2021年1月24日日曜日

夏目漱石『夢十夜 他二編』岩波文庫、1986年。

 ・文学にも触れようと、手に取ったもの。夏目漱石の「入門書」みたいに紹介されていたのと、大学入試問題なんかで取り上げられていたように記憶していたので読んでみた。

・率直に、難しいです。「夢十夜」は夢の話だから、比喩表現や「本来ありえないこと」が入り込んでくる。日常の何かを表しているのだろうとは察するのだけれども、出来事が突飛過ぎて、理解が追い付かない。

・それでも、おそらく人間の複雑な感情や、当たり前の感情を、言葉巧みに表現する日本語の使い方には、時々うなってしまうほどの迫力があった。「永日小品」に収められた短編には、特にその傾向が強い。

・しばらく経ってから、また読んでみることにしよう。小説は読み慣れていないこともあり、なかなか難しいものだとも思ってしまった。

2021年1月11日月曜日

ヨーコ・カワシマ・ワトキンズ『竹林はるか遠く 日本人少女ヨーコの戦争体験記』ハート出版、2013年。

・終戦時の引揚者による手記。朝鮮半島に住んでいた家族が、社会の不穏な雰囲気を察し、きっかけを経て、故郷日本まで逃亡する。その時に、生き別れとなってしまった兄と再開するまでの体験に基づくノンフィクション。
・以前、アメリカでは賛否両論あったようだが、確かに記述の内容がものすごい迫力である。特殊な技能も何もない普通の女性3人(著者、母親、姉)が、家を出て兄と合流しようとしながらも、鉄道、船舶の出発機会を逃さず、京都までたどり着く。朝鮮半島では、目の前で人が絶命する場面を目の当たりにし、日本人であることを隠しながら逃げ続ける。日本においても、京都では引揚者に対する差別の渦中で、わずかな理解者に支えられながら、たくましく生き延びる様を描く。
・淡々と経験を語るこの本は、読む人に淡々と響くものだろう。同情とかかわいそうとかでは片付けることのできない圧倒的な感情の渦を感じられた。戦争のどうしようもない、そしてとんでもない側面すら、生活に取り込まれてしまう、生活に位置づかざるを得ない状態を受け入れながら、その中で生き延びるためにはそうしたとんでもないことをも利用せざるをえない。「たくましい」という言葉には、これほどの覚悟をもって行動した人の歴史や背景があることも強烈に感じさせられた。

石田淳『行動科学を使ってできる人が育つ!教える技術』かんき出版、2011年。

 「教える」とは、相手から”望ましい行動”を引き出す行為である(25ページ)


 人に何かを教える時に、その成果を測る観点として「行動」がある。Iyokihehaは前職で「応用行動分析」を習って、現場でその考え方を適用して物事を分析してきたので、当たり前と言えば当たり前の観点であるが、転職して周囲を見ているとそうでもない、ことに気づく。多分、立場が違えば、必要な技能も違うから仕方がないこと。とはいえ、対人援助を生業とする上では、相談におけるクライアントの言語表現の他に、生活上の行動を丁寧に把握し、分析していくことは、その人への支援を検討する上で不可欠である。

 などと、支援技法の一つとして「行動分析」を使ってきたが、本著はこの基礎理論ともいえる「行動科学」をビジネス現場、それも社員教育に応用することを紹介したものである。そりゃそうだ、新入社員や異動者に仕事を教える行為は、突き詰めていけば「対象者の行動を変える」ことであり、行動が変わるための方法論の中に「行動分析」が位置づいても全く不思議ではない。なんで、こんな簡単なことにいままで気づかなかったんだろう。

 褒める、叱る、その技法と背景となる信頼関係(ラポール、とか)。行動分析的アプローチに不可欠な、先行条件→行動→結果、その結果が次の行動の先行条件になる、とか、作業(行動)分析の手法や応用など、抱負な事例とともに、非常にわかりやすくまとめられている。基礎理論は実験系の心理学なのだろうが、その成果を現実に適用するのに役に立つヒントが詰まった一冊でした。

