2008年4月20日日曜日

acknowledgment(認めること)

「コーチング」に関する本を読み進めていて、acknowledgmentという考え方に目が留まった。

acknowledgment:名 1)(過失・事実などの)自認、自白、承認;認定、公認。2)(手紙・金銭などの)受け取り通知書、領収書、礼状。3)(好意などに対する)感謝、お礼

コーチングのプロセス(会話を重ねることを通して、相手に目標達成に必要なスキルや知識を備えさせ、目標に向けての行動を促していく)において、相手の「行動が変わる」ということが求められる。

人に対して指導をする場合、「褒めて伸びるタイプ」とか「叱って伸びるタイプ」などと言うことがある。
大勢の人を分類する際、こういった分け方ができるかというと、根拠はないが「あるように」思う。
ちなみに、Iyokiyehaは「褒められたらより伸びるタイプ」でしょう。

私は仕事の中で、程度の差こそあれ「相手の行動を変える」ことを試みることがある。
職場適応を図る上で、より適応的な思考・行動への変化を求め、行動に反映させていく支援をすることもある。
その際、相手に対する働きかけをより効果的にする考え方として、このacknowledgmentがよりフィットするのではないかと思う。

なぜならば、「褒める」も「叱る」も、それを行う主体の「評価」がそこに介在することになる。
「○○ができたね、素晴らしいね」と言った時の「素晴らしい」は、それを言った主体の考え方であり、相手に対する評価である。
同様に「どうして△△ができないんだ!だめじゃないか」と言ったときの「だめ」も、それを言った主体の相手に対する評価である。
この「評価」というのは、実は曲者で、相手を理解する手段であっても、必ず相手の自己認知を促す手段になりうるとは限らない。
相手が真にそれ(評価)を望んでいれば受け入れられることになるが、望んでいない場合にはそれは受け入れられず、場合によっては評価を拒否するに留まらず、人間関係そのものを否定する事態にも発展しかねない。

コーチングにおけるacknowledgmentとは、「相手の到達点をそのまま口にすることによって、相手が達成感を持つように導く行為」であるとしている。
また、より高い効果をもたらすacknowledgmentとして、「相手自信が気づいていないことを先に察知して、それを伝える」こととしている。
こういったコミュニケーションにより、相手は自分が行ったことにより自分が成長し変化したことに気づく。
この感覚が、行動変化に対する内発的な動機付けになりうるものと考えられる。


仕事に関する読書メモです。
伊藤守『図解 コーチングマネジメント』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2005年。