2008年10月25日土曜日

竹内一正『スティーブ・ジョブズ 神の交渉力 ――この「やり口」には逆らえない!』経済界、2008年。(リュウ・ブックスアステ新書)【FeBe Audio Book】

FeBeでAudio Bookを購入した。

「交渉力」と題名がついていたので、ビジネスの交渉におけるノウハウ本みたいなものかと思っていたが、全く違うものだった。
スティーブ・ジョブズという天才が、ビジネスの世界でどう生きているのか、ターニングポイントとされる場面で、何をしてきたのかということについて、マッキントッシュの販売開始から、現在に至るまでを網羅して紹介している。

結論。
ジョブズは、職業人として最も幸せということに限りなく近い生き方をしている。

ジョブズの考え方は、一社会人として参考にしたいところもある。
でも、この人のやり方は真似できないし、する気もない。
ただ、何も考えずに「組織の意志で生かされる人間」にはなりたくないと再認識した。
読み物として、面白い。
それにしても、交渉相手を怒鳴りつけたり、契約を破棄したり、人情のかけらもないなどといった、派手なエピソードを聞いていると、天才性と子ども性といったようなものは、本当に紙一重のところなのかと思ってしまう。
重要なのは、小手先の方法ではなく、揺ぎない信念を持つことと、自分が本当にやりたいこと=最後に残ったものを受け止める力であるように思う。
そして、それを伝えるべき相手に、わかるように伝えることだ。

彼の交渉術は、文字として聞くと「人としてどうか?」と思わされることもあるが、不必要な不安や心配に踊らされることなく、自らの意志をストレートに伝え、自らの本音に正直に、素直になってなされているという点で、学ぶ点があった。


おすすめ度:★★★★☆