2007年8月5日日曜日

うつ・気分障害協会『「うつ」からの社会復帰ガイド』岩波書店(岩波アクティブ新書)、2004年。

テレビで特集を組まれることも多くなった気分障害。在職者の復職に焦点を絞って説明されている。

気分障害の概要として、うつ病と双極性の分類があることや、原因として内因性(素質・遺伝子)、心因性(葛藤・過労)、身体因性(病気・加齢)の分類。支援の基本として、1)注意サインの発見、2)再発防止の取り組み、3)段階的な支援をあげている。
正しい薬物療法で、約75%の患者が回復し、心理療法と組み合わせることで約90%の患者が回復する。難治性のうつ病は全体の約10%程度、再発は平均4回/10年であるなどのデータも紹介され、気分障害についての基礎文献としても読める内容。

療養(半年~1年)後、一進一退を繰り返しながらでも回復に向かった後の復職の取り組みとして、リハビリ出勤が有効であるとの説明がある。1)会社の前まで行って帰宅する、2)会社に行って挨拶をして帰ってくる、3)勤務時間の一部でも勤務場所にいてみる、などの段階を経て、慣れていくことを提案している。
復職のポイントとして3点まとめられているが、前提としては「会社はリハビリ施設ではない」ことがあげられている。前述したリハビリ出勤は1~2ヶ月が限度。ポイントは1)8時間/日勤務ができること(調子が悪くとも休まず働ける)、2)一人で通勤できること、3)職場にできる仕事があること。

この内容は、今の私の仕事でもそのまま使える尺度といえる。