2008年4月30日水曜日

決意

昨年末から今年初めから、一つのことに「何となく」取り組んできた。


「できない(働けない)と、言わない」


Iyokiyeha自身の仕事についてもそうだけども、私が相談に乗った上で「働けない」という結論にしないということだ。
きっかけというか、いろんな人の働き方を見てきて、素直に自分が感じていることがある。
一つは、自分に「合った」働き方で就職した人は、多少のトラブルも乗り越えられる。
二つは、「具体的にやってみる」ことを積み重ねられる人は、飛躍的に成長する。
最後は、一つでも「できた」経験があると、それが拠り所になる。

今回は詳しい説明をしないが、以上のことから「やる気がある人はやってみよう」という結論になる。
だから、「働けない」ことはない。
支援メニューがフィットしない人には「手伝えません」と言うことはあるが、今だめでも道筋を具体的に提示する。
自分に対する一つの挑戦でもあったし、一つ一つの支援を丁寧にできる環境であるからこその挑戦である。
同じ職場の人の働き方を見て、自分なりに昇華させようという試みであるが、今のところまだ継続している。
ただ、私のスタンスが、この1年弱で結構大きく転換しているので、それに振り回された人は身近にいるのかもしれない。
そんな方々には、ごめんなさい。

でも、おかげでさらにいろんな勉強ができている気がする。
深く関わることで初めて見えるもの。
そして、それに触れていくことの責任と重圧。
悪態つきながらも、不確実性に身をゆだねながらも、小さな可能性に賭けることの大切さ。
知識だけでない、かけがえのない勉強です。

「できない、とは言わない」
と書くと、NHKプロフェッショナルの番組で「ポーン」という音と共に出てきそうな台詞で、ちょっと自分に酔っていたりして・・・(笑)

最近のIyokiyehaでした。

2008年4月29日火曜日

縁日?

ゴールデンウィークとのこと。
カミさんが「散歩できるところへ行きたい」というので、先日出張で近くまで行った山梨市の万力公園をチョイス。
JR山梨駅のすぐ側。
笛吹川沿いに大きな公園がある。


当日、天気がよかったこともあり、快適なドライブ。
市民会館の駐車場に車を停めると、公園とは逆の方向へ人の流れがある。
よく見ると、なにやら出店が見えるので、歩いてみる。
(写真:土手から笛吹川を望む)






山の斜面と土手の間の細い道。
民家の脇をすり抜けるような通りに、出店が並ぶ。
焼きそば、お好み焼き、たこ焼きといった定番から、「佐世保バーガー」なる、一つ食べれば必ず後悔(いろんな意味で)しそうなハンバーガーや、嫁さん曰く「大阪では『イカ焼き』じゃなく『イカを焼いたもの』と呼ぶ」らしい「イカ焼き」。
同じく、大阪では見たことのない「大阪焼き」など、縁日に行けばどこにでもあるような光景が目の前に広がる。
(写真:一番のにぎわいを見せる、民家の前の通り)

「だから、500円のくじにしとけばよかったのに~、300円のを2回やってもなかなか当たらんよ」とダミ声を上げるおじさん。
景品台には、ニンテンドーDSやらPS2やらが並ぶ。
あぁ、こうやって子どもは身近な経済を学ぶのだな。
やる気の見えるお店とそうでないお店、客がひっきりなしに訪れる焼きそば屋と、そうでない焼きそば屋。
なんか、世の中の縮図だなぁ、と勝手に考えていたりした。


どうやら、この大嶽山神社というところの縁日のようだ。
















結構な階段を上がると、お寺があって、その一角で雅楽(?)の演奏をしていた。
ぷぁ~んという、あまり耳障りのよい音でないにも関わらず、なぜか内側に響く音。
日本建築をバックにすると、映えるなぁ。
お賽銭を入れて、頭を下げる。
二拍・ニ礼・一拍だったか、二礼・二拍・一礼だったか、忘れてしまい、適当になってしまう。
こういうときに、教養ってでるなぁ。
恥ずかしい。
(写真:雅楽演奏の光景)




