2008年9月28日日曜日

茂木健一郎『脳を活かす仕事術 ――「わかる」を「できる」に変える――』PHP研究所、2008年。

気鋭の科学者による、よりよい仕事をするための意識の持ち方や具体的な行動について、脳のしくみを交えて説明する一冊。
前著『脳を活かす勉強法』の実践版のような位置づけだろうか。
脳のしくみが説明されているとはいえ、非常に平易な表現でまとめているからか、専門的な知識がなくても読み進めることができて面白い。
茂木氏の表現は、メディアへの露出が増えてから、よりわかりやすいものとなったように思う。
専門書ではなく、一般書だからかもしれないが。
あと、今回思ったのが、茂木氏は「脳科学」を超えたところで、枠にとらわれずに活躍する学者であるということ。

普段、自分でもあまり意識せずに「大切だ」と思っていることが随所に盛り込まれていた。
例えば、「感覚系と運動系のバランスをとり、入力・出力のサイクルを回す」とか、「スケジュール管理の方法と目的」「デブリーフィングによって整理する」など、私がIyokiyehaとしてこのブログを書き続けているのも、思ったことをメモしたり、考えたことの到達点を「とりあえず」出力するためである。
特に、身体を動かすことによって脳を働かせるという、本著を貫いている考え方については、これまで私も経験則のみでそう考えて意識的に取り組んできたことであるが、脳の働きとして説明されていたこともあり、自分の考えを確認するいい機会にもなった。
※本ブログ「身体」タグは、合気道のことばかり書いているが、身体機能をあえて文章で出力することによることの意味を探っている。

Iyokiyehaは、仕事においても、手書きでぐしゃぐしゃと考える癖がある。
他人から見たら、よくわからないことを図示するわけだが、この過程は私の脳をフル活用する上で、大切なことであることがわかったいい機会であった。
「手が教えてくれる」と言うと、皆ぽかんとしてしまうが、これは事実だと思う。


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