年。
・洪自誠『中国古典の知恵に学ぶ 菜根譚』ディスカバー21、2007年。
・(現在)マーク富岡『3000人のユダヤ人にYESと言わせた技術』サンマーク出版、2008年。

○現在進行中
・茂木健一郎、NHK「プロフェッショナル」製作班編『プロフェッショナル仕事の流儀 あえて、困難な道を行け』日本放送出版協会、2008年。
・弘兼憲史著、ラルフ・マッカーシー訳『バイリンガル版 部長 島耕作 新装版③』講談社インターナショナル株式会社、2007年。
・森博嗣『ナ・バ・テア ――None But Air』中央公論新社、2005年。
・竹内薫『[非公認]Googleの入社試験』徳間書店、2008年。
・ジャック・キャンフィールド、マーク・ビクター・ハンセン著、木村真理、土屋繁樹訳『こころのチキンスープ』ダイヤモンド社、1995年。
・Og Mandino “The Twelfth Angel” Ballantine Books,NY,1993.
・池谷裕二『記憶力を強くする ――最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方』講談社、2001年。

渡邉美樹『強く、生きる。』サンマーク出版、2008年。

ワタミ株式会社代表取締役・CEOの渡邉氏が、「夢」について縦横無尽に語り尽くす。
生い立ち、そして人生の節目にどんな決断をしてきたのか、結果どうなった(ている)のかといったことを、渡邉氏自身が振り返って語り尽くした人生論といえる。
初め、Audio Bookで購入したものだが、内容にぐいぐいとひきこまれ、書籍も購入して何度か読み返している。

非常に面白い。
渡邉氏は、これまでにも「手帳術」などで、夢を具体的に描き、日付を入れることを提唱してきている。
この「夢から逆算」という考え方、そして自己実現の手法は、今まで誰もクリアに整理できなかったことに、我々のような未熟者がとりかかるための、この上ない参考となる。
イメージで言えば、真っ暗闇の未来を切り開いていこうというときに「おーい、こっちは登り甲斐のある山だぞぉ」と声をかけてくれている感じとでも言うのだろうか?
具体的な目標を立て(数値化など検証可能な尺度を用いる)、あとはひたすら取り組む。
古きに敬意をはらいながらも、新しい発想を大切にする姿勢が、人との縁や物事の好機を引き寄せていくということも、全く論理的ではないけれども感覚としてはありだろうと思ってしまう。
きっと渡邉氏の周囲には、とびきり素敵な人たちが集まっているのだろうと察する。

最大の敵は「無自覚」と「無気力」。
裏を返せば、好奇心と探究心は、人生を全うするのに、この上ない味方となってくれるのだろう。
大きな夢を持って、未来を創るという発想。
Iyokiyehaが、Iyokiyehaの人生を精一杯生きていくためのヒントを得たように思う一冊であった。

おすすめ度:★★★★★

思い出のレシート

とあるお店の、ある日のレシート。とってもおいしかったです。
この日は、ひどく暴飲暴食しましたが、とっても楽しかったので、思い出だけアップ。

2008年11月27日木曜日

中華料理 たんぽぽ

甲府に初めて来た日からお世話になっていた中華料理屋さん。

月末で店閉めるそうです。残念です。

Iyokiyehaには、静岡でも岡山でも、初めて行きつけになったお店が閉店してしまうジンクスがあるのですが、まさか甲府でもなるとは。。

お店のおとうさん、おかあさんには、大変お世話になりました。
ありがとうございます!

2008年11月24日月曜日

竜馬になりたい!

ヤングサンデーコミックス(小学館)の『お~い!竜馬』という漫画を読んでいる。
坂本竜馬の生涯をテーマにした漫画であるが、ぐいぐいとひきつけられてしまい、Iyokiyehaは坂本竜馬ファンになりつつある。

何が自分をひきつけているのかということを少し考えてみる。
幕藩体制があたりまえの日本にありながら、海外の商船に乗って海外を見ることにより、また、竜馬の人柄によって縁を持った知識人達と積極的に交わる中で、今後の日本の行く末を「自分なりに考え」、当時の常識ではありえないこと(長州-薩摩の連合や、カンパニー設立など)を堂々とやってのけたことなのだろう。
北辰一刀流の使い手として、充分に強い剣豪でありながら、いわれなき罪を着せられ、何度も斬られそうになりながらも、自らは決して人を斬らず。
大局から、邪魔な者を消すことが得策ではないという判断と、竜馬の性格からくるものだったのだろうが、個人的にはそうした「強さ」こそが本物の「強さ」のように思える。

以前、師匠から「先の先」「後の先」と一緒に「先々の先」ということを教えてもらったことがあるのだが、竜馬はまさに「先々の先」を堂々とやってのけた人なのだろう。
先手を打って、相手が刀を抜く前に斬ることも、相手が襲い掛かってきたところを斬ることもできる達人が、その相手と刀を交える前に友達になってしまう、戦意を削いでしまう。
もちろん、史実では竜馬なりの策略があり、漫画のように偶然が偶然を呼んだようなものではなかったのだろうが、とはいえ、その策略を支えたのは竜馬の底抜けの明るさであり、たとえ政敵となってしまった者であっても、その者に対する敬意と優しさが常にあったことが、「日本のため」に活躍する彼を支え続けたように思われる。

文句なしに格好いいと思う。
思い切り子どもっぽく言い切ってしまえば、Iyokiyehaは「竜馬みたいになりたい」です。
大義は何かと問われれば、まだまだ色のない夢ですが、職リハを通じたSocial Actionといったところでしょうか。
目の前の人に一生懸命になることも含め、何らかの形で自分と関わる人がみんな「自分らしく」生きられる世の中ができたらいいなと切に思っています。
具体的な内容はこれまでにも断片的に書き表していますが、今後もたくさん整理して具体的な目標に落とし込んでいこうと思います。
「面白そう!」と思った方、ぜひ一緒にやりましょう。

