2008年3月23日日曜日

手塚治虫『どろろ』(全3巻)秋田書店、1994年。

映画化されたのは、昨年(2007年)だっただろうか?
妖怪の呪いにより、身体の48箇所が欠けて生まれた百鬼丸が、妖怪を退治し自分の身体を取り戻していく。
自分の身体を取り戻していくことが旅の目的であると同時に、父親への復讐も盛り込まれ、さらには「身体を全て取り戻した後」についても物語の中で言及される。
村を襲う妖怪を退治するにも関わらず、自らもまた「不完全な人間」であるがゆえに、差別や迫害を受ける百鬼丸。
泥棒どろろは、そんな百鬼丸を慕い旅に随行する。
どろろの父親が残した財産も、物語のいいスパイスになっている。
手塚漫画は、よくこういった描写がされるが、人生の真実を裏表なく描ききっていて、随所で自分の生き方について考えさせられる。

おすすめ度:★★★★★