2007年12月2日日曜日

佐藤悦子『SAMRAI佐藤可士和のつくり方』誠文堂新光社、2007年。

気鋭のアートディレクター佐藤可士和の妻である悦子氏が、「夫をブランディング」するためにやってきたこと、やっていることをまとめたもの。
前回紹介した『超整理術』の内容が、何を基盤にして成立しているのかということがわかる。悦子氏と可士和氏は、どちらかが支えているとかいう単純な関係ではなく、まさに二人三脚であるといえる。そしてその二人三脚は一人で走るよりも数倍速く、力強く走ることができる。夫婦でお互いを高め合う、ということの理想的なモデルがここにあるといえる。

内容の中で、印象に残ったことは、悦子氏が「SAMRAI」の仕事を選別する際に「できることと、できないこと」を明確にすることと合わせて、「すべきことと、すべきでないこと」を冷静に考えて、求められるものを把握しているのだということだ。私の古巣(NPO)で自然と考えられていたことが、こんな形で言語化されるとは思いませんでした。ミッション(使命)は何か、そのためにすべきことは何か。普段の仕事においても「全体を俯瞰」して、求められていることを冷静に実施し、できないこと、やるべきでないことは、信頼できる人にお願いすることを意識したいものです。