2009年12月26日土曜日

竹内薫『[非公認]Googleの入社試験』徳間書店、2008年。

科学作家竹内薫氏が、Googleの検索エンジンを使って、入社試験の問題とおぼしき問題を編集した書籍。
協力者(現役IT技術者、物理系大学院生、数学科出身の塾講師、スポーツインストラクターなど)に問題を解いてもらい、その解答と解説・模範解答が一部加えられている。
頭の体操になるような問題から、高度な数学知識、プログラムを書くスキルが問われる問題まで、様々なものがまとめられている。
じっくりと考えても、さらりと読み飛ばしても面白い。

この手の問題って、Iyokiyehaは苦手(割と型にはまって抜け出せなくなる人)なので、頭をやわらかくしたり、新しい知識を得るために、この手の書籍はいくつか試している。
その中でも、この本に納められている問題は、レベル1~4に分けられていて、3,4はちょっと別格である。
模範解答を読んでも、よくわからない。。
こういう問題を、さらりと解いてしまったり、少し考えてプログラムを書いて解いてしまったり、すばやく概算したり(フェルミ推定)できることが、Googleに入社する人には求められているのだろう。
もちろん、こういった問題が解ければ入社できるかといえば、それだけじゃないだろうし、逆に解けなくても入社できる人はいるのだろうけれども、望まれる能力として、このような思考方法ができるかどうかということが強調されているといえる。

例えば、レベル1のコラムにはこんな問題がある。
「一辺の長さが3未満の正方形に、一辺の長さが1の正方形を重ならないように5個詰めてください」
(12ページ)
こういうレベルのものから、有名なところでは、2004年にシリコンバレーの高速道路101号沿いに出現した広告看板の問題、
「{first 10-digit prime found in consecutive digits of e}.com」
(1ページ)
といったものまで様々である。
残念ながら、Iyokiyehaはレベル2までである。

文系・理系で人を分けるのは好きじゃないけれども、それでも高校で理系科目をとってきた人や大学で物理や数学を専攻していた人なら、もう少し最後のほうまで楽しめる書籍だろう。


オススメ度:★★★★☆(知的好奇心が旺盛な方なら、分野を問わず楽しめるかと)

選ぶことは、捨てること

人生には様々な選択肢があって、その一つ一つを選んで今の人生がある。
などと、自己啓発本なんかにはよくありがちなフレーズだけれども、世の中そううまくはいかないんじゃないのかなと、30年生きてきて、そしてそのうち職業生活を5~6年生きてきて、切に考えるところである。

選べない人の多くは、数ある選択肢に次々とラベルを貼っていき、損得勘定で天秤にかけようとするから、選べなくなっているように思う。
質的に判断すべきところを、ラベリングによって量的に+-(プラス・マイナス)で考えようとすると、どうしても無理がでてくる。
「理屈としては+なんだけど、感情が邪魔する」なんてのは、ギャップが生じていることを自ら気づいていることではないのだろうか。

人間、よくできたもので、物事(人も含めて)について「悪いこと」を探すのは得意で、あることをテーマにそのことを批評(悪い方を中心に)すると、わんさかわんさか、これでもかこれでもかと発言できるのに、一つ条件をつけると、発言に勇気が要るようになる。
その条件とは「ほめる」こと。

グループワークのアイスブレイクや、よくある人間関係構築プログラムの導入部分で「いいところ探し」というものがよく使われるが、面白いもので発言を+の方向にチューニングしてあげるだけで、あら不思議。
自然と笑い声が聞こえてきて、自然とテンションがあがって、自然と抑制がとれてくる。
軽くお酒を飲んだときのように、メンタルブロックが一つコロリと剥がれ落ちるような感じすら覚える。

理屈で物事考えると、いろんなものが見えてきて、返ってそのものの本質をはずしてしまうということはよくあること。
選択肢を「選ぼう」と意気込むと、自らの本質から外れたところでいろんなことを考え始めてしまうのではないでしょうか。
人からよく思われたい、失敗したくない、損したくない、もっと得したい・・・などなど。
欲が介在することによって、さらに「選ぶ」ことが難しくなる。
さらに、考えれば考えるほど、ある選択肢をとったと思ったときに、他の選択肢の「得」な部分が目立って見えるようになる。
これぞ「隣の芝は青く見える」現象。
こうなってしまうと、本人はそう思っていなくても負のスパイラルが始まる。
「あぁ、こっちを選んでおけばよかった」「やめておけばよかった」。
さらにその矛先は、選択肢を選んだ自分にも向けられる。
「なんてバカなんだ」と。

世の中には、考えてわかることと、そうでないことがあるということを知ると、何かを「選ぶ」前に一つ考えなければならないことがわかってくる。
そして、一つを「選ぶ」行為そのものが、数あるものから優先順位をつけて一つを選び取ることではなく、実は選択肢を消していった結果残ったものを「かろうじて得ることができる」ことだということが見えてくる。

そういうものなんじゃないかと、思うのですが、どうでしょうか?
少なくともIyokieyhaは、多くの場合「選ぶ=捨てるのリスク」よりも「選ばない」ことを選択した場合のメンタルブロック(気になって、他のことに集中できない状態など)の弊害の方が大きいと考えているので、結論はできるだけ早く出すことを心がけています。

今回は、ある方へのいつぞやの質問の返答を兼ねて、「選ぶこと」そのものについて考えてみました。

中西貴之『からだビックリ!薬はこうしてやっと効く ――苦労多きからだの中の薬物動態――』技術評論社、2009年。

Podcast「ヴォイニッチの科学書」で活躍されている中西貴之氏の、薬物動態に関する書籍。

http://obio.c-studio.net/science/index.htm
(Web:ヴォイニッチの科学書)

お腹が痛い時に、飲み薬を飲んで効く、というのは感覚的にもわからないでもないのだけれども、頭痛になぜ飲み薬が効くのか?
風邪薬はどこにどのように効いて、症状が楽になるのか?
疑問に感じた方は、一読の価値ありです。

薬が私たちの体内で、どのような経過をたどって、どのように効果を発揮するのかということや、副作用が起こるのはなぜなのか、それらの薬を作る現場では、どのようなことに苦労しているのか。
「薬物動態」という学問分野があって、その成果を豊富な実例を基にわかりやすく説明しているのが本著です。
少し専門的な内容も含んでおり、高校生レベルかそれより少し高いレベルの生物学の知識が要る箇所もありますが、基本的には一般書として十分に読める内容です。


Iyokiyehaのもともとの疑問は、仕事をしていて「抗精神約や抗うつ剤って、何で飲み薬なんだろう」と感じことです。
それから、「薬ってどうして脳に作用するんだろう」ときて、「そもそも薬ってどうやって作用するんだろう」「飲んだ薬ってどうなるの?」という疑問に発展したところにPodcast「ヴォイニッチの科学書」のCMを聞き、購入したというわけです。
読感は、やや難しいけれども十分に読めて「なるほど!」が多い本でした。

薬といえど、身体にとっては基本的に「異物」。
人間の体内には、異物を排除するための様々な機能が備わっていて、薬の研究・開発とは、そうした様々な機能(酵素やたんぱく質の働きなど)をどうすりぬけたり、利用したりして疾患部位に効果を発揮させるか、ということとの戦いだということ。
そして、一番勉強になったのは、薬の成分の多くは小腸の柔毛細胞から血管に入り込み、血流にのって疾患部位にたどりつくということ。
抗精神病薬や抗うつ剤も、そのほとんどが経口投与されて、唾液や胃液の攻撃をかいくぐり、腸から血流に乗って肝臓でさらに激しい攻撃を受けた後、硬い守りに定評のある脳へと運ばれて作用するということがわかりました。
そりゃ、個人差もあるわ。
そもそもの疾患部位にも個人差ありそうだし、そこに至るための数多くの関門ごとに個性があれば、変数が増えていくのは必至です。
加えて、副作用=正常な細胞に作用してしまったこと、というシンプルな記述によって、わかることも多い、お得な書籍でした。

少し内容が専門的なので、万人うけする本ではないけれども、人体の不思議に興味がある人や、Iyokiyehaと同じ疑問をお持ちの方にはおすすめです。


オススメ度:★★★★☆(薬や人体のしくみに興味がある人におすすめです)

2009年12月25日金曜日

Forsight休刊!?

Iyokiyehaが購読していた『Forsight』(新潮社)という雑誌が休刊になってしまうそうです。

http://www.shinchosha.co.jp/foresight/
(Web:新潮社Forsight)

ふりかえれば、NPO勤務時代に「できるだけ効率よく日本内外の状況を知ることのできる雑誌を講読しよう」と思い立って、一番お金がないときに、一年購読の申し込みをしたのが事の発端でした。
案の定、当時はちんぷんかんぷんでしたが、とりあえず字面だけでも、と毎月一冊をくまなく目を通しています。
今でも理解が怪しい記事が多いのですが、それでも半分くらいは読めるようになったかなと自負しています。

この雑誌、変に商売商売しておらず(定期購読のみの扱いで、店頭販売していません)、各記者の考え方がわかるのだけれども、誘導しているような感がなく、事実に即した内容がIyokiyehaには魅力でした。
セミナーCDが時々同封されていたり、「こんなん誰が読むんじゃい?」という絶版の書籍が書評されていたりと、とにかく硬派なないようで、くだらない突っ込みを入れながらも、知的好奇心をくすぐられる内容に、難しいながらも毎月楽しみにしていた雑誌でした。

ここのところの出版不況によるのでしょうか。
こんなすばらしい内容の雑誌が休刊になってしまうということが、残念でなりません。
それでも、今まで新聞を読まないIyokiyehaを支えていただきありがとうございました。

私事ですが・・・

ひょんなところから、中学生の同級生が亡くなったことを知った。
間に合うタイミングだったので、とりあえず弔電は打ったのだけれども、何とも言いがたい感情がよぎる。

実際、何があったのかは知らないのだけれども、齢30でこの世を去ることは、今のIyokiyehaには想像もつかない。
同世代の知人が亡くなるというのは、今回が初めてではないけれども、どの機会も自分の中にぽっかり穴が空いてしまうかのうような感情が伴い、いかんともしがたい。

人の人生を背負えるわけもなく、また、背負うつもりはないけれども、改めて「強く生きよう」と思う。
「人の死を超えて」なんていう大げさなものではなく、こんなことでもなければこの深さで生きることを考えることなんかないので。

合掌。

仕事をめぐる環境も変わりつつある!

両手離しでは喜ぶことのできないニュースではあるのですが。

http://www.47news.jp/CN/200912/CN2009122501000814.html
(Web:47NEWSより)

障害があっても働くことが普通の生活であることが、スタンダードになりつつあります。
職業リハビリテーションが、ますます社会から必要とされる時代へ。

事業仕分け?機構の統合?
まぁ、好きなようにしてくれや。
Iyokiyehaは、機構にとどまって、職リハの充実に取り組みます。

2009年12月24日木曜日

地味にリフレッシュ中。。

インフルエンザA型と診断され、今週一杯休みをもらい、自宅で休養しているわけですが、まぁ休んでみたら身体のガタにいろいろと気づくわけで。

口内炎はひどいし、腰も膝も気づけばガタガタ、一番ひどいのが肩こりだということに気づき、心身ともに疲労が蓄積していたのだろうと。
そういや、11月から週末も何かとばたばたしていて、ゆっくり休んだっていう日がなかったことに気づく。
研修前に、風呂場で意識が急に遠のいて、今どこに立っているのかわからなくなったこともあったっけ。
研修中の宿も、結局、本部から歩いて30分以上歩く場所にあったし。
すなおに、送迎バス使えばよかったかも。
なんだかんだで、ほとんど毎晩お酒飲んでたし。

いやー、若くないのに、気持ちだけ若いまんまなんだなぁ、未熟な証拠だなぁと実感させられた。
インフルエンザも、もともと体内にいたやつが、研修終了の気の緩みと、寒波とのWパンチで猛威をふるったんでしょうね。


不幸中の幸いは、今回のインフルエンザは熱が上がらないこと。
咳と喉の痛みがあるので、無理はしていないのですが、完全防備でスーパーに買い出しに行きがてら、お散歩気分で歩いてみたり、PSWの国試対策を少しずつやってみたり、日頃読めなかった本をぐだぐだ読んでみたり、数独に挑戦してみたり、YouTubeで「おかあさんといっしょ」関連の動画を楽しんだりと、いつもの休日でもなかなかできないことをいくつかやってみています。
本来の意味とは、だいぶ違うけれども、ちょっとしたサバティカルかなと思ってみたり。。。

この辺の楽観主義って、どこで身に着けたのかなと、時々気になります。
にしても、「なくしてわかる健康」とはよく言ったものです。身体動かしたい・・・

2009年12月23日水曜日

東山紘久『プロカウンセラーの聞く技術』創元社、2000年。

「人の話を聞く」ことに焦点を当てた、カウンセラーの技術を紹介している。
一般書に分類された売り場で、今でも書店に並んでいるロングセラー。
出版から10年くらい経った今でも、内容は全く色褪せていない。
人と人とのやりとりというのは、今も昔もほとんど変化していないということを、この内容が示しているようにも読める。
カウンセリングに必要とされる「聴く」技術や、「間」のとり方など、実例を踏まえてその意味するところの考え方をわかりやすく説明している。

この本と初めて出会ったのは、実はIyokiyehaが岡山勤務している時。
その頃から気になっていたのだけれども、なかなか購入して読むというところに至らなかったことを思い出します。
購入のきっかけは、Febeのオーディオブックで同著が販売されていたこと。
とりあえず、音声で聴いてみようという軽い気持ちで購入して、聴いてみたところ、立ち読みでは残念ながら読み取ることができなかった言葉の使い方や、日頃対人業務に就いているIyokiyeha自身の仕事を振り返る機会にもなり、思わず書籍版を購入するに至った次第です。
先日、集合研修の場で、普段Iyokiyehaが言語情報に頼っていることが浮き彫りになったことも手伝い、自分が仕事の中で大切にしたいと考えていたことがようやく言語化できました。
人とのやりとりで全ての基礎となる、「人と人との接点」は、お互いの「共感」によって成立するという当たり前のことですが、もう一つ深めると、意外な事実に気づきます。
その共感は「自分の『真意』をわかってもらえた」という、実は一方通行の感覚の組み合わせによって成立するのではないかと。
「私は○○だと思うんです!」という相手の言い分に対して、「(俺は○○とは思わないし、△△だと思うんだけどなぁ)なるほど○○ですか」と、自分の真意は一旦置いておいても「同意」する。
このあたりの、自分の「真意」を場に出さない、察せられないようにするのがプロの技術と考えるわけですが、それはさておき、「思いを伝えた」→「(同意というレベルでも)わかってもらえた」という組み合わせによって、相手には「共感してもらえた」感があるのではないでしょうか。
この背景にあるのは、「相手の言い分を飲む」のではなく、「相手の真意をわかろうとする」ことに他ならないと思います。

この本で紹介されている技法やテーマとは、少し違うことかもしれませんが、Iyokiyehaの学びはこういうところにありました。


おすすめ度:★★★★★(おそらく、どんな仕事をしている人にも学びがあるかと)

2009年12月22日火曜日

A型。

インフルエンザにかかっちゃいました。しんどいです。
年末はほとんど出勤できないので、御迷惑おかけします。
連絡される方は、会社のアドレス(一日一回チェックします)か、Iyokiyeha個人宛(Gmailなど)に直接連絡ください。

よろしくお願いします。

2009年12月20日日曜日

久々にお腹が痛くなるほど笑いました。

普段、動画を見て馬鹿笑いすることは少ないのですが、これは傑作だ。

(You Tube:スプーの絵描き歌)

ゆうぞうおにいさんが、上手に描いているだけにギャップがすごい。
白ヤギさんと黒ヤギさんの反応も見ものです。

ちなみに、職場で見ることは勧めません。あしからず。

2009年12月19日土曜日

研修を終えて

中堅職員研修と専門第二期研修を終えて、幕張から富士見に帰ってきました。
この週末は、実家へ帰る予定だったのですが、同期に新型インフルエンザ感染者がいたため、大事をとって埼玉の自宅へ。

ふりかえってみると、いろいろな刺激が詰まった二週間でした。
同期のみなさんの中でも、それぞれ強みに個性が出てきて、各地域で奮闘している様子を、時間内外問わず、たくさん仕入れられたのは、Iyokiyehaにとって何よりの収穫だったと思います。

今回問わず、集合研修の時に意識しているのが、自らをなるべくvalnerableにしておくこと。

(参考:Excite辞典より)
vul・ner・a・ble /vln()rbl/

1a 〈要塞(ようさい)など〉攻撃されやすい.
b 〔…に対して〕すきだらけで,弱くて 〔to〕.
2a 傷つきやすい,感じやすい; 弱み[弱点]のある.
b 〔非難などを〕受けやすくて 〔to〕.
vl・ner・a・bly /‐bli/
ラテン語「傷つきやすい」の意
(ここまで)

「嘘こけ」と言われようが、Iyokiyehaの研修受講スタンスはこんな感じです。
いろいろと、あまり狙わず自然体で。
「やれ」と言われたことは、とりあえず「やってみる」くらいです。
その様子が、やや奇異に映るようですが、本人は全く気にしていないのであしからず。

以前読んだ本(『ボランティア』(岩波新書)だったかと・・・)に、valnerableという言葉を使いながら説明している箇所があって、10年くらい前に読んだ本ですが、いまだにそのことを覚えている次第です。
業務とは違う「活動」なわけで、第一義は「自らが学べる」ことなので、矢面に立てるのならば、積極的に矢面に立ってみようというくらいでした。

おかげで、普段の自分との対比もできて、いろいろと見てくるものもありました。
細かなことでは、気分障害の勉強をもっとしなきゃいかん、とか、発達障害を持つ方の相談において言語表現にこだわりがちなスタンスが見えたり、そもそも復職支援の考え方そのもので気づきがありました(というか、復職についてこれまでほとんど勉強していなかったということに気づきました)。
それだけでなく、周囲から5年目の職員は、どう見られているのか、という視点が加わったことで、所内の位置づけというか、業務スタンスも少し調整する必要があると感じたし、そもそもIyokiyehaが発する雰囲気にはもっと気を使って、業務中もvalnerableであることを意識すべきだということを思ったところです。ある事象に対しては、常に3つくらいのアウトプットをするくらい視野を広げて、指摘は素直に受けるけれども、働きかけはいつもプラスのストロークを心がけるくらいで。
Iyokiyeha自身の仕事は、いちいち説明しなくても「見える」ようになることを意識して、言葉も選ばないと、などなど。
基本的なスタンスに間違いはないけれども、修正しないともっとよくならないなと感じ続けた二週間でした。

