2008年11月16日日曜日

保田隆明『投資銀行青春白書』ダイヤモンド社、2006年。【Audio Book】

外資系投資銀行の業務を、新人社員の研修を兼ねた成長という視点で小説として描いたもの。
連日、ニュースや新聞をにぎわせている「投資」や「金融」。
そのしくみや、この小説でテーマになっているM&Aに関する、具体的な作業について、順を追ってわかりやすい説明を交えながら物語は進んでいく。
「投資銀行」なんて、普段縁がない故に、非常に新鮮だった。

企業が合併する、または事業を売却するというのは、どんな解釈ができるのか。
その手続きはどんなもので、どんな人たちがどのように関わっていくのか。
「事業の値段」はどのように決定されるのか。新聞を読んでいてもよくわからないこうした疑問について、小説ゆえのわかりやすさと、専門的になりすぎない概説がほどよく混ざり合って、面白い小説に仕上がっているといえる。