2008年11月23日日曜日

心を焚きつける

子どもができてから、ほとんど毎日嫁さんから写真付きの連絡がくる。
ありがたいことです。
姿だけでなくて、生活の様子なんかもちょっとした説明付きで送られてくる。
相変わらずマイペースだなぁ。
よく寝て、よく動いて、よく泣いて・・・
嫁さんが言うには、定期的でなく泣くときは大体「抱っこしろ」だそうです。
「自分の都合だけなんだなぁ」と改めて思う。
http://iyokiyeha.blogspot.com/2008/11/blog-post.html
(2008年11月3日投稿分)

自分の子どもの様子を見聞きしてそう思ったところなのだが、仕事にも通ずるところがあるのだなと感じる。
例えば、支援をプランニングする段階で、状況を掴んだ上でいわゆる「おすすめプラン」みたいなものを提案していくわけだが、それは本当に本人が望む内容なのか?という問いが常に脳裏をよぎる。
要は、「その人の都合が考慮されているか」ということ。
「本人の希望やニーズにきちんと沿っているか」ということ。

これまで仕事をしてきて、プランニングのイメージは、その人の将来を描いていくことだという印象を持っていた。
「これが望ましい方向ですよ」「こうした方がいいですよ」「こうしましょうよ」「こうじゃなきゃ、支援できません」「こうしなさい」・・・
表現は様々だけれども、どれも「この通りにすればうまくいく(と思う)」プランを相手に貼り付けていくイメージであるように思う。

果たして、このイメージは正しいのか。
Iyokiyehaの相棒の一人が、こんなことを言う。
「全部『仮説』だよね」
ごもっとも。
Iyokiyehaの仕事も、相棒殿の仕事も「仮説に基づくプランニング」をしているわけだから、確実なことは言えないということ。
相手が人間である以上、白か黒かの判断は「本人にも、本人を支える人にも、専門家にも不可能である」と言い切っても間違いでないように思う。

Iyokiyehaや、相棒殿の仕事を「無意味」とは思わない。
そして、仕事としてのプランニングに自信を持つことは必要だと思う。
でも、そこに「私の言うとおりにすればうまくいく」といった驕った姿勢が入り込むと、たちまちクライアントの「意欲」みたいなものは小さく、場合によっては消し去られることになり、その人本来の力を発揮できなくなってしまう。
以前、私はプランニングや指導のことを「水路付け」と呼んでいた。
http://iyokiyeha.blogspot.com/2008/06/blog-post_9179.html
(2008年6月18日投稿分)
合意の上、指導や課題に対するアプローチをするのは「水路付け」のイメージだが、プランニングはちょっと違うのかなと思える。
支援のプランニングは、クライアントの白い予定帳に、支援者が方針を書き込んでいくのではなく、クライアントが予定帳を作っていくように促していく作業のように思える。

そうした働きかけが、今の仕事には求められるのだろうなと切に思う。
最近、自らの仕事を車の教習やカーナビゲーションシステムに例えることが多い。
例えば、現在位置の把握が「評価(アセスメント)」、目的地を設定するのが「プランニングのための相談」(昇仙峡に行きたい!)、ルート案内をする「アプローチとか助言とか」(300m先、右折です)、道を間違えたらリルートする「状況変化に応じた、計画変更」(リルートします)、と例えられる。
加えて言えば、ハンドル操作は様々な技能(スキル)をあらわすことができ、アクセルを踏むことが前進の意欲とあらわすことができる。
それは、ハンドル操作は教えることができるけれども、アクセル操作は踏むか踏まないかの二者択一で、程度は本人次第である。
いくらハンドル操作がうまくても、アクセルを踏まなければ目的地にはたどりつけない。

こういう例えを交えてみると、Iyokiyehaの仕事は「よっしゃ、昇仙峡行こうぜ!」とクライアントさんがアクセルを踏む気になるように働きかけることだし、ニーズがあればハンドル操作を教えるし、目標達成に向けて道案内するといった、こんなイメージが本質にあるのではないかと思えてくる。
教習に例えたときには、支援者に「補助ブレーキ」というものがあるわけだけれども、壁にぶつかりそうなときにそれを踏むか踏まないかは、支援者の裁量になってしまうのでしょう。
ぶつからないように頻繁に踏む人もいれば、ほったらかしてぶつかるがままにする人もいるだろうし、私なんかは大怪我しない程度に踏んで一緒にぶつかってしまうのだろうなと思う。

雇用・就労支援の特質は、就職する人と雇う人という二つのニーズを同時に満たすことを常に意識するところにある。
そのあたりの思索はまた後日にするとして、この間、いろんな人と飲んで語って思ったことをまとめてみました。

2008年11月16日日曜日

職場のスクリーンセーバー

「妬まず、怒らず、愚痴らず」

勝間和代氏のオーディオブックに度々出てきた言葉だったと思うが、仏教の教えに出てくる「三毒」であるとのこと。
確かに、妬んでも、怒っても、愚痴っても、あまりいい結果が生まれるとは思わない。
Iyokiyehaも、いろんなことに対する心構えを変えてみようと、まずはこの言葉を職場のスクリーンセーバーで流れるようにしてみた。

職場でも、一部反響があったが、デスクで悶々としているときなど、脳天気に流れてくる言葉に含みがあるというのも面白い。
普段、「落ち着いている」とか「冷静」とか評価してくれることが多いのですが、そういう人に限って内側は「ホット」で「激情」ではないのかなぁとも思います。
Iyokiyehaが、このタイプですから。
こうでなければ、仏のような人か、何も考えておらず思考停止しているかどちらかです。