最後に、山の下から見かける子ども達の背負いもの。
寺の裏手の屋台で売っていました。
清涼飲料のビンをパロったものが印刷されていて、ビニール製で膨らむもの。
・・・これの何が面白いのか、さっぱりわからないのだが、すれ違う小学生はみんな背負っていた。
不思議なものが流行るんだなぁ。


そんな休日。
近所の散歩もいいものです。

2008年4月23日水曜日

怖さか覚醒か

師匠との合気道。
短刀(布製)を持たずに、徒手乱取りをする。
もちろん一方的に技をかけられるわけだが、今日は一本、神経にまで響くような正面当てをもらった。
http://homepage2.nifty.com/shodokan/kyogi10a.html
(昭道館合気道Web:一番上の技)
動画のような型ではなく、乱取りの動きの中で、一瞬。
「あっ」と思った瞬間に、目の前にものすごい速さで師匠が飛び込んできて、胸の上あたりにふわりと手が触れたかと思うと、あとは後ろに吹っ飛ばされる感覚しか残っていない。
かろうじて受身の動きだけはしたつもりだけれども、でーんと後ろに一回転。

おそらく「浮かされた」のだろう。
身体が「く」の字になったように感じていたけれども、師匠の話とあわせると、おそらく「ノ」の字の体勢で、腰の左側を押さえられたことで、左足が上がり、後ろに下がることもできなくなったところに、師匠の移動力が伝わってきたのではないかと察する。
一瞬で、右足で片足立ちの状態を作らされてしまい、バランスを崩したところに、移動力が押し寄せてくる。
一瞬、何が起こったかわからず。
倒れて、起き上がった時には、心拍数が異常に上がっていた。

この体験の後、自分の感覚に異常を覚える。
それまで、師匠との「間合い」が、「ここまでは大丈夫、ここはやばい」と、「自分なりに」判断していたのだが、一度ふっとばされてから、このセンサーの質が変わった。
それまで「大丈夫」と思っていたところが、「大丈夫でない」に変わる。
身体感覚と、意識とのずれとでも言うのか。
実際には、より「研ぎ澄まされた」のだろうが、ひょっとしたら「怖さ」が先立っているのかもしれない。

不安と覚醒との区別は、まだ整理できていない。
もしかしたら、紙一重・表裏一体の感覚かもしれない。
間違いなく言えることは、師匠の正面当てを受けてから、これまでにつながっていなかった神経が、いくつかつながったのではないかと。
不思議な感覚です。

今日は眠れるか心配。

NHK プロフェッショナル仕事の流儀 吉田憲一(2008年4月22日放送分)

アラスカの海上で、魚(鱈)を獲りながら加工する、洋上加工船。
世界でも屈指の「ALASKA OCEAN号」の生産部門のトップ。
「男が惚れるリーダー」と称され、番組に登場する吉田氏。

こんな過酷な仕事があるのか。
こんな世界で活躍する日本人がいるのか。
そして、どうしたらこんなに鋭い目になるのか。
たくさんの驚きと感動があった番組だった。

共に船に乗り、加工現場で働く部下を見る「目」。
人生の到達点が凝縮されているような目で、人を見抜く。
部下の面接における質問は「職歴を教えてください」の一つのみ。
その「答え方」と「相手の目」を見ることで、その人が信用に足るか否かを見極める。
ものすごい真剣勝負だ。
自分の直観を信じられるほどに研ぎ澄ましてきたと思われる吉田氏の人生の到達点が、テレビの液晶を通じてもビリビリと感じられた。

人を評価するのは、「能力ではなく、経験でもなく、姿勢」。
上司が見ていなくても、手を抜かないか。
「自分の力を出しきるのが仕事」であると言い切り、部下を信用する。
番組のつくりによる「見せ方」も見事だったが、吉田氏の人間的な魅力に、言葉通り「惚れこんで」しまったのかもしれない。

