2022年9月6日火曜日

喜多川泰『君と会えたから…』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2006年。

 以前Audiobookで聴いていて、素敵な物語だと思っていたのだけれども、先日本屋でばったりと出会うことができ、衝動買いしてしまった。『手紙屋』シリーズにも通底するところがある。要は、自分の可能性を小さく固めてしまうな、ということ。

 病に冒されたある女の子とのやりとりで物語は進んでいく。生まれてまもなく亡くなってしまった父親が残した「生き方メモ」のようなノートを、まるで生きている父親からの教えであるかのように学び、それを伝えられる主人公。半信半疑が別れという出来事を通じて確信に変わる、とまぁよくある現代小説ではあるのだれども、それでも読ませるのは喜多川マジックなのだろう。

 大変読みやすく、全体を通して明るい雰囲気の中で語られる内容は、万人に通じる人生訓とも言うべきものばかり。とはいえ、なかなか一歩踏み出せないのが人間なのかもしれないけれども。

 「成功」と「幸せ」を自分なりに再定義する、ハルカの講義は以下の構成(引用)

1 自分の欲しいものを知る

2 夢を実現させる方法を知る

3 経済的成功の真実を知る

4 魅力溢れる人になる

5 手段を目的にするな

6 できないという先入観を捨てる