明日からやることもあるので、二週間を活かしてまた変わっていこうと思います。


研修中のアフター5は、1日を除いて、毎日誰かとご一緒させていただいたわけですが、接点あった方々、本当にありがとうございました。
財布はスカピンですが、Iyokiyeha自身に残ったものはまさにPricelessなものばかりです(もちろん、12月11日の宴も、です・笑)。

Iyokiyehaは家族ができたことも手伝って、職業リハビリテーションで食えるところまで食い続けることを決心しております。
機構に残る方は、一緒にやりましょう。
機構を去る方も、コラボレーションしましょう。

9年次と言わず、近いうちにみなさんとお会いできる日がくることを楽しみにしています。
まずは略式ですが御礼まで。

091218専門第二期研修

専門第二期研修(6日目)
○利用者からのクレーム対応
 スリーマインド教育センター
0.オリエンテーション
※「ありがとうございます」「励みになります」が印象的。
 肯定的な返事を多用することの効果を考える
・よく知った人でも、コミュニケーションは通じていないことが多い。

1.クレームとは何か
 事前期待と現実の対応の差
 Iグループ店舗におけるリピート率(○%)

 事前期待  現実  実感 (クレーム時の対応) 

  10    5  不満 言わない(9%)
              言う  モタモタ(57%)
                  迅速(87%)
  10   10  満足(70%)
  10   15  感動(98%)
(結果から考えられること)
・期待がなければ、不満もない・文句も言わない。
・「言わない」「言えない」に含まれる、暗黙のニーズとWeb等で流出しやすいクレームの存在を忘れてはならない。
 「言わない」撲滅へ(公的機関は特に注意!)
・文句を言うのはエネルギーが要る。
 言ったからには、なんらかの対応が欲しい(人は特別扱いされると、満足しやすい)。
 言いたい思いはあっても、言うかどうかは状況による。

(1)なぜクレームはなくならないのか
・人は放っておけば粗探ししがち。満足を得るには、+αが必要。
・予防が最も効果的で、かつよりよいサービスにつながりやすい。

(2)クレームの意味と込められた思いを知り、予防に活かす
・クライアントの希望に応えるためには、その場限りの対応の質ではなく、それまでの応対に全てが含まれている。
・人の応対に尽きる(売買の立場によるテンションのずれ。眼鏡屋の事例)
(予防のために)
 ①相手との好意的な関係作り
 -相手が自分に関心を持っている、と思ってもらうこと。
  ・「知りたい」と思うこと
  ・プラスの面に注目
  ・本気でエネルギーを向けること
  感謝「ありがとうございます」「励みになります」を忘れずに(謙遜しない!)
 ②わかりやすく伝える
 -「伝える」ことと「伝わる」こととは全く違う
  「伝わる」とは、相手が理解して納得し、行動が変わること。
 -「アポロ」、繰り返し、書面(もれなく、だぶりなく:MECE Mutually Exclusive and Collective Exhaustive)
  ア:アイコンタクト(目を合わせ)
  ポ:ポイントは3つ以内(プレゼンとプレゼン資料作成の基本)
  ロ:論拠を示す(EBなど)
 ③質問をして引き出す
 -質問の難易度を工夫し、説明を加える。
  クローズQとオープンQなど

2.クレーム応対のポイント
・「頭」と「心」が動くと納得する
 「ずしん」
・自分の心をどう回すか。
(1)クレーム応対のツボは心の修理
・人は理論と感情の両輪を回している
・クレームのコツは初期対応にあり

(2)クレーム応対基本ステップ
 ①心を込めたお詫び
  「ご迷惑をおかけいたしまして、申し訳ございません」
 ②とことん聴く(相手の気持ちを汲み取り、共感の一言)
  「それはお困りでしたね」「ご心配ですね」
  ※電話の主は、事実はしゃべるが、感情はしゃべらない(弱みを見せたくない)
 ③事実の確認と発生原因の説明
  重要な事実を質問しながら確認する:要約
 (思い込みにより感情的になっている場合、支離滅裂で時系列ではないため)
  「間違いがあったらいけないので、確認させてください」など
  事実の確認ができたら、明確に原因を説明
 ④具体的な解決策・改善策を提案する
  日程などは、「選択肢を選ばせる」(些細な選択の余地を残す)
  人のせいにせず、当事者感覚を大切にする
  マイナス表現を使わない
  相手にしゃべってもらう
  持ち帰る場合は「いつまでに連絡」(できるだけ短い時間で)するか明確にしておく
  解決できない場合でも、中間報告をする
※クレーム応対時は、所内に伝達し「組織で対応する」ことを意識して徹底する
※基本的には、落ち着いて応対する
 相手に合わせて、基本はクールダウンさせていく30分~長くても1時間は続かない。
 続く場合は「悪質クレーマー」(クレーム自体が目的)であることも。

3.クレーム応対の心構え
(1)先入観を持たず、好意と感謝と責任感を持つ
・関心を持ち、感謝する

(2)事例は報告・蓄積し、繰り返さない努力を
・ある程度のパターンがある。
・特定の内容に関するクレームが多い場合、組織としての弱点であると考えられる。
・クレーム応対中は、必ず周知する。組織で対応する。


○キャリアの棚卸・アクションプランの作成
 研修課

(省略)


091217専門第二期研修

専門第二期研修(5日目)
○ケーススタディ(事業主支援の方法)
(討議の要点のみ)
・達成目標は具体的かつ、検証可能なものの方が効果的であることが多い。
・到達レベルと、それに基づいて活用できる制度の整理と説明。
・他の事業所の事例を引き合いに出しつつ、事業所の主体性を引き出す。
 -「わかってもらう」のではなく、「やろうと思わせる」。

・ナチュラルサポートは、そのままにしておいたら壊れてしまう。
 (1)しこみ
 (2)メンテナンス
 それぞれが、必ず必要となる。
・フォローアップ時に、暗黙地を形式知へと変換する。
 いかにアウトプット(事業主への提案)をしていくか。

・事業主体系的支援とは、
「複合的な支援について、事業主支援手法を組み合わせて継続的に行う」事業主支援を指す。
 事業主ニーズが見えにくい・出てきにくい場合であっても、担当者を通じて思いをくみとることが求められる。
・事業所全体との関連を考える。
・事業主支援計画を策定するためには、
 (特に対象者を介さない支援の場合)基本は障害者の職業リハビリテーションと同じで、
 ニーズ把握→評価→計画策定
 必ず、事業主が「雇用管理をする」という意識を持つ。
 つまり、事業主に責任をとってもらえるように巻き込んでいく。
(具体的な方法)
・事業主ニーズは把握しつつも、「職場定着に課題がある場合」という括りで、積極的にジョブコーチ支援を提案していく。
・マニュアルの形骸化については、本人と一緒に作ることも視野にいれる。
・支援開始時には、必ずインフォームドコンセントを意識する。



○ケーススタディ(発達障害者への支援方法)
※気分障害の勉強はしましょう。発達障害の勉強もしましょう。
・対象者の真意をどう読み解くか。
 言語表出だけに頼らない。
 ルールやこだわりは、処世術の意味を持つこともある。
・気分障害の特性としての認知機能と易疲労性。
・前にできていたことが、できなくなるという現象とどう読み解くか。
・「調子がいい」ことを褒めて自覚させる。

・奇異な行動をどう読み解くか。
 カテゴリーは、
 -注意獲得行動
 -回避行動
 -要求行動
 表出するサインをどう活かすか。
・問題行動を無視することによる消去。注意獲得行動の場合、注意することそれ自体が「目的達成」となってしまう。
・自分ルールをつくる傾向がある場合、最初が肝心。
 -職場でやっていいこと、いけないことを明確にする。
・言語がない人に対するインフォームド・コンセント(意思確認)
 絵や文字でのコミュニケーション、手続きは手引きを参考に。
 見るコミュニケーションの場合は、「どこを」見せるかがポイント(食い違うことがある)。
・事業主支援の観点からは、障害特性の説明は一方的でなく、相手が「知りたい」と思うようなかかわりを心がける。

・気づきをうながすためには、人との関係性が必要となる。
 声のトーンや話の進め方も重要。
・支援者の姿勢が問われる。
 自発的なふりかえりを求めるのは難しい。
 科学的根拠に基づく説明も有効となる場合がある。
・見る力、感じる力によって対象者の意思を読み解く。
 対象者が、今、この場で、どう言ったか、どう動いたか。それをあなた(支援者)がどう見たか、が重要となる。

091216専門第二期研修

専門第二期研修(4日目)
○ワークシステム・サポートプログラムにおける発達障害者への支援技法
 障害者職業総合センター職業センター企画課

省略
(参考)



○ケーススタディ(精神障害者への支援方法)
(討議の要点のみ)
・気分障害は、どのレベルで起こっているのか。様々な情報から掴む。
 全てが気分に起因するわけではなく、他の障害特性から言動が起こることもある。
・計画を「行動レベル」まで落とし込む。
 あらかじめできれば一番望ましいが、そうでなくとも節目節目で計画の見直しが必要となることも多い。
・課題への気づかせ方
 (1)困らせて、気づかせる
 (2)気づけそうな芽生えの段階で褒めて、気づかせる(強化)
  ストレングスモデル
・「いい転び方」を覚えるのも重要
 八百屋は肉屋じゃないことに気づく
 会社-本人-支援者のそれぞれの役割

・気分障害を主障害とした対象者へ支援(観察)ポイント。
 -易疲労性と認知機能の評価とフィードバック
 -アセスメントに基づく調整
・負荷の段階的なかけ方。
 -枠をつけてから、外していく
 -負荷を加えていく
・汎化は、WT→JCなど、永遠のテーマ。
 -指導者間般化
 -場面間般化
・認知機能障害という括りで、発達障害、高次脳機能障害、統合失調症を整理する。



ちなみに・・・

娘はあまり好きじゃないみたいだけど、Iyokiyehaがすごく好きなアニメ。

(You Tube:やさいのようせい N.Y.SALAD)

最近視聴した歌番組といえば・・・

そういえば最近、いわゆる「POPS」というものを聞いていない。
iPhoneで、インターネットラジオを聴いていても、まったくピンとこない。
以前は、通勤の時にラジオを聴いたり、本屋さんに足しげく通ったりしていたので、そんなところで最近ヒットしている音楽は自然と耳に入ってきたのだけれども、東京勤務になってからそういう機会もなくなってしまった。
というか、PODCASTを聞くようになって、回りの音がいかに聞こえなくなっているか、ということに最近気づいた。

その代わりというか、子育ての中で「おかあさんといっしょ」を観るようになって、いつの間にか、Iyokiyeha自身がこの番組を観るのが楽しくなってしまった。
もともと、教育テレビは好きだったのだけれども、大人になってなかなか観る機会はなくなってしまった。
いい機会なので、子どもにかこつけて、Iyokiyehaが観ているわけです。
幕張研修中、ファミリーコンサートの再放送とか朝やっていて、つい見入ってしまい、遅刻しそうになった、というのはあまり話をしていない事実です。

私のお気に入りはこのあたり。
後ろの二つは、中西圭三関係の歌です。
やっぱ素敵だわ~。

(You Tube:あっちこっちマーチ)

(You Tube:ぼよよん行進曲)

(You Tube:ぱわわぷたいそう)

子ども向けの歌って、純粋さが伝わってきて、元気になりますね。
元気な日には、テンションあがるし、元気がないときにも思わず笑顔になってしまう。
不思議です。

2009年12月17日木曜日

専門第二期研修(2日目)091214

○障害者雇用に向けての事業主業務に関連する法律等

0.はじめに
・社会保険労務士とは
 =会社の「人」に関することをする役割
  保険や人事、雇用契約など
  トラブル対応(対組合、対個人、など)
・労働基準法(労基法)
 =刑法と同じ位置づけで、基準が定められ罰則もある。
  労働者災害補償保険法も同様(窓口は労働基準監督署)
・労働契約法(契約法)
 =民法と同じ位置づけで、具体的なことは、裁判などで決める。
  相談の窓口は、労働問題に詳しい弁護士や社労士。

1.採用
 労基法15条
  使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間、その他の労働条件を明示しなければならない。
 契約法4条
  労働契約の内容の理解の促進
・文書で明示すべき項目
(1)労働契約の期間に関する事項
(2)就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
(3)始業及び就業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇ならびに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
(4)賃金の決定、計算および支払いの方法、賃金の締め切り及び支払いの時期に関する事項
(5)退職に関する事項(解雇の事由を含む)
・口頭でも可能
(6)昇給に関する事項
・就業規則等で決まっていれば明示する
(7)退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払いの方法並びに退職手当の支払いの時期に関する事項
(8)臨時に支払われる賃金、賞与および最低賃金金額に関する事項
(9)労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
(10)安全および衛生に関する事項
(11)職業訓練に関する事項
(12)災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
(13)表彰および制裁に関する事項
(14)休職に関する事項
*昇給・退職金・賞与の有無(「パートタイム労働法」=短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)
*上記を変更する場合
 -1~2ヶ月の短縮、等であれば、そのままの契約で構わない
 -長期間継続するようであれば、契約を変更する

会社は、面接時に最も裁量権を有する(労基法に縛られていない)
・(軽)犯罪歴がある
・障害がある
ことを伝えるべきか否か。
「経歴詐称」との兼ね合いだが、「経歴詐称」により事業所は懲戒権を有する。
(よって、線引きは非常に難しい。個人のかかわりだけで悩まないこと!)

契約期間は、労基法14条によって定められている。
・期間の定めのないものをのぞき、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、以下の各号に該当するものを除き3年を超えて締結してはならない。(以下は5年まで)
(1)高度な専門的知識を有する
 ⅰ.博士の学位を有する者
 ⅱ.国家資格を有する者
 ⅲ.システムアナリスト・アクチュアリー試験合格者など
 ⅳ.満60歳以上の者

会社は、従業員の「解雇」を避けたい!
理由:
(1)各種助成金の対象ではなくなる
(2)正当な解雇であることの証明をしなくてはならない
(雇い止めの場合、契約更新の条件を明示しておくべき)
(3)予告手当(30日分の賃金)の支払い
労基法「有期労働契約の締結、更新及び雇い止めに関する基準」(略)
*ハローワークの扱いは期間によって異なる
 3年以上勤務しているのであれば、事業所都合 
 3年以下の勤務であれば、期間満了
として処理

2.労働時間・休憩・休日・休暇
 原則:8時間/日、40時間/週 休憩時間はこれに含まない、休日は毎週1回以上
 (労基法34、35)
 例外:一ヶ月単位、一年単位、フレックスで勤務時間の調整は可能。
(略)

3.賃金
 労基法24、27、28(最低賃金:最賃法7)、37(割り増し)
(1)賃金支払い5原則
 ⅰ 通貨払い(例外:銀行振り込み)
 ⅱ 直接払い(例外:やむをえない場合に家族に支払う。だから本人名義の口座が必要)
 ⅲ 全額払い(税金や社会保険料は別)
 ⅳ 毎月最低1回払い
 ⅴ 一定期日払い(毎月、同じ日)
 出来高払制その他請負制の場合、労働時間に応じて一定額の賃金保障が義務付けられている
(2)割増賃金
 ⅰ 法廷時間外労働(8時間/日以上)=125%
 ⅱ 深夜労働(22:00~5:00)=125%
 ⅲ 法定休日労働=135%
 (「法定」=労基法上の基準、「所定」=会社ごとの定め)
 *家族にかかる手当ては除外されるが、本人にかかる手当て(資格手当など)は割増の対象となる
(3)最低賃金
・最低賃金の減額特例(以前の「最低賃金除外申請」)
 生産性との兼ね合いで賃金設定する

4.解雇
 契約法16
「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」
 労基法89(手続きのみ)
「解雇の場合には、就業規則に解雇事由を記載する事が必要」
・就業規則に載せられていることが重要。
・解雇の有効・無効に関する条件。
・かつ、従業員に周知していること。
(絶対的必要記載事項)
(1)始業及び就業の時刻、休憩時間、休日、休暇ならびに交代制の場合には就業時間転換に関する事項
(2)賃金の決定、計算および支払いの方法、賃金の締め切り及び支払いの時期並びに昇給に関する事項
(3)退職に関する事項(退職の事由とその手続き、解雇の事由等)
 解雇-普通解雇(事業所都合)「雇用を継続すると、事業所として都合が悪い」
   -懲戒解雇(本人責任)「お前が悪い」(犯罪や、事業所としての我慢の度合い)
(相対的必要記載事項)
 略

解雇できない場合
(1)労働者の国籍、信条、社会的身分を理由としてなされた解雇(労基法3)
(2)労働者が業務上の怪我や病気にかかり、療養のために休業する期間とその後30日間になされた解雇(労基法19)
(3)産前産後の女性労働者が労基法65条の規定により休業する期間(産前6週間、産後30日)(労基法19条)
(4)労働者が、事業場が法令に違反している事実を労働基準監督署に申告したことを理由としてなされた解雇(労基法104)
(5)労働組合員であるきおとを理由とする解雇(労組法7)
(6)労働者が育児・介護休業の申し出をしたこと、又は育児・介護休業をしたことを理由とする解雇(育児・介護休業法10,16)
(7)女性労働者が婚姻・妊娠・出産・産前産後休業をしたことを理由とする解雇(男女雇用機会均等法6)
(8)労働者が、都道府県労働局長に対し、個別的な労使間のトラブルについて援助を求めたことを理由とする解雇(個別労働紛争解決法4)

事務手続き(労基法20)
 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。


5.「働く」とは
(1)休職の考え方
「労働契約の関係」とは「労働者が使用者の指揮命令下で労働し」「使用者から賃金を得る」関係
「休職」は、法律上の条文はない。(例外「公務員法」?)厚労省のガイドラインのみ。
よって、例えば、診断書が出た時点で、そのことが解雇理由となりうる。復職を制度として整備している事業所は、新規雇い入れよりも諸々の状況から休職者を復職させた方が有利と考える場合。ただし、近年では「事業所の責任」を問われることも多いため、診断書提出即解雇とはなりにくい。

