2009年2月17日火曜日

バルタザール・グラシアン著、齋藤慎子訳『賢人の知恵』ディズカヴァー・トゥエンティワン、2006年。

「正しく生きるな、賢く生きよ。」(帯より)
400年経った今も、世界中で翻訳され、多くの人に愛読されているらしい。
「冷静な視点で現実を見つめ、思慮と分別と洞察力をもって柔軟に物事に向き合うこと」を主張したとされる。

最近、朝起きて音読する本。
2編ずつ読むくらいが、朝の目覚めの助けになる。
正直なだけでなく、「よりよく生きるため」の知恵が詰まっている。

「正直者は騙される」と言われるが、本質はそこにはないように感じる。
この本からヒントを得たことでもあるのだが、騙されるのは正直者ではなく、無知な者である。
正直であることを盾に、努力しない。
いい人であろうと必死になり、物事の本質を見ようとしない。
誰にも嫌われたくないがために、自らの立場を明確にしない。
いずれも、騙される要素たっぷりである。

Iyokiyehaも例外でなく、回遊魚のように何かと必死にやっていないと、コロコロと楽な方へと流れていってしまいそうな気がするので、半ばやけくそになって、いろんなことに取り組む。
それがいいかどうかは別として、少なくとも「やらないよりはマシ」な状態に身を置きたい。
「毒」までいかないが、すごく人間味のある処世術について、平易な言葉で核心をついた書き方をしている。

生き方の参考にしたい本である。