ぐらぐらと、いろんなことに感情を揺さぶられているところで、つい「かっ」となることも少なくないのですが、「妬まず、怒らず、愚痴らず」。
人を妬んでいないか、怒っていないか、知らずに愚痴を言ってないか、等等、ちょっとしたふりかえりの機会になるように思います。

ちなみに、もう一つスクリーンセーバーで流しているのは、

「ごまかしのない小さなことが、やがて、ごまかしのない大きなものを、生み出すであろう」

社会教育学者、宮原誠一氏の墓碑に刻まれた言葉です。
仕事は、目の前のことに集中しながらも、常に大局観を忘れてはならないなと思っており、時々突っ走る自分をやはり相対化するための言葉かなと思います。
目の前の数値目標のために、小手先でごまかしてはいないか。
発言は、本質を捉えているか。
一つごまかすと、二つごまかすことが楽になってしまいます。
愚直と言われても、大切なものは曲げずにいたいものです。

読書状況081116

<今週の状況>
あまり読んでいません。
座って、本を読む時間というのが、ここのところほとんどとれていません。
そんなこともあり、活字の欲が出てきました。
『超「超」整理法』は、おすすめです。
Googleで、ちょっとしたファイル共有による情報共有システムを構築中。
オーディオブックは快調です。
いつでも聴ける気軽さがウリ。
詳しく知りたい本は、その後本を買っています。
読むのが速くなりますよ。

○既読
・小山ゆう作、武田鉄也原作『お~い竜馬』(1~15巻)小学館。

○一部(雑誌含む)
(精神保健福祉士通信講座テキスト複数)
・『Foresight』(新潮社)
・『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)
・『TOPPOINT』(パーソナルブレーン)
・『PHP』(PHP研究所)
・米内山明宏『DVD付き はじめての手話入門』ナツメ社、2005年。
・松下幸之助『道をひらく』PHP研究所、1969年。
・寺田昌嗣『フォーカス・リーディング』PHP研究所、2008年。

○オーディオブック
・石川和幸『思考のボトルネックを解除しよう』ディスカヴァー21、2008年。
・保田隆明『投資銀行青春白書』ダイヤモンド社、2006年。
・(現在)望月実『問題は「数字センス」で8割解決する』技術評論社、2008年。

○現在進行中
・茂木健一郎、NHK「プロフェッショナル」製作班編『プロフェッショナル仕事の流儀 あえて、困難な道を行け』日本放送出版協会、2008年。
・弘兼憲史著、ラルフ・マッカーシー訳『バイリンガル版 部長 島耕作 新装版③』講談社インターナショナル株式会社、2007年。
・森博嗣『ナ・バ・テア ――None But Air』中央公論新社、2005年。
・竹内薫『[非公認]Googleの入社試験』徳間書店、2008年。
・野口悠紀雄『超「超」整理法』講談社、2008年。
・渡邉美樹『強く、生きる。』サンマーク出版、2008年。
・ジャック・キャンフィールド、マーク・ビクター・ハンセン著、木村真理、土屋繁樹訳『こころのチキンスープ』ダイヤモンド社、1995年。
・Og Mandino “The Twelfth Angel” Ballantine Books,NY,1993.

サービス向上と合理化は相反するのか

少し前のことだが、北杜(ほくと)市長選が始まったときのこと。
現職と新人(合併前の小淵沢町長)の一騎打ちの構図であるとのこと。
たまたまニュースで見たのだが、どちらの候補かわからないが面白いことを言った。

「市債を減らすための合理化と、それに伴うサービス低下を防ぎサービスを向上させるという、一見相反することをしていかなければならないが・・・」
なるほど、合理化を進めれば、サービスが低下するということか。

・・・面白くない。
新しい発想がなければ、何も変わらないのではないかと思ったところである。
それとも、行政特有の文化でもあるのだろうか。

石川和幸『思考のボトルネックを解除しよう』ディスカバー21、2008年。【Audio Book】

「ボトルネック」がテーマ。
「Bottle neck」は「隘路」と訳され、通り抜けにくい部分などをあらわしている。
三車線の幹線道路が、車線減少により二車線になると、そこで車が滞り自然と渋滞となっていく。
そんな様子であると理解している。

あたりまえのことだけれども、組織にもそうした「ボトルネック」は存在する。
オーディオブックでは、ライン作業の際、A,B,Cがいて三人が役割分担してものを組み立てるとすると、その中で「一番遅い人に合わせて」全体の進行速度が決まってくるとし、例えば、Aが20、Bが15、Cが10の仕事ができるとすると、全体の仕事量は10であると説明する。

オーディオブックの内容は、個人内にあるボトルネックを解消して、よりよい人生を生き抜く力としていくことを、知識と選択の観点から説明するものであったが、このボトルネックという概念は、気づく努力をしないと、知らず知らずの内に身の回りに偏在し、自分を窮屈にしているものと感じる。
実生活の中で、このボトルネックが気になるのは、自分の希望が自分以外の「何か」によってその実現を妨げられている時だろう。
「何か」がボトルネックである場合、憤りとなって自分に立ち上がってくる。

ただし、そのボトルネックについて、それを指摘するだけに留まっていたら、いつまで経ってもアクションには結び付かないということも感じるに至る。
つまり、生産性のない愚痴を延々と言っているだけでは、何も変わらないということである。
ボトルネック解消の方法は、様々である。
このオーディオブックでも、その方法について新たな発想をいくつも提案している。
その中でも、特に「選択」について触れている箇所は、普段わかっていながらなかなか具体的な行動には移らないと思うところである。