・安全配慮義務
 ⅰ 事故にあわない(危険性)
 ⅱ 健康で働ける環境(健康配慮義務、ともいわれる)

極論すれば、労働者が「働けない」のであれば、労働契約にならない。
就業規則に休職の規定がないと、休職できない。

(2)「休職」とは
 労働者が労働することを、使用者が「しばらく免除する」こと。
 「解雇猶予措置」という考え方が主流。
・うつ病(ならば)が、それが労災の対象となるか否かで、事業所としての責任の範囲が変わってくる。
 休職期間満了時に、解雇であるか、自然退職(解雇ではなく、「退職」と同じ扱いとなる)となるか、就業規則により判断。
(労基法81、労災法19、契約法5)
・労災認定のライン
 発症前1ヶ月におおむね100時間または発症前2ヶ月ないし6ヶ月にわたって、1ヶ月に80時間を越える時間外労働が認められる場合、業務と発症との関連が強いと評価できる。

(3)休職時の対応
ⅰ 休職した従業員が何をもって「ゴール」としているか確認
 (「うつ病を治す」ことで合意が得られているか?「お金がない」「世間体」は復職とは別の次元。事業所の状況を配慮する)
ⅱ 精神疾患の発症が業務上か否かを考える
  事業所の本音は「労災にしたくない」
  感情的なもつれは避け、労災は労災として考える
ⅲ 精神疾患にかかっていることは「働けない」ことと=(イコール)ではない!
  疾病性と事例性の違いを把握する
  ただし、うつ病になったのに働かせた、ということにならないよう注意(安全配慮義務)
ⅳ 就業規則に休職規定があるか
ⅴ 職場復帰の決定の仕方
  診断書を参考に職場復帰を決定するが、復帰させるかどうかは会社の人事権
  (↑重要だけれども、すべてではない)
ⅵ 退職の場合の取り扱い
  解雇なのか自然退職なのか(後者であれば、退職金など、会社の規定によって決定する)
ⅶ 休職と社会保険の関係
 ①休職期間中の所得保障は原則として、健康保険の傷病手当金(標準報酬月額の2/3、最大1年6ヶ月)
  ただし、就業規則により会社から給与の支払いがある場合は、給与の支払いが優先される。
  ※1年6ヶ月は「もらい始め」から。途中で復帰した期間は、この期間に合算される。
 ②休職期間中の健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料は通常とおり控除される。
  会社と従業員で折半(多くは会社が立て替えている)

(4)復職が認められる治癒の考え方
 医学的治癒と、人事労務上の治癒は違う
 参考:以前は「従前の職務を通常の程度行える」程度であったが、最近の傾向としては、「直ちに従前の業務に復帰できない場合でも、比較的短期間で復帰可能な場合には、短期間の復帰準備時間の提供などが信義則上求められ、このような信義則上の手続きをとらずに解雇することはできない。

6.判断基準
 (事例略)
(1)リハビリの考え方
・リハビリ出勤=通勤のみ等、職場で業務には従事しない。給料もない。
・リハビリ勤務=緩和勤務、作業あり。給料をどのように設定するか。
「リハビリ」の考え方は、法律の定めがないため、ケース毎に合意をとる。

(2)管理職や専門職の場合
正社員であれば、基本的には「他の正社員職(事務職、など)」で復帰ができれば、復帰できるという判断にすべきという判決はある。必ずしも従前と同じ職務は求められない。





○職業カウンセリング演習
0.はじめに
 EAP=Employ Assistant Program
     相談専門機関。保険会社が主導することが多い(早くリハビリして職場復帰させた方が、支払う保険料が少なくてすむ)
     現場で難しいのは、退職が絡んだ相談
 GLTD?=長期にわたり、所得保障するプラン


1.NIOSH職業性ストレスモデル
 EAP実践における(メンタルヘルスの状況把握と改善における)基礎・原点となるモデル。

http://www.ne.jp/asahi/amano/matsuo/oh/14jobstress/stressmodel.htm
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2006dir/n2688dir/n2688_06.htm
(図はこのあたりを参照)
アセスメントはこの5つの視点から。
・職場アセスメント:ストレッサー評価
・個人アセスメント:個人の性格など
・疾患アセスメント:ストレス反応など
・緩衝アセスメント:Social Support
・家族アセスメント:協力体制など


「職場のストレッサー」だけで、「疾病」に至るわけではない。
同じ状況(職場のストレッサー)であっても、それを受け止める「個人的要因」や、家族など「仕事以外の要因」、これにSocial Supportとされる「緩衝要因」が相互に関わりあう。
この状況下で、ストレッサーに耐え切れなくなると「ストレス反応」を生じ、疾病へと至る。
モデル内の「疾病」を除いた5つの項目は、その人の状況を把握することや、改善の方法を検討する上で有用といえる。
また、改善の方法を検討する上で、多くの場合、職場のストレッサーは大きな変化を見込めない。緩衝要因をいかに高めるかが重要となることが多い。
DCSモデルといい、高Demand、低Control、低Supportの状況下におかれるとキツイ。

Q:職業カウンセリングと産業カウンセリングの違いは?


2.メンタルヘルスの問題把握に必要な二つの視点
(1)疾病性
 その人の疾病自体の重症度レベル
(2)事例性(産業臨床や職リハの対象はこちら)
 職場でどの程度問題となっているかのレベル
例:本人の不適応行動が職場のルールや風土に触れてくると、事例性のレベルは上がる

■Question
状況を説明できるケースは簡単なケース。困難ケースとは「状況を説明できない」ケース。
「現代型うつ」への対応には、治療とは別の「育成」の視点が必要ではないか?
※以前は地域社会や、宗教上の教会やモスクにおける「育成」の価値そのものが失われつつある。
 新しい価値を生み出すのが「Social Action」。

3.EAPサービス
・定義:
(1)職場組織が、生産性に関連する諸問題に着手すること
(2)従業員であるクライアントが、職務上のパフォーマンスに影響を与えうる個人的問題に気づき、解決をすること
以上2点を援助するために作られた、職域におけるプログラム。
・サービス概要
(1)問題の確認・アセスメント・リファー
(2)危機介入
(3)短期問題解決
(4)モニターとフォローアップ
(5)組織リーダーへのトレーニング
(6)組織リーダーへのコンサルテーション
(7)組織に関するコンサルティング
(8)プログラムの推進と教育
・留意点
 EAPにおいては、疾病性は扱わず、パフォーマンスに関わるサポートを実施する。
 事例性を扱うのがEAPであり、産業臨床全般のスタンス。
 自分自身で活かせないから、専門家が必要ですね、という文脈。
・連携における重要点:特に管理部門への関わり。
 マネジメントコンサルテーション=情報のフィードバック、アカウンタビリティ =就業規則の確認は大前提
 (組織・就業規則の「理解」→理解したものを「説明」可能にする→具体的な「対応」→手柄は人事や管理職に「フィードバック」)
 わかりやすく噛み砕き、現状を「わかりやすく説明」する
 その上で「どうしたいの?」と問うことと、カウンセラーとして「○○と思う」という意見を述べる
※即対応を考えるのではなく、状況把握とその伝達に努める。

■One of Answer
 相手が変わらない状況というのは、カウンセラーにとって徒労感が強い。
 それであっても、クライアントの目の前に「いる」のが、カウンセラーたるゆえん。


4.カウンセラーが目指すもの
 専門サービスが目指す究極的な目標は「いなくてもいる」こと。
 実際のサービスがなくなっても、顧客組織やクライアントにサービスが「内在化」されること。
内在化のために必要なこと:
(1)現象をわかりやすく整理・説明する
(2)顧客企業に伝えていく
※困難な事態を外部に丸投げで専門的に解決していくことでは、専門サービスへの依存性が高まるだけで、問題は低減しない
 当初は外的存在として活用され、中期にカウンセラーの言動を組織・クライアントが取り込んで内在化し、最後に再び外的存在として活用されなくても良い状態となり役割を終える 
・カウンセラーが活躍しすぎない=当事者にできることは、積極的に「任せる」=ソーシャルサポートへ育っていく(⇔イネイブリング)
・コンストラクティブ・コンフロンテーション
 (資料参照)
 問題→指摘→反省→改善
   →問題継続→改善目標の明確化(本人の入る余地を残す)→自己努力→改善
   →問題継続→問題の客観的情報を集める→本人に伝える(直面化)→一定期間内で自己改善を指示→改善がない場合、関わりの手を引く→改善
・ナラティブアプローチ
 自らの経験を語り、自らの物語を組み立てること。
 自分に異質なものを取り込むには、語ることが最も効果的
 経験を語ることの成功が、人生と経験に連続感と意味を与える

5.ディスカッションから
・理解なくして、対応なし
 (状況を必ず把握する)
・困難ケースへの対応
 (上司の意向で復職支援を実施する場合、例えば打ち合わせの場で「○○がだめだったら、△△してください」などの交渉は欠かせない。
 対応に明確な答えはない。
・コンストラクティブ・コンフロンテーション
 まず、本人の意向に沿ってやってみて、「駄目だったらどうしますか?」という文脈で対応する。
 -客観情報を集める
 -直面化
 やってみてできない場合に、自分の力では無理だったということ→「専門機関の力をかりましょう」と機関へつないでいく
 コンストラクティブ・コンフロンテーションをそのまま適用すると、臨床的には本人が満足しないこともある。
 「これだったら、できると思う」を本人から引き出すことも必要。
 無理難題を課せられ、対応が変わらないようであれば「関わりの手を引く」ことを見せる。
 (ポイントは「私」としてやる)
・復職とは・・・
 フルタイム勤務ができること!

2009年12月13日日曜日

超便利ツール「EVERNOTE」

知っている人も、使っている人も多いかと思いますが、この便利さは、独り占めしておくのもどうかと思うので、ご紹介。

(Web:EVERNOTE)

今のWindowsでも「ブリーフケース」というツールが標準装備されていますが、EVERNOTEはWebを介して、ファイルを同期させ、複数の端末(「端末」がミソ)で同じファイルを共有することを容易にするツールです。(メニューの日本語化パッチも公開されています)

Iyokiyehaがどんな使い方をしているかというと、まずIyokiyehaは自宅で一つ、iPhoneを持っており、会社にも仕事用の端末があります。この内、会社のものは仕事専用機となっているため、あまりファイルの共有は必要ないのですが、自宅用とiPhoneで同じファイルを持つことができると、何ができるか?
・テキストベースのデータを自宅でファイル化して、iPhoneで持ち歩く。
・どこでも文書作成(ブログ更新用のテキストや、国家試験の勉強、メールの文面作成、など)。

今、フル稼働しているのは、ブログ更新用テキストの作成(最近の一週間まとめて更新は、iPhoneとEVERNOTEによって支えられています)と、国家試験勉強です。
試験勉強は、自宅で過去問の正答文書をテキストで作成し、それをEVERNOTEを介してiPhoneで読み込み、移動中などの空き時間に何度も復習する。
机にテキストを広げてガリガリやる余裕がまったくないので、隙間時間をいかに使うかが、国家試験の鍵になると考え、はじめて見ました。
今のところはいい調子です。
別の文書とか読んでいて、試験と関連のある出来事を見かけたら、「年表」ファイルにちょちょっと修正を入れて、常に最新情報に。
他にも、iPhoneのアプリで「基本六法」というものはありますが、さすがに私の仕事が規定されている「障害者雇用促進法」は掲載されていません。
なら、テキストデータをコピーしてEVERNOTEにアップしておけば、なんと出先でも法律チェックが迅速にできる。
なんと、便利なんでしょう。

とかく、電車移動が増えたこの頃、こういったWebツールによって助けられています。
ガシガシ勉強して、休日は家族サービスに時間を使いたいものです。
今回はご紹介まで。興味のある方は、ぜひ使ってみてください。
テキストファイルを読み込める携帯端末をお持ちの方なら、いろんな使い方ができるかと。
「こんな使い方あるよ」って方おられたら、ぜひ教えてください。

日本障害者フォーラム(JDF)編集『みんなちがってみんな一緒!障害者権利条約』日本障害者フォーラム、2008年。

「障害者権利条約」Convention on the Right of Persons with Disabilities.の日本における現状と、条文それぞれの論点についてまと
められた冊子。
Iyokiyehaは、山梨で手話を習っているときに、この話題に触れ、たまたま販売していたこの冊子を買ったもの。
政権交代があり、障害者自立支援法の廃止が話題となっている中で、ひっそりとこの条約の名前を目にしたこともあり、再度手に取って
みた。
買ってすぐに、目を通したときにも感じたことだけれども、この条約の批准によって自分の仕事は大枠から大きく変わってくるのではな
いかと感じている。
ただ、普段勤務していても、われわれの周辺(雇用・就労支援の現場。特に福祉関係者の話題)から、こうした話題がほとんど聞かれな
いことがどういうことなのかと、今でも気にはなっている。

現在、たまたま会社の集合研修の時期と重なり、本省の方の講義の中でもそれほど多くは語られないこともあったので、少しだけ食いつ
いてみたのだけれども、公開できる情報としてはそれほどでもない、ということのみ確認できた。
議論は各論が提出されつつある段階で、それほど進んでいるわけではないということだった。

研修中に、同期の相棒殿と飲んだ時に、飲んだ勢いで普段しない話をしたわけだけれども、そこで語ったことはそれほど間違っていない
ように思う。
すなわち、この条約批准に関連して、障害者雇用の現場に「合理的配慮」が高らかに導入されることが、法に明記されるようなことにな
れば、今までとは違った圧力が障害者雇用の現場にのしかかることになる。現場における、超柔軟なやりとりに本質的な変わりはないか
もしれないけれども、公的なシステムとして事業所に求められるものは、必然的に大きくなる。
それに伴い、職業リハビリテーションの実践内容も変わってくるように思われる。

それくらいのインパクトがあると思うのだけれども、実際はどうなんでしょうか?
私なりに情報は集めてみようと思います。
Nothing about us Without us.
あたりまえだけど、なかなか当たり前にならないもどかしさもありますね。

091212専門第二期研修(一日目)

■専門第二期研修(1日目)
○専門第二期研修を修了したカウンセラーの果たす役割
 職業リハビリテーション部長
1.職業リハビリテーション等を取り巻く状況と今後の展開
 (資料参照)
・地域センターにおいては、「どの地域においても、適切な職業リハビリテーションを均等・公平に受けられるようにした上で(セーフティネット)、就職等の困難性の高い障害者(精神障害者、発達障害者、難病者等)に対する専門的支援を重点的に実施」することが明記。
・「助言・援助」業務:職業リハビリテーションに係る人材の育成や関係機関異対する助言・援助を実施。
2.第二期研修修了者に期待される役割
 (資料3)
・求められる能力として、5~9年次にかけて「上司等の指導のもと」の文言がなくなる=自らの決定が、職場としての判断となる。
・上司、先輩は、円滑な業務のために「働いていただく存在」。
・上記かつ、後輩から自分が「働いていただく存在」として見られているかが重要となる。
※個々の能力を向上させるのは当たり前。一職場としてどう力をつけていくか、という観点が大切(例えば、ノウハウの共有化など)。
○障害者自立支援法について
 厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部障害福祉課
 (内容詳細は資料参照)
1.障害者自立支援法のポイント
 背景として、福祉サービスの支援費移行(措置から契約へ)がある。
 想定を上回る予算不足が生じたため、以下の重点項目に基づき、障害者自立支援法(平成18年/2007年10月)が施行される。
 ・必要なサービスを必要な人へ(選択と集中)
 ・働ける人には働いていただく(福祉サービスの受益者から、TAX Payerへ)
 ・応能負担から応益負担へ(障害程度ではなく、サービス利用量によって負担が大きくなるしくみへ)
 法律としては珍しく、3年で見直しすることが規定としてもりこまれた。
 社会保障審議会の就労支援部分の論点整理
 (1)一般就労への移行支援の強化(就労移行支援事業のふりかえりと評価方法の整備)
 (2)就労継続支援のあり方(困難ケースに対し、移行に時間がかかるということを、どう整理していくか)
 (3)障害者雇用施策との連携強化等(「窓口がわかりにくい」、福祉だけで就労支援ができるか?、能力開発、雇用支援、教育とのリンク)
 政権交代による障害者自立支援法廃止の動きについて。
 厚労省に準備室を設置予定。次の法律改定は4年単位。
 サービス利用者がいるため、無策に廃止することはない。
 全体的な方針として、就労支援の抜本的強化は変わらない。何を積み上げていくか、どうパワーアップするかという点の変更。
 (データ:特別支援学校卒業者の55%は福祉施設に入所。就労を理由とする施設退所者は、1%程度。利用者が滞留する。卒業時の就職者は3割程度)
 現在の法改正論点は、
 ・利用者の費用負担
 ・認定区分
 となっている。
 ライフステージ(障害者だから、ではなく、同世代、同姓の生活を基準に考えられる)に対応した福祉サービスを意識。
2.その他
 ・相談支援事業に関して、サービス利用のあっせん・調整に「サービス利用計画作成費の支給」が予定(既成?)
 ・相談支援事業が本来の機能を果たすことによって、円滑な福祉サービスの展開を図ることができる。
 ・地域自立支援協議会は、実行性のある会議を想定している。
○経済と企業経営 -企業の障害者雇用を可能とする用件とは
 NPO法人障がい者就業・雇用支援センター
1.はじめに
Q:それぞれの勤務地において、それぞれのニーズに応じたサービスができているか?
厳しい経済状況の中で、企業は障害者雇用を推進している。
雇用率は、平成21年度6月1日現在、全国平均1.63%(東京は1.56)。過去最高で、大企業は、1.8を超えた。
企業の差となる基盤は「有能な人材」。
障害者雇用に関する、それぞれのスタンス
-行政(厚生労働省):
 法定雇用率遵守を求め、いっそうの指導強化を実施する。
 身体障害者雇用からの脱皮と、知的・精神障害者へのシフトを期待し、そのための施策を次々と打ち出している。
 雇用促進への助成金など支援は惜しまない。
-企業経営の立場:
 山積する経営課題と障害者雇用との両立の難しさ。
 慣れ親しんだ身体障害者中心の雇用から脱皮できない。
 知的・精神とも雇用管理の自信がない。
 時間をかけて育成するゆとりはもてない
2:企業の障害者雇用に見られるタイプ分類
・障害者雇用への向き合い方
 (1)CSR、多様性、法遵守の視点で向き合う企業群
 (2)あくまで一人の従業員としての生産性を求める企業群
 (3)中間型(折衷型)の企業群
 (4)雇用率改善を急ぐ企業群
 (5)障害者雇用への意識の乏しい企業群
 (6)(新タイプ)代行業者に任せたいと考える企業群(代行業者Aに障害者を登録させ、B社と対象者との間に労働契約を結ばせる。B社の仕事をA社の監督の下で実施させる:現在、本省としても問題視しているが、法的に問題はない。主旨には反している)
・障害者雇用への理解度
 (1)障害者の法律への理解が乏しいグループ
  (経営トップ、受け入れ現場の理解・協力が得られない)
 (2)職域の準備が整わず行動が出来ていないグループ
  (雇用への意識はあるが、どのような仕事を準備するかがわからない)
 (3)職域はあるが障害者の受け入れで逡巡するグループ
 (4)募集・採用方法で苦戦しているグループ
 (5)採用後の障害者の定着・育成に悩むグループ
 (6)採用は進んでおり、新たな職域を模索するグループ