感動した。

プロフェッショナルとは「結果に責任をもつために全力を尽くす人。結果に対する本当の喜びとくやしさが分かる人」とのこと。
含蓄ある言葉だった。

2008年4月20日日曜日

acknowledgment(認めること)

「コーチング」に関する本を読み進めていて、acknowledgmentという考え方に目が留まった。

acknowledgment:名 1)(過失・事実などの)自認、自白、承認;認定、公認。2)(手紙・金銭などの)受け取り通知書、領収書、礼状。3)(好意などに対する)感謝、お礼

コーチングのプロセス(会話を重ねることを通して、相手に目標達成に必要なスキルや知識を備えさせ、目標に向けての行動を促していく)において、相手の「行動が変わる」ということが求められる。

人に対して指導をする場合、「褒めて伸びるタイプ」とか「叱って伸びるタイプ」などと言うことがある。
大勢の人を分類する際、こういった分け方ができるかというと、根拠はないが「あるように」思う。
ちなみに、Iyokiyehaは「褒められたらより伸びるタイプ」でしょう。

私は仕事の中で、程度の差こそあれ「相手の行動を変える」ことを試みることがある。
職場適応を図る上で、より適応的な思考・行動への変化を求め、行動に反映させていく支援をすることもある。
その際、相手に対する働きかけをより効果的にする考え方として、このacknowledgmentがよりフィットするのではないかと思う。

なぜならば、「褒める」も「叱る」も、それを行う主体の「評価」がそこに介在することになる。
「○○ができたね、素晴らしいね」と言った時の「素晴らしい」は、それを言った主体の考え方であり、相手に対する評価である。
同様に「どうして△△ができないんだ!だめじゃないか」と言ったときの「だめ」も、それを言った主体の相手に対する評価である。
この「評価」というのは、実は曲者で、相手を理解する手段であっても、必ず相手の自己認知を促す手段になりうるとは限らない。
相手が真にそれ(評価)を望んでいれば受け入れられることになるが、望んでいない場合にはそれは受け入れられず、場合によっては評価を拒否するに留まらず、人間関係そのものを否定する事態にも発展しかねない。

コーチングにおけるacknowledgmentとは、「相手の到達点をそのまま口にすることによって、相手が達成感を持つように導く行為」であるとしている。
また、より高い効果をもたらすacknowledgmentとして、「相手自信が気づいていないことを先に察知して、それを伝える」こととしている。
こういったコミュニケーションにより、相手は自分が行ったことにより自分が成長し変化したことに気づく。
この感覚が、行動変化に対する内発的な動機付けになりうるものと考えられる。


仕事に関する読書メモです。
伊藤守『図解 コーチングマネジメント』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2005年。

2008年4月15日火曜日

「コツ」を感じる

師匠との合気道教室にて。

「コツを掴む」の「コツ」とは「骨」のことという解釈がある。
身体動作を考え、実際に動くときに、「骨」の仕組みを意識すると、微妙な身体動作ができるようになる。

師匠は骨だけでなく、筋肉についても同じ事を言っていた。
例えば、歩くときに、踵から地面に足をつけることを意識して、踵からつま先へと重心が移動していくのを感じながら、重心移動によって生まれる前進の力を利用する。
例えば、歩くときに意識する筋肉は、身体の前側の筋肉ではなく、ハムストリングスを中心とした身体の後ろ側の筋肉である。

面白い。
これまで意識していなかった自分の身体が、そこに表れる感覚に、戸惑いながらも面白さを感じる。

技。
「腕返し」を習う。
ちょっとした肘の角度や踏み込み方によって、相手の手首が極まるか緩むかが変わる。
ほんの数センチだったり、手首をどう曲げるかといった微妙なものによって、相手をコントロールできるか否かが変化する。
移動力がそこに加わると、多少「コツ」を外していても、ひょいっと技がかかってしまう。
奥深い。
本当に、面白い。

