2010年9月11日土曜日

芥川龍之介『羅生門』青空文庫・朗読少女(iPhoneアプリ)原作は1915年。

芥川龍之介の名作。
学生の頃から、名前は知っていたけれども、読んでみる(朗読を聴いてみる)のは今回が初めてでした。
下人と老婆との短いやりとりの中で、下人に芽生えた「行動」。
人間の業とでも言うのでしょうか。
人間の本性の一部分を、短い言葉で見事に切り取っている作品です。

オーディオブックを利用するようになって、書籍を耳で楽しむことには慣れてきたが、小説はというと、まだそれほどこなしているわけではありません。
こういう短編がいいですね。
解説など読んでいないので、解釈など一般的な読み方があるのかもしれないけれども、人間の本性を、それほど難しくない言葉で、それも短い表現の中に表していく手法は、芥川小説の特徴なのかとも思ったりして。
本書は、「利己心」というか、自らのためなら他人を犠牲にすることを厭わない気持ちと行動の芽生えを表しているように思えました。