2009年12月11日金曜日

091210中堅職員研修(4日目:最終日)

■中堅職員研修091210
○ティーチング
相手をきちんと「名前」で呼ぶことは、意外にも心地よい。「認められている感」がある。
1.人を育て動かすということ
 人は教えられた経験を基に、人を教える
Skill:話のサンドイッチ話法
 始めに、大きな声でハッキリと挨拶し、ビシっとお辞儀。話の最後は「以上です、ありがとうございました」ビシっ。
 型が大事。
(1)尊敬する上司や先輩とは?
 答え(略)
 いずれも、「何となくいい」ではなく、具体的な行動などを取り上げている。
 それらの行動のほとんどは、いずれも「自分をやる気にさせた」もの。
(2)結果は、行動の積み重ねによって「のみ」生じる
 ほとんどの人の行動のモチベーションは、「上手くいった」体験(先行条件)。
 目標設定によってのみで行動に結び付くのは、全体の2割程度。残りの8割は結果により「褒められる、認められる、感動する」
 積み重ねを促すための「できる」感覚と「成功体験」。
 そのための具体的な分解。
(3)なぜ、指導育成が大切なのか?
 講師が前職を辞める際、自分の仕事を引き継げる後輩を育ててこなかったこと。
 部下ができれば、人の手をつかって成果を挙げることが大切。
 お世話になったお客さんへの最大の恩返しは「自分よりできる人に引き継ぐこと」。
2.指導育成の基本ポイント
中身より態度(「説明しよう」と思うと、細部を深めてしまいがち)
(1)ポイント1 教え方
「やって見せ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば日とは動かじ」(山本五十六)
 ⅰ (相手の理解レベルを確認し)見本を見せる
 ⅱ ポイントを説明する
 ⅲ 実際にやらせる
 ⅳ よい点を認める(具体的に、即時)
 ⅴ アドバイスする
(2)「具体的」とは?
 スモールゴールを設定するための分解
 ⅰ 目に見える・聞こえる
 ⅱ 数えられる
 ⅲ 誰が、何を、どうする
 ⅳ 誰が見てもOK
 相手の行動に結び付きやすく、また「評価」しやすくなる。
※ワーク:ペットボトルからコップに水を注ぐ
3.相手を尊重し、認める
 人は脳の中にうれしさが出きるとやる気が起こる「いかにうれしさをつくるか」
(1)褒め方のコツ
 ⅰ こまめに、すぐ。行動をした60秒以内。
 ⅱ どこがよかったのか、理由をそえて、相手の頑張りにヒットさせる
 ⅲ 人前で褒める
 ⅳ 人づてに褒める
 ⅴ 本人だけでなく、サポートした人も褒める
 ⅵ 人の成功をチームで喜ぶ
(2)年上へ接するときには、人生の先輩への経緯を払う
・「お願い」ベースで相談する
 例:新人の対応を引き合いにだし「統一したやり方でやってほしい」とお願い
 例:関連して、「影響力がある故に、こうしてほしい」などの言い添え
(3)叱り方、注意の仕方
 意見を言う時は、必ず理由をつける
 「○○の方がいいと思うけれど、どうですか?」
 + ねぎらい、感謝、褒める
 - 客観的事実と自分の意見、ダメな理由と、改善案とメリットを伝える
 + はげまし
 (サンドイッチ話法)
○正確に伝えるコミュニケーション技術
1.説明力向上
(1)説明理能力を高める意義
 正しく組織が動くためには、正しい行動が必要。
 正しい行動のためには、正しい判断が必要。
 正しい判断のためには、正しい理解が必要。
 正しい理解のためには、正しい説明が必要。
 正しい説明のためには、正しい情報が必要。
情報が正しくても、説明が間違っていれば、組織は正しく動かない。
(2)「心理変化」への対応
 心がけることとして、
 ⅰ 人間関係の構築
 ⅱ 意志の確認
 ⅲ 問題解決を図る
 があげられる。
 また、説明のしかた・内容によって、相手の反応が変わることも念頭におく。
 説明→心理変化→人間関係→信頼関係→目的
 全ての「→」のところに、+-の感情が付随する。
 +の心理反応が起これば、人間関係は良好に、信頼関係へと発展し、目的の達成に近づく。
 -の心理反応が起これば、人間関係は悪化(もしくは変わらず)、信頼関係へと発展せず、目的の達成も遠のく。
(3)聞き手を意識する
 話は「聞く人が動かしている」。聞き手意識への配慮が求められる。
 ⅰ 個人的特性
 ⅱ 内的条件の変化(聞く構えになっているかどうか)
 ⅲ 外的条件の影響
(4)表現の2つの働き
 ⅰ 通達性
  わかりやすいこと
 ⅱ 感化性
  感じいいこと
 二つが両輪となって説明は進行する
※ワーク:難しかった説明
 -相手の意図が見えないこと、こちらの知識が曖昧な場合、など
2.わかりやすい説明の心得
(1)説明にあたっての心構え
 ⅰ 内容を十分に理解しておく。
  自分が把握していなければ、説明できない
 ⅱ 相手の理解レベルを考える。
 ⅲ 相手に合わせて、質問や説明を分解する
(2)感化性にも配慮する
 相手の自尊心を守ることにもつながる
 ⅰ 状況に合わせた音調・語調
 ⅱ 肯定表現(前向きな表現、否定形をあまりつかわない)
 ⅲ ビジネスフレーズに依頼型をつけた表現をこころがける。
 ⅳ 上昇表現(相手を持ち上げる:あなたでいい、と、あなた「が」いい)
(3)わかりやすい説明 6つのポイント
 ⅰ 話の予告、方向づけ
 ⅱ 整理して、順序良く話す
  ①時系列で話す
  ②結論を先に
  ③一般から特殊な例へ
  ④大から小へ
 ⅲ 意味が共通になる言葉を使う
  人はわからない言葉に出会うと思考が停止する
 ⅳ 明瞭な音調・語調・主要点の強調
  話すテンポの早さをふりかえる
 ⅴ 具体化の手法を用いる
  数字の使い方、心マのリズムが「世界に一つだけの花」
 ⅵ 質問を活用する
※ワーク:所属部署の役割・意味、業務、やりがいを3分で説明する
3.説明力をさらに伸ばすには(自己啓発のポイント)
(1)話すことに責任を持つ
(2)周囲に関心を向ける
(3)常に自分を振り返る
上にも下にも、わかってもらえる説明を。

2009年12月10日木曜日

091209中堅職員研修(3日目)

■中堅職員研修091209
○中堅職員の立場と果たす役割
・問題解決の考え方と技法 コミュニケーションスキル
1.ふりかえり
(1)中堅職員の役割
 仕事にはHow(=こなす)とWhat(=どうする)がある。
 現場ではHowがほとんどであるが、これだけで周囲に影響をし続けるのはしんどくなる。
 Whatの視点も取り入れつつ、Howの質を向上するのが中堅職員。
(2)Go-Thinkingでは「流暢性」がモノをいう
 着想アイデア(量)から発想アイデア(質)へ。
 よいアイデアは、量の中から生まれる(よほどの天才でない限りは、ユニークな解はない)。
 Go-ThinkingとStop-Thinkingのメリハリが大事。
(3)創造力の発揮
 認識: 事象→→→→→→→→→意味→行動
        ↓→価値観・考え方→↑
 同じ事象であっても、その人の考え方で意味は異なる。
 行動が変化する。
2.ブレインストーミング
(1)定義
 集団の連想の効果をフル活用してアイデアを生み出すための会議技法
   (A.F.オズボーン)
(2)ルール
 ⅰ 批判厳禁
   「自己批判」もダメ!Go-Thinkingで、メンタルブロックを壊しながら!
 ⅱ 自由奔放
   できる・できないはさておき。枠外アイデア可。文化ブロックを壊す!
 ⅲ アイデアの量を求める
   流暢性がモノをいう。
 ⅳ 結合改善
   アイデア・ミックス、アイデアの便乗OK!
(3)注意
  発想のリズムを保つ(同じアイデアが2回出ても、構わず記録する、など)
  リーダーは「さそい水」もうまく使う
  1テーマにつき40~60分
  表現は、「○○を○○する」など、簡潔にできるだけ文章で。
  否定形は避ける(リズムと量に影響)。
3.ワーク
(1)80mの深さに穴を掘っているドリルの刃を替えたい。どんな方法があるか。
(2)「双方向アンテナ(な)中堅職員」を目指して
 ・帰納法的カテゴライズ(事象から意味へ)
 (参考:演繹法的カテゴライズ・大枠から分類:通常はこちら)
 ・ブレスト→カテゴライズ→ストーリー→アイデア評価(効果と実行性で4分類)
  ◎:効果大、実効性大
  ○:効果大、実効性小
  △:効果小、実効性大
  ▲:効果小、実効性小
 ※○中心に選択・組みあわせをしていく
  △▲欄のアイデアも廃車復活を!
4.コミュニケーション力
(1)定義
 伝達・意思疎通、語源は「共通の」という意味
 いかに自分と相手との間に共通項を持つかがポイント
(2)事実のみを言っているのは?(ない)
 ・今日やらなければいけない仕事が、まだたくさん残っている。
 ・この駅はいつも混雑している。
 ・午後から大雨になった。
 ・夏休みになったせいか、この列車には学生が乗っていない。
 ・雨も止んで、いい天気になった。
(3)共感性(大事)
 「共感性」とは、まずは「自分の枠組みを横に置き、相手の枠組みでコミュニケーションしようとする姿勢」を言う
 ※枠組みを「変える」のではなく、相手の枠組みを「理解しようとする姿勢」が強調される
  同じ事象であっても、人の認識・行動は違う
 理解の程度や方法を「自分でコントロールする」ことが大切となる。
 相手の枠組みに「入ろうとする」努力が求められる。
(4)聴く
 聞く:耳を傾ける
 聴く:(積極的に)相手の話を聞く
 訊く:訊ねる
(5)人間尊重の精神
 コミュニケーションスキルの前提=共感性の発揮+人間尊重の精神。
 共感性の発揮の前提は、目の前の相手の存在を認めること(acknowledgement)。
 コミュニケーション上の相手に対する投げかけ=ストローク。
 コミュニケーションにおいては、相手に対し「プラスのストロークを明確に多く送る」のが重要。
注意点
 ⅰ ストロークのプラス・マイナスは相手(受け手)が決める
 ⅱ マイナスも、相手の存在を認めている(完全な無視よりマシ)
 ⅲ プラスストロークをたくさん送れるよう、心と身体の電池切れに注意

091208中堅職員研修(2日目)

■中堅職員研修091208
○高齢者の雇用問題と雇用対策について
 厚生労働省職業安定局 高齢・障害者雇用対策部企画課
1.施策体系
(1)60台の雇用確保
 定年65歳以上企業の割合を2010年までに50%
 70歳まで働ける企業の割合を2010年までに20%
(2)中高年齢者の再就職促進
 募集・採用における年齢制限の禁止および上限年齢設定理由の明示を義務化
(3)多様な就業・社会参加の促進
 シルバー人材センター事業による多様な就業機会の確保
労働力人口推移との兼ね合い。現状のままだと、2030年には労働力人口割合が48.5%との試算。
団塊世代の高齢化とともに定年を引き上げることで、労働力人口の激減を緩和。
厚生年金の支給開始年齢の引き上げとの兼ね合い
-厚生年金の定額部分は、現在63歳から(2010年4月からは64歳、2013年4月に65歳へと引き上げ、完了となる
-厚生年金の報酬比例部分は、現在60歳から支給開始であるが、2013年4月に61歳となり、以後3年ごとに1歳ずつ引き上げ。2025年4月から65歳となり、完了となる
雇用施策は、
(1)賃金の調整
(2)力量の差
に対するもの。
現状、定年引上げのとりくみはイマイチ。
○障害者の雇用機会の拡大を目指して
 厚生労働省職業安定局 高齢・障害者雇用対策部障害者雇用対策課 地域就労支援室
1.障害者雇用を取り巻く情勢
(1)障害者自立支援法の施策(平成18年4月)
 民主党政権となり、今後どうなるか。就労への移行という点に大きな方針の変更はないだろう。
(2)障害者権利条約への署名(平成19年9月28日)
 差別禁止と合理的配慮が注目に値するが、現在も具体的な案が出てきていない状況
(略)
2.雇用施策
(1)除外率
 平成16年4月に廃止(現在は経過措置)
(2)障害者就業・生活支援センター
 全ての福祉圏域に設置することが目標(360くらい)。
 地域のコーディネートを図る。
 平成21年度は265センターを設置。
 力量はマチマチ。地域センターの専門性に期待。
(3)在宅就業障害者支援事業
 現在16団体。
 あまり広がりがない(どんな仕事を想定しているのか?)
(4)若年コミュニケーション能力要支援者就職プログラム
(5)発達障害者雇用開発助成金
(以下略)
○中堅職員の立場と果たす役割
1.概要
(1)中堅職員と役割
(2)問題解決の考え方と技術(スキル)
(3)コミュニケーションの基本
2.ビジネスマン(特に中堅)に求められる能力
(1)専門(性)力
 =知識、またそれを「アウトプットする力」を合わせたもの
(2)感受(性)力
 =感じ取る感覚(やばいな、等ピーンとくるもの)、またそれを「アウトプットする力」を合わせたもの
  興味や関心で大きく変化する
(3)リーダーシップ力
 =影響力(下だけでなく上にも、組織外へも「影響」を与える)≠声の大きさ
(4)コミュニケーション力
(5)問題解決力
(3)(4)(5)はよく「三本柱」と呼ばれるもの。
3.中堅職員の役割
(1)責任をもって業務を遂行すること
 手伝ってもらうのは「アリ」(だって、責任がある)
(2)周囲に働きかけ、職場の活性化を図ること
 場を元気にする方法は様々
(3)後輩に必要な助言や指導を行うこと
 よく聞いてあげてください。フォローも必要。場合によっては、上司や先輩に対しても「巻き込んでいく」感じで
4.問題と課題解決
(1)問題とは「期待された基準からの逸脱である」(ケプナー・トリゴー法)
 問題のタイプは「発生しているモノ・コト(をあるべき姿に変える)」と「自らつくるモノ・コト(ありたき姿)」≒企画・立案
(2)問題解決とは、
 課題形成(What to do)から、課題解決(How to do)へ
 「何を」やらなければいけないのか、から「どのように」取り組むか、へ
 解決できない課題を「つくらない」(問題解決ができないこともある。また、課題形成を間違えることがある)
 例:メタボ解決(身長は伸ばせない、取組みよりも先にメタボ解消への意識付けかもしれない)
(3)創造とは
 創造=情報を加工・変換して価値ある新しいモノ・コトを作り出すこと
  例:仕事のカイゼンにより「作業時間を1分縮めた!」
 創造力=情報の加工・変換力(仕事は、これをしてナンボ)
  問題解決力や考える力
 創造性=創造力の発揮を支える
  特性・マインド・姿勢・態度
創造性豊かな人の備える5つのポイント
 ⅰ.流暢性(よどみなさ) 例:コップをどう使うか
 ⅱ.柔軟性(視点の多様さ) 例:WEST
 ⅲ.独創性(ユニークさ) 例:9点つなぎ(しつこく、アウトプット、独り言も可)
 ⅳ.感受性(敏感さ)
 ⅴ.具体性、綿密性、粘着性(しつこさ)
(4)着想アイデアから発想アイデアへ
 GO思考(thinking)とSTOP思考(拡散思考と収束思考を繰り返し、「案」へと磨き上げていく)
(5)創造力の発揮を妨げるもの(メンタルブロック)
 認識のブロック(問題の所在に気づけない、間違って気づいてしまう)
  視座、視野、視点を変える(角度、立場、距離や範囲、フォーカス)
 文化のブロック(真面目発想が裏目に出る可能性)
 感情のブロック(ネガティブ思考が本来の脳力を阻害する)
  プラス思考はドーパミンを分泌し、脳の活性化へ
  マイナス思考はノルアドレナリンを分泌し、視野を狭くする
  リ・フレーミング(屁理屈可)により、打破
認識・感情のブロックは、ぜひ打破すべき
5.ブレインストーミング(略)

091207中堅職員研修(1日目)

■中堅職員研修091207
○中堅職員に求められること
1.中堅職員とは
 (1)戦力
 (2)後輩のモデル
 (3)先輩・上司の支え役
自ら戦力として業務の実行部隊として「動く」ことが求められると同時に、周囲を「動かす」ことが必要となる。
職務遂行チームの中で、自分を活かしていく視点が必要になる。
端的には、上下への気配り・横への意識が求められることになる。
組織の中で立ち位置を定めていく時期。
発展・向上を常に意識し、改善・進化・革新を念頭に、自ら共生の精神を実践していくことが求められる。
2.(以下略)
○中期目標、中期計画、年度計画について
 法則を知ると、具体的な作業の効率がよくなる→数つなぎ
1.独立行政法人通則法(平成11年 法律第103号)
 (1)中期目標
  主務大臣が定め、法人に指示するもの
 (2)中期計画
  独立行政法人が作成し、主務大臣の認可を受ける
 (3)年度計画
  独立行政法人が定め、主務大臣に届出て、公表する
参考:e-Gov「独立行政法人通則法」
2.法人をめぐる最近の論点
 (1)随意契約の見直し
 (2)官民競争入札などの積極的な登用
  →事業仕分けにより、一定の方向性
 (3)給与水準の適正化
3.業績評価
 S評価:2
 A評価:17
決して悪くない。常に改善・効率化を求められている。
○機構経理のしくみ
1.機構予算概要(平成21年度)
 (1)収入(単位:百万円)
  ・(一般)障害者職業能力開発勘定運営費交付金
   873
  ・(特別)施設整備費補助金
   61
  ・(特別)雇用開発支援事業費補助金
   25,552
  ・(特別)高齢・障害者雇用支援勘定運営費交付金
   16,883
 合計:43,369(国費) +自前収入:16,356(納付金+雑収入)
 (2)支出(単位:百万円)
  ・障害者職業能力開発勘定
   877
  ・高齢・障害者雇用支援勘定
   42,528
  ・障害者雇用納付金勘定
   27,103
 合計:70508
当機構の財源は、一般会計、雇用保険二事業、納付金からなる。
よって、業務や助成金支給について、「受益者負担」の原則から条件がつく。
○障害者助成制度
 (略)

2009年11月28日土曜日

雑記091128

11/27
どうあれ、人に指示を出す、人に動いてもらうのは、負荷がある。
「自分なら絶対やらん」と思っていることを、悪気なくやられてしまうのはたまらん。
疲労感、胃痛、別の軸へかける迷惑など、考えるとキリがない。

個人的には、職場で何かあると、全く関係ない家族に迷惑かけてしまう申し訳なさと、帰宅することそれ自体が嫌になるストレスが、一気にかかる。
時々、なーんにもしないで、全てほっぽらかして、どこかへ行ってしまいたい衝動にもかられる。

こういううんぬんを、家族にぶつけない仕掛けが、一杯ひっかけることだとも思うけど、そうもいかず。
この閉塞感をどう解消するか。当面の課題です。


11/26
Thanks giving dayだそうです。
あまり気にならないですが。

夕方、カミさんからメール。
「何がでる〜 豚肉と玉葱で〜」
(注:「おかあさんといっしょ」にこんなコーナーがある。だいすけおにいさんとたくみおねえさんが、箱に二つのものを入れると、それらが合わさったものが出てくるというもの)

・・・き、気になる。

とはいえ、今日は超過勤務に入ってから計画書を三人分、過ぎ去った出張の命令伺いを2週間分、その他もろもろをやらねばならず、気にしつつ仕事。

カツ丼?野菜炒め??

