2009年9月21日月曜日

ドラマ:官僚達の夏

骨のあるドラマでした。
毎回、ジーンと考えさせるエピソードが込められていて、久々に次が待ち遠しいドラマでした。

率直に、通産省(現:経済産業省)って何をやっているのか、ピンとこなかったのですが、日本の経済全体の指針を定め、具体的な法律の制定に深く関与していることを知る。
グローバル化しつつある時代を描いているため、日米安保や領土問題等、外交における案件が、上位の課題として描かれる。
現在においても、具体的な内容は違えど、外交交渉が日本の産業に大きな影響を与えているのは、紛れもない事実である。

そんな第一線の現場で、公のために身を挺して勤務する官僚達の、いわばかっこいいところを見事に描いている。
組織、それも公務員の人事という生々しいやりとりが物語の中核を占めていたりするのだけれども、組織としての合理性と個人の信念とが交錯するあたり、何がいいとか悪いという価値判断ではなく、ある事象をどう見て、どう判断するかによって、方針そのものが変わる現場に生きる官僚達の生き様を、一方では派手に、そしてある側面では地味に、よりリアリティをもたせて描いていたように思えた。

おそらく、賛否両論のドラマかと思われるが、最終回の風越のセリフ「日本はどうなってしまうんだろうなぁ」は、原作にはなく、おそらく現代の日本にあてたメッセージなのだろうと推測する。