2008年2月24日日曜日

安部司『食品の裏側』東洋経済新報社、2005年。

食品、添加物商社に勤務していた著者が、食品添加物の「光」と「陰」について、普段スーパーなどで見かけるものを例に、わかりやすく説明する。
食品添加物が、人間(特に子ども)から、「食べる」ことについて考える機会を奪い、ひいては「感謝の気持ち」まで奪い取ってくことを、「陰」の側面として語ることは、添加物を商品として売り込むことをやってきた安部氏にしかできないことかもしれない。
食品に加えられた添加物を完全に排除することは、現代では難しい。
もちろん、品質や味の安定したものを、手軽に手に入れることができ、炊事の手間も軽減される、食品加工の過程で膨大な手間と時間を削減することができる、などの「光」の側面についても触れられている。

身近なものに、どれくらいの「食品添加物」が加えられているのか、ある程度はラベルによって判断できるのだが、複雑な物質名からというわけではなく「常識的な判断」をするために必要な基礎知識が学べる書籍だと思う。

個人的には「やっぱり」という内容であった。
食生活には結構気をつけているつもりであるし、一人暮らしの頃は「健康マニア」と言われてもおかしくないような買い物をしていたのだけれども、心のどこかで「これでも足りないのだろうなぁ」と思っていた。
予感は大体的中していたが、Iyokiyehaがやってきたことも、それほど間違ってはいなかったこともわかった。
岡山で一人暮らしをしていた頃に購入していたのだけれども、機会がなく、ようやく読み切った書籍。
もっと早く読んでおけばよかったとも思う。

今では、食生活は嫁さんに委ねているので、Iyokiyehaが細かいことまであれこれと口を出さないようにしている。
これも、嫁さんを信頼しているからできること。
幸いなことに、私がこの本を読んでいるときに、嫁さんがこの本を読んでくれたようで、多少ラベルも夫婦揃って気をつけてみるようになった。
「あれが危ない、これが危ない」といったことだけでなく、「なぜ、危ないのか」ということについて、非常にわかりやすく説明されている。
著者は講演会などで、一般の人向けの説明に慣れているのだろう、特別な知識がなくともわかりやすくまとめられている。

ブログ用の文章なので、あえておせっかいを書いておく。
薬局などで市販されているドリンク剤。
Iyokiyehaも、特に大学院時代にはよくお世話になったものであるが、食生活に気をつかうようになって(岡山時代)から、飲用後の「身体の違和感」に気づいて使用しなくなった。
一瞬の高揚の後にくる倦怠感。
糖分の過剰摂取によって、一旦は冴えた「気になる」が、その後やってくる「自分の身体が、自分の身体の体内バランスをとろうとしている」感覚と、それによって身体が疲弊する感覚に気づいてからは、「これは危ない」と思うようになった。
手元にないから確認できないけれども、添加物なんじゃないかなぁ。
身体への蓄積も心配。
会社だけでなく、友人や先輩、知人の皆さまへの「おせっかい」でした。

おすすめ度:★★★★★