2007年9月29日土曜日

最近の気づき

毎日のおつとめトレーニングと、週1回の合気道で気づいたことをメモ。最近さぼってました。

■進む→ブレーキ→進む→ブレーキ・・・

身体動作は、細部に分けて考えていくと、ものすごいスピードでものすごいたくさんの動作をこなしている。小項目は、歩いたり、走ったりするときの動作。例えば、一言で「歩行で前進」と思っても、それを分解していくと、

1)直立
2)重心が前に移動
3)合わせて、倒れないように右足を出す
4)右足が地面に着くと、バランスをとるために重心移動にブレーキをかける
5)ブレーキをかけるのと同時に、重心が右足に移っていく
6)重心が完全に右足に移るのとほぼ同時に、左足で地面を蹴る
7)左足で地面を蹴って作った推進力を右足にためる
8)蹴った力で左足を右足より前方に振り出す
9)重心が前に移動
 (以下、3)以下を左右交互に繰り返す)
こんな感じですかね。


片足に体重が完全に乗ってしまうと、もう片方の足は自由に動く。
次の一歩は振り出せるのだけども、片方の足に体重が乗り切った瞬間、その瞬間に別の方向へ身体全体を移動することは不可能になる。人の表現を借りれば、「身体にうねりが生ずる」だったり「居付き」というものに近いのだろうか。
小項目のテーマのように、動く→ブレーキ→動く→ブレーキ→動く→ブレーキ・・・といったことをものすごい短い時間の中で繰り返しているように思う。ブレーキというか、移動して崩れたバランスを立て直すために、動作を止めて姿勢を立て直している。だから動きに「詰まり」が出てくるし、私の動作はぎこちなく見えてしまう。
だからといって、そのブレーキを外すと転んでしまうような気がする。これは、自分のコントロールの範囲を超えて動作しているのか、それとも単にバランスが悪いだけなのか、そのあたりはまだ分かっていない。





■先々の先、先の先、後の先

合気道の考え方で、根本に近いもののように思った。

「後の先(ごのせん)」というのは、合気道の技をかけられるとよくわかる。自分は相手に向かって殴りかかってみたのに、その力を受け流すだけでなく、利用されてバランスを崩され、投げ飛ばされたり、関節技をかけられてしまったりする。この、相手の力を利用して相手を崩していくことを、「後の先」というのだと理解している。つまり、相手が技を繰り出した時に、それをかわしながら利用し、次の一手で有利となる一連の動作のことだ。

「先の先(せんのせん)」というのは、今度は、相手の力が出きっていないうちに、相手の動作を制御するもの。相手が短刀を振り上げた瞬間に、相手の腕を止めにいったり、喉元に手刀を突きつけたりといった動作を言う。気配や一瞬の小さな動作を察知して、技が出る前に止めてしまう、押さえてしまう。これは、目で見て動作を読むのではなく、身体感覚全体を敏感にして、視覚だけでなく手刀を合わせていることによって得られる皮膚感覚への情報で、相手の意図を読んでいくことも求められる。

「先々の先(せんせんのせん)」というのは、もっと面白い。例えば、隙を見せたら切りかかってくるだろう相手に対して、その戦意を削ぐように、お茶を出すとか、そういった行動全般を指す。相手の気配を察知する以前に、相手を「その気にさせない」というもの。合気道だけでなく、他の武道全般に通じることと思われるが、それぞれの動作や技というのは、自分と相手のいずれかもしくは両方が戦意をもって相手と対峙したときに、繰り出されるもので、いわば「戦闘モード」であるといえる。「先々の先」はその外側にあるもので、相手の戦意を削ぐ行動全てを指すと理解した。
この考え方の根底にあるのは、戦わなくて済むのであれば戦わない、というもの。「勝つ」ことではなく「負けない」「生き残る」ことを第一に考えるのであれば、自ずと「戦わない」という選択肢が最善の一手であるといえる。こうした考え方を反映した動作や行動を、常日頃のものに織り交ぜることも含んでいるように思う。


■一眼二足三胆四力(いちがんにそくさんたんしりき)

これはまだ、言葉とその簡単な意味を聞いたのみ。
まずは「眼」。これは、相手の目を見ることを含め、相手の全体像を見るというもの。そして、この中には「先の先」「後の先」をとるためのちょっとした動作を見極めることだけでなく、「先々の先」をとるための「その人」を見極めることを含んでいる。
次に「足」。合気道の技は、全て移動力を相手に「伝える」ことによって成立する。体幹の移動力によって、相手をコントロールしていく。つまり、上半身の動作だけでなく、下半身の移動力をいかに活用するのかということである。
関連して「胆」。腹式呼吸により、常に冷静でいることと共に、やはり体幹で力を出すために正しい姿勢を保つことも含んでいるのだろうか。
最後に技や移動をするための「力」である。