他者理解=「その人」の可視化とその共有

他者の事って、興味がないと理解は深まらないと思う。
その理由はどうあれ。
私は仕事の場では、割り切りながらお客さんに興味を持つ。

「自分を一番よく知っているのは自分」とはよく言われる。
一面では真だが、他の視点からすれば偽でもある。
詳しく説明するのに、以前別の話題で紹介した「ジョハリの窓」がある。
http://iyokiyeha.blogspot.com/2008/03/blog-post_9692.html
(2008年3月15日 人間関係の一過性)

自分と他者が双方分かっていることを「開放領域」という。
これは認識を共にしているということ。
私をより詳しく、より深く理解するには、他者からいかに「盲点領域」を引き出すかが課題となる。
一方で、他者をより深く理解するには、他者からいかに「秘密領域」を引き出すかが課題となる。
それらを共有することによって、新たな発想により「秘密領域」が明らかになっていく。

イメージとしては、ある人のことについて、その人とその人をよく見ている人とが白いキャンバスに「その人」のことを一緒に書いていく作業である。
私は、自分のことこんな風に思っているよ。
私は、あなたのことこんな風に思っているよ。
そうして描かれた「その人」は、より「その人」らしいものであると考えられる。

2008年4月14日月曜日

見えない不安に押しつぶされて

「嫌い」ということで逃げたくはないのだが、電話による相談は好きじゃない。
なぜならば、相手の顔も見えないし、相手と共通認識に立つのが難しいから。
だからといって、手を伸ばす人には手を差し伸べる責任がある。
多少大袈裟に、自分を奮い立たせて電話口に立つ。

「電話、切らせてもらってもいいですか・・・」
カウンセラーとして、これ以上のショックはない。
ぼんやりと岐路につく。


話をしながら、電話の向こうにいるその人が思い描いていることと、私が思い描いていることとの間に差があって、話せば話すほどその差が大きくなっていくのを感じてしまう。
物理的に言えば、例えば合気道をやっていて、縦でも横でもない複雑な力が自分に向かってくるかのような感覚。
問題の本質をつかめないまま、いくつもの問題が未整理のまま残される。
取っ掛かりがつかめず、解決に向かうプランの一つも立てられずに、また次の次の不安に襲われる。

私が相談する多くの人は、日常的にこういった状況に陥っているのかもしれない。
http://iyokiyeha.blogspot.com/2008/01/blog-post_05.html
(2008年1月5日 情報の「可視化」)
「見えないもの」に対する不安は、精神疾患の有無を問わない。
不安を持つ人と本気で関わっていくことによって、他ならぬ私自身が整理できない不安の中に身を投じることになる。

このことを忘れたら、身の安全は確保できないかもしれないと感じた出来事だった。

2008年4月13日日曜日

コメントの残し方

このBlogによく来てくれる方から、複数質問があったので、「コメントの残し方」について説明します。
とはいえ、それほど難しいものではありません。

1)各投稿の下部に、「投稿者 Iyokiyeha 場所 18:53 0コメント」などの表示があるので、「コメント」のところをクリック。

2)新しいウインドウで「コメントの投稿」という画面が出てくるので、コメントを記載する

3)ウィンドウ下部「個人情報選択」のチェックは、GoogleやBloggerのIDを持っている方は一番上をチェックしてユーザー名とパスワードを記載してください。IDを持っていない方は、できれば「名前/URL」にチェックを入れて、Iyokiyehaに分かる名前を記載してもらえたらと思います。ハンドルネームでも可能です。個人を特定されたくない方は「匿名」を選択してください。「OpenID」はよくわからないので、知っている人がいたら教えてください。