3歳児に分かるわけなーい、と思いつつ。
帰る前に、カミさんに電話。
「何が出たの?」
「・・・串カツ・・」

なるほど。

か?

このコーナー、本当に無理があって、Iyokiyeha的にはすげぇ面白いんだけども、おかあさんといっしょの抽選を勝ち取ったこどもたちにはどうなるんだろう?と要らんことも考えてしまいます。
いやー、好きだな、おかあさんといっしょ。


11/25
目まぐるしい毎日。
ちょっと疲れているなぁ。
今は担当ケースが多すぎてしんどい。
動きすぎて書き物が全く間に合っていない。
システム上は9月末くらいから、Iyokiyehaは、あんまり働いていないことになっている。

にしても、支援の内容は「創る」ことなのだなぁとつくづく考えさせられる。
話を聴くことで、クライアント自身(障害者であれ、事業主であれ)に気づきを与える。
困っている人は、自分の頭の中がこんがらがっていることがほとんど。
こんがらがっているものは、見える形(物理的でなくとも)していくことで、「なんとなくの解決策・落としどころ」が見えてくる。
支援の項目と具体的な計画は、この「お互いに見えているギャップをどう埋めるか・調整するか」という視点で立案される。

電話依頼じゃ「どうしようもない」状況でも、話を続ける内に自ずと整理されてくる。
不思議なもので、こういう状態に直面すると、Iyokiyehaの役割って何だろうなとも思ってしまう。
胸張ってやる仕事ではあるけれど、その専門性ってホント言語化しにくい。

・今日の勉強
戦後社会福祉は、戦争によって国民の多くが貧困状態に陥ったことに端を発する。
3法体制とは、
生活保護(最低水準の生活を維持)生活保護法
孤児対策(親を戦争で亡くした子どもへの救済)児童福祉法
身体障害(戦争被害者の救済)身体障害者福祉法
社会救済の覚え書き-1951社会福祉事業法


11/24
脳の処理能力を上回るジャンクなものがIyokiyehaのワーキングメモリを占有しているような気もしている。
無事、研修に行けるのかどうかも心配。
噂通り、研修には宿泊がつかず、諦めが入っている。
凹むなぁ。

依頼人の「オススメ」は、そんなにオススメじゃないことも実感する。
こちらの思惑は次々と裏切られる。
そうした調整もまたワーキングメモリを消費しているのだろうなぁ。

天気も悪いので、頭の働きそのものが悪い。
早いところ休むとしよう。

帰りの東上線。
酔っ払いが大声で隣に座ったおじさんに絡む。
近くに乗っていた若い兄ちゃんが、今にも手が出そうな雰囲気でも負けず、襟首掴まれながらも駅まで見事に時間を過ごし、車掌さんと共に酔っ払いを駅で降車させる。
交渉の場でどこまでも粘る時の自分と重なりながらも、腕っぷしのない自分には到底できないことだと割って入った男性に脱帽。

2009年11月23日月曜日

上田渉『脳が良くなる耳勉強法』ディスカヴァートゥエンティワン、2009年。

Febeでおなじみ、株式会社オトバンクの社長上田氏による、耳学習法。
オーディオブックに限らず、語学学習などについて、聴覚を活用したリスニングの効果を記憶のメカニズムから説明している。
また、耳からの学習法を「その人の得意な感覚にあった」学習法の一つとして紹介し、視覚情報処理と聴覚情報処理を区別している。
その過程で、ディスレクシア(Dyslexia:他の諸能力と比べてリーディングの力が低い人)の学習をとりあげ、上田氏がかつて苦手だったという学業を克服した経験を語る。
本書の中では、耳勉強法のメリットを以下の5つとしている。
1.言語能力の向上
2.「すき間時間」の有効活用
3.本との対話がしやすい
4.手が空く
5.想像力が活性化する
それぞれの説明に加えて、巻末にはおすすめのオーディオブックやPodcastの紹介もついている。
Iyokiyehaのオーディオブック・Podcast歴は1年くらいになるが、既に数十冊のオーディオブックにお世話になっている。
中には、聴いた後に買って読んだ本もあったりするが、大体読んだ本と同程度の知識が得られているように思う(読むのと聴くのと、そんなに差がないということ)。
耳からの学習は、Iyokiyehaの貴重な勉強時間にもきちんと位置付いている。
現在は、iPhoneと、Creative社のZENを併用している。
イヤホンは再考の必要あり。
聴覚学習の特徴として、自分の経験をまとめておくと、
1.ニュース・報道系の純粋に情報をアップデートするものなら、歩きながら、移動しながらの「ながら聴き」が有効
2.オーディオブックや語学学習など、内容を把握して「次を考える」質のものは、行き慣れた場所への移動や通勤などの「ながら聴き」でも可能(初めての場所への移動中などには向かない)
ということは挙げられる。
こうやって考えると、移動時間にも種類があったりするわけで、その性質によってできること、やった方がいいことが変わってくる。
自分自身の生活時間にもいくつかの種類があることにも気づかされた一冊でした。
おすすめ度:★★★★☆(誰にでもおすすめ)

2009年11月22日日曜日

Twitterという「つぶやき」

Twitterというサービスに登録してみた。

この手の「ソーシャルネットワーキングサービス」には、それほどはまっているわけではなく、mixiも既に読書記録をアップするくらいになってしまっている。

このブログは、形を変え、書き方を変えて今に至り、今後も変わりながら自分なりに書き続けるのだろうけれども、もっと手軽なものを、と思っていたところ。
BOOKOFFで立ち読みした本に、Twitter(ついったー)のことが紹介されていたので、とりあえず登録してみました。

たくさんの方をフォローして、たくさんの人にフォローされて、もっと使えるツールになるかと思います。
ブログとの連動をどのようにしていくか、というところはこれからの課題ですが、うまいこと相乗効果が出るような使い方を見出したいと考えています(期限はないので、いつになるか不明ですが・・・)。
iPhoneにもアプリケーションを入れて、手軽についっとできる仕組みにはしていますので、週末更新のこのブログよりは機動力を持たせようと思っています。

興味のある方は、Twitter内で「Iyokiyeha」で検索お願いします。
仕事に支障がでない限りは、フォローするつもりでやっていこうと思っていますので、お気軽なアプローチお待ちしています。
ただ、使い方がイマイチ習得できていないので、レスポンス遅れたりするかもしれませんが、そのあたりご了承ください。

よろしくお願いします。

二人称を越えて伝わるもの

先週、ニュースを賑わせた「事業仕分け」。
報道の様子を自分なりに追ってみて、自分の仕事をふりかえる。

誰が何を言おうと、公的機関で公金を財源とした業務に就いている身として「効率とは何ぞや」と考える。
とりあえずの結論としてたどり着いたのは、「Iyokiyehaが直接仕事しなくても、Iyokiyehaの仕事を知ってもらえて、伝えてもらうことができる仕組みを、どうつくるか」ということ。

カウンセリングはIyokiyehaの持つ専門技能ではあるのだけれども、今の仕事でそれだけを磨けばいいかというと、そうじゃないのではないか。
目の前の人の内側に火を灯すことがあってこそだけど、そこで満足せずに、飛び火するくらいをやらないと。

例えば、本当に感動した時って、その事をつい人に話したくなる。
それと同じこと。
目の前の人にメッセージを明確に伝える。
工夫して、わかりやすいことはもちろん、「目からウロコ感」を付与して、相手を超えて思いを突き抜ける。
伝えた相手から思わず他へと伝わっていく。
世の中を変えるインパクトは、カウンセリング、ケースワーク、講演他全ての支援を通じて、それくらいの種を巻き続けることによってでしかありえないのではないだろうか。

資料の使い回しを悪いとは思わないけれども、高次脳機能障害支援をとにかく「メモとらせる」でまとめ続けるスライドに違和感持たない人も微妙だし、作成者に遠慮してそれにいれないのも微妙。参加者アンケートの結果が悪いことを、指示された内容に起因させるだけじゃ、何も変わらないと思う。

それを「効率的」と言うことへの反論の根拠として、「広がらない内容にしかまとまっていない」と言い切ることができるだろう(言わないけど、大人だから)。

次のステージへの、一つのとっかかりになりそうだ。

雑記091122

11/21
Twitterをはじめてみました。
興味のある方は、Twitter内でこのブログの名前を検索してみてください。できるだけフォローしていきます。

与野イオンにて半日過ごす。
冬用のコートと、下着類をゲット。


11/20
会社で働くなら知恵を出せ。
知恵のないものは汗を出せ。
汗も出ないものは静かに去って行け。

有名な言葉みたいですね。
文字情報で読んだのは初めてです。
自戒を込めて。

11/19
通勤電車にて、おばさま方が円陣組んでしゃべりまくる。
東京では初めて見る光景。

イヤホンを忘れて出張に出る。
いつもは常時音声情報に身を晒しているが、周囲の雑音を楽しむのもまた面白い。
時間がゆっくり、電車もゆっくり進む気がする。

目は口ほどに物を言う。
依頼者はあれこれと、情報はくれるのだけれども、本人を横に本音は話しにくい様子。
でも、雰囲気は「困ってるのよ、何とかしてほしいの」がありありと。
案の定、結論を言えば安堵の表情。
こういう情報の把握と分析力も、この仕事の専門性だろう。
こっちが「どう考えるか」ではなく、相手が「こう考えているのだろう、だってこうだから」と説明できて、初めて制度に息が込められる。


11/18
ここのところ話題の「事業仕分け」。
我が機構の担当者は結構善戦したらしいですね。就職率6割弱の実績があればこそ、ですが。
ただまぁ、やっぱり経費削減は盛り込まれる。どうなるのかな。


11/17
事務処理もそこそこ。打ち合わせもそこそこ。
事業仕分けは「想定範囲内」とのこと。

天下りについて考える。
天下りがないと、国とやりとりできない予算編成が円滑にならないところにも仕組みの歪みがあるように思う。ウチの機構は、現場には自信があっても、公的機関として本省とやりとりしたり、情勢から適切に旗を振るといったところでは、まだまだプロパーじゃ物足りないのかもしれない。
仕事しない人は論外だけど、仕組みそのものを批判することには躊躇いもある。

そんな中、現場でできることは、確かな現場をつくることにもう一工夫することだと思う。
Iyokiyehaのやり方がいい悪いは別として、如何に自分が動く以外に良い情報を動かすか、ということにはこだわって仕事している。
自分で「自分達、いい仕事しまっせ」と言うのと、例えば同業者がその人の人脈に「Iyokiyehaさんとこっていい仕事するぜ、おすすめよ」と言ってもらうのとでは、質も広がりも全く違う。
そんな仕掛けをいかに多く作れるか。営業の基本だろうけれども、地道な取り組みの繰り返しだろう。

電車のお尻が暖かくなる暖房は苦手。


11/16
我が機構も、いよいよ行政刷新会議の事業仕分けに乗せられるらしい。
あの委員達の、信念は見えながらもやや無理のある「検討」によって、ありがたい指導止まりになるか、整理となるのか、廃止となるのか(おそらくないだろうが、やれるもんならやってみな)。
先日、某対外的な会議でやや茶化しながら語ったことだけれども、現場では粛々と一部でアドバルーンをぶち上げてやっていくしかないよなぁ。
切符があるのなら、いずれ組織を育てる役割を担いたいとも思う、この頃。

足をすくわれそうになった件、こちらも粛々と型にはめて落ち着いたか。
時間はかかったけど、まぁ。。
事業仕分けうんぬんの話を聞けば、こんなことに時間をつかう暇はない。


11/15
富士見市主催の国際交流フォーラムに顔を出す。
(ふじみの国際交流センター)
良くも悪くも行政主導のイベントのように感じたけれども、生活の中に仕事と趣味以外のチャンネルがあるのは、とても刺激になる。
これは純粋にカミさんのおかげ。

いろんな国の民族衣装を見て、歌を聞いて、心地良くなって寝る。そんな休日も悪くない。


11/14
やはり土曜日は疲労回復に努めなければしんどい。
今週は、カミさんの機嫌がイマイチだったこともあり、仕事もやや激務だったので、少ししんどかった。

にしても、人前で話す機会も多く、上司から分析的な良質のフィードバックが得られたおかげで、自己理解も進んだ。
・自問自答型のプレゼンで、自分の言葉になっている
・専門用語を散りばめているが、深く言及しないので嫌味がない
正のフィードバックもここまで分析的だと、次にもいかせるだろう。
ありがとうございます。

2009年11月15日日曜日

雑記091115

11/12
23時前の池袋。
昼間の人混みはマシだけど、ちょっと寂しい感じもあり。
そこに姿勢良く警備にあたるお巡りさん。
頼もしいね。

今日は研修講師。5障害(3障害+PDD+CODY)の特性と対応を一時間半で説明するという、何とも無理がある講義枠。
とかく終了したときに不完全燃焼感があったのですが、知り合いから「もっと聞きたかったですね」と言われたのはうれしかったです。
研修後、上司と助成金業務の処理で残業中、「新鮮だったよね」と好評価。
曰く、
恐縮しながらハッキリ言う。
専門知識と事例が混ざり合っている。
どちらもしつこくないので、嫌味がない。
伏線が結論で結びついている。
とのこと。

仕掛けたところもあれば、そうでないところもあり。
今までの経験と、いい先生に恵まれたんだろう。
プレゼン資料の作り方を変えたら、話し方もかわったと思う。


11/11
悪天候。
明日の研修会資料作成に燃える。
ベースがあったので、なかなか自分好みのレイアウトにはならなかったが、おそらく元のスライドよりはわかりやすいだろう。
明日は熱く語るのみ。

昨晩は、ここのところの遅い帰宅にカミさんに怒られる。
仕事とはいえ、帰宅が遅すぎるのは自覚しているので、黙って聞くことにした。
人の話、ちゃんと聞くって大

11/10
仕事で新宿へ。
とにかく人は多いけれども、出張先は静かな空間を見事に作り出しており、のんびりしたくなってしまう。やることがなければ、少しは見て回りたいところなんだけどなぁ。

出張帰り、中央線がとまる。また人身事故。あんまりいい気分はしない。

昼は蕎麦、22時過ぎに事務所を出て夕食は立食い蕎麦。
蕎麦好きじゃなきゃしんどい食生活。
富士蕎麦万歳。

11/9
「広報」とは何だ?