自分で自分を苦しめているという「ばかばかしいこと」は、いつの間にか起こっていて、知らず知らずのうちに自分を追い詰めていく。
私自身の仕事も「ゼロベース」で考え直してみたら、新たな視野が開けるかもしれない。

保田隆明『投資銀行青春白書』ダイヤモンド社、2006年。【Audio Book】

外資系投資銀行の業務を、新人社員の研修を兼ねた成長という視点で小説として描いたもの。
連日、ニュースや新聞をにぎわせている「投資」や「金融」。
そのしくみや、この小説でテーマになっているM&Aに関する、具体的な作業について、順を追ってわかりやすい説明を交えながら物語は進んでいく。
「投資銀行」なんて、普段縁がない故に、非常に新鮮だった。

企業が合併する、または事業を売却するというのは、どんな解釈ができるのか。
その手続きはどんなもので、どんな人たちがどのように関わっていくのか。
「事業の値段」はどのように決定されるのか。新聞を読んでいてもよくわからないこうした疑問について、小説ゆえのわかりやすさと、専門的になりすぎない概説がほどよく混ざり合って、面白い小説に仕上がっているといえる。

2008年11月9日日曜日

読書状況081109

<今週の状況>
とりあえず、最近の状況をまとめてみました。
フォーカス・リーディングができているかどうかは別として、少し読むスピードが早くなってきたようには思います。
いい意味で「読み飛ばし」をしている感覚(読み方のギアの変化)を実感しているところです。
オーディオブックが気に入っており、2.5倍速で聞けるため、結構な進度になっています。
お金の工面が大変かも(苦笑)。
感想はおいおい。

○既読
・村上憲郎『村上式シンプル英語勉強法』ダイヤモンド社、2008年。
・勝間和代『ビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ――ビジネス思考法の基本と実践』ディスカヴァー21、2008年。
・渡邉美樹『無人島ウィー ――地球でたったひとつの教科書』日本経済新聞出版社、2008年。

○一部(雑誌含む)
(精神保健福祉士通信講座テキスト複数)
・『Foresight』(新潮社)
・『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)
・『TOPPOINT』(パーソナルブレーン)
・『PHP』(PHP研究所)
・米内山明宏『DVD付き はじめての手話入門』ナツメ社、2005年。
・松下幸之助『道をひらく』PHP研究所、1969年。
・寺田昌嗣『フォーカス・リーディング』PHP研究所、2008年。

○オーディオブック
・竹内一正『スティーブ・ジョブズ 神の交渉力 ――この「やり口」には逆らえない!』経済界、2008年。
・渡邉美樹『強く、生きる。』サンマーク出版、2008年。
・稲盛和夫『生き方 ――人間として一番大切なこと』サンマーク出版、2004年。
・マイク・リットマン他『史上最高のセミナー』きこ書房、2006年。
・勝間和代『お金は銀行に預けるな ――金融リテラシーの基本と実践』光文社、2006年。
・(現在)石川和幸『思考のボトルネックを解除しよう』ディスカヴァー21、2008年。

○現在進行中
・茂木健一郎、NHK「プロフェッショナル」製作班編『プロフェッショナル仕事の流儀 あえて、困難な道を行け』日本放送出版協会、2008年。
・弘兼憲史著、ラルフ・マッカーシー訳『バイリンガル版 部長 島耕作 新装版③』講談社インターナショナル株式会社、2007年。
・森博嗣『ナ・バ・テア ――None But Air』中央公論新社、2005年。
・竹内薫『[非公認]Googleの入社試験』徳間書店、2008年。
・野口悠紀雄『超「超」整理法』講談社、2008年。
・渡邉美樹『強く、生きる。』サンマーク出版、2008年。
・ジャック・キャンフィールド、マーク・ビクター・ハンセン著、木村真理、土屋繁樹訳『こころのチキンスープ』ダイヤモンド社、1995年。
・Og Mandino “The Twelfth Angel” Ballantine Books,NY,1993.

耳を鍛えて、耳でも学ぶ ―音の力

ここのところ、すっかりオーディオブックにはまってしまった。
http://iyokiyeha.blogspot.com/2008/10/creativezenaudio-book-httpiyokiyeha.html
(2008年10月25日分投稿:耳で学ぶ)
http://www.febe.jp/top/index.html
(Web:オーディオブック FeBe)【リンクに追加しました】

ブログのアップが追いつかないので、また「読書状況」でまとめます。
9月7日が最後の「読書状況」更新のようですね。
さぼっててすみません。

オーディオブックに加えて、いくつかの書籍で紹介されていた速読ならぬ「速聴」にも挑戦しています。
http://iyokiyeha.blogspot.com/2008/10/10102008.html
(2008年10月5日:『フォーカスリーディング』)
http://iyokiyeha.blogspot.com/2008/09/102007.html
(2008年9月22日:『効率が10倍アップする新・知的生産術』)

挑戦といっても、音声データを好みの速さにエンコードして聞くだけなので、別に大変なことをしているわけではないです。
ただ、先々週くらいには2倍速で聞き取り難かったのが、今は2.5倍速でも何とか聞き取れているのかなと。
耳も筋トレ(神経トレ?)です。
やればやっただけ強くなります。
エンコードのソフトはここで公開されているものを使っています。
http://www.hayamimi.jp/
(Web:早耳倶楽部)
http://www.hayamimi.jp/02software/01free_encoder.html
(Web:フリー版早耳エンコーダー ダウンロードページ)

デジタルオーディオがすっかり手放せなくなっているわけですが、こんな感じで使い分けています。
通勤・移動中 = オーディオブック
勉強中 = クラシック・ジャズ系の音楽
PCや読書中 = 気分に合わせた音楽か英語教材
仕事中にもジャズとか聞きながらやったら、きっと効率あがるんだろうなぁって。
修士論文は、院生室でジャズ聴きながら書きました。

