2008年8月28日木曜日

松久淳、田中渉『あの夏を泳ぐ 天国の本屋』新潮社、2008年。

松久+田中コンビによる6年ぶりの小説とのこと。
彼らが描く世界は、とても静かで、穏やか。
でも、小説の中に「人が生きている」感じが読み取れる。
人の純粋さ、美しさ、葛藤、矛盾、若さ。
生きた描写の中に、様々な感情が読み取れる。

Iyokiyehaは、小説をあまり読まないのだけれども、このシリーズはずっと読んでいた。
「天国の本屋」を介して描かれる世界観が、おそらくIyokiyehaにはフィットしているのだろう。
「似合わない」と言われても、好きなものは好きなのだ。
こればっかりは、仕方がない。

ベストセラーにランクインしている小説のようにギスギスした人間関係ではなくて、もっと生々しい、それでいて純粋な、Iyokiyeha自身の人生とも一部触れているような描写(私はあくまで男性ですが、なんていうか、若い頃の初々しさとか切なさとかといった感覚)が、読んでいて非常に心地いい。
好きな小説シリーズなので、評価は甘めです。
私の好みってことで。


おすすめ度:★★★★★