本部で隔月くらいで開催されているスキルアップセミナーに参加する。
「組織の目となり口となる」というシンプルな説明は、何とか理解できたけれども、残念かな、現場しか知らないIyokiyehaにとっては、ちょっと雲の上の話題だった側面も否定できず。
もっと勉強せにゃいかんけれども、今できることをきちんと見据える必要も感じた。日々の業務では「いい仕事してまっせ」と伝わる仕掛けを創っていく視点が必要だということ。
人目につかず「いい仕事やってるぜ」っていうのは、格好良くても認められない。一定水準の認知度があれば別だけど、ニッチな仕事を素でやっていくなら、もう少し外向きになってもいいのかなと。
考える余地ありです。

今週は、研修ウィーク。
今日は一日しゃべりすぎて疲れました。

毎日飲み歩くでもなし。
やけにカミさんの機嫌が悪い。
多分、帰るのが遅いとかいう理由なんだろうが、ここまで飲んで帰ることに理解がないのも、正直少しキツい。


11/8
休日。
ようやくPSW国家試験対策で、過去問にとりかかる。
これまでに、スクーリングを担当した講師が皆口々に「過去問をやりなさい」というのもうなずける。
わからなくても、間違ったところをおさえていくことで、随分勉強になる。

併せて、読書の効率をあげていく。どちらか一方をと思っていると、多分両方中途半端になっていくから、どちらも回転数をあげていくことにする。
アウトプットが減るかもしれませんが、御了承ください。

娘の発熱は、おそらく突発性発疹。今日、熱が下がり、夕方からポツポツと斑点。
一見、ぎょっとする発疹だけど、ほとんどの人がかかるというから、不思議。

2009年11月8日日曜日

「足元をすくわれないように」

今週、職場で発生し、Iyokiyehaを疲れさせた出来事。
報告を兼ねて、上司に相談した時に言われた一言。「私は、足元をすくわれないようにも注意してきたかなぁ」
なんてことのない一言なのに、Iyokiyehaの弱点を見事に言い当てられた気がした。

多分、客観的にも、社会人としてイマイチなことを言われているだけとは思うのだけども、それでも敢えて自分のことを掘り下げてみる。
・当人がまとまった報告をしないことを指摘せず、話し始めるリスクを回避したため、結果としてコミュニケーションが減り、方針の微調整が伝わりにくかった。
・上記と重なりつつ、当人に伝わる言葉で説明できていたかは疑問が残る。
・上記と重なりつつ、支援実施以前の、職業リハビリテーションに関する理解の度合いを把握していなかった。
・支援の目標が、言葉しか伝わっていなかったため、具体的な支援が目標と連動していなかった。
・そもそも、年上の人かつ、苦手な人に指示を出すことを避けようとしたIyokiyehaの弱さが表出しただけだろう。

今までより更に言葉を磨き、遠慮、ためらいを捨て、言うべきことはハッキリと言っていくことが、組織の中で人と一緒に仕事をする上で、大切なことのように思った。コミュニケーションは、和気藹々だけでなく、鋭い指摘や目標といい旗振りも、大切なコミュニケーションだと考えるに至った。
ますます煙たがられることになるかもしれないけれども、冷静に、独りよがりにならないよう、周囲に意見を求めながら、更にしゃべっていこうと思う。
学生時代にお世話になった市民活動家から言われたこと「10言ったって、1伝わるかどうかだよ」。
言葉を磨きつつも、全ては伝わらないことを肝に銘じていこうと思う。

雑記091108

11/7
例により、くたくたになった週末は、朝起きて、朝食後に昼まで寝る。
身体にいい生活じゃないと思う。
まして、今週は3日しか勤務していない。
組織の内側での要らんやりとりが、相当ストレスフルだったんだろう。

久々のPSWの受験講座。
先日まで籍のあった専門学校が、高田馬場にあるため、よく歩く街なのだが、道は狭い、人は多いで、どうも好きになれない。

帰りの電車、今、目の前に並んで座っているカップルの空気がイマイチ。
喧嘩でもしているのだろうか。

明日がいい一日になりますように。。


11/6
娘が発熱し、夜中に何度も起きるため、記憶にはないが眠りが浅くなっているらしい。とにかく眠い。
朝の電車では、前の人に頭突き。ごめんなさい。

午前中は青山。
久々に、会社に「入れない」クライアントの支援。待ち過ぎた感もあるが、一時間の立ち話はクライアントにとって有益なものであってほしい。
ここのところ問題となっている職員さんに足りないのはこういうアプローチなんだろうな。正解が外側にあると思っているのが間違いのモトだろう。気をつけよう。

青山の街はスタイリッシュ。
スーツなら違和感ないけど、Iyokiyehaの普段着じゃ浮く街ですね。
中野は定期的に何度も通っていて、結構好きな街。行くたびに昼食を食べていたカレー屋さんがつぶれてしまい、残念。

先日からの面倒も続いており、勘弁してくれって感じ。業務でならいくらでも時間割かれていいけど、くだらない中年のわがままに時間を費やすのは、無駄以外の何者でもない。
帰りの電車では気持ち悪くなり、途中下車。休んで乗り換えた電車で乗り過ごす。
結局帰宅は午前様。


11/5
昨晩から娘が発熱しており、心配しながらも、おそらくほとんどの子が罹る突発性発疹だろう。子どもの身体はよくできている。
でも、娘はしんどそうで、よく泣く。

出張の出掛けに声をかけ、自分のことばかり話す輩がいる。
見事なストレッサーである。
急いでるって言っているのに、話は長く、的を射ない。挙句のはてには「納得できません」。
また大きなため息。


11/4
組織上Iyokiyehaが指示を出す相手となる職員さんの愚痴(?)に1時間以上付き合うことになり、業務は動かず。
Iyokiyehaは、そうでなくとも業務が回っていないのに、こういうことがあると二重にしんどい。
じっくり話を聞いて、結局お互いの認識の違いがギクシャクする原因になっていることはよくわかったのだけれども、行動が感情に基づいた判断によっていることに「気づけない」人に、論理的な説明を求めても、的を射ない回答になるばかり。びっくりするくらい疲労困憊した。
仕事で疲れるのはまだしも、何も生み出さないことで疲れてしまうのは、時間の無駄以外の何者でもない。

あー、久しぶりにため息が出た。


11/3
浜松から富士見へ帰る。
海老名SAのイカ焼きは、地味にすごくおいしい。


11/2
昨晩は、浜松に帰った後、豊橋に住んでいる白樺君と飲みに行く。

「むつぎく」「出世」とハシゴ。
前者は、浜松でも屈指の餃子の店。カミさん曰く、行列が出来てはいれないこともあるらしいが、日曜日の夕方ということもあり、快適に浜松餃子を味わう。
後者は、学生時代に屋外活動をやっていたときの師匠に連れて行ってもらった正統派居酒屋。値段もそれなりだが、地酒も料理も美味い店。

店もさることながら、肴の話が面白く盛り上がったため、本日はひどい二日酔い。
今の仕事を中長期的に、地元密着で考えられる仲間なので、お互いに生意気になっていくという、何とも正しいお酒の飲み方をしました。
ただただ目の前のケースマネジメントに埋没したら、国の仕事として位置付けられなくなってしまう。
多かれ少なかれ、形は土地毎にどうあれ、その土地に合ったSocial Actionを如何に促進していくか、どう周りの資源を巻き込んで行くか、如何に当事者に寄り添う(ニーズに応じる)か。
自分なりに考えて、職リハに立脚しながら議論を重ね、丁寧に現場を創る。
小さな積み重ねが引き継がれる仕組みを、人材育成を含めてやっていかなきゃ、全国異動のスケールメリットが裏目に出て、現場が分断されていく。
このくらいの危機感を持ちながら、現場に制度にこだわっていきたい、と再確認できました。

ありがとう、白樺君。
そして、仕事も生活もがんばってね。


11/1
Iyokiyehaとカミさんの後輩同士が結婚するということで、娘同伴で招待され一路清水へ。
Iyokiyehaの後輩は、某商社マン。
カミさんの後輩(子分・笑)は、語学堪能でマルチに活動する市の嘱託職員。
幸せになってください。
おめでとう!

結婚式の話題は豊富すぎて全てはお知らせできないのですが、とりあえず一番の見せ場「Iyokiyeha娘が新郎に花束を渡す」時に、寝てしまう我が娘。
この子は、きっと大物になる。

当日、高速道路を使った関係で、アルコールは控えていたのですが、キリン「フリー」は傑作だと思った。
いろんなことを言う人はいるのだろうけれども(味は、少し違和感あるし)、充分「ビール」気分を味わえました。
お料理もおいしくいただくことができ、娘はよく泣いたけど、一参加者としても充分楽しめました。


10/28
仕事で関わりができた某鞄ブランド。
依頼を検討する席まで聞いたことも見たこともないぶらんどだったのだけれども、いざ担当するようになってからは、ここにもある、そこにもあるって感じでびっくり。
一つは、人間の認識や知らず知らずにかけている感覚のフィルターについて。
もう一つは、自分が全くかかわらないところで、たしかな成長企業があるということ。

今の仕事をしていて思うこと。
それは、職場不適応の本質はニーズの不一致と、課題への対応に振り回された人達が、自らのパフォーマンスが発揮できなくなってしまうことのように思い至る。


10/27
朝イチで上野公園を散歩するのが日課になっている。
ボチボチ事務所に向かう時に、パンダ橋(上野駅の陸橋)を通るのですが、今日のように雨あがりの朝に時々橋の上が光ることがある。
眩しくて、はっきりと目が開けられないくらいなのだが、それがまた神々しい。


10/26
午前中は、担当ケースを棚卸し。
とにかく書き出していったら、結構見逃しているものがあって驚いた。
メールで仕事をするときは、定時チェックを徹底しないと収拾がつかなくなる。

事業主相談に抵抗はなくなったが、雇用に関する法的な事をもっと知らないと、テンポよく相談できないように思う。

NPOの立ち上げをよく促される。
認めてもらえているのか、みんなして夢見てるのかは、率直にわからない。
今日話をしていて、一つだけはっきりしたのは、今の仕事を続けるのであれば、多様な働き方を支えられるようになっていくことを目指そうと考えていること。


10/25
スタジオAliceにて、写真撮影。
今日は10:30予約だったので、写真撮って帰って2時間くらいは国試対策ができると思っていたのだけれども、帰宅は17時過ぎ。思い通りにはならないものだ。

こういう日は、本当に待つしかない。
焦って、取り返そうとすると、焦りが苛立ちになってくる。
思い通りにならないことばかりだ。まして、もうじき1歳になる子どもを相手にするなら、思い通りにことを進めようとすること自体が微妙なことなのかもしれない。

2009年11月1日日曜日

地元

ケーキ屋だったんだが。。

2009年10月24日土曜日

働く理由

「どうして働くんですか?」
Iyokiyehaが、今の仕事をし始めてから、何度かクライアントから問われたことのある質問です。

難しい質問です。
生活のため、自己実現のため、様々なクライアントのため、人の役に立っている感のため・・・とあげていくと、結構キリがないのではないでしょうか。
カウンセラーとしての答えは「いろいろありますね」となります。

一つに絞り込む作業自体が有益とは思えないのです。
人によっては、「生活費のため」のみ働く人がいるでしょうし、また「世のため、人のため」に働くことに充実感を持つ人もいるでしょう、他にも「出世のため」に全てをかけている人だって、「権力を得るため」に奔走する人がいたっておかしくない。
そのどれもが、人に迷惑をかけない限り、否定されるべきではないと思うのです。

先日、仕事で参加した会議の席上。
収入を増やすことを希望しているクライアントに対し、「成長を促す」ことを是とした発言が続くことに違和感を覚えたIyokiyehaが発したのは「働く理由なんか、人それぞれじゃないですか」という一言。
伝わった人と、そうでない人とで二分してしまった会議となったのですが、方針としては収入を増やす手段として、勤務時間を延長したり、勤務日を増やすために必要な課題を具体的に確認する機会を設けることとなったので、「成長」を促すための説教をするよりはかなりマシな落としどころになったかなとは思いますが、もっといい方法はあったのかなと。

冒頭のように問われて、自分の考えを話すことを求められれば、それなりにいくつかの「理由」を話すことはできると思いますが、そのいくつかでさえ、人に押し付けるものではないと自覚しています。
というか、本当に働く理由なんてなくたって働けると思うし、「お金のため」に働くことは否定されるべきではないと断言できると思う。

そもそも、「説教」したがっている人たちは、自分がどれだけ「自分の希望」を人に押し付けようとしているのか、ということに気づいていないような気もして、一抹の怖さを覚えています。

雑記091024

10/24
朝起きて、朝食をとって昼まで寝る。
地元のお祭りが大々的に開催されているので、出店で昼食をとりつつブラブラ。
帰宅して、国試の勉強を始めるも、また寝てしまう。
起きて夕方。
今日は一体何をしているのだろうと、ちょっぴり自己嫌悪。
昨晩、帰宅時に電車が遅れたこともあり、何だかくたくただ。
疲労は蓄積されてしまうのだなと実感。
現在、完全にPSWの国家試験の勉強は遅れている。
ちょっと焦ってます。
10/23
優柔決断という書籍があるとのこと。
「優れて柔軟」ということ。近いうちに読んでみよう。

ケース会議にて。
支援チームが実は機能していないことを実感する。
好き勝手しゃべらせてみて、担当者さんにごめんなさいというのが率直な気持ちなのだが、結局Iyokiyehaが伝達したことは、あまり活かされていない。
にしても、対象者のニーズを作ってしまう、支援者の姿勢には辟易した。
「〜になって欲しい」のは誰だ?「わたしは〜になってほしいと思ってたんですが」は、誰の希望だ?


10/22
充実しているが、疲労困憊しているのも事実。
とにかく眠い、眠い。
やることは次から次へと降って来るかのよう。
もっとテキパキとやらなきゃいけないんだろう。

しかし、眠い。


10/21
支援機器の様子を見るために、出張の合間に本部へ。
受付で声をかけても誰も動かないとか、フロアが耳鳴りするほど静かだったり、結局お目当てのソフトの説明は一切なかったとか、つっこみどころは満載だが、それはおいて、支援機器のフィッティングの難しさを改めて知る機会になった。


10/20
スキルアップセミナーの後、T氏他と飲みに行く。
久々だが、あまり変わっておられず、安心する。


10/19
いろんな出会いがある。
ひょんなことから、ある会社の人事担当者さんと会う。
障害者雇用の担当者になったが、どうしたらいいかわからないとのこと。
この仕事の、難しくて楽しいところは、「働きたい」「雇いたい」という一見わかりやすいニーズに、様々な思惑が隠れていること。
お互い隠すつもりはなくとも、明確な形で伝えられることは少ない。
様々な情報をやりとりすることによって、そこに具体性が生まれ、論点が整理されることによって、やりとりが一気に深まっていく。
この「通じた!」と思える瞬間が、たまらなく面白い。


10/18
プロフェッショナル仕事の流儀
■三友盛行 立ち止まり足るを知る
立ち止まることは停滞ではない。世の中の見え方が変わる。立ち止まることと成長は無縁ではない。
量の拡大だけでなく、質の向上に通ずる。
ベストを尽くし、結果を受け入れる。

自然と共に暮らす人々には「生かされている」意識のもとで、よりよいもの、自然へのダメージが少ないものを生み出そうとする、熱い気持ちを持っている人がいる。
自然に対する謙虚な気持ち、そして如何なる結果からも、そこから目を反らさず、知恵を振り絞り、時には立ち止まって見方を変えつつ、進化していこうとする。

2009年10月22日木曜日

朝のお散歩@上野公園

ここのところ、天気がよく、気分がよくなる上野公園です。
紅葉はもう少しですね。銀杏が黄色くなるのが楽しみです。

2009年10月18日日曜日

プリマヴェーラ クラシック 

ブラジリアン バーベキューレストラン
プリマヴェーラ クラシック Primavera classic


埼玉に引っ越してきて、初めてのシュハスコ。
ウチのカミさんは、静岡県浜松市で多文化共生事業に関わっていたこともあり、シュハスコ(お祭りなどで時々見かける、串に刺さったどでかい焼肉。あぶった肉をナイフで切っていただく)には詳しい。

以前、山梨県甲府市に住んでいた時には、「オチオ」というお店を紹介した。
(2007年11月11日投稿分)
あのお店は、まだやっているのか心配だが、一応リンク。

これまで、浜松でも甲府でも、シュハスコといえば、どぎつい塩味で脂の滴る焼肉、といった、家庭料理の延長でやるバーベキューというイメージがあった。
Iyokiyehaは、どちらかといえば、豆を煮たフェイジョアーダ(フェイジョアン?)が好きなのだけれども、これまでのお店は、素朴な味というイメージ。

今回のプリマヴェーラは、もう少し高級感のあるシュハスコが楽しめる。
味付けも、少し上品で、シュハスコも味わえる。
サラダなどのバイキングも、おいしくいただくことができ、ちょっとしたごちそうブラジル料理。
さすが大宮、副都心です。



ランチは1350円(ランチブッフェ)に、330円を追加すると5種類の肉のシュハスコが楽しめます。
いずれも、屈強な外国籍っぽい方が串に刺さった肉をお皿に取り分けてくれます。
(3,000円で、全部の肉12種類が楽しめるそうです)
ただ、肉を食べに行くもよし、仲間とパーティに使うもよし、このお店目当てで大宮へ来ても満足できるかと思います。


<DATA>
所在地:埼玉県さいたま市北区東大成町1-489-1 B1F(大宮郵便局前)
TEL:048-660-1781
(駐車場有)

雑記091018

10/16
駅のホームで働く従業員さん。
だらだら仕事している人もいたら、キビキビと指差し確認している人もいる。
同じ仕事をしているのに、周りからの見え方はこんなに違うのだなぁ。

PSWの国家試験の対策講座に、開始時間には遅れながらも参加。この講座、受験対策が全面には出ているけれど、なかなか面白い。
ただ、講師によって随分内容に差があるのも事実。

以前、岡山で勤務していた時に、駅の地下街にスターバックスコーヒーがあったことを思い出した。仕事帰りに、駅前で飲みに行く時や帰省する時に、いつも寄っていくお店だったのだけれども、ここのある店員さんはよく声をかけてくれた。
「これって静岡のご当地タンブラーですか?」とか「これから飲み会ですか?」
いい意味で「要らない一言」が言える人って素敵だと思う。

身近なことだけども、やる気とニーズの合致と工夫とで、ここまで違うように見えるのだな。
おそらく、立場が逆になれば見え方も逆になるのだろう。
気をつけよう、自分の振る舞いやヤル気にも。


10/15
仕事が山ほどある時は、すべきことを書き出して、優先順位をうまくつけて、外的阻害要因をできるだけ排除することを心掛けることで、ナンボかすっきり片付く。

支援先で、久々にたっぷりカウンセリング。
多分、今の仕事の中で得意と言えるスキルはと問われれば、クライアントから引き出すスタンスを強調して、話を聴きながら大体構造化できてしまうようになった、このカウンセリングの技法だろうとは思っている。まだまだ奥が深いことは実感しているけれども、相談でとれる情報量には、少し自信がある。

東京という街には、何でもあるように感じる。仕事度外視で歩くだけでも何かと楽しい。人混みを歩くのは疲れるし、わけのわからん人も少なくないのだけれども、それでも楽しいと思える理由については少し考えてみよう。


10/14
新しい支援先。
一つは青山、もう一つは品川。どちらもオフィス街という感じである。
そこへいくと、上野の入谷方面は下町だと思う。
おかげで助かっているところもあるけれども、東京のオフィスというには少し物足りない。Iyokiyehaは大好きなんですが。

毎月の助成金時期真っ只中。
今月は完全に予定の立て方を失敗したので、業務と並行してがりがりやってます。

昨晩はあまり寝ていないので、省エネモード。
朝は山手線が止まり、帰りは東上線が遅れる。
ここのところ電車にはツキがないのか、ただどんくさいのか。
夕方出張先から逆方向の電車に乗ったのは、注意不足か。