ほら、工場でも有線入れた方が効率があがるっていう研究があるみたいですよ。
岡山時代に某紳士服工場(あややの方です)の工場長に聞いた話です。
その工場では、最新ヒット曲の有線が流れていました。
だから、ウチの会社も・・・
・・・真面目な会社だから、ダメでしょうね。
出張中は勝手に聞いています、というか、私は何か聞いていないと運転中眠くなるので。

オーディオ関係の機材、いい使い方あったら是非教えてください。
最近のこの「耳で学ぶ」シリーズは、Iyokiyeha2.0に近づいたなっていう気がする開拓です。

法学

テーマ:わが国における行政救済法制について略述した上で、行政争訴2法(行服法、行訴法)の内容および異同を説明しなさい

1.はじめに
 日本における行政救済法制は「行政により自己の権利・利益を侵害されたとき」に、「その是正を求める」ために定められている(参考文献1、166ページ。以下本文中のページ数は同文献)。公権力の行使と、公共の福祉とが相反するものである場合や、個人に対する行政処分がその個人の権利や利益を著しく侵害する場合に、行政機関の暴走を抑制するための制度といえる。
 本稿では、行政救済法制の概要をまとめた上で、特に行政不服審査法(以下「行服法」)と行政事件訴訟法(以下「行訴法」)の二法の内容をまとめる。

2.行政救済法制体系
 日本における行政救済法制は、以下の三つに分類できる。一つ目は国家補償、二つ目は行政訴訟、三つ目は苦情処理制度である。行政訴訟は次章で説明する。
(1)国家補償
 国家補償には、国家賠償制度と損失補償制度がある。
 国家賠償制度はさらに、公権力の行使に基づく責任と営造物責任との二種類に大別される。前者は、行政機関に勤務する公務員が、その職務の中で故意又は過失により、違法に他人に損害を加えた時に、国又は公共団体がその損害を賠償する制度である。後者は、公の営造物(道路や河川など)の設置や管理について、その要件が欠格していたり、されるべき管理がなされていない等の条件により、他人に損害が生じた場合に、国又は公共団体がその損害を賠償する制度である。
いずれの場合も、通常公務員個人は責任を負わないが、故意または重過失である場合のみ、国や公共団体が当該公務員に求償権を行使できる。
 一方、損失補償制度は、公権力講師が適法である場合の特別な犠牲に対し、それを調整するための財産的補償である。
(2)苦情処理制度
 行政に対する苦情処理には、行政相談制度がある。総務省が行う、行政全般についての苦情や相談、意見・要望を受け付け、その解決や実現を促進するために、必要なあっせんや行政制度および運営の改善に反映させる制度である。

3.行政訴訟
 日本における行政訴訟は二つある。一つは行服法に基づく行政不服審査制度、もう一つは行訴法に基づく行政事件訴訟制度である。
(1)行政不服審査制度
 行政上の不服申立てに関する一般法を意味する。行政庁の違法や不当処分等に関する不服申立てに対し、簡易迅速な手続きにより救済を図ることを目的としている。
 不服申立ての種類には三種類ある。不服申立ては、ある行政庁の処分が対象となるが、一つには、当該行政庁以外の行政庁に対し不服申立てする審査請求、二つには、当該行政庁に対し不服申立てする異議申立て、三つには、審査請求の採決に対し不服がある場合に、さらに上級庁に提訴する再審査請求である。例えば、市町村長による処分に不服がある場合、市町村長に対し不服申立てをするのが異議申立てで、都道府県長に対し不服申立てをするのが審査請求、都道府県長の採決に不服がある場合に、当該処分を所轄する大臣に対し不服申立てをするのが再審査請求と説明できる。このことから分かるように、行服法は不服申立ての請求先を、処分庁・上級庁を含む行政庁としている。
 審査・再審査請求に対する裁断は裁決、異議申立てに対する処分庁の裁断は決定であるが、裁決・決定の種類は、それぞれ却下、棄却、事情、認容の4種類である。判断の対象となるのは、当該処分・不作為の適法性と妥当性で、手続きは書面審理が中心となっている。
(2)行政事件訴訟制度
 ある行政処分及び不作為について、その適法性を裁判所に問うための制度である。基本的に民事訴訟法に従う内容となっているが、行訴法を付け加えたものにより行政訴訟は構成されている。よって、当該申立てについて、地方裁判所の判決が不服であれば控訴して高等裁判所が裁判し、さらに高等裁判所の判決が不服であれば最高裁判所に上告することができる。よって、行訴法における不服申立て請求先は裁判所である。
 訴訟の類型は、行訴法第3条から6条に規定されている(その他のものについては第7条)。
 判決は、行服法とほぼ同様に、却下、請求認容、請求棄却、事情の4種類である。判断の対象となるのは、当該処分・不作為の適法性で、手続きは口頭弁論を伴う対審制となっている。

4.まとめ
 以上、行政救済法制について、特に行政訴訟に関する二法を中心に説明した。二法の特徴を端的にまとめると、ある行政処分・不作為について不服申立てを行う際、行服法に基づく行政不服審査制度は、その申立てを行政庁が簡易・迅速・低廉に審査するのに対し、行訴法に基づく行政事件訴訟制度は、その申立てを裁判所が客観的・公正中立的な立場から審査するものであるといえる。
 私個人としては、私生活においても、精神保健福祉士となった後の業務においても、活用せずに済むのが最もありがたい制度といえる。ただし、私生活および業務の中で、個人の権利・利益を不当な行政処分により侵害された際、その是正を求める正当な手続きがあることを覚えておきたい。



