2011年5月5日木曜日

山田真哉『世界一やさしい会計の本です<女子大生会計士の事件簿>』日本実業出版社、2004年。

『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』(光文社新書)で知られる山田氏による会計の入門書。
「会計的センスを身に付ける」ことに特化してまとめられており、
(1)「割り算」を使う
(2)「大きな数字」に着目する
(3)「お金の回転」をイメージする
ことを、「4つの箱」をキーワードに会計の基礎を説明しており、その内容の合間にトピックに関連する短編小説を挿入しまとめている。

財務諸表を見る機会はあるものの、どこをどう見たらいいのか、あるいは似たような言葉の意味がわからずに、結局全体像がつかめないのがこれまでの自分の状況だった。
大学院生からNPOスタッフ、独法職員と歩んできた自分にとって、組織のお金の動きを学ぶ機会がなかった(学ぼうとしてこなかった)ため、結局どんな数字を見ても理解できず、ピンとこなかった。
組織のお金を「資金源」「資産、財産」「費用、出費」「収益、売り上げ」の4つに分類して「利益」を付け加えることによって、財務諸表の内容(項目)と根本的なお金の流れというものが少しイメージできるようになり、今後、お金のことを考えるきっかけができたように思う。

とにかく書き口が柔らかく、わかりやすい表現と事例でまとめられているため、私でも最後まで読みきることができた。
会計の基礎知識のある人には必要ないけれども、まず一歩、と考えている方には有益な書籍だと思う。


おすすめ度:★★★★☆(組織のお金の動きについて知りたい人におすすめ)