2016年7月18日月曜日

最近の読書2冊+4AudioBook

最近はこんな本に手を出しています。

○外山滋比古『思考の整理学』筑摩書房、1986年。
 数年前から「東大生に読まれている」などのポップがついて書店に積まれている文庫本。最近少しずつ読んでいるが、30年前に出版されたものとは思えない内容といえる。よほど「自分で考えてきた人」なのだろうと実感させられる。
・テーマ(卒論)は一つだけでは多すぎる。(43ページ)
・わかるときになれば、わかる。わからぬときにいくら説明しても無駄である。(同上)
・全体は部分の総和にあらず。
・発想の母体は触媒としての個性である。(58ページ)

○【AudioBook】小川仁志『人生が変わる哲学の教室』
 哲学書を読み始めると、言葉にひっかかって読み進めなくなり、わからないまま本を閉じてしまうことがあるのだけれども、このAudioBookは哲学者達の講義形式をとっていることで、「なんとなく」わかった気にさせられる内容といえる。だからといって、内容が薄いのかというと、きちんとキーワードを読み砕いて現代の経験に合うように説明されているため、各人の要点となる論点はわかりやすく説明されている。再度聴いてみたくなる内容でした。

○【AudioBook】中野信子『脳はどこまでコントロールできるか?』
 茂木健一郎氏が「脳科学」を世に広めてから、一般書としても脳に関する内容のものが多くなったように思う。私も精神疾患のある方に長年接してきた経験から、脳に関する読み物はなるべく意識して読むようにしているが、本書は脳科学(?)や心理学の知見を取りまとめて大変読みやすく説明している。特に「脳の癖」と言うべき、「こうなりがち」な人間の行動を脳の働きから説明しており、さらに悪癖から脱するための方法についても提案されている。
 これらの提案がすべてできるようになるには、節制や我慢も必要であるが、自分でも気づかない癖を客観的に見つめ、それを好ましい行動へと修正していくための一助となるように思われる。

○【AudioBook】喜多川泰『君と会えたから』『上京物語』
 最近お気に入りの作家。自己啓発本を何冊も上梓されているようだが、単純な物語でありながら、ちょっと心を打つ内容で、思わずもう一回聞きたくなってしまう。
 以下、『上京物語』から、「破るべき5つの常識」をメモしておく。
1.幸せの基準を他人と比較して決めること。
2.今ある安定がずっと続くものであること。
3.幸せと行動の基準が「お金」になること。
 自分の価値観を持つための3つの方法
 ・時間を投資する。
 ・頭を鍛える。
 ・心を鍛える。
4.稼げることの中からやりたいことを選ぶ。
 真にやりたいことは、経験して工夫して本気で取り組んだことの中から出てくる。
5.失敗しないように生きる。

○青木裕司『青木世界史B講義の実況中継①』語学春秋社、2005年版。
 大学受験の時からお世話になっていて、去年買いなおしたもの。今でも何回目になるかダラダラ通読中。
 世界各国、どの国や地域でも、イギリスやフランス、後年はアメリカやロシアがやってくると大体戦争になって内戦が続くことになる、なんてことが読み解けるようになってきたのだけれども、最近そこに中国が入ってくるように感じられるようになってきた。中国って「帝国主義」って感じはしないのだけれども、歴史を読み解くと(①の内容)この国はずーっと国内で争いが続いているんですね。イギリスに(一部を)支配されたようなイメージがあったのだけれども、それだけではないということと、近年の近隣諸国への外交態度なんかを重ねてみると、受験の頃に学んだ中国とは全く違うそれが見えてくるようになりました。
 最近、歴史が面白いです。