4)コメントの記載と、名前などの入力が済んだら「コメントを公開」をクリックしてください。

5)4.で送信してもらったコメントは、Iyokiyehaが次回ログインしたときに内容をチェックして、公開するかしないかを決定します。よって、「公開したくないけど、Iyokiyehaには言っておきたい!」ということがあれば、コメントの中にその旨書き込んで送信してもらうか、メールで連絡してください。本人からの希望が特になければ、基本的には「公開」していきます。


コメントをつけてくれた方同士のやりとりは可能ですし、管理人Iyokiyehaも書き込みが可能なので、私とのやりとりも可能です。
読んで感じたこと、考えたことなど、メモ程度であっても書き込んでもらえたら、私の思考も整理が進み、より深まると思いますので、気軽にコメントつけてもらえたらありがたいです。

今後とも、Blogともども、Iyokiyehaをよろしくお願いします。


追記:この書き込みは「コメントの残し方」というラベルをつけておきます。ルールが変わった時には、ブログ内でお知らせします。コメントがうまくつけられない、という方は再度ご覧いただけたらありがたいですし、Iyokiyeha宛に連絡をください。

洋麺屋 楽 -RAKU-

甲府の街中、岡島のちょっと北。
東京電力がある通り、オリオン通りより一本東の角に位置する。


(店の前)

店内もそれほど広くない(カウンター10席弱、テーブル8人掛け)。
こじんまりした洋麺(パスタ)とワインのお店。
「明太子スパゲティ」を看板メニューにしており、洋風・和風様々なトッピングを用意している。
もちろん、トマトソースなどの通常メニューもある。
店主がソムリエの有資格者であるとのことで、県内・海外問わず様々なワインを用意しているとのこと。

本日、カミさんと開拓。
カミさん曰く「明太子スパは、当たり外れがある」とのことだが、ここは文句なしに「おいしい」とのこと。
私は「明太子・イカ・梅・納豆」のスパゲティに挑戦。
明太子といっても、辛いものではなく、梅の風味に納豆の味がよく合っていた。
しっかりかつまろやかな、おいしいパスタが楽しめた。

他のメニューにも是非挑戦したい、楽しみなお店。
お試しあれ。

■DATA
住所:甲府市丸の内1-14-14 オリオン共同ビル101
年中無休 10:30~19:30(水曜は~15:00)
TEL: 055-232-6165
Mail: raku-raku-wine@almond.ocn.ne.jp
URL: http://www.kinen-style.com/gourmet/2419.html

やっちまったよ

知っている人は知っている、Iyokiyehaの朝のおつとめ。
木刀の素振りです。

コアな人は、ウチのカミさんも知らない、その振り方を知っているわけですが、ここのところ横面打ちもできるようになってしまいました。
まだまだ開発中ですが、少なくとも人の頭を狙って打ったら、大怪我になるだろうくらいの振り方ができるようになってしまいました。
その証拠がコレ。


(ウチの塀)

自分から向かって左面(打たれる側の右面)に入る横面打ちをしたら、目測誤り自宅(会社のモノ)の塀にヒット。
塀の角だったのに、木刀はほぼ無傷で、塀が欠けました。


我ながら、あなおそろしや。

まぁ、素振りと実践は全く異なるので、これができるから護身はOKというものでは決してないのですが、少しずつうまくなっているような「気がする」自分が、ちょっとだけ自信になってたりします。
合気道にも通ずるものがあるような気がしているので、まだまだ続けます。
…カミさんに怒られるまでは(笑)。

こうの史代『夕凪の街 桜の国』双葉社、2004年。

「昭和三十年。灼熱の閃光が放たれた時から十年。ヒロシマを舞台に、一人の女性の魂が大きく大きく揺れた。最もか弱き者たちにとって、戦争とは何だったのか、原爆とは何だったのか?著者懇親の問題作!」(裏表紙より)
『ぴっぴら帳』『さんさん録』など、普通の人の日常を淡々と描きながら、人の内面をにじませる作品を描く著者による作品。
手塚治虫文化賞新生賞、文化庁メディア芸術祭大賞、という私にはよくわからない賞をダブル受賞したことで、2年前くらいに書店で静かに盛り上がっていたのを覚えている。
オチのない、大真面目な作品。
悲しみとも怒りとも、不安や希望といったものとも違う、なんともいえない感情に触れる作品だった。