 Audiobook.jpで、オーディオブック版も販売していたかと記憶しています。併せてご利用ください。

2021年1月1日金曜日

2020年総括、2021年の抱負

 あけましておめでとうございます。

コロナ禍でも相変わらずなIyokiyehaです。
淡々と2020年総括と、2021年の抱負をアップします。

2020年当初に掲げた抱負は以下の通り。
1 読書の継続
 40冊読書+Audiobook50冊分
2 身体を鍛え続ける
 10分体操+木剣22,000本(+ジョギング)
3 実家との関わり方
 調べる、帰省する
4 新しい仕事・勉強には進んで挑戦する

 読書については理由あって、朝読書を半分にしたため、少なくなりました。Audiobookは、感染症対策に関する情報収集のためにPodcastの利用を増やしたなどの変化がありました。結果、書籍は23冊、Audiobookは38冊分です。今年は下半期に読書時間を戻せる見込みなので、目標は据え置きで。また、昨年の傾向として、小説を読むことが増えたので、この傾向も維持していこうと思います。
 身体を鍛えることについては、木剣はコロナの影響で帰宅後すぐのそれまで定時だった時間にできなくなった(すぐに風呂に入ることにしていた)ことで4ヶ月ほど滞っていました。いろいろ模索して、朝の鍛錬の時間に組み込んでから数ヶ月となり14,340本まで挽回しました。今年は20,000本再挑戦ってことで。
 スマートフォンのアプリのおかげで、ラジオ対象+αの部分は、プランクやら開脚ストレッチを取り入れました。屋内でできるのがいいですね。
 懸案は合気道です。道場再開の目処が立っておらず、待つしかない。木剣がいい稽古にはなってますが、力の流れを意識する機会が減ってしまったので、何か取り組みたいところです。
 実家との関わりは、残念ながら今のところ実績なし、見込み未定となってしまいました。機会をつくって帰省しようと思っています。認知症や老化現象に関する学びは、読書と併せて継続していきます。
 新しい仕事や勉強について。去年初めの清瀬市の仕事(これは、謝金うんぬんでいろいろあったんですが、いい仕事させていただきました。資料は公開投稿を参照)後、資料回覧をきっかけにして、構想が動きました。今まで構想だけあった課内研修について、取り組みが形になりました。職場内での仲間付きといういい流れです。今年どんな展開になるかは、まだ動きながら作っていきますが、ここまでの成果は形としてリリースする準備も併せて進めています。実績ページでまた紹介できると思います。
 地域活動(PTA)は、一応取りまとめの年としました。今年もう一年がんばろうと思っていましたが、非常時のために規約超え(不正ではないよ)をやっている背景があるので、早めの交代がいい(歴史的にも独裁官は短期間しか維持されない!笑)と思ったことに加え、正直いろんなしがらみの中であまりいい思いをしなくなってきたので、ここら辺で一旦まとめておこうと思いました。
 勉強は、読書量とも関連してきますが、今年は一つ挑戦をするので、その結果で来年ふりかえることができると思います。昨年中は、コロナ関係で免疫系を中心に、人体や生物に関する勉強や情報収集が進みました。元々購読していた「ヴォイニッチの科学書」をハブに、中学校理科→人体へと学びが展開しました。課内の研修でも活かされましたね。
https://pages.audiobook.jp/podcast/voynich/index.html
 有料番組ですが、Podcastに登録できる(RSS配信)音声番組だけじゃなくて、PDF資料が毎週配信されるのもいいですね。
 あと、調べる過程でこんな老舗番組も見つけました。
 「医学講座」@ラジオNIKKEI 第18***回って、すごいですね。内容は少し難しいけれどもすごく勉強になる。
 この辺が、習慣に影響するいい発見かな。音声番組をもっともっと利用しつつ、書籍にもきちんと取り組みたいです。

 また、今年はおそらく異動になる年なので、どんな立場になったとしても、新しい環境に適応していくことを一番に考え、身体と家族を大切にしていこうと思います。

こうした総括を受けて、今年の目標です。
1 読書の継続(据え置き)
 40冊読書+Audiobook50冊分
2 身体を鍛え続ける(据え置き)
 10分体操+木剣20,000本(+ジョギング、合気道的なトレーニング)
3 機会をつくって帰省する
 帰省する、両親の様子をきちんと確認する
4 新しい仕事・勉強に前向きに関わり、柔軟に適応する

 基本的には昨年踏襲。コロナ禍と言われたって、それを切り抜けることのできる「いい習慣」を増やしていくことを意識して、「普通に」生活することを目標とします。
 今年もどうぞよろしくお願いします。