 
(勉強メモ)

※なお、本投稿をコピーしてレポート課題とすることを禁止します

2008年11月3日月曜日

お部屋掃除

数年ぶりに大掃除しました。
これまでは、実家の電化製品のお下がりを、いかに部屋に押し込めるかと考えていたのですが、今回は、いかに部屋をフラットにするかを考えてみました。
テレビは要らん、テーブルは要らん、本を床に置かない、をテーマに片付け。
20年の時を経て、発掘されるものもあり、感慨深くもある。
納戸の、私専用書棚整理しました。売却した書籍約200冊、書き込みとかしてて処分した書籍が50冊くらあ。結構やりました。
これで、子ども連れて帰省しても、安心です。

レセプターの質と網の目 -気づけること、気づけないこと

後悔もしていないし、必要以上に美化しているつもりも、美化するつもりもない。
ただ、自分にとって結構なインパクトだったので、記録しておきます。

部屋を片付けていたら、学生時代の私用の手紙がごっそり出てきました。
自分でも忘れていた封筒が発掘されて(笑)。
実家の自分の部屋を、何年かぶりに大掃除したので、そういうものまで出てきたんですね。
いろんな人と、いろんな手紙のやりとりしてたんだなぁと、懐かしんで目を通す。
そして、その大部分を処分しました。
過去との決別なんてものじゃないけれども、数年寝かせたものから大切な「気づき」を得たので。

当時は、プライベートな手紙がアパートのポストに入っているだけで舞い上がっていた頃。
今のIyokiyehaの経験と知識と照らしてみたら、その兆候が随所に散見されるわけです。
いろんな人からの、いろんな感情が乗せられた書簡。
とんだ思い違いをしていたことに気づかされるものもあり、恥ずかしいやら、苦笑いやら、そして「はっ」とする内容まで。

強烈な「気づき」でした。
自分が思い違いをすることによって、相手を不快にさせることもあり、得られる機会のあったものが得られなくなったり、そればかりか手の届かないところへ行ってしまったり。
「私」が直接の原因となって、とりかえしのつかないことになったわけでないことがわかるがゆえに、後悔はしないけれども、こう、胸にもやもやとしたものが残ったり。
同じ刺激を受けていても、レセプターとなる私がそれを受けられる準備ができているか否かによって、その刺激から受け取ることができる情報には違いがあるということ。
そんな、あたりまえといえばあたりまえのことに、否応なく気づかされました。

・・・という、強烈な感情の揺さぶりがあり、大切なことに気づけたことを心に刻み込んで、そしてここに書き留めて、全てを処分しました。
私も、次のステップに一歩踏み出そうと思います。

子どもを授かって、思うこと

呆れられても、苦笑いされても、こう言います。
「ウチの娘はかわいいです」
親バカとでも、何とでも言ってください。
全然、こたえませんから(笑)、あきらめてください。

嫁さんと娘の入院生活は、明日で終了となります。
入院先の病院の産科は、浜松市だけでなく全国的にも結構名が知れた病院らしい。
それはどうあれ、南米系の患者さんも多く見られます。
そんな人たちと、ポル語で話している嫁さんを「おぉ、すげぇ」と思ったり。
陽気に話しかけてくるブラジル人っぽい兄ちゃんに「かわいいねぇ、よかったねぇ」と言われて(いるような気がして)「ありがとう」と言ったら、「オメデト」と言われたり。
結構面白い。

ちょっと心配なのは、黄疸の数値があんまりよくないらしく、娘の退院は遅れるかもしれないけれども、なるようになるしかないですね。
そんな話を実母にしたら、「あんたも一週間くらい入院してたのよ」と。
なるほど、そんなところも似るものか。


(寝ている娘:かわいいでしょ)

静かに寝ていると、つい起こしたくなってしまいますが、ほどほどに、ほどほどに。
毎日、数時間の訪問だけだけれども、抱き続けて肩から腕にかけてすっかり筋肉痛です。
今日は、訪問中に3回も大きい方を排出していただき、ありがとうございます。
抱いているときでも、ガスが抜ける音と振動が、腕を通じて感じられるんですね。
一度に3回も交換の練習が出来たので、ちょっとだけ手際がよくなったかもです。


(起きてる娘:かわいいでしょ・笑)

数時間でも毎日娘と接して感じたのは、全て娘の都合で動くなぁということ。
お腹空けば泣くし、眠けりゃ寝てるし、伸びして泣くし、起きてきょろきょろしてどこを見るわけでもなく、抱っこしていてもそれが基で笑うわけでもなく、でも時々笑ったような顔してみたり、しかめてみたり、反応がなくなったらガスの音がしたり、動いていたと思ったら寝てみたり・・・
そう思ったら、泣いているときに「泣きやませる」ことは、親の都合だけなのかもしれないなぁと思ってみたりして。
でも、夜泣きとかされたら、自分の睡眠時間が短くなったり、ご近所に迷惑かも・・・と思うことそれ自体がもう「Iyokiyehaの都合」なんだよなぁと、はたと気づく。

そのことに気づいて、仕事のこともいろいろ考えそうになる。
要は、リスクを負うのが誰かという、先日の問いに通ずるもの。
http://iyokiyeha.blogspot.com/2008/10/blog-post_25.html
(2008年10月25日投稿分:リスクを負うのは誰?)
まとめるのはまたの機会。

もっと懐広くならんといかんなと思っているところです。
ますますセルフマネジメント能力が問われるかな。
早寝早起きしないと(笑)。

精神保健福祉援助技術各論(2)

