2007年12月16日日曜日

12/13 研修4日目(ケーススタディ、高次脳機能アセスメント)

「ケーススタディ」
熱い面子のチームで討議を重ねることによって、今回の研修における私のテーマがはっきりした。

真のニーズに近づくアセスメント。

職業カウンセリングの対象は、障害をもったクライアントだけではなく、事業所も関係機関やその担当者も、全て当てはまるように考えられるようになった。
仲間が持ち寄ったケースからも、1)家族の意思が計画策定の根底にあり、本人ニーズが見えにくいケース。2)支援者ニーズが先行し、本人の同意を得たことにはなっているものの、やはり本人が真にどうしたいのかは見えにくい(優先順位が変わる)ケース。3)事前情報の少なさから、本人ニーズと支援内容が噛み合いにくいままジョブコーチ支援が中止となったケース。4)事業所のクライアント支援モチベーションが低いところに、関係機関が調整して職業センターの支援となったケース。5)限られた情報から発達障害を疑いすぎてしまったケース。など、実に多彩であった。

本人が不適応を起こしていることを、事業所はどう思っているのか。
何とかしたいのか、それとも放っておいていいのか。
関係機関はジョブコーチ支援で調整しているものの、どんな役割分担で、職業センターに何をしてほしいと「考えて」いるのか。
それは、支援可能な項目なのか。
うがった見方をすれば、会社は「どうにかしてほしいけど、面倒なのは嫌」と思っているところに「何とかしますよ!」と関係機関が調整し、職業センターのジョブコーチが支援することになったが、「雇用管理につなげたい」という意向が職業センターと関係機関にあったことにより、事業所にお願いする項目が増えた。
発表ケースを下敷きにすると、これくらいのことはありうることとして記載できる。
この場合、本人のモチベーションと置かれている状況についての理解がどの程度かというアセスメントは必要だが、クライアントは事業所なのか関係機関なのか。
クライアントの主訴はなんなのかについて、どこまでも冷静にカウンセリングする必要がある。
主訴は「診断」するものかもしれない。

この深度で「ニーズ」と「アセスメント」について考える、いいきっかけになった。

最後に、当面考えながら仕事すべき項目を記録する。
・ミスの多いクライアントであっても、事業所への「売り込み」を常に考える
・面接同行は、本人ニーズに沿った形で。支援内容は事前打ち合わせで整理
・障害開示の程度についても、同上
・クライアントを交えず、カウンセラーと事業所とで打ち合わせの機会を持つ(本音を引き出す)
・現場見学や事前体験をお願いする
・クライアントに名刺を渡し、主治医や心理士に渡してもらってつなぐ
・事前情報収集チェックリストの活用
・精神障害の相談項目として、注意サインと、幸せな時(リラクゼーション)
・雇用後JC支援は、これまで事業所が築いてきたことを「ふりだしに戻す」側面がある
・模擬的就労場面は、本人特性が「出過ぎる」ため、優先順位をつけて課題改善に取り組む
・本人の課題ばかりではなく、出来ている中に「出来ない部分もある」といったイメージで取り組む(ストレングスにも注目)