2008年6月7日土曜日

池上彰『ニュースの読み方使い方』新潮社、2007年。

平成16年にダイヤモンド社から刊行された『池上彰の情報力』を改題し、加筆・改稿したもの。

「『問題意識』を持っていると、情報は飛び込んでくる」というくだりは、私が以前行きつけの書店に行くと、まれにあった感覚と同じようなもののように感じた。
漠然とでも「読みたいな」「知りたいな」と思っていることがあると、いつものルートで書店を歩いているだけで、なぜか「ピン」とくる。
不思議なものだ。

池上氏は、新聞スクラップや読書メモなどを作成することによって、情報整理している。
方法そのものは、いくつか活かしながらも、不精な私にとってはなかなか真似できないものも多い。
ただ、原点に返って「なぜ情報収集するのか」ということに関して、池上氏の主張は「仕事の上でもプライベートでも、的確な情報をもとに、正しい判断ができるようにするため」(223ページ)である。
このことは、池上氏が特に主張している内容ではなく、各分野で「一流」と呼ばれている人が情報収集について語るときに、必ずといっていいほど言われる内容である。
この原点に立つと、自分に「必要」かどうかは、整理してからわかることだということもわかる。

ニュースの読み方に留まらない、情報収集に関する池上論。
文庫版は手軽に楽しめる分量です。


おすすめ度:★★★★★