鶴瀬についたら雨が降る。こういう日に限って傘を持っていない。偏頭痛はしんどいし、風邪っぽいので喉もしんどい。
そういや、iPhoneのコネクタにつけているカバーをなくす。
振り返ると、ちょっとした寝不足と天気によるちょっとした不注意で、結構無駄のある一日だった。
寝不足と不注意は、心掛けで少しは改善できるので、早寝と確認を意識しよう。


10/13
東武東上線が遅れる。
これまで大幅な遅れはなかったのだが、今日は朝も晩も少しずつ遅れた。
人身事故だけでなく、信号トラブルなどもあるのだなぁ。
先日、登録したYahoo!の路線情報メールサービスが、早速動いたが、朝は池袋に着いてからメールを受信する。
イマイチ。
それでも、情報がないよりはマシ。午後は、覚悟を決めて岐路につけた。


10/12
休日に、特にどこへ出かけるでもなく、近所の公園を歩く。
そのまま、「散歩」だが、家族がいるとそんなことも楽しいと思える。


10/11
ここのところ、朝出勤時には寝ていて、夜帰宅時には寝ている我が娘。
週末に一日一緒にいると、成長、というか変化が見てとれて面白い。
最近は、我が出てきて、嫌なことは絶対やろうとしない。顕著なのが、食事の時に「自分で」食べたがること。
スプーンでご飯を口に持っていっても、プイッと横を向く。「食べたくない」時の仕草と同じなので、どうしたものかと思うわけだが、手づかみ食べができるようにしてあげる(ご飯は海苔に巻いてあげる、など)と、得意気に食べ始める。
パクパクと食べるだけでなく、遊びながら食べるので、手は汚れるし、テーブルもカピカピになってしまうのだが、それを「ダメ」とするのは、大人の都合なんだなぁと、食べる娘を見てしみじみ。

そのうち、悪戯する娘と一緒になってバカやってるところを、カミさんに怒られるようになるんだろう。それもまた楽しみ、か。
10/15
仕事が山ほどある時は、すべきことを書き出して、優先順位をうまくつけて、外的阻害要因をできるだけ排除することを心掛けることで、ナンボかすっきり片付く。

支援先で、久々にたっぷりカウンセリング。
多分、今の仕事の中で得意と言えるスキルはと問われれば、クライアントから引き出すスタンスを強調して、話を聴きながら大体構造化できてしまうようになった、このカウンセリングの技法だろうとは思っている。まだまだ奥が深いことは実感しているけれども、相談でとれる情報量には、少し自信がついてきた。
聴く力を伸ばすことで、更に深いカウンセリングができるようになると思う。カウンセラーを名乗る以上、相談とアセスメントができてナンボだと思う。


10/14
新しい支援先。
一つは青山、もう一つは品川。どちらもオフィス街という感じである。
そこへいくと、上野の入谷方面は下町だと思う。
おかげで助かっているところもあるけれども、東京のオフィスというには少し物足りない。Iyokiyehaは大好きなんですが。

毎月の助成金時期真っ只中。
今月は完全に予定の立て方を失敗したので、業務と並行してがりがりやってます。

昨晩はあまり寝ていないので、省エネモード。
朝は山手線が止まり、帰りは東上線が遅れる。
ここのところ電車にはツキがないのか、ただどんくさいのか。
夕方出張先から逆方向の電車に乗ったのは、注意不足か。

鶴瀬についたら雨が降る。こういう日に限って傘を持っていない。偏頭痛はしんどいし、風邪っぽいので喉もしんどい。
そういや、iPhoneのコネクタにつけているカバーをなくす。
振り返ると、ちょっとした寝不足と天気によるちょっとした不注意で、結構無駄のある一日だった。
寝不足と不注意は、心掛けで少しは改善できるので、早寝と確認を意識しよう。


10/13
東武東上線が遅れる。
これまで大幅な遅れはなかったのだが、今日は朝も晩も少しずつ遅れた。
人身事故だけでなく、信号トラブルなどもあるのだなぁ。
先日、登録したYahoo!の路線情報メールサービスが、早速動いたが、朝は池袋に着いてからメールを受信する。
イマイチ。
それでも、情報がないよりはマシ。午後は、覚悟を決めて岐路につけた。


10/12
休日に、特にどこへ出かけるでもなく、近所の公園を歩く。
そのまま、「散歩」だが、家族がいるとそんなことも楽しいと思える。


10/11
ここのところ、朝出勤時には寝ていて、夜帰宅時には寝ている我が娘。
週末に一日一緒にいると、成長、というか変化が見てとれて面白い。
最近は、我が出てきて、嫌なことは絶対やろうとしない。顕著なのが、食事の時に「自分で」食べたがること。
スプーンでご飯を口に持っていっても、プイッと横を向く。「食べたくない」時の仕草と同じなので、どうしたものかと思うわけだが、手づかみ食べができるようにしてあげる(ご飯は海苔に巻いてあげる、など)と、得意気に食べ始める。
パクパクと食べるだけでなく、遊びながら食べるので、手は汚れるし、テーブルもカピカピになってしまうのだが、それを「ダメ」とするのは、大人の都合なんだなぁと、食べる娘を見てしみじみ。

そのうち、悪戯する娘と一緒になってバカやってるところを、カミさんに怒られるようになるんだろう。それもまた楽しみ、か。

2009年10月12日月曜日

苦情というか・・・何というか・・・

仕事をしていて、時々ある電話。
主訴はおそらく「困ってる、何とかして」というものなのだろうが、なぜかはっきりそう言わない。
「お宅は何をやっているのか?」
「働けるようにしてくれるのか?」
「仕事を探してくれるのか?」
別に、わざとのらりくらりと対応するわけではないのだけれども、電話の向こうで何に困っているのかわからないと、こちらも対応のしようがない。
相談を提案することも、他機関の情報提供もできないことはないのだけれども、二言目、三言目には「結局、どこも何もしてくれないんですよね」と否定的。
「オマエにそんなこと言われる筋合いはないぞ!」
と、言いたい気持ちを抑える。
不思議なもので、相手が言いたいことを言い始めると、更に冷静になってしまう。
突っ込みどころは満載だけれども、まず電話の向こうの人は何をいいたいのかと考えると、聴きモードへ。
とはいうものの、こういう電話は概して後味が悪い。
先日は、
「僕みたいな人はのたれ死ねっていうことですね」
という言葉を言い放って切られてしまった。
利用歴があるようなことを言っていたけれども、名乗らず、担当者の名前も言わず、連絡先とか、個人を特定することは一切言わなかったので、追跡のしようもない。
こういう苦情とまでいかない電話は、仕事を始めてから何度かとる機会がある。
延々と自分の自殺歴を語る方や、一通りの文句を言って何にも話を聞かない人、訴えてやるとすごむ人。
こうして、相手に食ってかかる人って、その電話をする直前は一体何を考えているのだろうかと、疑問に思う。
純粋な意味では、かなり興味があるし、カウンセラーを名乗る以上、他人のどんな考え方にも興味を持って「知りたい」と思うことが大切なように思う。
こと、雇用支援/就労支援のサービス対象となるには、あくまで「その人」に動くつもりがあるかどうかにかかっている。
障がいを持った人であっても、雇用する事業所の担当者であっても。
その人の人生、その事業所の方針である以上、推進力を高めること(例えば、10を100にすること)はできても、動き出すこと(例えば、0を1にすること)を「させる」ことはできない。
今回の電話の主に、その原動力はあったのだろうか?
そして、それを引き出す術を、Iyokiyehaが意識していたかどうか、少し考えどころだと思う。

2009年10月11日日曜日

雑記091011

10/10
気づいたら10月。
埼玉在住東京勤務となり、早半年。
職場では「昔からいる人みたい」と、解釈が難しい評価を受け、仕事では事業主支援にどっぷり浸かり、結構有名(らしい、を含む)な企業の障害者雇い入れ支援を幾つも抱えたり、管理職向け役員向けの講師をやってみたり、通勤は関東のサラリーマン体験を地でやってみたり、生活では子育てパパを満喫してみたり、カミさんとケンカしたり、PSWの国家試験のために受験生みたいな勉強してみたり。
仕事で引っ越すのは三回目で、それぞれ変化があるなぁとしみじみ。

視覚障がいを持つ方の支援を担当している。
職場適応の向上を支援するのだが、問題となるのは音声出力ソフトとグループウェアのマッチング。
とりあえず、今回の職場はそれらを含む環境がイマイチ。
望みがあれば、積極的な調整、支援を展開するのは信条だけれども、支援チームのある方から、視覚ハンデに関する対象者のメンタル面に対する意見を受けて、熟考。
音声出力に限界があるならば、残存能力で、と一般的に考えていたところに、対象者の感情面を考慮したことで、Iyokiyehaにはこれまでと全く異なる、超現実的な方針が浮かぶ。
驕っていたつもりじゃないけれど、まだまだ未熟であることと、死角が常に存在することを、改めて実感した。


10/9
完全に寝不足。午前中の出張が予定通りに終わったので気が抜けたのか、東京から逆方向の山手線に乗車。
さすがに、3時間睡眠では仕事にならんか。昨晩は結局午前様。越県通勤の怖さを知ったよ。夜更かしはお肌に悪い。

「沸点を越えると、全てが変わる」
購読しているメーリングリストに書かれていた。99度と100度ははっきりと違うのだと。
そこに到達するために
「妥協なく仕事する、妥協なく勉強する。妥協なく、知力・体力・精神力・その他の資源を叩き込む。
そこから【 沸点に到達することで得られる爆発的な力 】を手に入れることができるのではないか。」
とあった。


国家試験対策なるものに、週末通っているのだが、勉強のリズムは既に破綻しつつある。
全く過去問にもテキストにも手がつかない。
仕事とのバランスが、やっぱり悪い。

とにかく眠い一日だった。



10/8
朝は台風で足留め。昼から夕方は次から次へと仕事が舞い込みイライラ。
こういう日はロクなことがなく、帰りは東上線が止まる。ますますイライラする。

朝も待てずに、日暮里から上野まで歩いて出勤したのだけども、電車でどこでもいけるけど、電車が止まると目的地がうんと遠くなるのが越県通勤の弱点。別ルートも確保しなきゃいかんのですね。反省。

そういや今日は変な電話があったなぁ。
ああいう人って、日々何を考えてるんだろうね。

あー、今日の帰りは何時になるんだろう。。


10/7
contributionをベースとした人脈プラットフォームを作るとしたら、どうしたものかなと。
本田直之『レバレッジ人脈術』を読んで考える。東京で働いているのであれば、ちょっとした仕掛けを実行すれば、化学反応は起こるだろう。
方法は様々。少しブレストしてみよう。

援助者として、大切なこと。
それは、自分の思考を整理した上で、それを手放さないようにしつつ、相手にどこまでも合わせていく柔軟さだと思う。
唯一無二の尺度を振り回すだけでは、必ず衝突する。
人に対して「支援」する時には、中立、並列が原則。


10/6
仕事を残して帰ることの抵抗が少し減ったかもしれない。要は考え方一つ。結局今までも、残り全くなしで職場を離れられたことなんかほとんどないわけで。
突発的に動くケースはザラ。
いかに対応していくかっていうことが、全体を見渡した時に、とても大切なことだと思う。

ちょっとしたヒントや情報収集のために、同期の協力を得る。
レスポンスがいい人もいて、助かるし、ありがたい。
ちっちゃな貢献(contribution コントリビューション)のやりとりが、やがて大切な人脈になると思う。
遠くても身近な人、大切にしようと思う。


10/5
新潮社『Forsight』を購読しているが、最近ウイグル自治区の話題が毎月掲載されている。
注射針テロ、大頭棒を使った暴力行為など、読んでいるだけで目を覆いたくなるようなことが記事になっている。
数年前、スーダンのダルフール地方に関する記事が細々と掲載されていて、しばらく後に国連でも検討事項として取り上げられた。
テレビでの扱いは小さく、そのうち話題にもならなくなってしまったのだけれども、雑誌では未だに記事が掲載されている。
ウイグル自治区のことはどんな扱いになっていくのだろう。そして、Iyokiyeha個人として、国際的な課題にどう関われるかということを、最近考えるようになった。

カタルシスということが、確かにあるようだ。
ただ、自分が話しただけで楽になったというよりは、話しながら自分はこう考えていた、ということがわかってスッキリするという方がしっくりくる。
あぁ、もっとハッキリと言いたいんだなということを実感。「支援」へのもどかしさと、事実の見えにくさ。「誰が誰に何を?」と、もっとハッキリ言ってもらわないといかんのだろうな。反省。

最近、またよく思い出す。
何を考えて準備したんだろうなぁ、とか。


10/4
家族で水子貝塚公園へ。
近所にこういう広い芝生の公園があるのはうれしい。
子どもができてから、こういう場所へお弁当持ってでかける「だけ」で楽しい気分になれるようになった。
不思議だけど、これも趣味・嗜好の変化と、「日常のごくあたりまえのこと」が愛おしくなったことなのかもしれない。

2009年10月4日日曜日

遠藤拓郎『4時間半熟睡法』フォレスト出版、2009年。

睡眠に関する研究は、以前から見聞きしたことがあり、基本的なことは知っていたつもりだが、ちらばった知識を組み合わせることによって、一つの「熟睡法」としているのが本著。
著者の遠藤氏は「4時間半熟睡法」を提唱しているが、これは毎日4時間半だけ寝ればいいというものではなく、ビジネスパーソンが睡眠時間を削らざるを得ない時に、どのように睡眠時間をコントロールするか、という問いに対する現実的な一つの提案として読み取れる。
平日は4時間半、週末に6~7時間半の睡眠をとることで調整する方法と、その根拠となるデータを示している。
データに基づく記述が目立つが、本文には読みにくい数的データはほとんど掲載されていないので、平易な内容で読みやすい。

東京勤務となり半年、これまでより明らかに睡眠時間が短くなっていることについて、手を打ちたいと思い購入。
6時間以上寝ないとパフォーマンスが落ちることは自覚しているが、そうはいっても通勤に片道1時間半かかるとなると、仕事量をコントロールしても睡眠時間の確保が難しい。
ならば、短時間であっても質のいい睡眠をと考えて、参考に読んでみた。
「理想の生活」全般を通して睡眠の質を高める、ということを念頭におきながらも、遠藤氏の提案は非常に簡単な「体温の調整」に注目している。
今の生活に「一手間」かけて、体調が改善するならよし。
そうでなくても、夜の入眠がスムーズになり、朝スッキリ起きられるようになればそれでいいのかとも思う。

余談だが、この本の読みやすさは、同テーマの他の単行本を凌駕していると思われる。
文字数が少ないこともあるのだろうが、必要なことを最短ルートを通って書いている、という感覚があった。
Iyokiyehaは1時間半くらいで読破できました。


おすすめ度:★★★★☆(現段階では効果が実感できていないため)

こうの史代『この世界の片隅に(上・中・下)』双葉社、2008~2009年。

戦争の時代を、豊富な取材と独特な視点で描くこうの氏の最新作。
最前線で生死の境を生き抜く派手さも、身内を戦地に送り出して悲しみにくれる家族の悲壮感もなく、ただ淡々と日常を描き、戦争を知らない世代に、戦時中の日常生活を伝える物語としても新鮮だった。

この時代を生きていないIyokiyehaには、戦争を評価する気も、正当化あるいは卑下する気もない。
ただ、例えば今後日本が戦争に巻き込まれた時、自分が戦線へと向かうことがない限り、戦時下の生活というのは、不安を感じつつも淡々と流れていくのかもしれない。
Iyokiyehaが、こうの氏の漫画に惹かれるのは、「普通」に生きることの困難と、そこにある人間ドラマは完全に個別で、人から評価されなくとも「そこにあり」、その人なりの幸せや生き様というものが見え隠れする、その瞬間を漫画という手法で見事に切り取っているからだと思われる。

このテーマの前作『夕凪の街 桜の国』で感じたものも、これに近いように思う。
http://iyokiyeha.blogspot.com/2008/04/2004.html
(2008年4月13日投稿分)
戦争により、実兄を亡くし、目の前で姪っ子を失い、自身も利き手を爆風で吹き飛ばされながらも、好きな絵を描く。
そして、ささやかだけれども、「普通」で確かな幸せを描く作品だろう。


おすすめ度:★★★★★(好き嫌いあるでしょうが、素直にしみじみしたい方にはおすすめ)

やりとりは、何を「言ったか」ではなく、どう「理解されたか」

カウンセラーという仕事をしていると、痛感することが多いのだが、ある人とやりとりする時に、そこで交わされる内容は、「何を言ったか」という発信者側の理屈ではなく、「どう理解したか」という受信者側の理解の度合いによって成立しているものだと思う。
「○○と言ってきました」とか「△△と言ってました」等、仕事をしていると、Iyokiyeha自身がそう言うこともあり、チームの他の誰かからの報告にもよくあがる。

しかしよく考えてみると、そう「言った・言っていた」というのは、あくまで客観情報にしか過ぎず、それを発した人がその言葉に込めた思いや感情というのは、相手にどの程度伝わっているか、把握することは極めて難しい。それ以前に、発信者が「言った」客観情報すら受信者がどのように認知しているのかは、それこそよくわからないというのが、実際のところだろう。

人と人とのやりとりというのは、そうした言ってみれば脆弱な基盤の上に成り立っているともいえる。
それだからこそ、柔軟さが生まれ会話が広がったり、深まったりということが起きるのだろう。

もう一つ踏み込めば、我々をはじめとする対人業務における「支援」というのは、何をするか、何を言うか、ということよりも、「その人の何が変わるか」ということが最優先されるのだと考える。
このあたりの考察はまた後日。

雑記091004

10/3
会話により、話題が深まったり広がったりするには、聴く側の聴き方もさることながら、話し手の話し方にも左右されるところが大きいと思う。


10/2
仕事上、やりにくくなる縄張りは要らない。
白黒はっきりさせない方がいいこともたくさんある。まして、対人業務なんかは灰色ばっかりだと思う。できる人が、できることをすればいい。

消費者金融が軒並み「◯日曜無利息」と言い出しているが、顧客層が変わったのだろうか?借りやすくなったのは違いないところだが、いわゆる優良顧客から利益が出ないように思うのだけども。
Iyokiyehaにはあまり縁のない仕事なので、どうでもいいって言ってしまえば、どうでもいいのだけれどね。

