2007年9月14日金曜日

ジュディス・S・ベック著、伊藤絵美、他訳『認知療法実践ガイド・基礎から応用まで』星和書店、2004年。(5)

ジュディス・S・ベック著、伊藤絵美、他訳『認知療法実践ガイド・基礎から応用まで』星和書店、2004年。(5)82ページまで。


○前回セッションからの橋渡し
・どんなことを話し合ったのか、何が重要だったのか、学びは何だったのか
・クライアントが思い出せない場合は、治療者が介入することを含め「思い出せますか?」等の働きかけも有効
・忘れることが多いクライアントには、メモをとれるよう指導する

○アジェンダの設定
・話題を設定しながら、お互いが共有できるところに書き留めていく
・クライアントがセッションに慣れる、または意味を見出すなど能力が向上することによって、自分で話題を整理して、セッションを組み立てることができる(自己治療の第一歩)

○ホームワークの検討
・治療を意識づけるための宿題
・セッション毎「必ず」検討する。アジェンダや目標に沿ったホームワークは、それだけでもセッションのアジェンダになりうる。
・検討の際、認知モデルを強調し意識付けを強める

○アジェンダについて話し合う
-「自動思考」について
・自動思考が不安や悲しみなどの気分に影響を与えていることを、認知モデルを使いながら説明する
・自動思考は、クライアントの状況の把握や、認知に関する「発言」をそのままとりあげて把握する。(クライアントは、自分の発言を取り上げられることで、治療者が自分のことを理解していることや、自分の自動思考について具体的に理解できる)
・さらに、自動思考の正当性や偏りについて評価する。「その根拠となるのは何?」等の質問により、自動思考が客観的根拠に乏しいものであることに「気づかせる」。
・自動思考の「把握」-「評価」ができるようになるには「慣れ」が必要。ゆくゆくは自分で把握できるようになると「自己治療」が成立するようになる
・ホームワークを設定し、自動思考の「把握」と「処理」に慣れていくように促す