2022年9月20日火曜日

湯本香樹実文、はたこうしろう絵『あなたがおとなになったとき』講談社、2019年。

 図書館シリーズ。

 私は、もう大人になった(なってしまった)わけだけれども、子どもの頃に見た空や街並みは大人になって見え方が変わるのだろうか。答え 変わるものと変わらないものがある、というごくごく当たり前の答えに帰結します。

 実家に帰ると、40年前に見た景色が見えることもある。ただ、やっぱり変わっているものがほとんどです。人間関係はどうだろう?もともと私は、実家に帰ったからと連絡をとって会う人はそれほど多くない。とはいえ、学生時代からの付き合いの人と会うと、一気に20~30年くらいタイムスリップするような錯覚を覚えることがある。それほど不思議でもきれいなものではないけれど、それでも人の記憶は時間を超えて、記憶を今と結びつけることを軽々と、そして意図せずにやってのける。

 「大人になって、この空を一緒にみるのは誰なのだろう」とこの絵本は語りかける、過去が自然と思い出される、そんな絵本でした。