2008年1月7日月曜日

NHK プロフェッショナル仕事の流儀 イチロースペシャル(2008年1月2日放送)

メジャーリーガー・イチローが「プロフェッショナル」に登場するということを番組の予告で知った時に、思わず興奮して、嫁に呆れられたのが昨年末。
今年の正月は、台湾で迎える機会に恵まれたことにより、ビデオに録画して帰国後に観る。

いやぁ、面白かった。
そして、かっこいい~

この番組、いつも面白く見ていて、主題歌は私の出勤前のテーマ曲をもう1年半くらい務めているくらい、狂ったように好きな番組なのだが、今回はまた格別。
普段は、「名前も聞いたことがない、でもすごい人」に感動するのだけども、イチローに関しては「『よくわからないけどすごい』ということを知っている人」を扱うということが、いつもと違う感覚を私に与えているのだと思う。

結論は「この人も『変な人』」。
 注:Iyokiyehaによる、括弧付き「変な人」は、雲の上の存在のような感覚のある人
そして、今まで持っていたイチロー像が、いい意味で崩れていった。
まず、気さくである。
そして、これまでプレッシャーから逃げてきたと自覚している。
更に、「挑戦する内容」を変えることによる技術の向上が視野にある。
本当にすごい人だと思う。

ニュースに時々出てくるイチローは、ツンツンしていて、「オレに構うな!」とでも言わんばかりのオーラを持った人のように見ていた。
WBCの時に、饒舌なイチローを観たときには、ちょっとびっくりしたものだが、その時は興奮していただけかと思っていた。
いやいや、今回の番組を通して、気さくなイチローは特別なイチローではなく、イチロー本人に存在しているものだったように思う。
犬(一弓)と遊ぶイチローのやんちゃな様子は、おそらく公にはあまり見せないイチローの素顔のようにも思えた。

このことも関連しているのかと思うが、素を見せないイチローが、実はプレッシャーにこれまで背を向けてきたことを自覚しているのには驚いた。
そして、プレッシャーに対して、身体症状が出るという繊細さを持ち合わせていることにも驚いた。
メジャーリーガーともなれば、世界中から注目されるわけで、そのプレッシャーといったら私の想像を絶するものに違いない。
そして、その中で結果を出し続けているイチローは、きっとプレッシャーをはねのけているか、またはそんなものを気にせず楽しんでいる人か、どちらかと思っていたが、試合中にも気分が悪くなり、脈拍が速くなるなどの症状があるのは意外だった。

そして、既に圧倒的な技術によって、「難しい玉をヒットにする」ことをやっているイチローが、まさに今、その発想を代えることによって、さらなる高みに上ろうとしていることが、また驚きである。
ボール玉にもスイングを合わせてヒットにする様子は、何度もテレビで見ている。
素人のIyokiyehaが見てもそれはすごい技術だとわかる。
これだけの技術があれば、プレッシャーも技術で超えられると思うわけだが、イチローは違った。
そして、「悪玉には手を出さない」ことにより、圧倒的な結果へ導こうという発想が生まれる。
これまで、スイングを変えてきたことも併せて、全て「古い自分を捨てる」ことにより、全く新しい境地に立っているのであり、拠り所となる技術(例えばスイングだけ)を磨くだけではない成長の哲学が、ここにあるように思えた。

こんな技術を支えるための、「いつもと同じ事を正確にこなす」「身体に委ねる」「意識なく(無意識に)集中する」ことによって、いわば「自分の身体を確かめることができる」技術もまた、イチローの技術を支えている、地味ながら大切な習慣であると感じた。

それこそ、「圧倒的な」内容だったため、なかなか消化できないというのが正直なところであるが、自分にも活かせる考え方や技術はあるように感じる。
今日の書き込みを起点に、除々に消化しようと思う。