2008年4月14日月曜日

見えない不安に押しつぶされて

「嫌い」ということで逃げたくはないのだが、電話による相談は好きじゃない。
なぜならば、相手の顔も見えないし、相手と共通認識に立つのが難しいから。
だからといって、手を伸ばす人には手を差し伸べる責任がある。
多少大袈裟に、自分を奮い立たせて電話口に立つ。

「電話、切らせてもらってもいいですか・・・」
カウンセラーとして、これ以上のショックはない。
ぼんやりと岐路につく。


話をしながら、電話の向こうにいるその人が思い描いていることと、私が思い描いていることとの間に差があって、話せば話すほどその差が大きくなっていくのを感じてしまう。
物理的に言えば、例えば合気道をやっていて、縦でも横でもない複雑な力が自分に向かってくるかのような感覚。
問題の本質をつかめないまま、いくつもの問題が未整理のまま残される。
取っ掛かりがつかめず、解決に向かうプランの一つも立てられずに、また次の次の不安に襲われる。

私が相談する多くの人は、日常的にこういった状況に陥っているのかもしれない。
http://iyokiyeha.blogspot.com/2008/01/blog-post_05.html
(2008年1月5日 情報の「可視化」)
「見えないもの」に対する不安は、精神疾患の有無を問わない。
不安を持つ人と本気で関わっていくことによって、他ならぬ私自身が整理できない不安の中に身を投じることになる。

このことを忘れたら、身の安全は確保できないかもしれないと感じた出来事だった。