2009年11月23日月曜日

上田渉『脳が良くなる耳勉強法』ディスカヴァートゥエンティワン、2009年。

Febeでおなじみ、株式会社オトバンクの社長上田氏による、耳学習法。
オーディオブックに限らず、語学学習などについて、聴覚を活用したリスニングの効果を記憶のメカニズムから説明している。
また、耳からの学習法を「その人の得意な感覚にあった」学習法の一つとして紹介し、視覚情報処理と聴覚情報処理を区別している。
その過程で、ディスレクシア(Dyslexia:他の諸能力と比べてリーディングの力が低い人)の学習をとりあげ、上田氏がかつて苦手だったという学業を克服した経験を語る。
本書の中では、耳勉強法のメリットを以下の5つとしている。
1.言語能力の向上
2.「すき間時間」の有効活用
3.本との対話がしやすい
4.手が空く
5.想像力が活性化する
それぞれの説明に加えて、巻末にはおすすめのオーディオブックやPodcastの紹介もついている。
Iyokiyehaのオーディオブック・Podcast歴は1年くらいになるが、既に数十冊のオーディオブックにお世話になっている。
中には、聴いた後に買って読んだ本もあったりするが、大体読んだ本と同程度の知識が得られているように思う(読むのと聴くのと、そんなに差がないということ)。
耳からの学習は、Iyokiyehaの貴重な勉強時間にもきちんと位置付いている。
現在は、iPhoneと、Creative社のZENを併用している。
イヤホンは再考の必要あり。
聴覚学習の特徴として、自分の経験をまとめておくと、
1.ニュース・報道系の純粋に情報をアップデートするものなら、歩きながら、移動しながらの「ながら聴き」が有効
2.オーディオブックや語学学習など、内容を把握して「次を考える」質のものは、行き慣れた場所への移動や通勤などの「ながら聴き」でも可能(初めての場所への移動中などには向かない)
ということは挙げられる。
こうやって考えると、移動時間にも種類があったりするわけで、その性質によってできること、やった方がいいことが変わってくる。
自分自身の生活時間にもいくつかの種類があることにも気づかされた一冊でした。
おすすめ度:★★★★☆(誰にでもおすすめ)