当時の私には、読んだときに感じたものが一体何なのか整理することはできなかった。
今回、何となく書棚に並ぶこの漫画を手にとって、この本に収められている3つの作品のつながりを意識して読んでみた。
「原爆とは?」「戦争とは?」といったありがちな問いとは違い、人の生死の現場に居合わせた一人の人間が直面する「幸せ」と「罪」の意識。
複雑な感情や、整理しきれないことの不安など、人間が普段直面し、悩むことを、直接描き切っている。
更に、そうして思い悩む人が、他の人と接し、その人の生き様を知ることによって自らの生き方の方向を掴んでいく過程が、直接の表現でなく、漫画に描かれる情景や表情によって感じられるような、そんな作品であるように思う。

帯に「読後、まだ名前のついていない感情が、あなたの心の深い所を突き刺します」と書かれているが、まさにその通りだと感じる。
2007年に、映画化されたらしいですね。
http://www.yunagi-sakura.jp/
(映画『夕凪の街 桜の町』OFFICIAL SITE)

2008年4月12日土曜日

「たのしい」という言葉

言葉の持つイメージというのは面白いもの。
例えば「楽しい」とか「怒り」を、平仮名で書いてみると、それぞれ「たのしい」「いかり」となる。
他にも「つかれ」「かなしみ」「ふあん」など、感情を表す言葉は、それを表す文字にもそのイメージがついて回るように思う。

私が、職場で仕事が片付かない時につい言ってしまう言葉、「あー、しんどい」。
言っても、言わなくても状況は全く変わらないのに、何となく言ってしまう。
言った後に「あー、また言っちゃった」と思うのに、懲りずにまた言ってしまう。

もし、この「あー、しんどい」を「あー、たのしい」とか言ってみたら気分は変わってくるのだろうか、と安易な仮説を立ててみる。
普段、「自動思考が気分に影響を与える」だの、「身体の心は密接に関係しています」なんて言っている自分が、行動から精神状態を制御するという大いなる人体実験。
今週、何気に職場でやってみたら、「無理せず『しんどい』って言っちゃった方がいいんじゃない?」と、素で心配されてしまいました。

やり方には、ちょっと工夫が要りそうですね。
自分の「気分」を、客観的に数値化する方法を知らないので、実験という名の遊びみたいなものですが、こんなことで少しでも前向きに物事考えられるようになれば、儲けものです。

キャサリン・ライアン・ハイド著、法村里絵訳『PAY IT FORWARD ペイ・フォワード[可能の王国]』角川書店、2000年。

ハーレイ・ジョエル・オスメント主演の映画『ペイ・フォワード』の原作。
中学生トレヴァーが、学校で出された「世界を変える方法を考え、それを実行しよう」という宿題に取り組んでいく。
トレヴァーのアイデアは「ぼくが3人に何かいいことをする。彼らがお返しをしたいと言ったら、それを他の人に返してほしい」というもの。
お返し(pay back)ではなく、それを「他の人に返す」(pay forward)のが、この小説の核となるアイデア。

本当に、いいアイデアだと思う。

私は、学生の頃に原作を読んで泣いて、DVD買って観て泣いた。
恥ずかしい話だが、当時私も「Pay Forward」に取り組もうと思っていたが、近年忘れてしまっていたようだ。
先日、書棚にDVDとともに並んでいるこの本を、何気なく手にとったところ、トレヴァーのアイデアに再度打たれてしまった。
また、今日から「Pay Forward」に取り組もうと思った次第です。

おすすめ度:★★★★★

2008年4月6日日曜日

お仕事メモ(ジョブコーチ)

