2008年1月27日日曜日

茂木健一郎『脳を活かす勉強法 ――奇跡の「強化学習」――』PHP研究所、2007年。

「学習すること以上の喜びはない」

見事な内容だと思った。
苦しい状況を突き抜けることの「喜び」を得ることの快感により、学習のモチベーションが向上する。
自発的な行動による成功体験が、脳を鍛える。
ちょっとしたきっかけにより、学習する喜びの回路が暴走し、他人からプロフェッショナルと呼ばれるような存在へと成長していく。
そんな、学びのしくみを、茂木氏の専門「脳科学」だけでなく、それを応用した「NHK プロフェッショナル仕事の流儀」で出会った人たちの人生から、説明する。
キーとなるのは、「安全基地=セキュアベース」の存在と、環境・場所を問わず学び続けるミラーニューロンの存在といえる。

いざという時に、戻ることのできる場所。
それは、物理的なものもあるが、学習において言えば、むしろ人との関係性や精神的な拠り所であるといえる。
安心できる「場所」を持ち、その上で新しいものと出会っていく。
その過程で、自らを基準とした「喜び」が発生し、人生を豊かにしていくといえる。
自分にとって尊敬できる人や、自分に刺激を与えてくれる人の存在が、自らの学習には欠かせないといえる。

具体的な行動としては、
・瞬間的に集中し、没頭する
・やろうと思ったときに、やり始める
・自らに時間制限をかける
・とにかく量をこなす
こうした学習法によって得られた「知」をもとに、新しい出会いを求めていくことが、私の人生を豊かにすることなのではないかと思えるようになった。

今までは「好きなことは勉強です」などということが、高尚な自分をアピールしているかのように思えて控えてきたのだけれども、これからは、そういうことも言っていいのかなという気がしてきた。

おすすめ度:★★★★★