2007年10月28日日曜日

デボラ・R・ベッカー他著、堀宏隆、他訳、大島巌、他監訳『精神障害をもつ人たちの ワーキングライフ』金剛出版、2004年。(4)42ページまで。

第4章
「援助付き雇用へのIPSアプローチ序説」

IPSモデル概論

○IPSが依拠する8つの原則
1)リハビリテーションは、精神保健の治療・援助に「統合された構成要素」である
2)IPSの目標は「一般雇用」
3)重度の精神障害者であっても、職業準備なして一般雇用に至り、成功している
4)職業的アセスメントは、一般雇用の場で継続して行われる
5)継続・同行支援の期間は、個々人に応じて設定され、一定ではない
6)求職活動や、障害の開示、職場における支援は、クライアントの希望による
7)IPSサービスは、治療・リハ環境ではなく、地域の中で提供される
8)分離した期間・仕組みによる並行したサービスではなく、各職種のチームアプローチにより、職業サービスと、臨床サービスが統合されている

○IPSユニット
     ○          ←IPSコーディネーター(1)
   ○   ○ …     ←就労支援スペシャリスト(2)
 ○○○○○○○○○… ←クライアント(3)

(1)IPSコーディネーター
職業リハビリテーションスーパーバイザー。修士号を持ち、職業リハビリテーションの実務経験がある者。
(2)就労支援スペシャリスト
臨床サービスと職業サービスを調整する。双方への情報提供や会議の実施を通して、クライアントをチーム全体で支えるための支援者。経歴よりも人柄(楽観的、精力的であることが望ましい)が求められる。
(3)クライアント
「重度であること」や「職業準備性が身についていない」ことにより、サービスの対象から排除されない。

(1) : (2) : (3) = 1 : 2- : 20-25 の割合であるのが望ましい

○Place – Train モデル(前述)
 個人特性に応じた「職探し」→「支援」の順で実施される。