障がいをもつ人の、雇用・就労支援をする仕事に就いて4年目になりました。
高いモチベーションで仕事ができていることを、改めてふりかえってみる。
公的機関の窮屈さも一部では感じつつも、我ながらよく続けてこれたと、しみじみしていたところです。
上司や先輩を含む同僚、後輩のみなさん、さらには仕事を通じて知り合った多くの人達に恵まれてきたからでしょう。

この場を借りて、御礼申し上げます。
ありがとうございます。
そして、これからもどうぞよろしくお願いします。


なぜ、今のタイミングでこんなことを書いたかというと、最近、職場の方にもこのBlogの存在が知られつつあるように感じたからです。
別にマズいことを書いているわけではないので、これからもこんな感じでやっていきますので、あらかじめご了承ください。


さて、本題。
本題といっても、現段階ではメモです。
「ジョブコーチ Job Coach」の「コーチ」は、企業の人材育成などで取り入れられている「コーチングCoaching」の「コーチ」と同じものを意味するのではないかという仮説です。
これまで私は、「ジョブコーチって何ですか?」と問われた時、具体的な活動を列挙するに留まり、それらを束ねて「こんな支援をする人です」と答えていたわけですが、もっと本質的なことを一言で言い表せないかと考えていました。
たまたま、先日書棚を整理していたときにでてきた、コーチングに関する書籍に目を通し、この「コーチ」がしっくりくると感じています。
もう一度勉強しなおして、またまとめなおしてみます。
キーワードは「気づきを与える」、「気づきを調整し、見えるカタチにする」といったところでしょうか。

SUNBURST CAFE -サンバースト・カフェ-

JR石和温泉駅のすぐ側にあるAmerican Diner。
南向きの明るい店内は、カウンターとテーブル席でちょっと広め。
ゆったりとした空間でくつろげる。

フードはちょっといい値段(550円~1200円くらい)ですが、それだけの値打ちのある、気合の入ったものが出てくる。
ジャンクフードではあるが、非常においしい。

雑誌に掲載されていた「ウエスタンベーコンチーズバーガー」をチョイス。
ちゃんと肉の味がするパティに、厚切りのトマトとレタス、ベーコンがはさんであり、焼けたチーズがトロリとかかっている。
食べにくいが、文句なしにおいしい。
ピクルスも、嫌な味がせず、手作りっぽい。
嫁さんはベーグルサンドをチョイスしたが、タルタルソースも美味。

ドリンクも、エスプレッソ(私はお子様なので「苦い」と思ってしまう)から、フレッシュジュースまで。
ディナーメニューではカクテルも充実しているらしい。


American Diner
SUNBURST CAFE -サンバースト・カフェ-
山梨県笛吹市石和町市部1072-3
TEL/FAX: 055-262-4655
Web:
http://www.sunburst-cafe.com/index.html

雑誌の定期購読

いい雑誌、いい情報を求めて、これまでもいろんな雑誌を講読してきた。
さすがに学生時代から購読しているものは、お小遣いの都合もあり、少しずつ整理していった。

今、購読を続けているのは、
1)『Forsight』
2)『Newsweek』
3)『Harvard Business Review』
の3誌。

1)は国内情勢、国際情勢を網羅した月刊誌。
私が読んでも読み応えのある記事が満載で、質の高さがわかる雑誌。
大学院生の頃に、新聞を購読するのがいろいろと億劫になり(集金とかゴミとか)、思い切って切り替えたのが購読のきっかけ。
朝、起き抜けと出勤前に1~2つの記事を読んで、半月~1ヶ月くらいで読みきる。
おそらく、この雑誌はしばらく講読し続けると思う。
店頭販売していないし。
ちなみに、今は仕事柄、全く新聞を読まないわけにはいかないので、新聞は会社の休み時間に会社で購読しているものを流し読みして、後はNHKの朝のニュースでフォローしている。
それで、不便を感じたことはない。
それだけ、いい雑誌なのだろう。
http://www.shinchosha.co.jp/foresight/
(新潮社『フォーサイト』Web)

