2012年5月30日水曜日

雇用率2.0%への引き上げ、に思う


http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2300T_T20C12A5MM0000/
日経新聞 2012年5月23日
http://www.47news.jp/CN/201205/CN2012052301001326.html
47NEWS 2012年5月23日(共同通信)

http://www.sankei-kansai.com/2012/05/28/20120528-060781.php
http://news.searchina.ne.jp/disp_iphone.cgi?y=2012&d=0527&f=business_0527_018.shtml


障害者雇用は、企業CSRや多様性(diversity)と共に語られるが、単に数合わせでない目的に「働き方そのものを問い直す」ことが含まれているように思われる。そこには、働き方そのものに対する問いと多様な働き方を理解・共感・実現しようとする意識が求められる。

企業にとって従業員を「雇用する」ことは、ただ人を配置するという単純なことでない。ただ、企業の人材育成・戦略と関わってくるということを逆手にとれば、障害者雇用率の達成を支える理念(考え方)みたいなものがあってこそ、数合わせでない障害者雇用が実現する。

雇用率達成が「働き方」そのものを問い直すきっかけになればいいと思う。「明日までに候補者を出してくれ」とか言って、あまり練られていないような求人を送ってくる企業担当者が最近目立つ。単に数合わせで雇用すればお互い不幸になってしまうのは必至。

雇用をきっかけに企業が何を考え、カタチにするのか。また、障害者雇用を支える支援者として、そこにどういった刺激を与えていくかが問われているのだと思う。単に企業の言いなりになってはいはいと候補者リストを提出して押し出しているだけでは、結局何も変わらない。
(以上Twitter投稿分)


障害者雇用の事例報告、といった集まりが各地で開催されている。私も仕事の中でそうした集まりの企画・運営にあたったこともある。
企業の方に話題提供をお願いすると反応は様々である。
そこには様々なニーズを持った方が集まるからであり、運よくニーズと報告内容が合致したというところは高評価となるが、たとえテーマが共通であってもニーズにずれが生じている場合には違和感からか批判からかは別として評価は下がる。5段階評価で3とか4をつけるというのはそういうことではないだろうか。満足すべきではない。

ここで一つ補助線を提出してみる。
障害者雇用において企業に課せられる義務としての目標値=法定雇用率に達しているか否かで大きく二分したときに見えてくる企業ニーズについて整理してみる。

未達成企業=法定雇用率を満たしていない、あるいは諸々の事情で法定雇用率を割り込む可能性のある企業にありがちなニーズとしては、「まずは雇用率を満たす」ことである。もう少し細分化して見ていくと以下の分類が考えられる。
・手帳を持った人の雇用の段取り
・求人の提出方法
・(いい人に来てもらうための)募集方法
・社内コンセンサス
・受け入れにあたっての具体的な準備
・仕事の切り出し方
・雇用管理の方法
・支援機関の活用方法(定着に向けた)
・フォローアップ

これが達成企業=法定雇用率を超えて雇用している企業になると、「少し」ニーズが変わってくる。
・雇用を拡大するためのアイデア
・既に雇用した方に対するスキルアップ等「次の段階」への取り組み
・在勤期間が長い方への定着支援
・雇用条件の切り上げに関すること
・雇用の方針や会社理念等との関連
・現場から社内への周知するための方法

似ていることは多い。ただし概要としてはやはり異なるニーズがそこに存在するもののように思われる。実際担当者と数多く話をしているが、達成の有無によって根本が異なっているというのは感じられる。

実際には上記軸に「会社理念と連動した取り組み方針の有無」みたいな軸が交差して4次元で考えられそうなものだが、それについてはまた筆を改めることにする。

要は上記のようなニーズの違いがあるので、単に「事例報告」と言っても参加企業の募集や報告者の選定についてマーケティングにも似た議論が展開されてしかるべきではないかということである。いい取り組みをしている企業が達成企業だった場合、そのスピーチが未達企業に響くのかということに象徴されるミスマッチに、現場の職員としてはもっと敏感になるべきではないだろうか。

2012年5月13日日曜日

岩瀬大輔『入社1年目の教科書』ダイヤモンド社、2011年。


社会人としての基本姿勢、基本となるスキルが50項目。実感や実例が織り交ぜられており非常に読みやすい。聞くところによると新人研修のテキストにもなっているとか。改めて確認すべきことも多く、終盤の人間関係に関することは参考になった。


(以下、読書メモ@Twitter)
人間関係を苦手にしない方法としての「惚れ力」。いいところを探して、そこに惚れる。苦手な人、嫌な人とのかかわりにおいても、如何に「いいところ」を探して好きになるかが重要。

仕事における人間関係でポイントとなるのは「一緒に仕事をしていて楽しいと思ってもらえるかどうか」。その人が優秀であるかどうかよりも、人間としての魅力があるかどうかにかかっている。それを磨くためには、仕事以外のことにも目を向けること。

社会人の勉強はアウトプットすることで区切りがつく。So What?に落とし込むこと。

読書の方法や英語の勉強方法についても、見直しと時間配分が必要だ。いずれにせよ、たとえ無駄があったとしても(大体ないんだけど)最短距離を突っ走ることを意識することと、集中力を高めること、定期的な時間を作ることは必要だろう。

仕事のワクワク感は自分の感覚でもあるけれど、大切なのは「誰に何を伝えたいか」ということ。家族がいる私としては、子どもに「どうだ!」と胸を張れる仕事をすることが大切なんだろうなぁ。