2014年2月18日火曜日

原点回帰

特に意識しているわけではないのですが、今年は今所属している機構に入構して10年目を迎える年となりました。職歴全体としては(一応)10年目ということで、生活の変化は感じつつですが、新たなステージに向かおうとする意志がどこかで働いているような気がします。
年が明けてから何気なく手にとった書籍が『無痛文明論」(森岡正博、トランスビュー、2003年)だったりするところが、何だかそんな自分を暗示しているようにも思います。
いろんなことに悩み迷い、不安を常に感じながら過ごした大学院生の頃に、なんだか拠り所であるかのように読んで、修士論文にまで引用してしまった森岡氏の論文です。就職して今に至るまで、特に手に取ることはないのにいつも書棚の一角を占領している書籍達の一冊だったりします。
また、読み終わった時にレビューをあげようと思っていますが、文明が行き着く先にある悪夢としての無痛文明とそこに向かう社会の仕組みを無痛奔流が巧妙に形作る無痛化であるとして、社会構造を鋭く暴いた氏の渾身の論文です。そして、それに抵抗すること、戦いを挑むことについても論じられつつもその具体的な取り組みには触れられない矛盾をも説明し「悔いなく生ききるための知恵」という言葉でゆるやかに人がつながっていくことを提案しています。
私が今の仕事に(も)プライドを持っていられるのも、おそらくこうした下敷きがあるからなのかなと思うところも、10年後のIyokiyehaだから感じるところもあり、なかなか面白い読書時間になっています。

何気なく手にした一冊は、私の原点を確認するとともに、新しいステージでの戦い方をまた考えるきっかけになるのだろうなと思います。きっと今度の10年はまたあっという間に過ぎ去っていくのでしょうが、そんなときにこんな座右の書があることをまた思い出したいなと思うこの頃です。

雪掻きに見るご近所付き合い

先々週末、今週末と、関東では大雪となり、所沢でも20〜30cm程雪が積もりました。
初めは降雪にテンションがあがっていた子どもたちも、外出して長靴の中に雪が入ったり、いい加減まで雪遊びをして手が冷たくなるなどして、雪とのつき合い方を学んでいるようです。息子に至っては「もう帰る」を連呼するなど、楽しい(と思っている)事象の側面を肌で感じ取っているのだろうなと思うところです。

さて、大人はテンションがそれほど上がるわけではなく、むしろ下がるのですが、その大きな理由の一つは雪掻きでしょう。Iyokiyehaは静岡生まれの静岡育ちで雪とのつき合い方を知りません。かろうじて山梨県甲府に住んでいた時に降雪することがあり、当時ご近所さんから雪掻きの方法(夜に積もる前に一度掻いておくとか)やコツを教わったことがあり、現在の所沢においても雪が降るとせっせと雪掻きに出る週末でした。力の入れ方がわからずに筋肉痛になるという単純なことも気づきとしてはあるのですが、面白いなと思うのは雪掻きしながらご近所さんと自然にお話ができてしまうということです。同じマンションに住んでいて初めて話す人、通りを挟んだお向かいさんと排水溝の在処の情報交換をしたり、目の前で立ち往生する他人の車を「なんとなく」みんなで押し始めたりと、普段なかなかない接点ができるものだなと感じるところです。
こういう人間関係って意図して作ることって難しいものだと思うのです。全く知らない人に対して挨拶することもはばかられる昨今、そうは言っても毎日すれ違う人には軽く挨拶するIyokiyehaではあるのですが、この二週間でまたご近所さんの知り合いが増えたかなと思います。

大切なのは理屈じゃなくて人と人との交わりであって、それも同じ(ような)目的によってつながっていくこと。何となくですが、生活だけじゃなくて仕事にも通ずることなんじゃないかと思った週末の出来事でした。
それにしても、なれないスコップを数時間扱うと、普段痛くならないところが痛くなりますね…。

2014年2月4日火曜日

佐藤真澄『小惑星探査機「はやぶさ」宇宙の旅』汐文社、2010年。

私は元々、イベント毎にはあまり興味がないので、2010年の「はやぶさ帰還」の頃にはそれほど騒がなかったのですが、その後映画化されたものを観て、改めてこの小惑星探査機の実績に感心しました。
地球からプログラムを送信して、はやぶさに届くのが16分後。それだけ離れたところを航行する探査機を研究者たちが操作し、小惑星からサンプルを採取する。本書は、様々なトラブルに見舞われながらも、途中交信が途絶えてしまっても諦めずにとりくんだ様子が簡単な言葉で描かれている書籍です。
帰還当時、「はやぶさ」が半ば擬人化されていることに違和感を覚えたものですが、本書を読んで改めてそれに値するドラマがあったのだと思いました。

2014年2月2日日曜日

合掌。

長期療養されていた先輩が他界されたと聞く。
初任地にて、直接研修担当というわけではなかったけれども、先輩として大変お世話になった方でした。
仕事の進め方、組織の常識など、当時(特に)小生意気だった私に、様々なことを教えてくださった方でした。今年度同じ職場に配置となったところで休職。半年をどう見るかですが、あっという間、でした。

合掌。