2008年9月21日日曜日

Iyokiyeha流グループワーク運営

学生時代から、グループワークを運営する機会には恵まれてきたIyokiyehaであるが、何となくやってきたことが、最近言語化できたので、現段階の到達点に錨を落としておく。

Iyokiyehaがグループの司会やファシリテーターをする際に、「一応」注意していることがある。
1.必要に応じ、役割を使い分ける(司会、FT、講師、オブザーバーなど)
2.落としどころは、あらかじめ準備するが、可変とする
3.グループのニーズによってテーマを微調整する
4.全員に「必ず」しゃべらせる
5.主役の有無はともかく、批判は基本的にしない
こんなところだろうか。
要するに、「全員参加」で「その場の雰囲気」を大切にしている。

1~3は、Iyokiyehaのリーダーとしての力量と、構成するメンバーの力量やモチベーション、ニーズにもよるところなので、まだ完全に説明できないが、以下4,5の「枠組み」に関することを記録する。

4.は、大学院時代に参加した研究会の席上で、当時のボスが30人程度の勉強会を切り盛りしていたときに「必ず全員に発言させる」ことにこだわっていたところから学んだものである。
妥当な理屈をつけてみるならば、まず発言を通して「場に参加している」意識を持ってもらうことができる。
ただの自己紹介ではなく、+αをつけてもらうのがコツだと思う。
基調講演やテーマがあるのならば、それに関して「今思っていること」や「感想」など、人から評価されにくいことを発言してもらうことをよくやってもらう。
後述するが、「人に批判されない」場において、自分の考えを話すことは、ことのほか参加意識に結び付くものだと思っているし、運営側からすれば、人の数だけの考えが場に出ている状態というのは、他の情報と結び付けたり、積極的に発言しない人に話題を振る格好の材料となる。

そして5.である。
Iyokiyehaは、個人的に「意見交換」の時間に一人ひとりの発言に対して検討するスタイルを好まない。
参加している全員が「今日は○○を学んだ!」と思ってもらえるような、考え方の「型」や意見を集約できる「論」や「実績」を提示し、目標となる「理想の形」を全員で追求する場とするスタイルを好む。

グループワークが継続し、そのグループに「何でも言い合える雰囲気」ができあがったり、ちょっとしたきっかけによって、グループダイナミクスが働いている場合は、時間を決め、個別検討のやり方を使うこともあるが、基本的には仕掛けない。
なぜか?
理由は3つある。
一つは、場が暖まる前と後とで、やりとりの量や質に差が出てくる。
「何となく不公平感」が出てしまうことが往々にして起こりうる。
グループ運営が上手い人だと、そうならないのですが、あまりそういう人に会ったことがないのは、Iyokiyehaの経験則である。
二つには、発言機会の多い人の意見が優先されてしまうこと。
こういう形式が得意な人、苦手な人がいる中で(Iyokiyehaは、割と得意だが)、苦手な人の意見や考えというものが、軽視されやすい形式になってしまう。
更に言えば、よく発言してくれる人の暴走を止めにくいのも、この形式の短所である。
三つには、意見交換が批評の場になりかねないこと。
一人の発言や成果物を基に、それぞれの意見を交換するスタイルとなると、意外と「○○はもっと■■にした方がいい」といった発言になりがちである。
これが意外と曲者で、発言する方に何の他意がなくても、発言の対象となった側は意外と「言われた感」が残る。
受け止め方が違うので、例えばIyokiyehaみたいな人間にはスリリングな方法であるが、多くの人は発言しにくい上に、何か評価されてしまった感のある形式となってしまう。

Iyokiyeha流は、このあたりに対応する形式になっている。
まず、全員に発言してもらい、参加意識を持ってもらう。
同時に、グループを構成するメンバーの意見とニーズを大雑把に掴む。
次に、テーマとなる軸や考え方を提示する。
「よりよい」ものを追求するための意見交換を行う。
この際、意見の分類は運営側による。
ここで重要なのは、特定の人による「たたき台」ではなく、グループのたたき台が提示され、それに対して全員が検討するという形を作ることである。
なぜなら、個人攻撃になってはいけないからだ。
そして、全員の外側にあるたたき台を通して、メンバー間の発言頻度を調節することができる。
こうしてできあがった、時間内での理想像と、各人のたたき台を比較し、各人の学びを確認する。

全員参加、全員が前向きに、自分の意見が尊重されるグループワークが、Iyokiyehaの理想です。
とりあえず、ここまで言語化してみました。
先日、所内でちょっとした研修をやる機会があったので、そのふりかえりです。
お世話になった方々および、資料が送付された方等中心に、参考まで。