2007年12月16日日曜日

12/11 研修2日目(業務ふりかえり、地域分析の方法)

研修2日目。
昨晩は、宿舎でBoot Camp(腹筋プログラム)をやったので、腹筋から大腿部にかけて筋肉痛が出る。

どうも、研修を貫く成果として「視点の切り替え」ということが浮かんできたように思う。
あくまで個人的な成果であるので、研修全体のものも冷静に見据えていたい。

「カウンセラー業務の振り返り」
1)障害者の障害特性と職業相談・職業評価などに関すること
司会進行を務める。
進行役は、全体の雰囲気を見ながら、自分の関心のあることに話題を水路付けできるのでそんなに嫌いじゃない。
参加するよりも考えるから、その分実入りも大きい。
私は、最近IPSを勉強していることもあり、「評価ベースの職業リハビリテーション」から「クライアントニーズベースの職業リハビリテーション」を意識しつつある。
業務手引きを見ても、「ニーズ:希望、要望」の把握は根底にあるものと位置づいているわけだが、どうも日常業務を振り返ると、クライアントのニーズはそこそこに、評価結果から方針を立てて「相手を説き伏せる」同意の取り方をしているように思う。
「この計画に乗るかそるか、乗らなければがんばってね」くらいの意識なのかもしれない。
この検討を是非やりたいと思っていたのだけども、昨日の「職業カウンセリング演習」の内容や、チームの他メンバーの「ニーズ」がそこにどんぴしゃではなかったので、評価技法・ツールの話題に終始した。
クライアントに生活状況の記録をとってもらい、継続することで、その人の「リズム」を評価する手法であるとか、数的客観データを取る工夫やツールなどの情報交換ができたと思う。
他のチームの発表でなるほどと思ったのは、「本人に気づきを与える・促す」時、本人視点に立つと「気づかされる」わけであり、その強度や質には注意すべきなのかもしれないということ。

2)事業主援助に関すること
事業所担当者の立場になったときに、どんな情報が欲しいのか、と考えることが大切かと思った。
センターを知らない事業所に対して、(1)センター業務の説明、(2)クライアントの面接に同行する、場面を設定し事例交換。
センターの業務説明に話し合いがおよばなかった(「就職後のフォローはどうなるのか」のみ)のは残念だが、面接同行場面についてはいくつか参考になることがあった。
「過去の障害状況を詳細に伝えない」というのは全員で一致、それだけじゃなくて、「何時間働けるのか、どんな作業はできるのか、慣れるまでの目処」などについて、具体的な状況から説明すべきだし、「叱責の耐性、逆ギレされた場合の対処、言ってはいけない言葉」などは、確実に伝えなければいけない。
「この人はどんな人?」という問いに対しては、「出勤状況、障害の一般的特性と個人特性など」について確実に答えられるよう整理し、本人と打ち合わせた情報を開示する。
他のチームの発表では、事業主が安心してもらえるような情報提供や、良い(必要な支援を提供できる)関係を結べるようにする、同業他社事例など事業所の要求レベルで調整する、など、やはり事業所視点で考えて整理することが求められていると思う。

「地域分析の方法」
「地域」や「福祉」といった漠然とした概念のイメージ化と、「住民」参加の手法を演習する内容。
上記「」内の言葉は、誰もがイメージをもつことができるがゆえに、その対象が曖昧だったり、人によってイメージが異なったりするものである。
そういった曖昧さは残したまま、「地域福祉計画」や「地域福祉活動計画」といったものが策定されつつある現状について確認し、その策定にあたっては住民参加が欠かせないとして、KJ法を活用した意見集約について演習する。
行政が地域住民のニーズを把握する方法として、調査(アンケート、ヒアリング他)、広報、イベント、ワークショップ(座談会:自由討議の場)、意見箱、パブリックコメントなどがあげられる。
情報の信憑性と正確性について、それぞれ一長一短はあったり、抽出調査では把握の主体によるバイアスがかかりやすいなど、様々な課題を残しながらも、意見集約時に確かに言えることは、情報収集=意見の構造化、ということである。
膨大な具体やイメージからあげられる意見を、いくつかのポイントに集約していく。
集約した上で、体裁を整え、主張を明らかにしていく。
全てではなくとも、住民の意見を反映させる一つの方法である。
その手法としてのKJ法体験であった。

個人的にはKJ法はいろんなところでやっているので、特に目新しいことはなかったものの、ワークに参加してこんなことを考えた。
意見集約時に大切なのは、個々が持っている意見を「目に見える形(可視化)」にしていくこと。
いかに本音を引き出すか。
ワークショップとはいえ、多少は緊張があるなかで、どのように引きずり出していくかがポイントになる。