テーマ:ケアマネジメント過程をまとめ、考察せよ


1.はじめに
 「ケアマネジメント」は、1960年代に欧米で勧められた脱施設化によって新たに発生した問題(退院した患者がホームレスになってしまう、または症状が悪化して再入院となる、など)を解決する手段として体系化された。定義する人により、ニュアンスに多少の違いはあるが、その意味するところは「従来の支援を超え、地域をベースに、利用者の生活ニーズを起点として、その充足のために必要なあらゆる社会資源を調整し、組み合わせて、その人らしい地域生活ができるように調整する新たな支援技法」といえる。
 本稿では、ケアマネジメント過程を7段階に分け、それぞれの要点を整理した上で、精神保健福祉士が目指すべきケアマネジメントについて、私自身の体験を交えて考察する。

2.ケアマネジメントの段階とそれぞれの要点
(1)インテーク(受理面接)
 ケアマネジメントの導入を判断する。主に初回面接のことを指す。クライアントの主訴を把握し、問題解決のための大枠を見立てる。
 具体的な支援には至っていない段階であるが、今後の支援を円滑に実施するためにも、クライアントのとの信頼関係を築くことが重要である。
(2)アセスメント(ニーズの把握と評価)
 様々な手法により、クライアントの生活ニーズの把握と、当該クライアントの状況からニーズ充足の方法や利用可能な社会資源の検討を実施する。
 ここで重要となるのが、「できる」「できない」に留まらず、クラアントやその置かれた環境の持つストレングスに注目しつつ、広く全体を評価することである。クライアントの生活領域毎のニーズそれぞれについて、セルフケア能力だけでなく、社会資源の利用・対応状況も含め、全体としてどんな状況なのかということを評価する必要がある。
(3)プランニング(ケア計画の作成)
 これまでの過程で得られた情報に基づき、クライアントのニーズを充足させるための目標を設定し、利用する社会資源やサービス、それぞれの役割分担や責任の所在、取り組みの期間を調整・確認する。
 目標は一つに絞り込むのではなく、ケアマネジメントによって実現が不可能としても、それがクライアントの真のニーズであるならば「大目標」としておき、大目標に近づくための現実的かつケアマネジメントによって対応可能な目標を設定する。その現時的な目標を達成するために、当面取り組むことを「小目標」として設定し、それに基づき具体的な計画を作成する。
(4)介入(ケア計画の実施)
 プランニングで作成した計画に沿って、クライアントとその周辺の環境に対し、直接・間接に支援を意図的に実施していく。直接支援は、クライアント本人のセルフケア能力を向上させるために実施される。例えば、コミュニケーション能力の向上のためのSSTへの参加を促すことがあげられる。間接支援は、クライアントを取り巻く社会資源に対し、その改善や、個々のサービス担当者の役割を明確にするなどして、サービスの適正化を図る調整があげられる。
 直接・間接支援の双方を必要に応じて実施することが重要となる。アセスメントで全体を評価することによってそれは可能となる。課題を本人のセルフケア能力のみに起因させず、社会資源の調整を視野に入れる点がケアマネジメントの特徴であるといえる。
(5)モニタリング(進捗状況の把握と評価)
 支援を実施した後、それらが計画通り進行しているか、支援によって新たな課題が発生していないか等、追跡調査を実施する。
 モニタリングの結果、目標達成のために計画の大幅な変更が必要と判断された場合には、再度アセスメントの段階に戻り修正する。
(6)エバリュエーション(総合評価)
 実施された一連のケアマネジメント支援全体をふりかえる。
 これまでと同様、クライアントのセルフケア能力がどの程度向上したか評価するとともに、クライアントをとりまく社会的な支援ネットワークをどの程度拡充・向上させたかについても適切に評価する必要がある。
(7)ターミネーション(終結)
 エバリュエーションにおいて、これまでのようなケアマネジメント支援が必要でないと判断された場合に、フォローアップ体制を整えて支援終了とする。
 ケアマネジメントは終了するが、ケアは必要に応じ次の段階へ移行するなどの引継ぎを確実に実施する。

3.考察
 以上、ケアマネジメントの段階とそれぞれの要点について概観した。改めて整理すると、困難を抱えた人に対し、何らかの援助活動を実施する場合、ほとんどこれと同じ段階を経て実施していることがわかる。私が普段業務としている雇用支援も例外でない。
 その上で、二つのことを取り上げて本稿を結ぶ。
 一つは、ケアマネジメント支援における「環境」への注目である。もちろん、クライアント自身のセルフケア能力向上は重要である。「その人らしい地域生活ができる」ことを考えた時に、重要なのはクライアントの能力だけでなく、その人を取り巻く資源をいかに活用しその人が能力を発揮できる環境を調整するかという視点が重要となる。例えば、「仕事をしたい」と言ってくるクライアントの主訴が、「安定した収入が欲しい」ということであれば、障害年金の受給も視野に入れるなどの対応が求められるだろう。
 もう一つは、人と関わる上で大切にしたいこととして、ケアマネジメント支援がクライアントの人生をどう方向づけるのかという視点である。課題・問題のある現状へと至った経緯は人それぞれであるが、その解決を通じて、クライアントはどんな人生を描いているのか。プランニングの大目標の設定に通じる部分であるが、そうした大きな目標にどのように近づいていくかという視点があって初めて、クライアントがエンパワメントされ、セルフケア能力も向上していくのだと考えられる。ケアマネジメント支援は、クライアントが置かれている生活上の困難を解決するために実施されるものであるが、その解決は本人の希望する人生に近づくためのものとして取り組むことが求められるのではないだろうか。
 人と関わる以上、その人の今後の人生を視野に入れた計画作成が必要といえる。さらに、全ての人や環境は変化する力(≒可能性)を持っていることを考慮し、ケアマネジメント支援を実施することが、精神保健福祉士が目指すべき支援のあり方であるといえる。



