2007年7月29日日曜日

山田真哉『食い逃げされてもバイトは雇うな ――禁じられた数字(上)――』光文社、2007年。

内容は表題よりも面白い。表題は、考えたそのままが答えだった。

「数字」について、あたりまえのことに意味ある説明を加えて、その「使い方」を意識できるように書かれている。
・数字のルール(順序がある、単位で意味を固定、価値を表現できる、変化しない)
・技法(決め付け、常識破り、ざっくり)
で「なるほど」と思わせておいて、会計の基礎にシフトしていく。その橋渡しとしての表題クイズ。内容がうまくつながっていると思う。会計について「これだけは」という説明をシンプルに読ませる内容のため、すっきりと読めてしまう。

もちろん、会計の基礎知識が身についている人には「何を今更」という内容かもしれない。ただ、私のような素人にとっては「これくらい」がちょうどいい。そして、会計の説明ではなく、あくまで「数字の使い方の意識化」といったところに重きを置いてまとめられているため、日常生活や仕事の上でも役に立つ読み物のように思えた。