2022年9月24日土曜日

林誠『どんな部署でも必ず役立つ 公務員の読み書きそろばん』学陽書房、2020年。

 コロナ陽性(2022年8月:オミクロン株の時期)の症状が軽快し始めた時に、少し頭に負荷をかけようとして選んだ一冊。

 こんな本を書ける人が職場の先輩にいるという心強さと、基礎基本を今一度確認をと思って手に取る。私が中途採用者であることと、前職から今までも含め、どちらかというと「事務職らしくない」仕事ばかりやってきているので、勝手知ったるところでも、窓口や現場に立つことに何の不安もないのだけれども、いわゆる中堅事務職員に求められる技能(の一部)はすっぽ抜けている自覚があるので、こういう基礎基本は本当に心強い読み物だった。

 現代的なスキルとして、統計の読み方や、ファシリテーションに触れているなど、「このままでいい」と思えるようなことも、予算科目のざっくりした読み方(「報酬」か「報償費」かとか「工事請負費」と「修繕費」の違いとか)、何度聞いてもよくわかっていなかった地方交付税の算定式とか(「基準財政需要額」-「基準財政収入額」で求められる。後者はある程度積算可能だが、前者は国の裁量で係数が毎年変わるなど)地方自治体の全体を見通すための言葉が、平易にまとめられており、そんな意味でも心強い一冊。