2008年5月31日土曜日

梅田望夫、平野啓一郎『ウェブ人間論』新潮社、2006年。

『ウェブ進化論』の梅田氏と、小説家平野氏による対談録。
インターネットの進化とともに、人間はどのように変化しつつあり、そして変化していくのか。
異なる考え方を持つ二人が、人間の将来について縦横無尽に語り合う。

書籍の将来象や、ロングテールの考え方と未来、果ては人間関係の変容と未来予想など、「インターネット」で括れば全てそこに納まってしまうが、敢えて対談という形式をとることによって、その下位領域の具体的な姿について率直なやりとりがかわされている。
「インターネット」の立場からすれば、平野氏の指摘がやや話題から反れているかと思わされる箇所も散見されるが、基本的に小説家の立場として、「人」の内面を描ききることを生業としている立場から、率直な疑問がぶつけられているように読めた。

Web上の評価はあまり高くないが、充分楽しめる内容だった。

おすすめ度:★★★★☆