2009年2月16日月曜日

精神障害が有する易疲労性:PSW実習1日目

障害者職業カウンセラーとしての眼鏡を外すことを意識すると、今までにない視界が開けてくる。

今日の疑問は、「物言わない人を、どう評価するか」と「易疲労性は、何によってもたらされるか」ということ。

日常の職業相談・職業評価場面では、一時間座って話が出来ない人に対して「耐性なし」の評価を下すことがほとんどである。
つまり、「一般就労のためには、体力面でまだまだ課題がありますよ」ということだ。

PSW講座の実習場所が地域活動支援センターということもあり、プログラム中に中座するメンバーや、机に突っ伏してしまうメンバーが複数人いる。
ここでは、それが珍しくない。
普段の「常識」では考えられないが、そんなことにとらわれていては、本質を見逃してしまう。
質問しても思い通りの返答がなく、会話がちぐはぐになっていく人、反応にムラがある人、反応そのものがない人、寝たり起きたりとにかく落ち着かない人・・・
いろんな人がいて、それぞれに生活をしているわけだが、その一挙一動をどのようにとらえていけばいいのか。
それが、PSWとしてのアセスメントの入り口なのかもしれないと思った。

関連もするが、精神障害を持つ人の「易疲労性」は一体何によってもたらされているのかということが気になる。
実際に「疲れている(疲れを感じさせる体内反応が起こっている)」のか、それとも服薬等の影響により、眠気などの「疲れを想起させる身体反応が起こっている」のか、それとも、そもそも精神障害の身体反応なのか。
うまく言葉で説明できていないのだが、私が何を気にしているのかというと、職業評価にも通ずる「耐性」を評価し、耐性向上のための取組みを計画する際、易疲労のしくみがわかっていないと、結構とんちんかんなことをやってしまうのではないかということである。
環境から受ける刺激に対する耐性というだけであれば、環境負荷を段階的に引き上げ、その段階ごとに適応していくことによって、耐性は向上する。
しかし、易疲労性による疲れが、服薬による脳内反応が擬似的に身体反応を引き起こしているのであれば、障害を持たない人の疲れとはそのしくみが異なり、前述した計画では耐性向上にならないのではないかというものである。
職業リハビリテーション計画を立てる際、単純な例をあげれば、知的障害を持つ方の耐性向上の計画と、精神障害による易疲労性を持つ方の耐性向上の計画というのは異なるのではないかという仮説である。

前者は実習中に生PSWから教えてもらうことで、後者もそれに関する文献を探ることで解決可能だと思われるが、もし、コメントでさらりと解決してくださる方がおられれば、是非コメントしていただけたらと思います。