2024年4月29日月曜日

荻野弘之、かおり&ゆかり『奴隷の哲学者エピクテトス 人生の授業 -この生きづらい世の中で「よく生きる」ために』ダイヤモンド社、2019年。

  自分ができることと、できないことを区別する。事実と評価は異なる、事実に善悪はない。どんなことであっても「善用」はできる。「自由に至る唯一の道は『我々次第でないもの』を軽く見ることである」欲望、判断、忌避、意欲は自らの欲望としてもいい(我々次第のもの)が、例えば、評判、身体、地位、財産などは、我々次第でないもの(裁量の外にある)であるから、として、軽視する。これを「禁欲」と呼ぶのが古代ストア派の考え方として紹介されている。この根本的な思考から、個別具体的な考え方が論じられる。

■以下、項目引用

84 人々を不安にするものは、事柄それ自体ではなく、その事柄に関する考え方である

132 「傷つけられた」と君が考える時、まさにその時点で、君は実際に傷つけられたことになるのだ

152 他人と同じことをしないでいながら、同じものを要求することはできない

164 他人をも自分をも避難しないのが、教養のできた者のすることである