本の読み方と同じで、仕事も緩急つけるべし。時間の使い方、もっと上手にならなければと思う。
今日は一つ、メールチェックの時間を固定してみた。確かに効率はよさそう。もう少し整備してみよう。

ものの感じ方は、相手次第。
何を「言ったか」ではなく、自分が言ったことを相手が「どう受け取ったか」次第ということ。
如何に思考や感情を言葉に乗せるか、はいつも気になるが、その実は相手が何を考えるか次第ということである。


10/1
ぐうたらした一日。
最近、休みに入る前の疲労が強く、休日の活動が鈍い。
「四時間半睡眠法」なる本を発注した。
疲労回復のヒントになれば幸い。

娘のポリオの予防接種に行く。
少し泣いたけれども無事に終了。

国試の勉強は、はかどらず。
イライラした自分の負け。じっくり、焦らず。


9/30
寝不足。
体調が悪ければ、機嫌も悪くなる。
反省。
久々の個別相談。話を聴き続けるのも疲れる。


9/29
集中してやれば、30分でできる計画書。
タイムプレッシャーを如何に真剣にかけるかということは目下の課題だと思う。
全てを受け止めず、できることは後に回して、一つのことに集中することを繰り返しやることを意識してみよう。


9/28
休み明けのリハビリなんて思っていると、結構痛い目に遭う。
某鞄ブランドの調整は、事業所側の当事者がそれぞれに「モヤモヤしたもの」を感じているため、それを引き出すことと、優先順位をつけていくという本来の事業主支援が展開できているように思う。
ニーズとゴールが出来るかできないかという、明確な結果が求められるため、場合によっては残念な結果になることも考えつつ、だけれども、いろいろありながら多分うまいところに落ち着くんじゃないかなと感じている。

仕事を早く切り上げるコツの一つは、ゴールデンタイムにやるべきことを大胆に整理することだと思った。

2009年9月27日日曜日

相川章子、田村綾子、廣江仁著『かかわりの途上で ――こころの伴走者、PSWが綴る19のショートストーリー』へるす出版、2009年。

現役PSWによる、日々の業務の記録。
「これぞPSW!」という性質のものではない(PSWの独占業務はない)のだが、PSWならではの「かかわり」と、経験を通して考えたこと、感情の変化が淡々と語られる。
これまでに、こういった専門職の日常をそのまま描いたまとまった読み物に接したことがないため、非常に新鮮な内容。
対人業務、特に障害を持つ人と接する人は、その障害種別を問わず一読に値する書籍だと思う。
「自己決定を促す」「人生を支える」とはどういうことか、ということについて考えさせられた。

著者それぞれの視点が面白いことと、Iyokiyehaが一目置いているワーカーさんのボスが著者だったため、衝動買いに近い感じで購入。
Iyokiyehaがこだわる「誰の何のための支援なのか」ということや、「支えること、かかわること」の本質が、クリアな言語化にはならないのだが、それぞれのエピソードから「なんとなく、このあたり」といったものを受け取ることができた気もする。

個人的に、PSWの通信課程がこの10月末で修了する見込みとなった。
今年度のスクーリング(8月)で、「対象者の自己決定」や「一般的に望まれない・社会的な常識に反することを対象者が希望した場合の支援」さらには、「支援者の立場」といったディスカッションをする機会があり、今の仕事にも共通して活かせそうな考察を得たところである。
すなわち、働くことを含め、その人の生き方に関わる現場において、その人の内側にあるものが動かない限り状況は変わらない、というごくあたりまえのことと、選択肢を持った上で「選べる状況」に置かれた人の決心は、外的要因によって捻じ曲げるべきではない、ということ。
「普通、こうだぜ」とか、その人が知らないことを体験させることはできたとしても、最終的にその人が何を選ぶかということそのものにはアプローチすべきではない。そもそも「アプローチ」という行為が成立するか否かも微妙だという、一応の結論を得た。

こういった整理をした直後に出会った書籍のため、内容がIyokiyheaに染みわたるような読後感を得た。


おすすめ度:★★★★★(対人業務についている人には、職種を問わずおすすめ)


2009年9月22日火曜日

池上彰『わかりやすく<伝える>技術』講談社現代新書(2003)、2009年。

NHK「週刊こどもニュース」の初代お父さんの池上氏による、「伝え方」に特化した新書。
平易な文章に、これでもかと実を詰め込んで説明する、池上氏の語り口は、フリージャーナリストとなった今でも全く色あせない。
むしろ、いぜんより更に言葉が洗練されているような気がする。

一読してみての感想ではあるのだが、「伝え方」に特化した書籍でありながら、その「伝え方」を忠実に実践している本ではないかと思う。
だから、余計にわかりやすい。
随所にわかりやすさの「しかけ」は織り込まれているのだろうが、ここで具体的に「○ページの・・・」というのはナンセンスだと思うので、気になる方は是非手にとってみては。

以前、Podcast「長谷部瞳は日経一年生」で新聞記事の読み方・書かれ方について触れたことが、そのまま伝え方にも共通しているということがリンクした。

http://iyokiyeha.blogspot.com/2009/02/2008_16.html
(2009年2月16日投稿分:ちなみに、現在は「西川里美は日経一年生」になっています)

あたりまえのことではあるのだけれども、限られた時間の中で物事を伝えるには、
・リード(結論を端的に、こんなことがありました)
・本記(それは、こういうことですよ)
・理由や原因(背景にはこんなことがありますよ)
・見通し(今後はこんな風に展開しそうです)
・エピソード(そういや、こんなこともありましたね)
という順で、書かれ、語られるのが効果的です。
要は、「逆三角形」で内容を盛り込むやり方です。
じっくり時間をかけて、相手に知らせることのできる場面、例えば長時間の講演や論文など、においては、この原則だけではなく、「起承転結」となり、イメージは「逆三角形」ではなく、「長方形」になる。いい論文は、どこを読んでも素晴らしい、というのと同じ。

Iyokiyehaは、普段プレゼンの機会があると、PPT資料では、Agenda(目次)の前に結論スライドを見せてしまう方法をとっています。
最後まで資料を作って、結論をスライド2枚にまとめるのですが(一枚はイメージ、もう一枚は説明)そのうちのイメージスライドをしょっぱなに見せてしまう。
この方法をとるようになってからは、気が楽になりました。
プレゼン中に、次々と想起する内容も、始めに結論を言っているわけですから、適切なものとそうでないものを瞬時に判断できるようになりました。

この本を読んで「スライドに文章を書かない」とか、「ポイントは3点にまとめる」ということを知った。
確かに、PPTスライドをわかりやすく使う人は、どことなくシンプルである。
「何が面白いんだろう」と思いながらも、よくわかるという不思議な現象は、このあたりの「しかけ」なのかもしれない。


おすすめ度:★★★★★(手軽で効果的。ビジネスマンから学者まで、社会人全般におすすめ)

2009年9月21日月曜日

ドラマ:官僚達の夏

骨のあるドラマでした。
毎回、ジーンと考えさせるエピソードが込められていて、久々に次が待ち遠しいドラマでした。

率直に、通産省(現:経済産業省)って何をやっているのか、ピンとこなかったのですが、日本の経済全体の指針を定め、具体的な法律の制定に深く関与していることを知る。
グローバル化しつつある時代を描いているため、日米安保や領土問題等、外交における案件が、上位の課題として描かれる。
現在においても、具体的な内容は違えど、外交交渉が日本の産業に大きな影響を与えているのは、紛れもない事実である。

そんな第一線の現場で、公のために身を挺して勤務する官僚達の、いわばかっこいいところを見事に描いている。
組織、それも公務員の人事という生々しいやりとりが物語の中核を占めていたりするのだけれども、組織としての合理性と個人の信念とが交錯するあたり、何がいいとか悪いという価値判断ではなく、ある事象をどう見て、どう判断するかによって、方針そのものが変わる現場に生きる官僚達の生き様を、一方では派手に、そしてある側面では地味に、よりリアリティをもたせて描いていたように思えた。

おそらく、賛否両論のドラマかと思われるが、最終回の風越のセリフ「日本はどうなってしまうんだろうなぁ」は、原作にはなく、おそらく現代の日本にあてたメッセージなのだろうと推測する。

2009年9月18日金曜日

おとうさんといっしょ

こども番組はいくつもあるけれど、NHK教育はとても優秀な番組を
作っているなぁと。
大御所「おかあさんといっしょ」は、もちろんおとうさんと観てもいいわ
けで、「いないいないばぁ」と双頭をなしているわけであります。

言葉をどこまで理解してるのかはわからないけれども、ポップな歌には反
応する我が娘。「モノランモノラン」(注:我々の世代では
「にこにこぷん」に相当)への反応は鈍いのに、「ぱわわぷたいそ
う」(注:中西圭三が高らかに唄いあげる体操の歌。たいそう
のよしおにいさんの身体のキレに注目)が始まると、泣いていても
ゴキゲンに。

どちらかといえば、寸劇もちょっと意味の込められた「おかあさんといっ
しょ」よりも、ワイワイガヤガヤな「いないいないばぁ」の方が反応がい
い。うーたんが「きゃははは」と声をあげていると、娘も「あー」と声を
出したり。
日々成長してるなぁ。

そんな生活を続けていると、聴くCDも子ども向けに。前述した中西
圭三。「Woman」とか「Ticket to Paradice」などの名曲を
世に出したIyokiyehaが好きなアーティストの一人なんですが、今
や彼の代表曲といえば「ぱわわぷたいそう」と「ぼよよーんこうしんきょ
く」へと更新されています。

ぱわわぷたいそうを全力で踊りまくって、筋肉痛になる
Iyokiyeha。
そんな自分も、嫌いじゃないこの頃。

2009年8月31日月曜日

森岡正博『最後の恋は草食系男子が持ってくる』マガジンハウス、2009年。

このブログでも「生命学」でおなじみ、森岡氏による「草食系男子」論。
前著『草食系男子の恋愛学』では、いわゆる「草食系」と呼ばれる男性が近年注目されているということを論じていた。
http://iyokiyeha.blogspot.com/2008/08/2008_12.html
(2008年8月12日投稿分)

販促の帯には「優しくて誠実、浮気はしない。結婚するなら草食系男子!」などと書かれているが、いわゆる「ガツガツしない」男性に関して、インタビューを交え説明している。
昨年あたりから注目されるようになった「草食系」であるが、その描かれ方は様々で、説明のされ方によってはかなり「頼りない」ような印象が込められてしまっているものも週刊誌などでは時折目にする。
森岡氏は、個人差はあるとして、いわゆる一般的に言われる「男性像」とは異なる「草食系」の男性達の具体的な生活様式や行動傾向、思考の傾向について、事例を丁寧にひきながら説明している。
どちらかといえば、「草食系」の男性とうまく関わっていきたいと思っている女性向けの書籍のように思われる。

読めば読むほど、Iyokiyehaは自分が「草食系」なんだろうなぁと感じる。
別に弁当は作らないし、主導的に関わらないというわけでもないのだが、いわゆる「草食系」の人と接する(特に異性とのかかわり)際の感じ方、考え方は、共感するところが大きい。
よく言われる「男とは」みたいなこと(「据え膳食わぬは・・・」みたいなやつ)には、結構違和感を持っているIyokiyehaとしては、「よく説明してくれた!こんなヤツもいるんだぜ!」といった思いがある。

ここまで共感しなくても、現代を生きる男性をもう少し詳しく理解したいと思っている人には、軽く読める割には学びの大きな書籍だと思う。


おすすめ度:★★★★☆(誰にでもおすすめです)

粛々と月末

一週間のPSWスクーリングを終え、課題レポートもなんとなく仕上げたので、何ヶ月ぶりかのぐうたら休日。

たまには悪くない。

引越し当初から気になっていた、書棚周りを片付け、ようやくモバイル勉強環境が整備できつつあります。無線LANの整備や、書棚の整理、机は食卓を使うことで、ギリギリまで省スペース。隙間時間の活用がますます加速しそうです。

金曜日。

学生時代にお世話になった恩師の一人から着信。

「おー、珍しい」と思いつつ、電話に出ると第一声、

Iyokiyeha君、19時に新橋に集合ということになったから」

2年半前の私の結婚式に参加していただいて以来会っていないのにも関わらず、相変わらずな先生です。

私もこの間、仕事するようになり、結婚して、子どももできたということで、少しだけステージが違う話ができたかなと。

Iyokiyeha君も出馬せんとな」

くらいのことを言われ、冗談と思っていたので茶化しました。

某市議が国政へと行ったら、ということなんでしょうが、なかなか面白かったです。

全く可能性ゼロということにはせずに、私自身の周りにそういう風が吹いてきたら、勉強してみてその時考えます。

日曜日。

娘とバカみたいに遊びつつ、選挙速報。

世の中は激震かと思うほどの変化が起きている。

「マスコミが煽りすぎた」と、私の感覚と報道とを一致させて感想を言うことは、あまりに簡単だし、「民主党お手並み拝見」なんて言ってしまうのも、それほど難しくない。

ただ、個人的な感想としては、「どこが政権をとろうが、信念を貫いて政治の仕事をして欲しい」ということだけである。

民主党政権、どうなるのかという楽しみと、これまで政界であまり活躍の場がなかった、優秀な人達の活躍が見られることが楽しみとが同居した感覚を味わっている。

勤務している組織に、自分の知らない「終わり」があるのならば、その日はまた5年くらい縮まったのだろうが、まぁそのあたりはその時にならないとわからないこと。

私がすべきことは、万が一の失業となっても家族を食べさせていくだけの腕と人脈を作っておくことだと、改めて確認する。

柳井正『一勝九敗』新潮文庫、2006年。

ユニクロでご存知、ファーストリテイリングの柳井会長兼CEOが、2003年頃までの同社の沿革を、柳井氏の経営理念とともに語った著書。

前衛的な経営が店舗運営にも反映されているようにも思われる同社の経営、運営方針から、一社会人として学ぶことも多い。

柳井氏とファーストリテイリングのこれまでの経緯全体を読んで感じたことは、「試行錯誤」を徹底してやっていくのであれば、スピード感と何が何でもやってやろうとする執念というか、強い意志が不可欠であるということ。

のんびりと失敗、再検討を繰り返していたら、それこそぬるま湯の蛙のように、いつの間にか煮立っていることに気づかず、事業で言えば沈没-整理という一路をたどることになる。

自らの仕事も同様。可能なところで、如何にスピード感を保つか、意志と情勢を如何に調整させていくのか、ということが、現代を生き残る上で不可欠な要素であるかということを改めて確認できた。

いくつか気になる点(ドッグイヤー的に)は以下の通り。引用含みます。

・試行錯誤の土台は、スピードとがむしゃらさ。とにかくスピードが要求され、常時リストラ(再構築の原意で)、失敗した場合の「即時撤退」が鍵。

・広告宣伝は、0か100かの評価。ほどよい、はありえない。広告を見る人を信頼し、「伝える」のではなく「伝わる」表現方法を、コンセプトを解釈した上で、自由な発想で考える。代理店に丸投げするのではなく、広告主がクリエイターに「伝える」ことを怠ってはいけない。

・「店長でいる」ことが最終目標。店長はスタートでありゴールである。顧客の最前線で店舗を運営する。本部の意向をくんで、逐一本部の指示を仰ぎ、マニュアルをこなすのではなく、現場の意向を本部の方針に反映させるために、優秀な店長が現場にいることが大切。

ユニクロの広告戦略は、最近本当に「上手い」と思うところであるけれど、長年通じて積み重ねられた経験の賜物であることを実感できた。

「伝える」も大切だけれども、「伝わる」ことが最も大切であること。

そして、自分が伝えたとおりに「伝わる」かどうかは、かなり差があること。

広告戦略とはいえ、自らのカウンセリングにおいても、いかに「伝える」かと同時に、どう「伝わる」のかということを意識したやりとりが実は大切なんじゃないか、今までやっていて感じることのあった「違和感」は、ひょっとしたらこういうところ(要は、私が伝えたと思っていて、相手を観察した伝わったと思っていることが、実は相手にしてみたら私の意図とは違うように伝わっていた、という状況)にあるのではないかと、経験を再検討するきっかけになった。

あとは、現場主義。

この感覚だけは、私が今後どんな立場になっても忘れないようにしようと、再確認できた。

「立場上」ということを、感じ、場合によっては言う必要もでてくることがあるかもしれないけれども、現場で何が起こっているのか、最前線では何がトピックなのか、ということをできれば自ら体験するくらいの意欲をもって、現場に対峙していきたいと思った。


おすすめ度:★★★★☆(働いている人におすすめ)

2009年8月26日水曜日

内橋克人『共生の大地 ――新しい経済が始まる』岩波新書(新赤版381)、1995年。

今読んでも、全く色褪せない新書。

こういう本を名著と言うのだろう。

利益を追求してきた高度経済成長期を経て、バブル崩壊、再期をかけて社会のあらゆる人達が奮闘していた時期に、経済的な利益だけではなく、安い言葉かもしれないが、世のため人のため後世のために奮闘していた組織とそれを構成していた人達の記録である。

内橋氏は「多元的経済社会」という言葉を使いつつ、行政、政治主導の地域活動ではなく、企業や企業人の有志、果ては今では特に珍しくないが、市民活動に触れ、そこに多様な価値を見出していく。真の問題解決とは何か、よりよく暮らすとはどういうことかといったことについて、淡々と事例をおいながら考えさせる。

NPOを名乗る、行政の出先機関と化した団体も少なくない昨今、非営利活動とは一体何なのか、その本質や醍醐味、価値を、統計や数的データではない手法で見事にあぶり出している。

出版されてから既に15年くらいになる新書。

実はIyokiyehaの書棚にも学生の頃から並んでいた。

お世話になっていた、ある先生から「これは読んでおけ」と十回以上言われていて、なかなか読破できなかった本でもある。当時は紐解いたのだけれども、その面白さや迫力に気づけず、何度も延期扱いになった記念すべき書籍でもある。

当人がこのブログを見ているかどうかは分かりませんが、一応、報告も兼ねて。

専門書、ではないけれど、書籍としての成果は大きい、インパクトのある読み物だった。

社会人として、公的機関に所属する立場となったから、また違う読み方ができて、一気に読みきれたのかもしれない。

この迫力は、学生にもひよっこ社会人にも、ベテラン社会人にも味わってもらいたいものである。

おすすめ度:★★★★★(誰にでもおすすめ。言葉がわからなくても読み進めることをおすすめします)