(勉強メモ)
※なお、本投稿をコピーしてレポート課題として提出しないでください

精神保健福祉論レポート(3)

テーマ:精神衛生法から精神保健福祉法の2005年までの法改正経過をふまえ、それぞれの意義と主なポイントについて述べなさい


1.はじめに
 精神障害を有する者に対する処遇に関する、この100数年の法改正を概観すると、彼らを社会から隔離・収容(自宅や病院)する社会防衛思想に基づいていたものが、地域生活を目指すものへと変化してきたことがわかる。
 本稿では、精神衛生法制定から現在までの法改正を取り上げ、それぞれの意義をまとめ、上記変化について整理する。

2.法改正とそれぞれのポイント
(1)精神衛生法制定(1950年)
 欧米からの最新の知識を導入し、公衆衛生の向上・増進を目的として成立した。しかし、精神障害を有する者を「社会生活を破壊する危険性のある者」とし、従来の私宅監置を、精神病院に収容する手続きを定めた法律と評価されている。ポイントは以下の通り。
①私宅監置の廃止
②措置入院と同意入院(現在の医療保護入院)を新設
③精神衛生鑑定医の設置

(2)精神衛生法改正(1965年)
 欧米で「脱施設化」運動が起こり、ケアマネジメントの手法が注目されるようになったことを受け、日本でも「地域ケア」が検討されていた。しかし、駐日アメリカ大使が、精神分裂病の診断を受けていた19歳の少年に刺され(1964年のライシャワー事件)、政治的対応も含め、精神障害を有する者が再び「市民的秩序を破壊する危険性を持つ者」とされる。こうした背景の中、精神衛生法は改正された。ポイントは以下の通り。
①保健所を第一線相談機関とし、精神障害を有する在宅者の訪問指導・相談事業を強化
②精神衛生センターを都道府県に設置
③通院医療費公費負担制度を新設
改正の結果、同法は治安的要素が強くなり、警察による精神障害を持つ者への取り締まりが強化されることになる。

(3)精神保健法成立(1987年)
 入院患者は増加の一途をたどる。この期間中、複数の精神病院における実態や事件が報道される。その中でも、宇都宮病院事件(1984年)は、国内だけでなく海外でも日本の精神医療現場の問題として取り上げられる。こうした国際的批判を背景に精神保健法は成立した。ポイントは以下の通り。
①任意入院制度の新設
②人権擁護制度の新設(退院・処遇改善請求および、精神医療審査会の設置)
③社会復帰施設の法定化
 任意入院は、後に入院形態の主流となる。ただし、「精神障害者」の定義や、保護義務者の負担については先送りされた。

(4)精神保健法改正(1993年)
 精神保健法成立後、国内では障害者対策に関する長期計画が打ち出され、国際的には国連原則が採択される。こうした背景と見直し規定により法改正される。ポイントは以下の通り。
①大都市特例(1996年から)
②医療・福祉・行政の連携と協力に関する義務規定
③保護義務者の名称を「保護者」に改めた(実態はほとんどかわらない)
④精神障害者社会復帰促進センターの創設

(5)精神保健及び、精神障害者福祉に関する法律(以下「精神保健福祉法」)(1995年)
 精神保健法改正後、障害者基本法が成立し、精神障害者が障害者施策の対象として位置づく。また、保健所法も地域保健法へと改正され、精神障害の発症から社会復帰まで、一貫したサービスの提供を保健所が担うことになった。また、当時入院患者数の増加も指摘されていた(約33万人)。
 これらの背景を受け、精神保健法が改正され精神保健福祉法が成立した。ポイントは以下の通り。
①目的に、精神障害者の自立と社会経済活動への参加の促進が加わる
②精神障害者保健福祉手帳が創設
③精神病院への指定医必置
④社会復帰施設の追加(福祉工場、福祉ホーム)
⑤精神障害者社会適応訓練事業の法定化
 ①により、社会参加の視点が目的に加わり、それに基づく法整備であるといえる。

(6)精神保健福祉法改正(1999年、2002年、2005年)
 精神保健福祉法成立後、「障害者プラン」が打ち出され、精神障害者に関わる施策は医療から福祉へと切り替わっていく。これらの背景、これまでの課題への対応、および構造改革の流れを受け、1999年に精神保健福祉法は改正される。ポイントは以下の通り。
①保護者の義務の緩和
②市町村が福祉サービスに関する相談を実施する
③ホームヘルプ、ショートステイが在宅福祉事業に位置づく
 居宅生活支援が制度の中に位置づき、地域における在宅福祉施策が展開されるようになった。
 2002年には、市町村保健福祉業務の開始に伴い法改正された。
 2004年に、「今後の障害保健福祉施策について(改革のグランドデザイン案)」が打ち出される。精神障害者に関する課題は「精神保健福祉の改革ビジョン」に基づき取り組むとされた。こうした流れの中、2005年に障害者自立支援法が制定された。それに伴い、精神保健福祉法も改正される。ポイントは、障害者自立支援法への統合(通院医療費公費負担制度や社会復帰施設に関する事項)である。

3.まとめ
 以上から、冒頭で述べた、精神障害を有する者に対する処遇の変化がわかる。
 本稿では、精神障害を有する者の支援に関する法律を概観してきたが、障害者福祉全体の流れがこれと同様、地域生活を支える視点へと変化しつつあるといえる。法律の変化だけでなく、その根底にある「住民参加と協働に基づくサポートネットワークの形成による共生社会の実現」を見据えた取り組みが必要となるといえる。
平素から、障害を有する方への支援をしつつ、こうした大局を見据える姿勢を忘れないようにしたい。




(勉強メモ)
※なお、本投稿データをコピーしてレポート課題としないでください