2019年1月12日土曜日

畑村洋太郎『失敗学のすすめ』講談社、2005年。

・失敗の定義(25ページより)人間が関わって行うひとつの行為が、はじめに定めた目的を達成できないこと。
・失敗学の趣旨(28ページより)失敗の特性を理解し、不必要な失敗を繰り返さないとともに、失敗からその人を成長させる新たな知識を学ぼうという。
・290ページ:私は失敗のマイナス面のみに目を向け、プラス面を見ないのはおかしい、マイナス面のみの見方こそが失敗を繰り返させ、また失敗を増長させて大事故を起こすのだ、と主張してきた。人の営みを冷たく見る見方からは何も生まれず、暖かく見る見方だけが新しいものを生み、人間の変化を豊かにする。失敗は起こるものと考え、失敗に正しく向き合って次に生かすことを重要で、同じ失敗を繰り返さないためには、失敗した当人に優しく接して勇気付けたい、翻って、失敗を無視し、隠し、責任回避するような風土を少しでも改めたい、と考えて本書をまとめた。