2011年5月15日日曜日

110512心のケア・PTSDフォーラム2

@日本財団

4.PTSDサバイバーから支援へ(百世氏)
・PTSDの実際
・よく聞くけど、よく知られていない
・自身の経験(詳細は資料)
・自分のPTSDと娘のPTSDのケアをしなければならない経験
・経験を伝えることで、震災支援をする
・PTSDの3大徴候
・(1)フラッシュバック:思い出したくないのに、心に張り付いてしまい、嫌でも思い出す。思い出すきっかけ・モノを「トリガー」という
・(2)過覚醒:非常ベルが鳴り続けているような状態。常に防御・臨戦モード
・(3)回避・麻痺:脳が自分を守るために、記憶を閉じこめてしまったり、感覚を閉じこめてしまう。感覚が鈍くなる。自分を守ることに、エネルギーを使ってしまうため、感覚を動かすことに回らなくなる
・上記は自分を守る「本能的な反応」
・詳しくは「パパスイッチ」へ
・症状は資料へ
・近年の研究では、PTSD患者の脳に傷や穴があく事例が報告されている
・原因を取り除くことが大切
・欠損が生じても、運動や栄養管理で回復する報告もある
・外部からの大きな力によって引き起こされる
・(その人にとって)大きな被害体験「無力感」「喪失感」「孤独感」
・表面上は明るく見えていても、根底には上記感情が渦巻いている
・「心の変化」が起こる
・怒りは恐怖のフタがとれてから
・危機状態では、自分の身を守ることにエネルギーが費やされる
・時差がある(数ヶ月単位でも)
・6ヶ月くらい後になって怒りが現れることもある
・「怒り」といっても、何だかわからない感情
・細胞が怒っている感じ
・怒ったり、泣いたりすることができないためにため込んでしまったもの
・単純性、複雑性の2つのPTSD
・二次被害への対応。ひどい目にあったのに、更に責められてしまう
・PTSDは本人も何がなんだかわからない状態、身体症状
・本人も周囲も何が起こっているかわからない
・快復へのステップ:安全な場所の確保とトリガーへの配慮が重要
(周囲の人の配慮)
・怖がっていいんですよ、という受け止め方。子どもには「いいよ」という許可
・吐き出し。一般的な大人には「話を聞く」こと
・子どもの津波ごっこは、自分に起こったことを確認していることも
・明日を感じられることが大切
・身体と心は結びついている。梅干しはすっぱい
・記憶を消すのではなく、塗り替えていくワークショップ
・視野狭窄の状態から、前向きに

5.体験談(西村氏)
・音楽活動
・人の期待に生きていた
・自分らしく生きていないというストレスからうつになった
・大好きだったアースウィンド。腰を振って踊っていたが、うつの時には感動しなかった
・屍のような状態に
・何かで埋めないともたない
・上記はふりかえってみて気づいたこと
・土日には、子どもに対して歌う活動をしていた
・宮地氏の治療で快復へ
・患者さんが「自分で治すんです」自分で治せる力があるんです
・病院へ行くと、マッサージしてくれる
・入浴指導
・枕の指導
・心の問題を、身体をほぐすことで治していく
・身体がよくなってくると、「導き」があった
・選択肢を広げる相談
・「今週どんないいことがありますか」
・いろんなことを、いい方向に向けていくような取り組み
・「仕事を辞めたいけど、妻にどう言ったらいいかわからない」に対して「奥さんに言う必要あるんですか?」と軽く
・翌週「先生、辞めてきました」「奥さんは知ってるんですか?」(驚)
・あなたの人生、を強調してくれた
・「バラの花が咲いたよ」
・自分のミッションに生きることが、うつの快復になる
・自己肯定感が、快復につながっていく

6.QA
Q1静岡の方。子どもをなくすこと=母親のつらいこと。子どもをなくした母親に対してできることは?
A1−1(百世)グリーフケアの範疇。傷つける、避けた方がいい言葉「もうかえってこない」「しっかりしなきゃ」「忘れて」は言わない方がいい。「やるべきことはやっている」認めることや、「あなたのせいではない」自責感情を取り除いていく、「その方はあなたの中に生きていますよ」
A1−2(宮地)死生観の話(講演の中)と関連する。何かをしてあげようとすると、その人のペースでなくなってしまう。いいか悪いかではなく、自分が・その人が笑顔になる関わり方を考える。まずは自分の笑顔から。

Q2歯科技工士。被災地で入れ歯の洗浄をしてきた。3日間で70人くらい。方言がキツく、作業しながらだと聞き取れず、わからないという感情が伝わってしまい、話をやめてしまう。感情が高ぶって泣いたりふるえたりした方に対して。興味のある人が遠巻きに見ているが、声をかけると「大丈夫だから、きれいだから」といわれてしまう。
A2-11点目のみ。現地コーディネーターに来てもらって通訳してもらった(わからないから)。
「所詮・・・」と思わせてしまった。
避難所の方にフィードバックしていく。
A2-2泣くことはいいこと。泣く手伝いができたと思う。「大変でしたね」といった声かけ。
A2-3言葉のコミュニケーションについては、自分の笑顔が大事。
泣いたり、怒ったりは、その手伝いができたということ。感情を決めるのは相手。怒らせてしまったら、自分を責めずにごめんなさい。
自分の得意技をプレゼントする。そこで満たされていく。それ以外のところは無理せず。
Q3接骨院をしている。整体でボランティアを考えている。フォーラム内で自分の気持ちが高ぶってしまっている。自分の感情がコントロールできるのか心配。
A3-1一緒に泣くのもいいんじゃないか。外部の人が来て泣くことで、泣くきっかけになるかもしれない。
A3-2行くまでに、自分の傷を埋めておく。
A3-3案外普通だったりもする。悲惨な場所に行く、と構えない方がいいかもしれない。
東北の子はのびやか。毎日が夏休みみたいな感じで、群れ遊びをしている。
ミッションが終わったら、仲間と盛り上がりながら、楽しくできるしかけがあった方がいい。

Q4現地が割とさばさばしているとの話を聞いた。ニュースを見て・聞いて泣いてしまう自分がいる。感情をどう処理したらいいのか?
A4-1泣いていいんじゃないですか?共感能力のある人が泣ける。
A4-2情報が足りないからそうなるのかもしれない。行くと中和されるかもしれない。ミッションに生きることで快復する。

Q5Webで支援しているが、 現場で現状をWebにあげられるのか。Tweeterは使えるのか。
A5-1避難所にインターネット無料コーナーがある。重要な情報は発信した方がいい。#PTSD_jp

Q6ボランティアのフォローでボランティアに行く。初めてのボランティアで、初めての人と接する活動になる。衝撃もあるだろうが、笑顔で活動するための支援策はあるか?
A6-1顔見知りでない人がチームを組む時に重要なのは、ミッションステートメント。安藤氏がやったことは、Tシャツづくり(キャラバン隊)。チームとしての一体感を保つ上で有効だったように思う。船頭がどう旗を振るか、いかに無理をさせないようにするか。現場に行くと「やりたがる」が抑えること(マネジメント)も必要。
A6-2アンカーとしてもTシャツは有効だった。