2008年5月4日日曜日

マズローの「欲求5段階説」

マズロー(Maslow, Abraham Harold)を中心に、人間の発達に関する論について、読む機会があったので、簡単にまとめてみる。


マズローは、「人間は生まれながらにして、より成長しよう、自分の持てるものを最高に発揮しよういう欲求をもつ存在である」という考え方に立ち、人格形成の中心に自己実現をすえる。
その中で、代表的な論に、人間の基本的欲求には階層があって、それらが適度に満たされることで、より成長し心理的に健康になっていくとする「欲求の5段階説」がある。

1)生理的欲求
生きていくために必要な食物・水・空気・性欲などに対する欲求
2)安全への欲求
安全な状況を希求する
3)所属と愛の欲求
親や仲間から愛されたい、集団に属したい、愛情や友情を分かち合いたい
4)承認欲求
他者から認めて欲しい、評価してほしい、自分自身を受け入れ自尊心を持ちたいと希求する
5)自己実現欲求
上記1)~4)がある程度充足されるなら、自己の才能・能力・可能性を充分に発揮して生きよう、なしうる最善を尽くそうとする。

このうち、1)~4)は、欠乏に根ざした欲求で、充足によって緊張が鎮静されると感じられるという点で「欠乏欲求」と呼ばれる。
これに対して5)は、自己充足的な欲求であると同時に、そこでの緊張は鎮静され解消されるべきものというよりは、持続され高められることが望まれる、という点で「成長欲求」と呼ばれる。

(松久保章編『臨床に必要な精神保健学 -精神保健学』弘文堂、2008年、38ページ。)


マズローの欲求5段階説は、学部生の時に教育心理学か何かの授業で勉強して、大学院生の時にも特講か何かで取り上げられて、確か今の会社の研修でも勉強して、メンタルヘルスマネジメントとるときにも出てきた。
なのに、これまで未整理だったのが、とても不思議。
メンタルヘルスマネジメントのときに、「使える!」と思っても、教材化してなかったのを思い出した。
仕事で職業指導するときの、話のネタにはなるかなと思うので、今度こそ、使える形に整理します。