2010年9月14日火曜日

堀江貴文『拝金』iPhoneアプリ版(徳間書店)2010年。

株式会社ライブドア元社長堀江氏による、初の小説。
時代の寵児として祭り上げられ、失脚(?)を余儀なくされた堀江氏の自らの経験も踏まえたと思われる読み物。

あるフリーターが、起業をきっかけにセレブへの道を駆けあがっていく様子が、実際の手法を紹介しつつ、読み物になっている。
読み物としての「読ませ方」「疾走感」が感じられる作品で、読んでいて非常に心地いい。
6~7年前に、各マスコミが一斉に堀江氏を取り上げ、その言説を巧みに切り出し、マスコミ上で「堀江像」を作り上げていったことと、堀江氏が自身の著書で紹介していた持論に差が生じていた様子と、小説の中で主人公が置かれた状況とが、ノンフィクションとフィクションを行き来しつつ進んでいく小説のようにも思えた。

Iyokiyehaは個人的に堀江氏のファンだということもあり、非常におもしろく読ませてもらいました。
マスコミが作り出す虚像というものを強く意識させられる小説であるとともに、多彩な才能を縦横無尽に発揮している堀江氏の一つの試みとしても、また先が楽しみな作品でした。
最近読んでいる文学作品とは全く違う雰囲気だけれども、現代の雰囲気を感じさせられる読み物です。


おすすめ度:★★★★☆(堀江氏に少しでも興味がある人にはおすすめ)