2008年1月20日日曜日

弘兼憲史『加治隆介の議』講談社漫画文庫、2000年(1~10巻)。

『島耕作』、『黄昏流星群』などの漫画でおなじみの弘兼氏による議員漫画。
この人の漫画は、おそらく丁寧な取材の上に、弘兼氏の主張が乗せられ、充実した内容に仕上がっているため、非常に読み応えがある。

国会議員を父親にもつ隆介が、ふとしたことから国会議員に立候補、そして議員として精力的に活動する姿を描く。
登場人物の、「○○についてブリーフィングしておこう」とか「△△について、よく知らないから教えて」などの、やや不自然な発言から説明される、国際情勢についての基礎知識が、漫画ならではの手法で非常にわかりやすく、連載から10年ほど経った今でも、決して色あせていない。

意外としらない、国会議員の仕事。
そして、我々には得ることのできない情報から、実際の日本の社会情勢を説明しながら、隆介の活躍を描く物語は、一気に読ませる面白さがある。

漫画で国会を勉強するのは、ちょっと情けないイメージもあるかもしれないが、活字でわかりにくいところまで一気にイメージがつかめるのは、漫画ならではだろう。
下手な説明本よりはるかにわかりやすい。

おすすめ度:★★★★★