2)は有名な週刊誌。
私は英語苦手なので、日本語版を購読している。
新鮮な国際情報が満載で、毎週組まれる特集はかなり面白い。
ただ、情報量が多いためか、立場が明確な書き口の記事が多く、読みやすい反面で意見が偏りやすいのかもしれない。
仕事の合間や休憩時間に流し読みすると、大体1時間くらいで目が通せる。
http://nwj-web.jp/
(ニューズウィーク日本版オフィシャルサイト)

3)はかなり背伸びして購読している。
ビジネス界におけるホットな話題、経営者に有益となる話題についての論文集。
興味のあるテーマについては、じっくり目を通すが、半分以上は今の私に直接関係のない話題のため、要旨に目を通す程度。
こういう世界へのアクセスが可能であれば、公務労働にどっぷり浸かっていてもそれほど間違った感覚にはならないだろうと考え、岡山時代から購読。
人材育成やリーダーシップに関する論文などは、私の今の仕事である「人的支援」の現場にも援用できる理論は多く含まれていると思われ、数ヶ月に一度じっくりと読んでいる。
http://www.dhbr.net/
(DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー Web)

この内、2)は次の更新をせずに、もっと日本国内に特化した雑誌に切り替えようと思っている。
いい雑誌があれば教えてください。

最近、購読を始めたのが、『TOP POINT』という雑誌。
http://www.p-b.co.jp/
(TOP POINT 「一読の価値ある新刊書」を紹介する情報誌 Web)
私にとっては、ホームラン級の雑誌。
いいものを見つけた。
話題になりそうな、そしてWebの副題の通り「一読の価値ある新刊書」を、1冊につき4ページで要約し、10冊分を掲載している月刊誌。
もちろん、読書好きな私は、単行本を買ってじっくり読みたいわけだが、どうしても自分の興味やホットな思考に偏ってしまいがち。
更に、「読まなきゃいけない」本が多いために、読みたい本が読めない状況もある。
そのあたりの状況を、かなりの質で打破できる雑誌とみた。
普段は手にしないだろう多くの書籍や、書店で手にとったものの、お小遣いや優先順位の関係で購入に至らなかった書籍を広くカバーできると思っている。

参考になれば。

庭掃除初め

冬が開けつつあるこの時期。
庭の雑草が目立ってきた。
諦めとやる気が混在した状態のまま、「YAMAHA」のツナギを着て、庭に出る。

庭掃除そのものは、それほど嫌いじゃない。
ただ、庭の隅にびっしりと芽を出しているドクダミ。
戦いが始まります。

とりあえず、今日は花壇をきれいにして、種まき。
直播きで、向日葵とマリーゴールド。
プランターに、以前先輩の結婚式でもらった、枝豆と三つ葉を植えてみる。
経過はまた報告します。

新たな発見として、ウチの庭はどこぞのネコの通り道になっている模様。
「痕跡」が残ってるのですね。
私はネコ嫌いなので、ネコ避け購入決定です。

かけちがえたボタンのような

何というか、突如あらわれたという「混沌」。
珍しく、あらゆる機会、そして重箱の隅をつつくようなほんの些細なことに、いちいち反応してしまっている。
全く「秩序」がないように見える。

不安とも怒りともつかない、不思議な感情が見え隠れする。
おそらく、以前であったら別の処理をして「秩序」を作ったのだろうが、今はそのどれもが通用しない状況で、彼はもがいている。
「大人になる」という表現のもとで、感覚を麻痺させていくのか、自分以外にも大きな傷を残して束縛から逃れるか、それとも第三の道を求めてもがき続けるか。

これ以上の苦しみを受けることが、彼の成長になるのかもしれないが、その判断を下すだけでも、とてつもない労力が要る。
ただ、彼はじっと耐えている。
もやもやしたものを抱えながら。